真剣で私たちに恋をして!   作:ベホマラー

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色々忙しくて更新が遅くなってしまいます どうか気長に待っていてください



第一話 入学試験

「入学試験だと? 今からか?」

 

 

「そうじゃ」

 

 

 

 

時刻は午後八時十分雨があがり月が雲の隙間から覗き込むころ

鉄心についていった涼介は多摩川の河川敷で向かい合ってた

 

 

 

 

「おぬしだけ特別って訳にもいかないからのぉ」

 

 

「俺はなにをするんだ」

 

 

「わしと戦え」

 

 

「だが断る」

 

 

「ルールは簡単わしの攻撃を一発でも避ければ勝ちじゃ」

 

 

「戦わないって言ってんだろ」

 

 

「本来なら筆記試験もあるんだがの手っ取り早いしこれでいいじゃろ」

 

 

「断るって言ってるだろ しかも俺が負ける条件が無いじゃねーか」

 

 

「当たり前じゃお前さんを絶対入学させるつもりじゃからの」

 

 

「・・・・・」

 

 

 

 

これが武の頂点に立った者なのかと心の中で呆れ果てる涼介であった

 

 

 

 

「わかったよ戦えばいいんだろ戦えば」

 

 

「そうじゃではいくぞ・・・」

 

 

「はは・・・・まじかよ」

 

 

 

涼介はどっと汗を噴き出し声がかすれながらも笑うしかなかった

今まで放っていた温厚で優しい気が一瞬で獲物を狩る虎のような猛々しい気に変わったからだ

地面には亀裂が走り鉄心の周りは激しい空気の渦が出来る

涼介は再度自分に言い聞かせる目の前に立っているものは武神なんだと

 

 

 

 

「おぬしと戦う前にやることがある」

 

 

「?」

 

 

 

鉄心は手のひらと手のひらをぴったりと重ねあわせさらに力を練る

 

 

 

「川神流結界術 フン!」

 

 

 

重ねていた両方の手のひらを地面に置く

すると鉄心と涼介を囲む青白い箱の形をしたものが現れた

 

 

 

「これでよし さあ戦うぞい」

 

 

「・・・勝てる気がしないんだが」

 

 

「ではいくぞ川神流・・・・・」

 

 

「き、消えた!?」

 

 

 

腰を軽く落とし右手を強く握りそれを少し体の後ろに引いた姿勢を取った鉄心は

涼介の視界から一瞬で消える

 

 

 

 

「無双正拳突き!」

 

 

「うぐっ!!?」

 

 

 

 

鉄心は涼介の背中に回りこんでいた 涼介にそれが気付ける訳もなく

気付いた頃には自分が背中に正拳突きを喰らい結界の壁まで吹っ飛ばされた時だった

 

 

 

「痛ってーな これが老人が繰り出す攻撃かってんだ」

 

 

「孫はわしより強いぞ しかもおぬしと同い年じゃ」

 

 

「・・・・・想像しただけでも恐ろしいな」

 

 

「まったくじゃよ」

 

 

 

 

理由は違えど二人は同時に大きくハァとため息をつく

とここで涼介が今更ですか?っていう質問をする

 

 

 

 

「なあ絶対入学させるつもりならなんで戦ってんだ?無意味だろ」

 

 

「それは気になったからじゃよ」

 

 

「何に」

 

 

「わしより確実に強いおぬしがどれほどの力を持っているのかをな」

 

 

「俺は強くなんかねーよ」

 

 

「うん?」

 

 

 

そういって涼介は自分の右手を静かに見つめる

 

 

 

 

「俺は二桁にも満たない歳からあの夜会で人を殺めてきた 数え切れない程にな」

 

 

「それは仕方のないことじゃろ」

 

 

「生きるためにはそうするしかなかった

・・・・・かつて最強を誇っていた黒崎一族の力を使ってでも」

 

 

「そうか・・・・・」

 

 

「今となっては立派な殺人鬼だあの世で家族も悲しんでるだろうぜ」

 

 

「そういうところがそっくりじゃなあやつに」

 

 

「じいさんのことか」

 

 

「うむあやつも自分よりも家族 他人を気遣う人間だった」

 

 

「そうかもう吹っ切れたぜ」

 

 

 

涼介は開いていた右手を強く握り締め一度深く目を瞑る

 

 

 

「来いよじいさん」

 

 

「なら言葉どおりいくぞ『顕現の参・毘沙門天』!」

 

 

 

闘気によって具現化された巨大な足は0.001秒の一瞬で涼介を踏み潰す

踏み潰された場所からは激しい砂煙が舞い上がり何も見えなくなる

鉄心は砂煙を払うため再び闘気を高め吹き飛ばす そして鉄心が見たものとは

 

 

 

 

「ほっほっほ本当に避けおったわい しかもわしの最速の技を」

 

 

 

 

踏み潰したはずの涼介が結界の壁に腕を組みながらよたれかかっている光景だった

 

 

 

「これでいいんだろ?」

 

 

「うむ合格じゃ 明日の朝わしの家に来い」

 

 

「あんたの家知らないっすけど」

 

 

「気で分かるじゃろ」

 

 

「はいよ 用件も済んだし俺は帰るぜ」

 

 

「必ず来るように ってもう姿がないか」

 

 

 

 

ふと気付けばもう涼介の姿はどこにもなかった

ふぅと軽く息をつき鉄心は結界を解きかつての親友(ライバル)の姿を涼介に重ねる

 

 

 

 

「似ているのぉ他人思いの優しいところも面倒臭がりなところも腕の組み方も」

 

 

 

 

鉄心は涼介が親友(ライバル)と似ている所が多すぎてつい笑ってしまう

 

 

 

 

「そしていつも本気を出さないところもそっくりじゃのぉ」

 

 

 

 

雲が晴れ夜空に微かな星の光が見える頃 武神は静かにその空を仰ぐ

かつて武神に対を成す神 『瞬神』と謳われた親友(ライバル)の死を嘆きながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなってしまってすいません
あ、瞬神←これそのまま「しゅんしん」って読みます
意味的には一瞬つまり目で追えない、姿が見えないほど『速い』って感じです

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