ハイスクールV✕7   作:ボルメテウスさん

61 / 83
決闘の末

 エヴァは、次々と氷の刃を造り出すと共に、迫ってくるキスショットに対して、瞬時に放っていく。

 

 その氷の刃に対して、キスショットは、心渡の刃を構え、斬り裂く。

 

 魔法によって造り出された氷の刃は、心渡によって、次々と斬り裂かれていく。

 

 その刀の動きは、見えず、気付いたときには、既に斬られているのだ。

 

 しかし──―。

 

「──―ッ!?」

 

 次の瞬間には、エヴァの顔に驚愕が浮かんでいた。

 

 それも当然だろう。

 

 なにしろ、今まさにエヴァが放った無数の氷の刃の内の一つが、突如として粉々になって砕け散ったのだから。

 

 それはまるで、氷でできた壁でも通り過ぎたかのように。

 

 しかし、エヴァもまた多くの時を生きた吸血鬼。すぐに動揺を収めて、再び攻撃に転じる。

 

 無数の氷の刃を放つ。

 

 今度は、さっきよりもさらに速く。

 

 一秒間に五発。

 

 そんな速度で放たれた氷の刃は、しかしやはり、キスショットの前では無力だった。

 

 またもやキスショットが動いたのかすらわからないうちに、全ての氷の刃が斬り裂かれる。いや……それだけじゃない。

 

 氷の刃を放ったと同時に、すでにエヴァは次の手を打っていたようだ。

 

「──っ!」

 

 突然、キスショットの足下から、巨大な影が飛び出してきた。

 

 そう──、それは、京都の建物であった。

 

 エヴァが、その指から出した糸。

 

 それによって、京都の街中に張り巡らされていた、いくつもの建造物が、一気に宙へと浮き上がったのだ。

 

 それら全てが、一瞬にして、空中にて分解し、真っ直ぐとキスショットへと襲い掛かる。

 

「ほぅ、考えたな」

 

 魔の物ならば、あらゆる全てを斬り裂く事が出来る心渡。

 

 だが、その建物は、魔ではなく、実在した存在。

 

 だからこそ、心渡では斬り裂く事ができない。

 

 しかし、キスショットの余裕の笑みを浮かべながら、走って行く。

 

 襲い掛かる建物を全て避けているわけではなく、あえて無視しているようだった。

 

 そして──。

 

「……ッ!?」

 

 そのことに気付いていないわけがないエヴァだったが、それでも彼女は攻撃を緩めなかった。

 

 彼女の持つ最大の武器である、氷結系の魔法の連続使用。

 

 それこそ、この技の真骨頂だ。

 

 エヴァは、その両手を頭上に掲げると、そこに巨大な魔力を集中させていった。

 

「…………」

 

 それが、必殺の一撃だとわかったのだろう。

 

 キスショットは、初めて構えを取った。

 

 左手を前に突き出すように、腰を落とし、右手は柄を握っているだけのような状態。

 

 居合抜きの構え。

 

「いいぞ、受けて立とうではないか」

 

 そう言うなり、キスショットは消えた。

 

 否、消えたように見えた。

 

 それほどまでに速い動きだったのだ。

 

 エヴァは、キスショットの動きについていけず、反応が遅れる。

 

 まずいと思った時にはもう遅い。

 

 キスショットは既に刀を振り抜いていた。

 

「ちぃっ……!」

 

 だがエヴァもまた、咄嵯の判断で身体強化を行い、自らの肉体を硬化させた。

 

 それでどうにか、致命傷だけは防ぐ事ができたようだ。

 

 だが、エヴァの腕からは血が流れ出している。

 

「勝負あったようだな」

 

「そのようだな」

 

 それと共に、戦いは終わりを告げた。

 

「えっと一撃だけで?」

 

「一撃で十分だ、むしろ、あのまま斬り裂いていれば、私は消滅していた」

 

 そのエヴァの一言と共に、ため息を吐く。

 

「……この京都の中心となる神社にて、奴らは儀式を行っている。その儀式を阻止すれば、九尾は助けられる」

 

「そうか、ありがとう」

 

 エヴァは、そのまま決闘での約束を守るように呟く。

 

 それに対して渡も受け止めると共に感謝を伝える。

 

 そして。

 

「なぇ、エヴァ」

 

「なんだ?」

 

「お前、もしも、どこにも居場所がないんだったら、俺達の所へ来るか?」

 

 その一言は、エヴァは驚きに目を見開く。

 

「……今は無理だ、私は、約束を守らなければ、ならないからな」

 

「そうか、それじゃ」

 

 その言葉と共に、俺は懐にある人形を投げる。

 

「とりあえず、約束の一つだ」

 

「あぁ、感謝する」

 

 その言葉と共に、エヴァは、そこから姿を消した。

 

「信頼しているのか」

 

「なんとなくだけどな、それよりも、今は急ごう」

 

「そうだな」

ドラルクの作戦は

  • 笛で渡達を呼ぶ
  • 鬼舞辻を噛んで、支配下に
  • 下剋上しそうな鬼達を仲間にする
  • アーカードの旦那を呼ぼう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。