ハイスクールV✕7   作:ボルメテウスさん

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教会での決闘

 教会は、少し前までは崩れかけていたとは思えない程に、改築されていた。

 

 その周囲の敷地は、まったいらな広場が広がっている。

 

 その奥にある教会は、そんな広場の中心で、そびえ立っている。

 

 夜の闇と共に、周囲は静かな風を吹かせながら、その場に、ヴァルバトーゼは立っていた。

 

「……まさか、貴様と、こうして教会で戦う事になるとはな、アーカード」

 

 そう、自身の目の前にいる男に対して、ヴァルバトーゼは呟く。

 

 血色の悪い白い肌をした男は、全身に赤いコートを身に纏いながら、ヴァルバトーゼの前に立っていた。

 

「これはこれは、久し振りだなヴァルバトーゼ。こうして、お前と再び戦える事になるとは、正直に言えば、嬉しく思う」

 

 その一言を告げると同時に、アーカードは、その両手に持つ拳銃を構えていた。

 

「そうか、貴様には聞きたい事があるが、今は良いだろう」

 

 それと共に、ヴァルバトーゼは、すぐにその手に持った剣先を、真っ直ぐとアーカードに向ける。

 

「貴様からは聞きたい事は、貴様を殺した後、たっぷりと聞かせて貰おうか」

 

「それは、出来るか、楽しみだなぁ!!」

 

 アーカードは、その言葉を合図に、手に持っていた拳銃の引き金を引く。同時に撃たれた銃弾は、まるで爆発したような音を響かせながら、真っ直ぐとヴァルバトーゼに向かって飛んでいく。

 

 それに対して、ヴァルバトーゼは、紙一重で避けると同時に、真っ直ぐと走り出す。

 

 それを予想していたのか、すぐさまに第二射が放たれるが、それもギリギリのところで回避していく。

 

 しかし、それでも避けきれなかったのか、頬から僅かに鮮血が流れる。それと同時に、そのまま一気に駆け抜けていく。

 

 だが、アーカードも簡単に攻撃を許すわけがなく、即座に第三射を撃つが、今回は当たる事がなかった。

 

 そのまま、勢いよく駆け抜けるように、地面を強く蹴りあげる。

 

 アーカードの放った弾丸は、壁にぶつかり床に落ち、今にも消えそうな光を放っていた。

 

 

 

「やはり……この程度では当たらぬか」

 

 その言葉と共に、ゆっくりと近づいて行く。

 

 その姿を見ながら、アーカードは、大きく息を吐き出すと同時に、表情を歪めていた。

 

 その歪めた表情は、笑みとも言える。

 

「ふんっ!」

 

 そんなアーカードに接近したヴァルバトーゼは、そのまま手に持った剣を、振り下ろした。

 

 振り下ろされた剣に対して、アーカードは、両手に持つ拳銃を交差させ、白羽取りのように受け止めた。

 

 それと共に、もう片方の銃口を向けて、引き金を引くが、すぐに剣を引き戻して距離を取る事で銃弾を避ける事に成功する。そのままヴァルバトーゼは、アーカードに向かって、蹴り上げて来る。

 

「ぬおっ!?」

 

 その蹴り上げた足を掴もうと手を伸ばすが、それを察したヴァルバトーゼは、すぐさま足を引っ込めて回避する。さらに追撃するように、地面に着地する前に掌底を放ち叩きつけようとするが、「むぅん!」という声と共に、まるで野球ボールでも扱うかのように、手首を掴む。

 

 そしてそのまま手を放そうとするが、ヴァルバトーゼはすぐに腰を落とし、逆立ちするような体勢になる。その状態のまま、一気に両足で頭を挟み込むように蹴る。「ぐおおおおぉっ!!?」この攻撃によって、アーカードの体は宙へと浮かび上がり、そのまま教会の壁に激突する。この隙を逃すまいと、即座に地面へ降り立ったヴァルバトーゼは、再度接近し、斬りかかる。

 

 だが、やはりと言うべきか、銃の引き金を引き、銃弾を放つ。

 

 それに対して、ヴァルバトーゼは、その手に持つ剣で薙ぎ払う。

 

 それによって、ヴァルバトーゼの剣が、アーカードの拳銃が。

 

 互いの武器が砕け散る。

 

 互いの獲物が無くなった。

 

 それによって、行われるのは。

 

「「ふんっ!!」」

 

 純粋な殴り合いであった。

 

 吸血鬼の怪力によって、行われる拳と拳のぶつかり合いである。互いに相手の顔に向かって放つそれは、

 

 しかしてどちらも弾かれる。

 

 互角であった。だが二人はそこで止まる気はない。お互いに相手よりも先に一撃を当てようと再び殴り合うのだ。

 

 やがて互いの体力も尽きてくる中で、二人の戦いはさらに激しさを増していくだろう。

 

 だが。

 

「止めにしようか」「終わるのか」

 

 それが終わったのは、アーカードが言った、たった一言だった。

 

 それまで、死闘を行っていた者同士からは考えられない程に、あっさりと。

 

「私の目的はあくまでも陽動。ここに、お前を含めた吸血鬼を、この場に留める事」

 

 それは、周囲にいる戦いを見ていた渡達の事を指していた。

 

「それが、ロキからの指示か」

 

「私の目的と合致しただけの話」

 

「目的だと?」

 

「これ以上、化け物共が一緒になるのは、見るに堪えないだけだ」

 

 そう言ったアーカードは、その帽子を深く被る。

 

「お前の目的に関しては既に分かっているが、なぜ、奴らと協力する」

 

「私が協力? 何か勘違いしているようだが、私が奴らと一緒にいるのは、その方が奴らを始末するのが楽だからだ」

 

 そう言ったアーカードは、笑みを浮かべる。

 

「奴らが行おうとしている事には興味はないが、隠れるのは上手い奴らばかりだからな。そうして追っていたら、自然と一緒にいるように見えただけだ」

 

「ならば、全員を殺すのか?」

 

「さぁな、だが、奴らの中に気に入った奴は、考えるつもりだ。特に純愛にはめっぽう弱くてね」

 

 そう言ったアーカードは、そのまま周囲を見る。

 

「ヴァルバトーゼ、次の決闘では、全盛期のお前と戦ってみたい」

 

「化け物嫌いのお前が言うのか」

 

「貴様は少なくとも化け物ではあるが、愚かではない。人間が最も強い力、団結や友情だと語った貴様は、我が宿敵に相応しい。何よりも、他の化け物に殺されるぐらいならば、お前に殺される方がマシだ」

 

「そうか」

 

 それと共にアーカードは、その場から去っていく。

 

「状況はどうだ?」

 

「さぁ、ロキの方はどうなったか知りませんが、おそらくはなんとかなると思いますよ、それで、どうします?」

 

 それは、このままでは、ヴァルバトーゼはアーカードには勝てない。

 

 それは、今回の戦いでヴァルバトーゼ自身が一番理解していた。

 

 だからこそ。

 

「方法を考える、手伝ってくれるか?」

 

「えぇ、勿論」

 

 仲間を頼る事にした。

ドラルクの作戦は

  • 笛で渡達を呼ぶ
  • 鬼舞辻を噛んで、支配下に
  • 下剋上しそうな鬼達を仲間にする
  • アーカードの旦那を呼ぼう
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