真剣で私たちに恋をして!   作:ベホマラー

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アンケートに投票してくださった読者の皆様ありがとうございます
でもかなり先の長い話ですので小説の更新同様気長に待っていてください

戦闘描写、上手く伝わるといいなぁ 前話に続きクリス目線からだお


第七話 『義』の持つ意味

「ゆくぞ! ハアアアァァァァッ!!」

 

 

 

合図と共に自分は一直線に黒崎涼介めがけ突きを繰り出す

 

 

 

 

「セイッ! ヤァ! そこだっ!」

 

「まだまだだよ」

 

「くっ、ちょこまかと」

 

 

しかし黒崎涼介はそれらを両手をポケットに入れたまま体だけをそらし避けていく

負けじと自分も突きの速度を上げていくがどれもギリギリの所でかわされてしまう

 

 

 

 

「おいおいその程度かよドイツのお嬢様ってのは」

 

「貴様・・・祖国のドイツさえ侮辱するか!」

 

「侮辱なんてしてないぜ?ただその程度かと言っているんだ、ククク」

 

「まだまだ! てやぁぁぁ!!」

 

 

 

自分は構えを取り直し再び高速の突きを繰り出す 正直自信があった

だがそれを黒崎涼介は姿勢を変えずただ真っ直ぐ自分を見据え

 

 

 

 

「・・・喰らってみれば威力はこんなもんか見掛け倒しだな」

 

「な、なんだと」

 

 

 

 

レイピアの突きを無防備のまま腹で受け止めた

ドスンと重い音が響く 内臓にえぐりこんだ手ごたえもあった

それでも黒崎涼介は表情も姿勢も変えず自分を見下す

 

 

 

「貴様本当に人間なのか・・・」

 

「さぁな、ボディががら空きだぜ」

 

「しまっ!?うぐぁっ!」

 

 

 

自分は混乱するあまり奴の正拳突きをモロに喰らい吹っ飛ばされた

その衝撃でレイピアも手放してしまう

 

 

 

「くそ、レイピアを取り戻さねば・・・」

 

「上手くいけばいいがな」

 

「ッ!?」

 

 

 

それはあまりにも衝撃的だった先ほどまで数m先にいた黒崎涼介が

自分の背後から話しかけてきたのだ さらに自分の心まで読み通して

 

 

 

 

「くそっ」

 

「逃がすかよそぉらよっと!」

 

「なっ!?」

 

「飛んでいきなお嬢様」

 

「うわぁぁぁ!!あぐぅっ!・・・げほっげほっ」

 

 

 

自分は咄嗟に間を取り直そうと奴とは逆の方向に飛び退こうとするが

襟をつかまれ思い切り空へ投げ飛ばされてしまう

先ほどの正拳突きのダメージが大きく受身を取れず

自分は五mほどの高さから地面に背中から落下してしまう

 

自分は何とか起き上がれたがそんな自分を奴はただ静かに眺めていた

 

 

 

「げほっ、まだだ・・・まだ自分は戦える」

 

「無茶すんなよ体がどうなってもしらねーぜ」

 

「貴様に心配される意味は無い」

 

 

 

自分の体はボロボロだがそれでも今出来る力の限りで睨みつけたが

黒崎涼介はやはり臆することなくレイピアをもってゆっくりと自分に近づいてくる

そしてその歩みは二、三歩歩いたところで止まり自分に質問を投げかけてきた

 

 

 

「なぜそこまでして戦う?」

 

 

挑発の意も込めてあるだろう言葉だった

だが自分はそんな言葉に惑わされないよう弱弱しくも自分の意思をハッキリ伝えた

 

 

「自分の信じる『義』のためだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファミリー視点

 

 

 

 

「おいおいやりすぎなんじゃねーの」

 

「いくら決闘とはいえ男が女を殴るのは・・・」

 

 

 

ガクトとモロが黒崎にボコボコにされるクリスをみて呟く、とそこに

 

 

 

 

「優しいなぁモロロは、お姉さん感激しちゃうぞ」

 

「あら皆ここにいたんだ」

 

「よう姉さんにワン子」

 

 

 

ワン子を肩車する姉さんが人ごみを掻き分けてファミリーがいる場所へと来てくれた

 

 

 

「モモ先輩でもあれはいくらなんでも」

 

「モロロ、武の覚えがあるものに性別は関係ないそれは時に相手を侮辱する発言だ」

 

 

ワン子を肩から下ろしキリッと真剣な顔つきでモロに説明する

今の姉さんは間違いなく『武神』としての表情だった

 

 

「そっか・・・なんかごめん」

 

「謝ること無いさその優しさこそモロロの誇るべきものだ」

 

「でもよモモ先輩それでもちとやりすぎじゃねーの?」

 

「ふっおそらくあの転校生は何か考え事でもあるんだろフフッ」

 

「おおう、これはモモ先輩がなにか企んでる顔だぜー」

 

「ヤダナーキャップハ、私ガソンナコトスル美少女ニ見エル?」

 

「お姉様、ものすごくわかりやすい棒読みだわ」

 

「ナイスつっこみだ妹よ、にしても京はいつにもまして集中してるな」

 

「あぁさっきからこの通りだ明日は雨でも降るかもな」

 

 

 

 

 

大和が負う言うのも無理ないか私は柄にも無く試合に魅入られてしまっている

自慢ではないが弓の椎名の名は飾りではない 私もそれなりに戦える

弓使いとしてそれなりの目を持っていると自負していた

 

 

「だけど、あいつは」

 

 

考えるうちにポツリと独り言を呟いてしまったあいにく

あいつへのブーイング等でファミリーの皆には聞こえずにすんだけど

にしてもここの男子はああいうのが転校してくるとすぐこうなるなぁ しょうもない

 

じゃなくて弓使いの目を持ってしてもあいつだけは動きも考えも見切れない

クリスの攻撃を無防備で受け止めた事 一瞬でクリスの背後にまわったあの動きも

 

 

「なんだろうこの気持ちは」

 

 

 

私の中で色んな感情が渦巻く 闘争心にも似ていてそれでいて

どこかこう手を差し伸べたくなるいつの日の懐かしい気持ち

 

 

 

「お、動きが止まったここからじゃ聞こえんがなにか話し合ってるな」

 

 

 

モモ先輩の言う通り二人の動きが完全に止まり口元がわずかに動いてる

二人が動かなくなったことでブーイングも無くなり観客も静かになった

なんだろう何を話しているのか気になるなぁ 読唇術でも学べばよかったなぁ

・・・ハッこの私が熱くなってしまった クールクール

 

 

「黒崎涼介、か」

 

 

 

なんだろうあいつとはあいつとだけは何故か似たものを感じる

・・・・・かつての私と同じような

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称視点 かな

 

 

 

 

 

「『義』ねぇ」

 

「あぁそうだ貴様が馬鹿にした『義』私はそれを守るために戦う!」

 

「勝手にしな、と言いたいとこだがお前は勘違いしている『義』の持つ意味を」

 

「なんだと・・・ぐっ体が」

 

「お前にとって『義』とはなんだ?」

 

「え?」

 

「お前の信じる『義』はなにかって聞いてんだ」

 

「え、あぁ、その・・・」

 

 

 

 

クリスは突然の出来事によりあたふたするが落ち着きを取り戻しこたえる

 

 

 

「自分の信じる『義』とは 正しい行いをする人やものだ!」

 

「なら正しい行いってのはなんだ?」

 

「それはルールを守ったり悪を成敗したり・・・」

 

「じゃあ何が悪に分類される? ルールを守るやつは皆『義』なのか?」

 

「なんださっきから揚げ足ばかり!」

 

「ほら答えられないじゃないか」

 

「うぐ・・・確かに」

 

 

 

涼介はやれやれとため息をつき持っていたレイピアをクリスの足元へと投げる

 

 

 

「おい貴様なんのつもりだ」

 

「てめーら親子は知らないことだらけだな、しゃあねぇ一つ教えてやる」

 

「貴様の世迷いごとなんか・・・」

 

「黙って聞けってんだ」

 

 

 

凄みのあるその一言にクリスは従わざるを得なかった

臆したわけではなく心のどこかで涼介の本当の姿を知りたかったから

 

 

 

 

「『義』ってのは正しい行いをする人間や悪を成敗する善人じゃない

一人一人が『正しいと思っていること』を信じる『心』だ」

 

「心だと」

 

「そうだ 一人一人が『正しいと思っていること』を生きていく中で行う

だがそれは必ずと言っていいほどバラバラだ、だからこそ意見がぶつかり

今もこうしてどちらが正しいかを証明しようとする、違うか?」

 

