教会に辿り着いた兵藤一誠達。
彼らの目的は、教会に囚われているアーシアの救出だった。
彼女と友達になる約束をした一誠は、教会へと潜入しようとした。
だが
「――--っ!」
「っ」
教会から聞こえた悲鳴。
それが、何なのか未だに分からない。
兵藤は、その悲鳴が気になり、ゆっくりと、それを見つめる。
「っ!」
そこにあったのは、堕天使達だった。
地面に転がっているのは、一誠を襲った堕天使である事は間違いない。
だが、それを徹底的に痛めつけた存在に関しては、見覚えはなかった。
漆黒に全身を身に纏うその男は、一言で言えば吸血鬼。
同時に、一誠達に気づき、睨む。
息が出来ない。
それ程の迫力が、男から漂う。
「貴様ら、悪魔か」
「-」
声が出ない。
それ程までの威圧を、男から感じた。
「あぁ、そうだ。
俺達は、ここにいるアーシアを助けに来た」
「アーシアだと?誰だ、それは」
「俺のっ友達だっ、囚われているシスターだ。だから、助けに来たっ」
必死になんとか、言葉を出す。
嘘をつく事ができない中で、なんとか出した言葉。
もしかしたら、その前に死ぬかもしれない。
そう感じていた。
「・・・それは貴様自身の約束か」
「はっはい」
そう呟いた瞬間だった。
「・・・ならば行け」
「えっ?」
そう、まるで何もないように、男は通した。
「俺はこの教会で無法を犯す愚か者を始末しにきた。
中で囚われている奴がいるならば、助ければ良い。
そして、お前が約束したのならば、向かえば良い」
それだけ言い、男は堕天使へと再び目を向ける。
「俺はこの愚かな堕天使に身の程を徹底的に教育させる。
何よりも、今は教会の中には、俺の仲間がいる。
俺の名を告げれば、味方になるだろ」
「あなたは一体」
「ヴァルバトーゼだ」
「「っ!」」
その名を告げた瞬間、塔城と木場は目を見開く。
「2人共、知っているの?」
「あぁ、彼は7人の吸血鬼の1人。
その中でも、最も、有名な1人だよ」
「それって、一体」
「昔、とある場所で行われた悪魔と教会との戦争。
それに介入したのですが、たった1人で、戦争を終わらせた事で、魔王様と同等か、それ以上の力を持っているとされている」
「昔、やんちゃしただけだ」
ヴァルバトーゼは、それだけ告げた。
「何よりも、お前には果たさなければならない約束がある。
違うか」
「っはい!」
そう言ったヴァルバトーゼの言葉から、兵藤は、すぐに教会へと向かった。
教会へと突入すると同時だった。
聞こえて来たのは、銃声。
それと共に弾かれる音。
そして、悲鳴。
まさに阿鼻叫喚の現場であった。
「ここで一体何が」
そう思い、見つめた先にいたのは。
「あれって」
「間違いない、王だ」
「っ」
それは兵藤も聞いた事のある7人の吸血鬼の1人にして、王と呼ばれている人物。
その身に纏っている鎧は、全身に鎖が絡まっている。
しかし、そんな鎧でも、襲い掛かる光の銃弾を簡単に跳ね返している。
そこから見ても、高い実力を持っている様子だった。
「まったく、こっちはさっさと終わらせたいのに、面倒な奴らだ」
その言葉と共に、仮面が黄色く光輝くと共に、蹴り上げる。
それに合わせるように、赤い鎖がはぐれエクソシスト達を吹き飛ばしていく。
「まさか、ヴァルバトーゼさんが言っていたのは」
「間違いなく、王だろうね。
けど、聞いて」
「あぁ?」
それと共に王と呼ばれた人物が、兵藤の存在に気づく。
同時に一瞬で、詰め寄る。
「っ」
「あぁ、お前ら、確かオカルト研究部の?」
「えっ、知っているの?」
王と呼ばれた人物が、こちらの事を知っている。
「まぁ、知っているけど。
というよりも、何、お前らもここで悪さしているのか?」
「いや、そういう訳じゃなくて、アーシアを助ける為に来たんだが」
「ヴァルバトーゼさんは、なんか言わなかったのか?」
「いや、その、助けるつもりだったら、行けって」
「そっか、だったら、行くか」
「えぇ」
まるで、知り合いのような軽い口で言う事によって、そのまま進む。
だが、その戦闘能力はかなり高い。
ここまで辿り着くまでの間、ほとんどのはぐれエクソシスト達の動きを見ていたように。
そして、瞬く間に奥へと進む。
そこは、アーシアが貼り付けにされている光景であった。
「アーーシアァァッ!!!」
兵藤一誠は叫ぶ。
その声と共に、堕天使レイナーレに大勢のはぐれ悪魔祓いの神父達が居た。
「イッセーさん……あっあぁぁ、いぁぁぁああああああああああああ!!!」
「あら、感動の対面を邪魔してごめんなさいね。安心して、もうすぐで儀式は完成するわ」
アーシアの声は途中から絶叫へと変わり、すぐ隣にいるレイナーレはそれを嘲笑うかのような表情を浮かべる。
同時にアーシアのは生気を失ったかのように悲壮感が漂い、彼女が危険な状態だと言うことが嫌にでも理解できる。
「フフフ、もうすぐよ……もうすぐでこの子の神器は私の物になるわ」
神器を抜く。
そもそも神器はそれ自体が持ち主の生命力や魂と密接に結びついている。
それは即ち、持ち主の死を意味する。
「うわぁ、絶対にあの人、ぶち切れ案件じゃん」
それに対して、王は頭痛を抑えるように呟く。
「おい、お前」
「なんだよっ」
「今すぐに、あの子を助けに行きたいか」
「そんなのっ当たり前だろ」
「だったら、行かせてやるよ」
「本当かっ!」
「あぁ、ただし」
その言葉と共に、王は構えていた。
「死ぬ覚悟でやれよ、わりと手加減はするが」
「えっ」
それと同時だった。
王は、兵藤を担いだ。
それが何を意味するか分からない。
だが、王は、そのまま、真っ直ぐと投げた。
あまりの一瞬の動きに、周りは反応できなかった。
(あっ死んだ)
その瞬間、兵藤の脳裏には走馬灯。
それと共に、一瞬で、正気に戻ると共に。
「助ける!!」
「なっぎゃぁあぁぁぁ!!!」
そのまま、真っ直ぐと殴る体制で、レイレーナを殴り飛ばした。
その際に、籠手が大きく変化したが、それを気にする余裕はなかった。
まさしく、ミサイルの勢いで、飛んでいき、そのまま殴った。
そして、そのまま兵藤達は地面に墜落した。
「いっイッセーくん!!」「死にましたか?」「大丈夫だぁ、加減はした」
必死に叫ぶ木場。冷静に言う塔城。特に気にしていない王。
それと共に、見つめた先には、確かに無事であった。
「よっ良かった、無事で」
「それにしても、いきなりしましたね」
「いや、さっさと終わらせたかったし、どうせ殴るならば、そいつをクッション代わりにすれば良いと思ったからな」
あまりの出来事に対して、どう、反応すれば良いのか、分からなかった。
「がはぁ、私は生きてぇ」
そうしていると、兵藤のクッション代わりになっていたレイレーナは、すぐに逃げだそうとしていた。
必死に、その場から。
だが。
「そう言えば、こんな言葉を知っているか」
「なんでしょうか」
既に、ここまでの状況で緊張感が一回りして、冷静になった塔城。そして、そんな塔城に買っていたドーナツを渡す王。
「魔王からは逃げられないって」
「えっ」
そこには、仁王立ちをしているヴァルバトーゼがいた。
「貴様には、地獄ですら生温い教育コースをプレゼントしてくれる」
「いっいやぁぁぁぁぁ!!!」
ヴァルバトーゼの、その一言と共にレイレーナの絶叫は響き渡る。
「・・・これは一体、どういう状況なのかしら」
「ぶっ部長!?」
その光景を見たリアスは思わず呟く。
それに対して、驚きを隠せないリアスは、そのまま見つめる。
「初めまして、吸血鬼の王と暴君ヴァルバトーゼ。
なぜ、貴方達がここに?」
「簡単な話だ、この教会の所有者は、他でもない俺だからだ」
「あなたの所有物ですって?」
「あぁ、その通りだ。しっかりと土地の証明書などにも記載してあるからな」
その言葉と共にヴァルバトーゼは、魔方陣から取りだし、見せる。
「・・・本物のようね。
ならば、失礼したわ。けど、それはそれとして、なぜあなた方がここに?」
「なぜって、この町に住んでいるからだぞ」
「・・・えっ、何時から」
「結構昔から」
「・・・本当に」
そのリアスの言葉に対して、2人は頷く。
「まさか、戦争を」
「「そんな面倒な事をしている暇はない」」
まさしく、同時に答えるのだった。
それでも、警戒心を解けない。
「それでは、聞きます。
王、あなたは、一体何者なのかしら。もしも答えられるなら「えっ、紅渡だけど」・・・」
特に迷いもなく答える。
同時にベルトにある蝙蝠が外れると共に、変身は解除され、渡の姿が露わになる。
「・・・隠していたのでは」
「別に隠しているつもりはなかったけど」
「・・・」
あまりの情報の多さに、その場にいた全員が追いつけなかった。
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう