転生したら竜でした 〜無敵の竜騎士は自重知らずで最強です。〜   作:ありけるみー

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2人のピンチ!!

「な、なんだ――?」

 

 ポップたちは突然ゴロゴロとした唸り声を耳にした。

 その方向に向かって彼らは恐る恐る足を進めていった。

 まるでそれは雷のようだったが、すぐにそれが怪物のものであると理解した。

 

 足元の草をかき分けてみると、そこには一頭の翼の生えたライオンが眠っていた。

 

「ラ、ラ、ラ、ラ、ライオンヘッドだ……ま、まちがいねえ。実物を見るのは俺、初めてだ……!!」

 

 ゴロゴロといびきを立てながらもライオンヘッドは大人しく寝ていたが、ポップはすっかり腰を抜かしてしまった。

 

「こんなモンスターがいるなんて……魔の森ってホントだな〜……!!」

 

「おおい、こんなやつとやり合ってたら生命がいくつあっても足らねーぞ!そーっと静かに通り抜けようぜ……風のように……」

 

 彼らはこれまで以上に慎重に、ゆっくりと、おっかなびっくり音を立てずに進んでいった。

 

 近づけば近づくほど彼らの心臓が高鳴り、今にも破裂しそうだった。

 それなりのモンスターが属するデルムリン島で育ったダイもこんな大物を目にするのは初めてで、いつものように手懐けようとさえ思わなかった。

 

「いいか!?絶対おおきなものおとを立てるんじゃねーぞ!!」

 

 ライオンを抜けようとしたその時だった。

 足元にある木の枝を踏みつけ、パキッと大きな音が鳴り響いた。

 

「馬鹿野郎!!でっけー音立てるなってあれほど言っただろーが!!!」

 

 しかし驚いたポップのその声がよりにもよってそれまでで一番大きかった。

 咄嗟にダイが口を塞いでみせたが時すでに遅し――ライオンヘッドは長い眠りから目を覚ましてしまった。

 

 凶暴そのものの眼差しをポップたちに向け、魔力を漲らせていった。

 

「こ、こいつはたしかベギラマを……!!」

 

 そうしてライオンヘッドの口からは閃熱の呪文が解き放たれた。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 そうしたライオンヘッドの余波はマァムたちの元にも届き、彼女たちは外で何かが起こっていると察して飛び出した。

 

「森が……森が燃えている!」

 

 その光景にサナも息を呑んだ。

 

(やばい!そろそろか!?早くみんなのところに行かないと……)

 

 私はこの村が襲われぬよう村全体に魔法陣を書き、破邪呪文(マホカトール)を放ってみせた。

 

「おおこれは……!」

 

「光じゃ……光がわしらを包んでくれおる……!」

 

 村のみんなも安心していたが、マァムさんは驚き戸惑ったような表情をしていた。

 

「これは……サナちゃん、どうしたのこれ?」

 

「これは破邪呪文マホカトールっていうんです。この中には邪悪なモンスターは入ってこられないので、しばらくは大丈夫だと思います。私はゴメちゃんと一緒にダイくんたちのところにいきます。……なんだか胸騒ぎがするから」

 

「ま、待ってよ。アタシも行くわ!」

 

「マァムさん……」

 

 原作だとここでマァムさんが飛び出していくんだけど、今回は私もいるし大丈夫だろう……多分。

 

「マァムさんはここでみんなを守ってあげてください。いかに強力な結界といえど、すごい力を持った奴は強引にここを通ってしまうこともあるんです。そんな奴を相手にできるのはマァムさんくらいしかいないですから……!」

 

「で、でもあなた1人でなんて……」

 

 私は心配する彼女に背を向けて光の魔法陣を飛び出した。

 

 待っててダイくん、ポップくん。

 

 と、そこで私は思いもよらぬ敵に遭遇した。

 

「こ、こいつは――メ、メタルスライム!?」

 

 そこにはギンギラギンのボディを派手に輝かせたメタル系モンスター・メタルスライムがいた。

 しかも1匹だけではなく3匹もおり、さらになんとあの経験値の大御所はぐれメタルまでいた。

 ゲームにおいてはとても高い経験値を誇るがすぐに逃げてしまう上に守備力がバカ高く、通常攻撃で倒そうにも1ダメージ重ねて骨が折れるほどで更に魔法が一切効かないという嫌がらせのような特性を持っているとんでもないモンスターだ。

 

 ダイ大世界にも一応存在は言及されているものの、まさかこうしてお目にかかれるとは思ってなかった。

 しかもこの凶暴そうな目つきを見るにどうやら彼らはあの獣王の軍隊――百獣魔団の一派であるらしい。

 毒スライムに続き、スライム系統はこちらの所属だと思われていたが、メタル系スライムまで軍門に下っていたとは。

 

 恐るべき百獣魔団。

 普段は私も倒すことに躍起になって目の色変えてるところだが、今回はそうもいかない。

 ダイくんたちがピンチなのだ。

 ある意味原作通りの展開なのだが、流石に今の2人に獣王クロコダインは荷が重すぎる。

 

「とりあえず……そこのいてもらうよメタルちゃん――アバンストラッシュ!!」

 

 私はメタルスライムの皮膚に目掛けて鋼の剣で特攻した。

 しかしメタルなボディを持つ彼らにはかすり傷さえ与えられず、逆に跳ね返されてしまった。

 

「ぐわっ!!な、なんて硬さなの?!」

 

 紋章状態では無いとはいえ、あのハドラーだって切り裂いたアバン流の奥義も、メタルなボディを持つ彼らにはどこ吹く風といったものだった。

 ドラクエ系は通例、こうして殺り漏らしたメタル系は次のターンやこのターンに「メタルなスライムは逃げ出した!」となるのだが、今日の彼らは魔王軍の百獣魔団。

 邪悪な意思によってお目目真っ赤っ赤で戦意バリバリの獣となっていた。

 メタルスライムたちは転んだ私に向かってメラの集中砲火を浴びせ、さらにはぐれメタルがそこにベギラマの火炎を放ってきた。

 

 咄嗟に竜闘気を発動したものの森の炎は更に引火していき、より巨大な炎となって包み込まれてしまった。

 

「こうなったら紋章を解放させて……!!」

 

 私は更に力を溜めて竜闘気全開で斬りつけにいった。

 たしか終盤のダイくんクラスの力量があればオリハルコンは砕けるんだったよね。

 いやそれ以前にこいつらってオリハルコンとどっちが硬いんだろ。

 

「ええい考えてても仕方ない――今度こそ喰らえアバンストラッシュ!!」

 

 紋章の力全開でメタルスライムを切りつけたが、彼らは吹っ飛んだだけでほとんど傷を負っていなかった。

 

「う、ウソでしょ〜!!?」

 

 どうしたことだ。私の現段階で使える手立てがまるで通用していない。

 呪文は一切効かないんだし打つ手がないぞ。

 

「そ、そうだメドローアなら!」

 

 私はすぐさま炎と氷の魔法を両手に集めて弓矢を形成した。

 しかしこれってどういう扱いなんだろうか。

 メタル系にも効くの?

 確かにオリハルコンでも容赦なく消せたけども……

 

「お願い効いて――メドローア!!」

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