 

 

クリスは涼介の言葉を言い返すことが出来なかった

それが本当に正しいからとかではなく今は涼介の持つ『義』を聞きたかったからだ

 

 

 

 

「なら貴様は・・・貴様の持つ『義』とはなんだ、教えてくれ」

 

「ふぅ」

 

 

 

 

クリスは立っているのがやっとの状態の体でか細い声で涼介に問う

涼介は一呼吸おき嘘偽りも無くただその問いかけにゆっくり答えた

 

 

 

 

「『男が、自分が口にした言葉は約束は真っ直ぐ曲げねぇ

自分が死ぬまで誰がなんと言おうとその言葉だけは貫き通す』」

 

「・・・ッ!」

 

「これが俺の信じる『義』だ そして俺の信念でもある

次はお前の番だレイピアを拾え、そして構えろ、自分の『義』を守るんだろ?」

 

 

 

 

涼介は右手を出しクリスに向け指をクイクイッと曲げあからさまな挑発をする

それをみたクリスは鼻で笑いレイピアを拾い構えを取り直す

そしてクリスは観客の耳にしっかり伝わるほど大きな声で叫んだ

 

 

 

「私の名はクリスティアーネ・フリードリヒ!

『義』重んじ、この国でこの学び舎で新たな仲間と共に過ごすために来た!」

 

 

「ククク」

 

「私の『義』は道を踏み外そうとしてるものを正しく導くこと!

そして今自分の信じる『義』にそむく貴様を粛清する!」

 

 

 

 

クリスの突然の言葉に観客は戸惑いつつも次第にクリスへの歓声が増えていく

 

 

 

 

「(なぜだろうどんどん力が溢れてくる先ほどまで言う事を聞かなかったのに)」

 

「どうした今度こそ怖気づいたか?」

 

「ふっ、何を言う次で貴様を倒し自分の『義』を証明する、ゆくぞ黒崎涼介!」

 

「いいぜ、どっからでもかかってきな」

 

 

 

 

両者構えは違えど深く腰を落とし全身の力を脚の筋肉に集める

互いの集中力が生み出す独特の雰囲気に会場は再び静まり返る

そして

 

 

 

 

「せやあああァァァ!!!!」

 

 

 

 

クリスの掛け声が学園に響き渡ったとき両者は音もなく交差する

両者構えを取ったまま入れ替わるようにすれ違いそのまましばらく動かなかった

一瞬の出来事に観客は固唾を呑んで見守る そして先に口を開いたのはクリスだった

 

 

 

 

「黒崎涼介最後に聞きたい」

 

「・・・・・」

 

 

 

クリスは構えをやめしっかり背筋を伸ばし

あえて涼介の方には振り返らずその場で声だけを発した

 

 

 

 

「自分は自分の『義』を守るために戦った、貴様は何のために戦った?」

 

「ククク、何のためにか・・・」

 

 

涼介もいつものように右手をポケットに戻しクリスにハッキリと告げた

 

 

 

「俺は俺の『信じる義』のために戦った今もそしてこれからも

そしてこの言葉は絶対曲げない、それが俺の歩いていく道だから」

 

 

「そうか感謝する黒崎・・・涼介・・・」

 

「そりゃどうも」

 

 

 

クリスはそう言って手からレイピアを落とし大地へとうつ伏せに倒れる

涼介は大きなあくびをかきクリスに視線は向けずゆっくりと教室へと戻っていった

鉄心によるとクリスの表情は憑き物が落ちたように晴れやかだったそうだ

 

 

 

「見事に気絶しておるのぉ よって勝者 黒崎涼介!」

 

 

 

 

試合が終わっても誰一人あの武神川神百代でさえ声を発さなかった

各担任の指導の下静かに教室へと戻る生徒たち

その試合を見ていた誰かが後に川神のどこかで呟いた

 

 

 

「あぁ、私だ至急日本に飛んできてくれ頼んだぞ 猟犬」

 

 

 

 




いかがでしょうVSクリス戦でしたが
戦闘描写頑張った ちゃんと読者の皆様に伝わるといいなぁ
最後の意味深ですね~ え?誰が来るかバレバレだって? 気にするな!

あ、まだ活動報告にてアンケートはやってますのでよろしければ投票お願いします
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