この城には、各個人の個室はあるぐらいに広い。そんな広い城の中で、本日俺は、ナズナちゃんの部屋に誘われた。
「それじゃ、もう新学期という事で、景気づけに乾杯!!」
その言葉と共にナズナちゃんはその手に持った缶ビールを片手に、大声で笑う。
「乾杯も何もナズナちゃんは学校に通っていないでしょ」
そんなナズナちゃんに呆れながら、俺は持って来たコーラを片手に飲みながら答える。
「もぅ、渡君はそういう事ばっかり言ってぇ」
そう、酔っていないはずなのに、絡んでくるナズナちゃん。
この部屋は他の住人とは違い、2人用の布団、ソファ、ゲーム機のあるテレビが置いてある以外は特に何も見当たらない殺風景な部屋。
だからこそなのか、目の前にいるナズナちゃんがよく目立つ。
そんな事を考えていると、俺の視線に気付いたのか、ナズナちゃんはニヤリと笑い……
「ん? どうしたんだ?」
まるで何かを期待しているかのような目つき。だけどそれが何を意味しているか分からない。
そして、そんな風に考え込んでいると、ナズナちゃんはふと、思いついように、手を叩く。
「体育祭と言えばさ」
「なんだ?」
「やっぱり目立つのか、汗が」
「なぜ、汗」
「それは勿論、体操服だよ。透けブラとか期待していいんだよな!」
そう言って鼻息荒く迫ってくるナズナちゃん。しかし俺は至極冷静に返す。
「いや、いきなり、何を言っているんだよ」
「体育祭と言えば、汗によって、浮いてしまうおっぱいとか、体操服越しに見えるお腹とか……そういうハプニングが起こるイベントだろう? まあ、それならそれでいいんだけどさ。でも、もしそれが無かったらどうしようかなって思ってね。例えば、透けない素材の服を着たり、下にTシャツを着ていたり、あるいは……着ていないとか!?」
何気に凄いことを口走っている気がするが、とりあえず無視することにした。
「あぁ、なんだよぉ、構ってくれないのかよー」
そう言いながら俺の腕にしがみついてくる。
そして上目遣いでこちらを見つめてくるのだ。
だが。
「そういうエロ話は、兵藤としたらどうなんだ?」
「にわか程度のエロ知識を持つ奴があたしに敵うとでも」
そう、なぜか男前な口調で言ってくる。
「にわかって」
「ドレスブレイクやら、全裸にしか興味のない薄いエロはあたしは興奮しない。どうせならばギリギリのラインで攻めて欲しいもんだね」
なんというか、こういう関係の話をすると、面倒だな。
「ちなみにお前さんはどんな感じが好みなんだい? ほれほれ言ってみろよ~」
そんなことを言われても困るのだが。
さて、適当に言った方が良いだろう。
俺はゆっくりと息を吸い込み、吐き出すように言った。
「──ケツとタッパのでかい女」
「それはあたしに喧嘩を売っているのか」
ナズナちゃんはグラスに入ったワインを飲み干してそう言った。
ナズナの部屋で二人きりで飲むようになってから一時間くらい経った頃だった。
「喧嘩を売るつもりはないんだけど……」
俺は再びコーラを飲んでから答える。
「ならどういう意味なんだ?」
「そのままの意味だよ。体育祭の話をしたら怒られたんだ」
「そりゃそうだろ。普通に考えてお前みたいな変態野郎と一緒にいたらこっちまで変に見られるじゃねぇか!」
「そこまで言う!?」
俺は思わず声を上げてしまった。
「仕方ない、こうなったら」
そう言っていると、ナズナちゃんは何か取り出した。
どこに電話する気だ?
そう考えていると。
「ほれ」
「何をって!」
その瞬間、携帯から光が俺に襲い掛かる。
「っ!」
同時に、俺は本能的に察してしまった。
「くくっ、これで渡はY談しか話せなくなってぜぇ」
こいつ、さっき、Y談おじさんに賭けたな。
「ほらほらぁ、渡の本音、聞きたいねぇ」
お酒を飲むなり酔っぱらい始めたナズナは、いつもよりもさらに饒舌になっていた……
そんな彼女は突然俺の隣に座ってきては肩に頭をこてんとのせるとそう言ってきたんだ。
それにしてもナズナさんの絡み具合はやばい。
「……かっ」
「か」
「かみっ!」
その瞬間、俺はそのまま、影の中にあるザンバットソードを取りだし、その持ち手に思いっきり頭を叩き、気絶させる。
「そこまでやるかぁ」
そう、最後にナズナちゃんの言葉を聞きながら、俺の意識は無くした。
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう