転生したら竜でした 〜無敵の竜騎士は自重知らずで最強です。〜   作:ありけるみー

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ガールズサイドの冒険 ネイル村にて

「ホント信じられないわ。なによアイツ!!」

 

 マァムさんは先ほどのポップくんの態度に心底お怒りの様子だった。

 

 かくして私たち女子3人はネイル村に向かうことにした。

 なんか流れでこっち側に乗っちゃったけど大丈夫かな。

 このあとってたしかあの「ぐわああぁ」で有名なタフワニさんが来るんじゃなかったっけ。

 ミーナを送り届ける余裕まではあるよね、うん。

 

 それにしてもこうして原作勢が選ばなかったルートを見れるというのもまた新鮮だ。

 前世と同じ性別に転生できてよかったー。

 これ男だったら今頃ポップくんと一緒になってたかもしれないし。

 

「態度だけは大きいのよね魔法はてんで甘いのに。アタシあーいうやつ大嫌い!」

 

 おやおやたしかにマァムさんが言いそうなセリフだけどいきなり『大嫌い』もらってますよポップさん。

 第一印象はお互いにサイアクか無理もないけど。

 

「……でもそれに引き換えサナちゃん……よね?あなたの魔法ホントにスゴイわ!!あんな高度な魔法を一瞬でどかーんっとやっちゃうんだから!ね?ミーナ」

 

「うん。お姉ちゃんすごかった!!」

 

「あはは。ありがとう……」

 

 褒められて嬉しいような、それともポップくんの事があるからか、私はなんとなく複雑だった。

 

「それに……その腰につけてるの鋼の剣でしょう?剣も魔法も自由自在なんて……サナちゃんってまるで勇者みたいね!」

 

「へへへ。マァムさんだってその魔弾銃すごかったですよー」

 

「えっ。どうしてコレが魔弾銃だって……」

 

 あ、やっべ。

 また先走っちゃった。

 こりゃ不審に思われるやばいやばい!

 

「あ、ほ、ほら!その銃って魔法を込めた弾みたいなの入れて撃ってたじゃない??『魔』法を『弾』丸にして撃つ拳『銃』だから魔弾銃なーんてねあははは!!」

 

「すごいわ。この銃のことひと目で見抜いちゃう人なんて初めてよ。……そう。これはあらかじめ魔法の込められた銃弾をセットすることで魔法が使えない人でも魔法が使えるようになるスグレものなのよ」

 

「へーっスゴイですね!」

 

 そういえばアバン先生もメダパニ弾とやらを使ってたし、先生はその手の発明品に長けていたのだろうか。

 ところでそれ、ベホマラーとか詰めたらどうなるんですかね。

 

 それとも上級魔法は弾の許容(コスト)超過(オーバー)で込められない……とかあったりして。

 

 そうこうしてるうちに私たちはネイルの村までたどり着いた。

 

 な、なんだ。こんなに近くにあったんじゃないか。

 それともやっぱり地元民マァムさんについて行けばこその道のりだったのか。

 

 ネイル村では村長さんやみんなが出迎えてくれた。

 ミーナのお父さんにマァムが毒消し草を渡した。

 

「い、いやーこんなタイミングで言うのもアレなんだけど……私、実はキアリーの魔法が使えるの。だからミーナ、後でお母さんのところに案内してくれる?」

 

「うん!」

 

「へー。サナって魔法に関してはなんでもできちゃうのね」

 

「うん。だから村の警護は任せてちょうだい〜!凶暴なモンスターなんかちょちょいのちょいだから〜!」

 

「おお。これはこれは。マァムに続いて頼もしいボディーガードが増えましたな」

 

 私が魔法でちょっとしたパフォーマンスをすると村民たちが拍手してくれた。

 

「何せマァムさんはこの村の守り神――女神様だもんね。女神様に何かあったら大変だもん」

 

「まっ。サナちゃんったらやめてよ照れちゃうわ」

 

 みんなで笑い合ってると、私はあるものがそこに置いてあることに気付く。

 

「あら、これって……」

 

「ああ。サナちゃんの仲間の男2人が置いてっちゃった物よ。大事なものなんでしょ?」

 

 子供達が物珍し気に袋の中を漁っていた。

 すると中からゴメちゃんが飛び出してきた。

 

「ゴメちゃん!!」

 

「も、も、モンスターだ!!」

 

 しかし毒のスライムに襲われたミーナや村のみんなはスライム相手とて怯えていた。

 

「あ、あーみんな違うの!この子はゴメちゃんって言って……」

 

「さ、さてはお前さん、魔物の仲間じゃな!!」

 

 げ。やばい。

 ここにきてパフォーマンスが裏目に出ちゃった。

 否定しようにもゴメちゃんはいかにもモンスターだし……

 

 しかし私の前にマァムさんが飛び出してきた。

 

「ちょ、ちょっと待ってよみんな!この子はミーナを助けてくれたのよ。悪いやつらの仲間であるはずがないわ!」

 

「そーよ!それにこの子とってもキレイよ〜ほら」

 

 ミーナがゴメちゃんを抱くと、それがキラキラと光り出した。

 

「ねっ。他の毒スライムとは違うのよ」

 

 みんなの厚意によってどうにか私は救われた。

 

「ごめんなさいサナちゃん。……みんなモンスターに襲われててちょっとピリピリしてて……ホントはみんなとっても良い人なのよ」

 

「分かってますマァムさん。こんな時代ですものね」

 

 毒スライムが襲って来た――ということはやはりここはあのワニさんの軍団――百獣魔団の侵攻領土なわけだ。

 あの軍団はロモス攻略を命じられていたはずだから、そこに近い魔の森に配置されてもなんら不思議ではない。

 また『百獣』なんていうもんだから、六軍団でも分類されてないモンスター群は全てこの軍に所属するもので間違いない。

 

 スライムなんて可愛らしい見た目してるけど、やっぱりそれは飽くまでもデルムリン島のモンスターたちだけで、こうして一歩外に出てみれば普通に魔王軍として敵対してるんだなー。

 

 誤解の解けた私はミーナのお母さんにキアリーの呪文をかけた後、毒消しの草を煎じて飲ませてあげた。

 

「ありがとうね……」

 

 私は窓の外からダイくんたちの身を案じていた。

 

(みんな大丈夫かな……もうそろそろ行った方がいいのかも……)

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