転生したら竜でした 〜無敵の竜騎士は自重知らずで最強です。〜   作:ありけるみー

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放て大地斬!!〜修行は順調そのものです〜

 呪文の修行や瞑想が終わった後、午後からは待望の剣術の修行だった。

 

 魔法使いであるポップくんだけは休憩時間としてみんなの動きを見ていた。

 

「まずは私がお手本を見せましょう。サナさんとダイくん。あなたたち二人がかりできなさい」

 

「えっ?!二人で!?いくら先生でもそんなの無理だぜ!!」

 

 ダイくんが驚いて叫んだ。

 先生は気にせずデルムリン産の大木から一本枝をむしり取って剣の代わりにした。

 

「あなたたちもコレを使いなさい。木刀です。真剣での勝負は流石にまだ早いですからね、とりあえずこれで私に一太刀でも浴びせてみなさい」

 

「先生、いくらなんでも俺たちをみくびりすぎだよな」

 

 ダイくんがひそひそと私に呟いた。

 ところがこれが誇張でもなんでもないんだよな〜

 

「では、はじめ!!」

 

 私とダイくんが果敢に木刀で先生の懐に飛び込んだ。

 アバン先生は様々な武器を使いこなすマイスターだったが、アバン流〝刀〟殺法を得意とするだけあってやはり剣の扱いに関しては私たちより一回りも二回りも上手だった。

 私がこれまで戦ってきたどんな大人よりも強く、捉えたと思った端からするりするりと闘牛士のようにすり抜けていき、かと思えば突然烈火のように激しく攻め立ててきた。

 静動・緩急、剛柔自由自在といった立ち振る舞いだった。

 

 結局私たちは最後まで子供のようにあしらわれてしまった。

 

「くっ……だめだ……まるで当たらない……!!」

 

 ダイくんなんかは特に先生に振り回されて体力が底を尽きかけてた。

 

「んふふ。ちょっと大人げないですかねぇ?ではハンデをあげましょうか?」

 

 先生は楽しそうに笑うと片手を背中の方に押し込んで丸めた。

 

「私はこれから利き腕を一切使いません。つまり腕一本だけであなたたちと戦います。これでいかが?」

 

「くそーっ遊んじゃって……!ダイくん、いこう!!」

 

「お、おう!」

 

 私とダイくんは連携して先生を追い込んでいった。

 さっきより攻撃の手数は明らかに減ったが、それでもなお先生の動きは軽々としたものだった。

 

 これだ。

 先生は時々私たちと打ち合う時のふとした目線や動作の合間に、フェイントを少しだけ織り交ぜて私たちの剣を誘っている。

 直情型なダイくんはもちろんのこと、私のようなある程度戦闘経験がある相手にもこれらは効果てきめんだった。

 

「でたな先生の得意技。ありゃ効くんだよな〜」

 

 ポップくんも遠目で感慨深そうに頷いていた。

 武器を選ばないとはいえ杖でも似たようなことを試したのだろうか。

 

「おやおやぁ?まだ私には剣が届いていませんねぇ。次は両手のハンデが必要ですかねぇ」

 

「くそぉバカにするなよ先生!!」

 

 先生はダイくんを挑発し、疲れ切った彼を見事に動かせてみせた。

 必要最低限の力だけで剣の一撃を放ってみせたダイくんに、先生も少しだけ顔色を変えてみせた。

 

「よし……それでは今から私は奥義を放ちます。避けるなり防ぐなりしてしっかりと見ていてくださいね」

 

 そうすると先生は構え始め、私たちに闘気を向けてきた。

 

「先生本気だ!!危ねえ伏せろ二人とも!!」

 

 ポップくんが叫ぶと、先生は勢いよく大地斬を解き放った。

 

 疲労困憊のダイくんはその威力をモロに浴び、さらに私も対抗しようと木刀を突き立てたが海の方まで弾かれてしまった。

 

「これが大地斬です。あなたたちにはこれをあと3日のうちに完璧にマスターしてもらいますからね」

 

「そ、そんなぁ〜……」

 

 ダイくんが倒れ込むと、先生がようやく私たちへの修行を切り上げようとしていた。

 

 だが私は違う。

 今先生の技をハッキリとこの目で「視た」。

 そして威力を「受けて」確かめた。

 今ならできるはず!

 

「先生!今度は私の番です。見ていてください!!」

 

「な、何ですって?」

 

「う、嘘だろ!あいつ大地斬を放つつもりか!?」

 

 全員の視線が一点に集中し始める。

 先生の構えはこうだったはず……!

 パワーの大地斬だから、余計な力を分散させずに気を集中させて……

 

「アバン流刀殺法――大地斬!!」

 

 海上から先生のいる陸地まで一直線の斬撃が飛び出した。

 先生もこれには枝から由緒正しき勇者の剣に切り替えてこれを受け止めた。

 

「はぁあああっ!!!」

 

 先生はだんだん島の奥地まで飛ばされていき、その間に島の木々を根こそぎなぎ倒していった。

 やがて剣の勢いが治った時先生の手袋は弾け飛び、武器も粉々になってしまった。

 

「す、す、すんげぇ……ホントに決めちまいやがったぜ……」

 

 どうにか受け止めた先生もこれには冷や汗をかいていた。

 

(な、何という事だ……まさかたった一度見せただけで大地斬を完璧に物にしてしまうとは……!もしや私はとんでもない才能と巡り合ってしまったのでは……?)

 

 

「ねえねえ先生。私出来ましたよね大地斬!」

 

「えっ?あ、ええ。ハイ。見事なまでに完璧でした。いや〜まさかこんなにも早く大地斬をマスターしてしまうなんて!これならおもっていたよりも早くコースが終わっちゃいそうですね」

 

「せ、先生俺も俺も!!」

 

 ダイくんも私の運んだ岩目掛けてパプニカのナイフで大地斬を放ってみせた。

 先程まではびくともしなかった大岩が綺麗に真っ二つに割れてしまった。

 

「な、なんと!!ダイくんあなたまでもが大地斬のコツを!!」

 

 これには流石のアバン先生もメガネを割って驚かれていた。

 いや昭和のギャグじゃないんだからあなた……

 

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