転生したら竜でした 〜無敵の竜騎士は自重知らずで最強です。〜   作:ありけるみー

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流されてデルムリン島

「オギャア……ギャァ……」

 

 ダイ大世界でまず私が声を出そうと試みた直後の出来事だった。

 

 目覚めたらいきなり荒れ狂う海原の上にいて、しかも自分赤ん坊なんスけど。

 

 これって……その……アレですよね。

 まナニとはハッキリ言いませんけどアレですよね?

 

「オギャアアア!!!!(私、ダイくんの家族に転生してるぅううう!?!)」

 

 しかもこんなキャラは原作にいない。

 いわゆるオリキャラ。アニメとかで出たらバッシング不可避の異端な存在。

 

 おまけにいきなり始まんのがこんなウルトラスーパーハードモード。

 え、これ死なないよね?大丈夫だよね??

 ちゃんとあの島に辿り着いてブラスじいちゃんが拾ってくれるよね??

 さすがに転生したばっかりで死んだりしないよね??

 ていうかふと思ったがこれ、この世界でも死んだらどうなるんだ?

 

 あのテキットー大王の神さまのもとにまた戻ることになるのか?

 それはなんか嫌だ。

 

 つかなんか段々息苦しくなってきたんですけど。

 これ口の中に塩水入ってきてね??

 あダメだこれゴボボボ

 

 なんて馬鹿みたいなことを必死でやってると、間もなく大渦と津波のコンボ攻撃が飛び込んできて、私と隣でぐっすりのダイ君はそれらに飲み込まれていきましたとさ。

 

 

 次に目を覚ましたのは見覚えのある老人の腕だった。

 やや青みがかった灰色で、しわしわの優しそうな顔。

 種族でいうなら鬼面道士。

 間違いない。

 

「おお……こんな赤ん坊が流れ着いてきよるとは……!! しかも双子とな……全く今日はなんて日じゃわい……!」

 

 ダイくんの実質的な育て親――ブラスじいちゃんだった。

 なんかアニメの声とはまた違うけど、イメージ通り!!つか本物!!

 うわ〜!!じいちゃんってなんか、まじでモンスターなんだ!!

 でも体温とかメッチャ人間してる!!

 あったかいしなんか、じいちゃんいい匂いするぞ!

 

 なんて思いついた言葉を可能な限り口から発してみたが、全て赤子の鳴き声となって出ていくだけだった。

 

「オギャア!!オギャア!」

 

「おお、おおこのように元気に泣いて……特に女の子の方はすごいのぅ……。さて、とりあえず名前を付けてやらんことにはのぅ……ん??」

 

 ブラスじいちゃんが気付いたのは私たちが入っていたカゴにぶら下がっていたネームプレートだった。

 ちょっと首を伸ばして覗いてみると、どうやらそこには「D」と「S」の頭文字が刻まれていた。

 原作だとここでせめて一文字だけでも親と同じ名前をと掠れた「D」からとって「ダイ」って名前を付けるんだけどはてさて。

 私の方はどうなるやら。

 

「DとS……おそらくはこれがこの双子の名前だったんじゃろうなぁ……ならせめて頭文字だけでも親がつけた名前にしてやらんと……ふーむD……D……」

 

 まずじいちゃんが早速原作に沿って名前を決めてくれていた。

 やがて一通り唸り終えるとじいちゃんは「そうじゃ! ダイとサナじゃ!!」と大きな声で叫んだ。

 

 その言葉に私はひどく驚いて顎が外れてしまった。

 

 

 サナって……それ生前の私の名前じゃないか!!!

 びっくりしすぎて目ん玉飛び出すかと思った。

 運命ってこんなところで収束するんですね。

 偶然にしては出来すぎるが……しかしそれにしてもこの「S」の方の女の子は本当は何て名前になる予定だったんだろうか。

 

 その辺はまぁバランに会えばすぐわかることか……

 っていうかコレあれだよね。まだ序盤も序盤でこれから成長してくとこだよね。

 一体何年かかるんだこれ!!

 マジでダイ大の追体験人生じゃんかこれ!!

 

 あと私ってダイ君と双子の感じだけど、これ同じ竜の騎士なんだろうか。

 歴代でも女の竜の騎士って珍しいからそれは嬉しいんだけど、これダイくんだけ竜の騎士で私だけ人間なんてことあったらシャレにならないからね……。

 

 こんな魑魅魍魎が跋扈する殺伐とした世界でポップくんみたく才能があるわけでもないのに人間代表名乗ってみーよ。

 

 そりゃ死ぬで。

 まぁでも神様からの贈り物とやらもまだもらってないし、とりあえず今はまだハドラーも動いてないし、じいちゃんとこの島でのんびり暮らしてれば当面はそれでいいか。

 

 かくして私とダイくん、それとブラスじいちゃんやデルムリン島のモンスターたちとの野生生活が始まっていったのであった……

 

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