「身の程と言われても、初対面のお嬢さんに何を言われてもっと」
そうナズナが呟く前に、その女性は真っ直ぐと飛び、ナズナに向かって踵落としを喰らわせる。
一瞬、驚きを隠せないナズナだったが、瞬時に腕を交差させ、受け止めると同時に、身体を捻らせて、その女性を飛ばす。
吹き飛ばされた女性は、空中で体制を整えながら、地面に辿り着く。
だが、そんな女性に対して、ナズナは既に接近し、拳を構えていた。
「いきなり蹴りなんて、品がないねぇ」
「悪いが、私は貴様のような奴とはあまり関わりたくないからな」
それと共に、蹴りが何度もナズナに襲い掛かる。
それに対して、ナズナは、飄々と避けていた。
「いやぁ、お姉さんの蹴りはなかなかに厄介だねぇ、けど、もっとやばい蹴りをあたしは知っているからねぇ」
「なるほど、王の脚という訳か」
ナズナの戦闘能力は、7人の中では、二番目に弱い。
だが、それと同時に、最も渡と関わっていた事もあり、キバが最も得意としている蹴りによる戦闘を間近で見ていた人物でもある。
だからこそ、蹴りを主体にした相手ならば、ナズナにとってはまさに相性が良い。
「だが」
「おっと」
そんなナズナの動きも、また読んだように、吸血鬼が拳が当たる。
「蹴りが通じないならば、それ以外に切り替えるだけだ」
「へぇ、お姉さん、良い目をしているじゃないの」
それに対して、ナズナは笑みを浮かべながら、見つめる。
「ふむふむ、なるほどねぇ」
「なんだ」
「いや、なに、お嬢さんを見てね、疑問があってね」
「疑問だと?」
「なんで、あたし達を襲うんだい?」
そう、ナズナは真っ直ぐと問いかける。
「なぜ、そのような無意味な事を」
「無意味じゃないさ、お嬢さん、悪い吸血鬼には見えないからねぇ」
「ふんっ、そんなのが、お前に分かるのか」
「分かるよ、舐めるなよ」
そう言ったナズナは口元をフードで隠した。
「あたしはね、吸血鬼というのを山程見てきたんだ。
変態な奴。屑な奴。純粋な奴。色々と種類はあるけど、お嬢さんは、かなり純粋だねぇ、ツンデレ属性と言った所か」
「それを知ったとして、どうする」
「出来れば、味方になって欲しいと思っているよ、けどそれは出来なさそうだねぇ。
お嬢さんの目、誰かに恋をしているから」
「っ」
それと共に女性は初めて、動揺する。
「それは屑なのかい?いや、違うねぇ、だとしたら、ふむ」
「話はそれだけか」
同時に女性の強気な言葉で、その話は強制的に止められた。
「悪いが、それを探る以上、貴様をここで殺す」
「大丈夫、あたしは死なないよ、なんだって、あたしはまだまだ生きたいからねぇ」
「戯れ言を」
それと共に、女性は、真っ直ぐと向かう。
それに対して、ナズナはフードに隠していた口を露わにすると共に、息を吐く。
「っ」
同時に女性は、鼻を摘まむ。
「この匂いっ、にんにく」
「ついでにローションプレイと行こうぜ」
同時にナズナは懐から出した小瓶を上に出して、振りまいた。
それを浴びたナズナは無傷だったが、女性の肌はまるで焼けるような匂いがした。
「これはっ、聖水っ、まさかっ」
「いやぁ、あたしってば、吸血鬼だけど、吸血鬼の弱点がほとんどない体質でねぇ。だからこそ、こういう事も出来るんだよねぇ」
それと共にナズナはフードに隠していたのは、にんにくであった。
あの会話の最中に、口の中ににんにくを隠していたナズナは女性が至近距離に来る事を想定しての動き。
「吸血鬼の弱点を熟知している故の行動という訳か、これでは無理なようだな」
そのまま、女性は、そのまま立ち去ろうとする。
「赤夜 萌香」
「んっ?」
「ここまで善戦した褒美だ。私の名を教えておこう」
「えぇ、それだけぇ、もっと教えてよぉ、特に、まだ分かっていない3人の事とか」
「・・・まぁ良いだろう。どうせ、近い内に会うだろう。
何よりも、奴らは、まだ他の面子と比べれば、マシだからな」
それに対して、萌香は呟く。
「悪い魔法使いと、人間崇拝をしている変わり者。
一応は集まっているメンバーだ」
「目的は?」
「さぁな、私自身に関しては、お前が思っている通り。
他の奴らの事など、知らん」
それと共に、完全に、その姿を消した
「はぁあ、これはまたとんでもない事が起きそうだねぇ」
「本当、終始、俺達出番はなかったな」
そんなナズナ達の会話を他所に、渡とドラルクが呟く。
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう