個性──生態模写 作:月見月 月魅
流石にタグを増やします。以下、今話より追加したタグ。
・オリキャラ
・原作改変
※投稿後後述
能力だけでもクロスオーバータグは必須らしいですね。何年もやっていながら知らなかった、というか能力のみをクロスさせるのは初めてかもです。
というわけでまあ、必須タグの一つであるクロスオーバータグも追加しました。世界観やストーリーをクロスさせずとも、能力や人物を持ち込むだけでもクロスオーバータグが必要らしいです。迷惑被った方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい。そして感想にて教えてくださった皆様、ありがとうございます。
この小説を見ていて、これから書いてみたいなって考えてるみんな。このサイトの取説、ちゃんと読んでから書こうね。スマホなら、右上の”メニュー”から見ることができます。
「俺の名は
「鳴ちゃん、他でもないあなたが付けてくれた名前です。もう忘れないでくださいまし」
教師一人を人質にとりながらも悠長に、半男半女はなぜか自己紹介を始めた。
「個性の名は
「鳴が現実の人間を肉体に記録し模写するように、俺の個性は二次元の力を脳に記録し三次元で再現する。一度に扱えるのは俺と」
「わたくしの二つであり二人分までですわ」
名と個性を聞いてなお、鳴にはそんな名前にも、個性にも心当たりはなかった。
しかし直感的に、その個性には既視感のようなものを覚えた。すなわち、過去に生態模写したことがあるということに他ならない。
「…………聞いてはいましたが本当に、何も覚えていらっしゃらないのですわね」
怪人は消沈したようなため息を吐きながら、相澤の頭上から降りた。頭を掴むその手は離さないが、相澤の視界に収まる。
「ギャハハ、無駄だぜ。俺の個性はあくまでも
「
「そして俺は常に二つの力を維持し続けている」
生徒達には、他に個性を無効化する手段も、相澤を瞬時に救い出し、
「教えてやるよ。ヒナが喰らいし悪魔の実──オリオリの実。その身を通り抜ける全てを
その言葉の通り、相澤の頭を掴んでいた手が透過するように通り抜ける。それも、ただ通り抜けるのではなく、抜けた部位に金属質な何かが纏わりつく。個性発動中だけ逆立つ髪が特徴な頭頂から、個性の出力口である目までを、ヘルメットのように丸々覆い隠してしまった。
半男半女の怪人──
「13号! 生徒達の避難を最優先だ!」
「はい! みなさん下がっていてください! ボクが避難するだけの隙を作ります!」
満足に受け身を取ることが出来ず、地面に叩きつけられるように倒れた相澤は、唯一自由を許された口で指示をとばす。13号も頷くが……。
「人の話は聞くものです。私の役目は、あなた方を散らすことだと言っていたでしょう!」
「おいバカっ! 爆豪!?」
「いけません爆豪くん!」
「その前に叩きのめされるとは思わなかったかぁ!!!」
止める切島と13号の言葉には耳を傾けず、飛び出して行った爆豪の汗握る手が爆ぜる。相澤の拘束が最低限のことから、無闇に人質を手放すようなことはしないだろうと判断した彼は、黒霧に大爆発を浴びせた。不定形な身体なら、範囲攻撃で丸ごと吹き飛ばしてしまえという発想は、間違いではなかった。
が、敵は一人ではない。
爆風が黒霧を吹き飛ばすも、爆炎は吸い込まれるように一方向へと流れた。
炎の向かう先は、
「知っていまして? ナツ・ドラグニルが魔法──火の滅竜魔法。炎を喰らい我が力とし、炎を纏い火竜へと至るのですわ」
生徒達全員が確信する。かの怪人は人間を切って繋げたような、ふざけた見た目をしているが、間違いなく。
「モデル──オールマイト」
「来たな! さあ来い親友!!」
「喜んで受けて立ちますわ、鳴ちゃん!」
爆豪に続くように、13号では手に余ると判断した鳴が動き出す。オールマイトの怪力をもって音を置き去りにし、問答無用で敵を叩きのめそうと蹴りかかる。
「教えてやるよ。殺せんせーが最高速度──マッハ20。その程度じゃあまだ殺せねぇなあ!」
オールマイトの全速力を乗せた、全力全開のドロップキックはもはや弾丸、ミサイル。人間単体、生身でありながら交通事故どころでない破壊力を秘めた攻撃を、壱参は遥か上空より見下ろしていた。
鳴の攻撃の軌道を読み、届くより先に上空へと飛んだのだ。
「私を忘れてもらっては困ります」
「なっ……な!!」
爆風によって吹き飛ばされた筈の黒霧が、爆豪を引きずり戻して固まっていた生徒達の背後に突如現れ、黒い霧のような肉体を覆うように広げる。
そしてそのまま抵抗を許さず、黒霧も、生徒達も消えてしまう。跡形もなく、足跡一つも残さない完璧な拉致だった。
残されたのは、身動きが取れず個性も使えない相澤と、13号と、鳴。
「生徒達をどこに連れ去ったのです!」
「ご安心くださいまし、先生方。彼らは皆、この施設の中にいます」
「その後の行動や、身の安全までは保障しかねるがな!」
個性──念動力。
先と違い、幻想殺しを持たない今なら握りつぶすことも、叩き落とすこともできる。鳴はそう確信し、上空から見下ろしている壱参を念動力で捕まえようとするが、速すぎる。
マッハ20という馬鹿げた速度を自慢げに話していたが、下手をすれば誇張でもなんでもないのだろう。文字通り、目にも映らぬ速さで飛び回る壱参を、捉えられない。元が誰のものなのかもわからない個性──視力強化をしてもかろうじて見えるのは、ラバーペンシル錯視のように歪んで見える腕や足程度。
せんせい の こせいで
あれ おとせませんか?
鳴は追うのをやめた目を13号に向け、髪先で書いて尋ねる。
「……出来ません。吸い寄せることは不可能ではありませんが、間違いなく先輩やあなたを巻き込んでしまいます」
13号の言葉を聞き、鳴はマスクを外し、そしてその口で言った。
「なら私が全力で、この世の全てを保護します。13号ちゃんも地球を壊すくらい、全力で働いてください」
「…………わかりました」
嘘には聞こえないがそんなことができるのかという不安半分、個性的なコスチューム、キャラクターをしているとはいえちゃん付け? という疑問半分になりながらも、13号は頷いた。それが当たり前であるかのように、鳴の声に逆らおうという気が全く起きなかった。
鳴はオールマイトの怪力で両腕の拘束具を引きちぎり、顔を隠すアイマスクをエンデヴァーの炎で焼き払った。
素顔を、声を、両腕を。全てを天へと向けて、鳴は微笑んだ。
「聞いてたぜ! 出来るのか!?」
「ヒーローが世界を滅ぼすような力を、果たして本当に使えるのでしょうか?」
上空からの声には、相澤が答えた。
「やるんだよ。滅ぼす力で助ける仕事を、俺たちは
後書き。というか、音無鳴の設定集。その七。
自称親友──
個性──
性別──無性(あるいは両性)
左半分が男、右半分が女で構成された異形の怪人。
男と女、二つの声で話す。男は下品な口調で話し、女は高貴な声で話す。
鳴の親友を自称し、言動にも友愛のようなものが窺えるが、鳴には覚えがない。
鳴のコスチュームから拘束具を抜き、黒くしたような体に密着するデザインの服を着ている。体格は細身で中背。顔以外の部分が男と女、どちらで構成されているのか、それとも中身まで半々なのかは、脱がせてみなければわからない。
個性は記憶した二次元の力を三次元で再現する異能、
”
仕組みは鳴の生態模写と似通ったものだが、本来の持ち主ですら知らないような特性まで全自動で記録、模写する鳴とは違い、発揮する力は史実よりも本人の記憶が優先される。
例として、ドラゴンボールの主人公、孫悟空の場合。
満月を見て悟空が大猿化するところまで見ていなかった場合、孫悟空を再現しているときに満月を見ても大猿化することはない。
また、地球にやってきたベジータ、ナッパを倒したところまでしか読んでいない場合、孫悟空を再現してもスーパーサイヤ人になることはできない。
強くなるためには先の展開を見て、記録を更新するしかない。
しかしうっかり弱くなる展開を見てしまうと、扱える力も弱体化するため、更新はリスキーな行為である。
別例。文豪ストレイドックスのキャラクターの一人、江戸川乱歩の異能力──超推理の場合。
本当は異能力なんて持っていないという史実を知っている場合、再現される力はずば抜けた推理力になる。
しかし知らなかった場合。本当に乱歩が超推理という異能力を持っていると覚え違いをしていた場合、”超推理”という瞬時に事件を解き明かす異能を使えるようになる。
本人曰く。言ったもの勝ちの能力で、覚え違いや無知が枷となる時もあれば、時には力になることもある個性。