深夜、悪魔にとって、活動するのは珍しくないその時間帯。
アーシアは、困惑している。
「まぁまぁ、お嬢ちゃんも、一杯どうよぉ」
「はっはぁ」
その日は、他の仲間と一緒にはいない1人の所にて、ビールを飲んで酔っ払っているナズナに絡まれていた。
普段、交流もあまりしていない人物という事で、アーシアは困惑するが、そんな彼女を余所に、ナズナはビールを勧めてくる。
そして、それを断れないのが、アーシアだった。
元々の性格もあり、また酒を勧められた以上は断る事も出来ない。
なので、仕方なく勧められるがままに飲む事にした。
(うぅ……苦くて変な味です)
一口飲んだ瞬間、何とも言えない味が広がる。
しかし、ここで拒否する事も出来ず、彼女はそのまま飲み続けようとした。
「まぁ、酒って、未成年が飲んだら、普通に犯罪だけどね」
「えぇ?!」
しかし、ナズナはさらっとそう言った言葉を聞いて、思わず驚く。
だが、その表情を見て、すぐにナズナは笑みを浮かべた。
「でもさー、こういう時って、ノリとか空気で『いいじゃん!』みたいな感じになるよね」
「そ、そうなんですか?」
「うん、だから、お姉さんと大人の階段登ろうじゃないか!アーちゃん!」
ナズナはそんな事を言ってアーシアの腕を掴んだ。
その時だった。
「そこまでしたまえ、吸血鬼」
そう、アーシアに絡んでいるナズナを止める謎の優男がいた。
「誰?」
「ディオドラ・アスタロト、そこのアーシアと共にいずれ歩む男さ」
「えっ、付き合っているの?」
そう、ナズナはアーシアに尋ねる。
だが、アーシアはすぐに首を横に振る。
「だってさ、アーちゃん。君も素直じゃないねぇ……まあ、そういうところもまた可愛いんだけどね。でも、こんな美人なお姉さんを放っておくなんて罪だよ?アーちゃん」
「あの、ごめんなさい」
「いいんだよ、謝らなくても。悪いと思っているならこれから埋め合わせしてくれればいいんだから」
「いえ、本当に困っていて……」
アーシアは泣きそうな顔で言う。
「そう言わないでくれ、僕は」
「仕方ない、やるか」
その言葉と共にナズナは携帯を取り出した。
「何をするつもりだい?」
「いや、なに、ストーカー退治」
「何を言って「アウト!セーフ!」へっ?」
「よよいのよい!!」
そう、ディオドラが首を傾げている間に、彼にジャンケンを挑む相手が1人。
その名は。
「あなたは、吸血鬼野球拳大好き!」
「えっ、なに、その名前!?」
アーシアの言葉に、ディオドラは思わず叫んでしまった。
「おいおい、こんなイケメンがこんな子にストーカーなんて、許せないねぇ、とりあえず、野球拳で勝負だ!」
「貴様っ、何を言っている!こんなの」
「あっついでに、野球拳辞退したら、そのまま全裸になるからね」
「ぎゃあぁぁぁ!!?」
そうしている間にも、ディオドラは全裸となった。
「くそっ、こんな所で、負けて「あら、本当に良い男ねぇ」へっ?」
そんなディオドラの背後には、一つの影があった。
体からハート型の唇をした口が3本突き出ている、珍妙な姿の存在がいた。
「なっなんだ、貴様は」
「吸血鬼熱烈キッスだよ、そのイケメン、持ち帰って良いよぉ」
「なっなんだ、貴様っ離せっ離せえぇぇえ!?」
そう、言っている間にも、ディオドラの叫びを余所に熱烈キッスのキスの嵐に飲まれてしまった。
「あっ、あの、ディオドラさんは大丈夫ですか」
「大丈夫大丈夫、基本は問題ないから、サンキュー!」
「おうよ、なに、ストーカーするゲスを退治するんだったら、何時でも駆けつけるぜ」
そのまま、吸血鬼野球拳大好きが去って行く。
そして、十分後、気絶しているディオドラの前でナズナは腕を組む。
「という事で、この街で、アーちゃんにストーキングしようとしたら、この街の吸血鬼がお前を襲うから、覚悟しておけよ」
「ひっひいいいぃぃ!!」
そのまま、ディオドラは、すぐに逃げ去っていった。
「だっ大丈夫でしょうか」
「なぁに、問題ないよ、ありがとうな、熱烈キッ」
そう目を向けると、そこにいたのは吸血鬼熱烈キッスだった。
だが、なぜか下半身は蛇になっており、身体からあらゆる箇所から唇が出ていた。
「我が名は吸血鬼無限熱烈キッス!
気分がぁぁぁ「アウトぉ!」ぎゃふんっ」
何やら、変化していた熱烈キッスをナズナは無理矢理気絶させた。
「なっ何が起きたんでしょう」
「さぁ、とりあえず、アザゼルの所に行って、解剖させようか」
「えっ、そんなっ駄目ですよ!」
「大丈夫大丈夫、こいつフライにしても、生きていたから」
「そういう問題じゃ」
困惑するアーシアを余所に、ナズナはそのままアザゼルに連絡した。
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう