迫真転移! ~異世界の主人公と化した先輩!~   作:ゼフィガルド

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 前回上げた13話の出来がイマイチだったので、ちょっと色々と書き直しまた。新たな展開をしたいという気持ちがイキ過ぎてしまいました。


第13話:蜥蜴と人間のさ、子供が出来たらどうする? ドラゴンの誕生か?

 ちょっと、前回上げた物は展開を急ぎ過ぎてチグハグになってしまったので、じっくりと書いてみました。

 確かに展開を急ぐよりも、ちゃんと書いた方が色々と出せるかなと思いつつ。

 

~~

 

「タクヤさんが時間を稼いでいる間に、早く陛下に届けねば!」

 

 蜥蜴人(リザードマン)達を移送していた兵士達の表情は必死な物だった。鈴木の残虐性、無慈悲ぶりは彼らにも伝わっており、追い付かれたら鏖殺されるのは必須だった。

 恐怖に駆られる兵士達を励ましながら、GO陛下からの使命を果たすべく殿を務めたタクヤの期待に応えるべく、行軍を続けるが中々に進まない。

 

「なぁ。コイツらをここに置いて行かないか? 目的の物さえ置いて行けば、満足して引き下がってくれるかもしれねぇだろ?」

「馬鹿を言うな。俺達は連中の仲間を殺しているんだ! 許される訳がねぇ!」

「そうだ。例の街に居た奴らは、赤子も含めて殺されたんだ! 奴らはきっと、俺達のことも殺すに違いない!」

 

 兵士達の間で恐怖が膨らんでいく。仲間同士で殺し合いを始めかねない剣幕ぶりに、女性の蜥蜴人(リザードマン)が声を上げた。

 

「あの! 私達は、何の為に連行されているの!?」

「あぁ!?  誰だ! 名を名乗れ!」

「私の名はアカブよ! 一体、貴方達はどういうつもりでこんなことを!」

「GO陛下からの使命だ。他種族の女子供を連れて来いと!」

「何の為に!」

「丁重に祝福をする為だ! 男どもは荒っぽくしても問題ないが、女子供は繊細だからな!」

 

 実際に成人男性達は現場で祝福を施されていた。眼球を抉り出され、代わりに異形とも言える目玉を挿入される処置は一種の儀式めいていた。

 それで、死亡した者達はまだマシだった。恐ろしいのは、祝福に適合した者達の方だった。

 

「アレが祝福? 嘘よ! あんなに私のことを愛してくれていた夫が! 私が連れ去られて行くのを笑顔で見送っていたのよ!?」

 

 アカブの夫は、愛妻家として仲間内でも知られていた。そんな彼が、自らの妻を含めた女子供が連行されて行く様子を見送っていたのだ。

 これは単純に眼球を取り換えただけでは説明が付かず、記憶をそのままに人格が塗り替えられている様だった。

 

「お前達も祝福を受ければ、元の生活に戻れるんだ! 黙って付いて来い!」

「だったら、その祝福って奴が何なのかを説明しなさ」

 

 アカブは最後まで言葉を紡ぐことは無かった。兵士の1人が彼女を締め落したからだ。一々、事情を説明するならこうした方が早かったか。と、考えたのも束の間だった。

 

「そうよ! アカブの言う通りだわ! 貴方達が何をしようとしているのか。男達に何をしたのか説明しなさい!」

「私達の平穏を返しなさいよ!」

 

 彼女らは気付いていた。このまま時間を稼げば、稼ぐほど有利になると言うことに。1人2人なら切り捨てるという最終手段も取れるが、こうして全員から癇癪を起されれば対処は不可能だと踏んだ。ここにいる全員を締め落して、運んでいく訳にはいかない。

 いよいよ兵士達に逃走と言う選択肢が過り始めた。だが、それはGOに対する裏切りであり、遠からず報いを受ける事も理解していた。

 

「おい、どうする。逃げるか?」

「だが、陛下の使命に背くのは……」

「バカ野郎! 今までのとは話が違うんだ。そりゃあ、多少の困難や苦難なら問題ねぇ。だが、例の化け物はどうにかなる奴じゃねぇ!」

 

 この兵士達もそれなりの場数は踏んでいる。幾度も他種族の鎮圧に赴いたこともあれば、今回の様な移送任務に就いたこともあった。

 その度に抵抗を受けたりもしたが、いずれも払い除けられる程度でしかなく、彼らは命を脅かされたことが無かった。

 

「貴様。それでも陛下の僕か!?」

「だったら、化け物に殺されろよ! 皆、死にたくねぇだろ!?」

 

 この場で女子供に手を付けなかったとしても、多数の蜥蜴人(リザードマン)を殺している。自分達が許される道理はない。

 生存本能の赴くままに逃げ出そうとしている者達が多数であったが、中には湧き出た恐怖を凌駕するほどの忠誠心を持っている者達もいた。

 

「陛下に背いてまで生き残ろうとするなら、この場で切り捨ててくれるわ!」」

「よせ! 何をする気だ!」

「GO is GOD!!」

 

 恐怖を忠義で凌駕した結果、正気は失われていた。仲間に対して躊躇いもなく剣を振るう。しかし、両者は共に興奮状態にあり肉体的にはかつてない程に強化が掛かっていた。

 故に、互いの攻撃は互いの肉体に傷を残すには至らない。やがて、武器を使う無意味さに気付いたのか武器を捨て、兜も鎧も脱ぎ捨てて全裸になって殴り合いを始めた。

 

「(ひょっとして、今の内なら)」

 

 自分達をそっちのけで殴り合いを始めた兵士達を傍目に、蜥蜴人(リザードマン)達は直ぐに状況を判断していた。今なら、逃げられるのではないのかと。

 だが、彼女らは逸らなかった。もっと、彼らが消耗してからでないと直ぐに追い付かれると判断していたからだ。故に、兵士達の殴り合いを観察していた。

 

「落ちろ!」

「お前が落ちろ!!」

 

 殴り合いでも効果が見られないと分かったのか、今度は互いに関節技を掛け合い始めた。アカブに対してやった様に、相手を締め落そうとして濃厚に絡み合っていた。

 

「ママ。アレ、何してんの?」

「しっ! 黙って見てなさい!」

 

 女達も必死だった。関節技の掛け合いで体力を消耗、あるいはどちらかが意識を落とせば、それだけ逃走の成功確率が上がる。だから、彼らの仲間割れは注意深く観察する必要があった。

 互いに全裸で絡み合う様子は性交を彷彿とさせた。実際に、彼らの性器は怒張していたし、いつの間にか意識を締め落す事よりも互いの関心が尻に向っているように思えた。

 

「ぶちこんでやるぜ!」

 

 やがて、相手を締めるのではなく括約筋を締め始めた。刺すか刺されるかと言う緊張状態は、挿入(さ)すか挿入(さ)されるかと言う状況へと転じていた。既に交わされる言葉はなく、獣の様な咆哮を上げるばかりとなっていた。

 女蜥蜴人(リザードマン)達の集中力が上がって行く。決して、彼らの性交渉にときめいた訳では無く、生物にとって繁殖後の虚脱状態は免れない症状であることを知っていたからだ。

 

「(あの男達がイッた時が、私達が行く時!)」

 

 幾ら、暴虐的な力を持っている者達でも果てた時には相応に体力を消耗しているはずだ。自分達が逃げる機会があれば、その時しかありえない。

 

「オォン! アォン!」

「フゥン! ホォン! ホォン!」

 

 今の彼らを支配しているのは恐怖でも忠義でもない。快楽だけが彼らを支配していた。何もかも忘れて繋がっている姿には、童子達が戯れている様な微笑ましさすら感じた。

 だが、彼らは楽しい時間には終わりがある。夕暮れ時に母親が迎えに来るようにして、絶頂が迎えに来ていた。

 

「今よ!」

「イク! イク! イク!!」

 

 彼らがイくのと同時に、女性と子供達は一斉に行く。彼らの隙を見ヌキ、自由を目指して駆けて行く。一瞬振り返った際、彼女達は見た。

 追いかける気力もなくグッタリしている兵士達の菊からは白濁色の体液と共に、ゴロゴロと何かが転がり落ちていた。

 

「ァマァ」

 

 彼らの肛門からひり出されていたのは、祝福に使われていた眼球だった。眼球は地面を這うとシュルシュルと体を動かしながら、こちらに向かって来ていた。

 

「絶対に追いつかれちゃ駄目よ! トルノさん達が来ている方向に向かって走りなさい!!」

 

 自分達の拠点が何処にあるかは、誰もが分かる。追い付かれれば待ち受けている運命は死だ。だから、彼女らは死に物狂いで走る。走る。やがて、希望は見えて来た。

 

「―—嗚呼!」

「24歳。学生です」

 

 誰に聞かせる訳でもない自己紹介を呟きながら擦れ違った男は、背後から迫って来ている目玉達の悉くを潰していた。程なくして、トルノも追いついて来た。

 

「皆さん! 無事だったんですね! 後は、僕達に任せて下さい!」

 

 彼女達を安心させようと力強く言い放つトルノには、既に次期頭目としての威厳が漂っていた。ほんの僅かの間、悲鳴と喘ぎ声が響いたかと思えば、全てを終えた様にして周囲は静寂に包まれた。

 

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