「すやすやぁ」
「はぁはぁ、やっと泣き止んだ」
あの後、一晩中泣き続けたアルクェイドさんがようやく落ち着いたのか、そのまま寝ていた。
俺の膝の上で寝ており、僅かでも動けないように、がっしりと掴んでいる状態であった。
「ようやく泣き止んだか」
「士さん、俺だけ置いて、逃げるなんて、酷いじゃないですか」
「逃げた訳じゃない、少し遠くで、お前の事を見守っていたぞ」
「それって、高みの見物ですか」
「そうとも言う」
なぜだろう、この人はなぜか悪の組織のボスと言われても、可笑しくないんだが。
「まぁ、どうやら俺の役目はここまでらしいな。
まったく、こんな役目を押しつけて」
それと共に士さんの後ろには、あの銀色のオーロラが現れた。
「行くんですか?」
「俺は通りすがりだからな。
何時までも、この世界にいたら、その嬢ちゃんが本気になるからな」
「本気って、一体」
「俺は世界の破壊者だ。
俺自身の意思とは関係なくな、それもあって、俺を倒そうと、この世界を守る存在として、アルクェイドの奴は俺を睨んでいたようだがな」
「そうだったんですか」
正直に言えば、世界の破壊者というのは、どういう意味か分からない。
けど、アルクェイドさんが、あそこまで剥き出しにした敵意を持っていた理由も、分かった気がする。
「だけど、なんで俺を鍛えたんですか?」
「さぁな、ある意味、お前に死なれたら困るからかもな。
そんな細かい所までは、知らん」
そうぶっきらぼうに言う。
「ただ、この世界は、他の世界に比べても、吸血鬼が多い。
だからこそ、世界のバランスを崩れない為に、キバを入れた可能性はあるがな」
「んっ?」
何やら小さな言葉で言っていたようだが、俺の耳には聞こえなかった。
「あぁ、それと、お前に聞くが、シャルティアとか言う奴は知っているか?」
「えっえぇ、勿論。
俺達と敵対している吸血鬼の一人ですが」
「悪い、間違えて、俺がもう倒した」
「そうなんですか」
あまりにも呆気なく言った台詞に対して、俺は思わず苦笑いをしてしまった。
初めて俺達の前に現れた時にはアルクェイドさんに圧倒的にボコボコにされて、そして、何時の間にか士さんに倒されている。
これまで収集した情報から考えても、シャルティアは決して弱くなく、おそらく俺が戦ったら、勝てたかどうかも分からない相手。
あえて言えば、戦った相手が悪すぎたとしか言えない。
「あぁ、だったら、士さん、すぐに帰るんですか?」
「いいや、別にすぐにじゃないが、なんだ?」
「その、教えて欲しいんですよ。
俺の知らない、俺以外のキバの事を」
それを聞いた士さんは、少し驚いたように目をしながらも。
「そうだな、たまにはあいつらの話でもするか」
そのままゆっくりと、俺に、教えてくれた。
俺以外のキバの事を。
ドラルクの作戦は
-
笛で渡達を呼ぶ
-
鬼舞辻を噛んで、支配下に
-
下剋上しそうな鬼達を仲間にする
-
アーカードの旦那を呼ぼう