先日の一件もあり、俺はオカルト研究部に少しだが顔を出すようになっていた。
特に理由はなく、部員という訳ではない。
だが、その日、俺はとある用事もあって、こちらに来ていた。
「それで、あなたの用事というのは一体」
「知り合いが最近になって、この周辺で行方不明になったからな。
少し探さないといけないんだ」
「知り合いって、一体誰なんだ?」
「吸血鬼だ」
その言葉にオカルト研究部の全員が目を見開いた。
「まさか、吸血鬼がこの町に。一体なんで」
「いや、この町、夜のバイトの給料良いから、よくバイトに来る奴ら多いよ。そいつもその1人だよ」
「・・・私、一応、この町の管理者のはずだったけど、まぁ良いわ。
私達は少し厄介な事件があるから、それを手伝ってくれるならば、良いわよ」
「事件?」
それに対して、俺は思わず首を傾げた。
「えぇ、この町に侵入したはぐれ悪魔がいるのだけど、その悪魔がどうやらキメラを作りだしたようなの」
「キメラだと?」
それに、俺も名前をよく知っている。
「そのキメラには植物とドラゴンの血が混ざっているのだけど」
「それは、まずい」
その話を聞いた瞬間、間違いなく嫌な予感がした。
「その場所は分かりますか?」
「えぇ、まさか本当に関係しているの」
「まぁ、当たって欲しくないですけど」
その言葉と共に、俺達はその目撃者がいるだろう場所へと向かう。
そして、今回の1件を聞いたのか、既にドラルクとナズナちゃんが来ていた。
「それで、ドラルク。なんで、ナズナちゃんは来ているの」
「グレモリーを見に来たらしいぞ」
そう、ドラルクが言う。
これが、普通ならば良いけど、すぐにナズナちゃんがこちらに来る。
「おいおい、渡君、やべぇよ、あの2人のおっぱい、化け物かよ。牛さんもびっくりだよ」
「ナズナちゃんは、そういう事をよく言うよね」
相変わらず下ネタが好きな様子。
「なんというか、吸血鬼って、本当に」
そう言いながらも、森の中へと進んでいく。
情報では確かにこの先にいると聞いていた。
そうして進んだ先には、そこには大木程の大きさの、バラの蕾のような植物があった。
「これが、まさか」
「えぇ、キメラよ」
同時に俺達は確信する。
絶対に、関わっている可能性が大きい。
そう、確信すると共に、が蠢き、花弁が開くと、中から覗けたのは黄色い頭のドラゴンがいた。
「まさか、本当にドラゴンとはね」
「手間が省けたわね。……ん? 誰か来るわ、隠れて!」
木の陰に隠れて俺達の目線の先を見ると、確かに人影が2つ近づいてくる。現れたのは寝巻き姿の少女二人。
「うちのクラスの片瀬と村山じゃねえか」
意志が感じられない目とは反して、しっかりとした足取りでキメラの元へ歩いていく。するとキメラの周りの蔦状の触手が蠢き、二人の胸へ吸い付く。
触手は何かを吸い上げるように脈動し、二人が艶かしい吐息を漏らす。
「あれは、催眠術か」
「そのようね、一体何を目的にしているのか」
そう、疑問の声を出している時だった。
「そこに隠れている奴、出てきたらどうだ」
それと同時に、キメラの後ろから、そいつは現れた。
吸血鬼を思わせる黒いマントを身に纏った男。
未だに全身は見えないが、筋肉質である事は確かに分かる。
「まさか、あの男が」
「あぁ、俺の知り合いの吸血鬼だ」
その言葉に再び緊張感と共に構える。
「久しいな、紅渡。
まさか、お前とこうして戦う事になるとはな」
「あぁ、あんたこそ、なんでそのキメラと一緒にいるんだ、ゼンラニウムのおっさん」
俺はそう、問いかける。
俺の知り合いの吸血鬼の中では、比較的に理性的な行動を取る事の多いゼンラニウムのおっさんがこんな事をするとは。
「我がこの存在に気づいたのは、偶然だった。誰かのエゴによって生み出されたこの命。そんなエゴによって生み出された命だが、生きたいという思いを、我は確かに聞いた。
だからこそ、我はこの命を育てる為に、ここにいた」
「ここ最近の女生徒の昏倒事件は、そいつが犯人だと知っているはずだが」
「あぁ、そうだ。確かに知っている。だがそれもこの命が生きる為。確かに生気は貰っているが、彼女達には危害を加えないように、我がコントロールしている」
「なるほど、事情は分かりました。けど、この土地を管理する者として、このキメラを放っておく訳にはいかないわ」
「どうしても戦うというのだな」
それと共にゼンラニウムは、再度問いかける。
「あぁ、悪いが、そいつは倒させて貰うぜ」
「結構、まともそうな吸血鬼だな。
やっぱり強いんですか」
「強いのは強いよ、けどねぇ」
「んっ?」
既に戦闘態勢を取っていたオカルト研究部の内、木場がドラルクに問いかける。
「ならば、我が相手をしよう!」
そう、マントを翻した。
屈強な大男の姿をしているが常に素っ裸にマント1枚の露出狂で、股間に大量のゼラニウムの花を咲かせている。
「なぁぁぁぁ!!」
「あははははぁ、相変わらず、おっさん面白ぇぇ!!」
ゼンラニウムのおっさんを見たオカルト研究部の全員が驚きの声を出し、ナズナちゃんは腹を抱えて、爆笑する。
「おい!!あれ、本当に吸血鬼なのか!!」
「そうだよ、言っておくけど、ゼンラニウムのおっさん、吸血鬼の中ではかなりまともかつ無害な方だぞ」
「あっあれでですか」
そう、全員が思わずゼンラニウムに指を指す。
「何を疑問に思う。植物は常に裸。むしろ、服を着る事こそが、疑問に持つべきであろう」
「いや、それはそうだけど、えぇ」
何やら納得していない様子。
だが。
「悪いけど、油断するなよ。ゼンラニウムのおっさんはかなりの強敵だぞ」
「ねぇ、本当に。本当に強敵なんだよなぁ!!」
ドラルクの作戦は
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笛で渡達を呼ぶ
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鬼舞辻を噛んで、支配下に
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下剋上しそうな鬼達を仲間にする
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アーカードの旦那を呼ぼう