ガンダムSEED 崩壊していた世界   作:くまたいよう

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 まあ、まだまだ意図は全て明かされてはいない男パートから。


火がついた巨人

 本来、一旦後退した地球軍は友軍の救助でもするだろうタイミングだが?

 

「議長!地球軍、増援が月基地から発進をし始めました!」

 

「何?早過ぎるな、この時点ではジェネシスに慌てているか、早くても増援をと急かされていたり辺りのハズ・・・・位置は?」

 

「ハッ、位置は・・・・っ?ぎ、議長!このまま行くと、ジェネシス発射準備が完了次第に撃つ場合、増援を殲滅したジェネシスのビームが地球に撃ち込まれる位置となります!」

 

「何?わざわざ、そのような事をして一体?・・・・むっ・・・・位置の前に・・・・早い、だと?・・・・地球?そうか・・・・考えたな!?」

 

「議長?」

 

「わからぬかっ!?恐らく、一旦は撤退した部隊の指揮を取っているのはムルタ・アズラエルだ!奴の性格上で?今すぐにでもジェネシスを次は月か地球に向けると考えて、残った戦力で突っ込んで来たがっている!それを更に加速させる為に予め用意した部隊を出したのだ!アズラエルが月から発した者共にどう言おうと、ならそっちは直ぐに突っ込めと返されたら行かざるを得ない!」

 

「・・・・っ!ま、まさか・・・・友軍をわざわざ突っ込ませて無駄死にさ・・・・せ?・・・・あっ!」

 

「気付いたな?アラスカの件があれば今更だ!月に残った連中はチャンスと踏んだのだ!アズラエル寄りな連中を殺すチャンスと気付いたのだ!恐らく、未だに数だけは有利な奴等が死ぬ気で突っ込めば我等を消耗はさせられるハズだと踏んだのだ!その上で、最初に来た時と同じかそれ以上な規模の部隊に核をありったけに使われながら攻められたら、消耗度合いを考えたら・・・・我等の勝機は・・・・」

 

「ひ、低くなる!」

 

 実際は『無い』と言い淀んでいたパトリックだが、この際は気楽な言い分に便乗するしかない!兵達の戦闘意欲の低下はこの状況をひっくり返すに厳禁となる。

 

「先制攻撃だ!ジェネシスかプラントに核を撃ち込まれなければ良い!ジュール隊を始めとした部隊を出せるだけ出して、後退した部隊に先手を打つのだ!」

 

「議長、ラク・・・・いえ、エターナルを始めとした部隊は?」

 

「放っておけ」

 

「えっ!?」

 

「そんな余裕は無い!それが私の落ち度で現状だ!もしも、連中が今述べた事までも無視してプラント側を攻める場合?このヤキンかジェネシスを狙うか、プラントを制圧してしまうかだ!前者なら引き付けて狙い打ちにする!内部に入る気なら、この指令室に招き入れてやれ!生身で来る気なら私自らが相手をしてやろう!」

 

 周りは唖然とした。最高評議会議長ともあるう存在が自ら?とは思ったが、パトリック・ザラは?実は何を血迷ったか、面会に来て襲い掛かって来たアスラン・ザラ=ザフトでも屈指の白兵戦の腕を持つ軍人相手に銃の抜き撃ちを見舞って取り押さえさせる程の腕があるのはある程度知られている。そんな男である以前に?『黄道同盟』により、今のプラントの基礎を作った一代の巨人である。その男が覚悟を決め、火がついた時の力強さを目の当たりにしてしまったのだ。クライン派の誤算はこの点を完全に見落としていた事にもある。

 

「そして、後者で来るならば構わん!プラントはくれてやる!民の命があるだけマシだ!」

 

『民の命』

 

 そう、それが全てだ。軍の存在意義は民間人を守る為だけにある。それのみだという考えはザフトにも多少なりともある。

 

「そして、そんな連中の元に行きたい者がいるのならば好きにしろ!そんな連中は此方から願い下げだ!エターナルが来たら、今言った事を真っ先に送ってやれ!」

 

 最早、異を唱える者はいない・・・・どちらかと言えばクライン派よりなレイ・ユウキですらパトリックの意図はどうあれ、最低限の事をやらなければならないのだとして各部隊に伝達が始まったが、それに関しては『先走った者達』にとっては完全に裏目に出た。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

(厄介な事だよ・・・・)

 

 ラウ・ル・クルーゼはいつもの薬を飲んだ後に自分に宛がわれた機体の調整に立ち会っていた。

 

『プロヴィデンス』

 

 本体が急拵えであるが、新たに搭載された兵装でカバーすれば奪取されたフリーダムやジャスティスにすら劣らない戦闘力が保証されてはいる。正直、本懐を遂げる寸前ではあるがパトリックが度々見せる力強さを見誤っていた。御しやすい男・・・・ナチュラルを見下したがる矮小な人物と見たが、それが間違いだった。彼はある意味で『自分以上に世界を誘導出来る男に影響を受けた』・・・・それを知れなかった。そもそもパトリックの見せていたナチュラル軽視の態度はある意味で『義務』なのだ。彼はプラントの軍事指導者なり政治家になる事を義務付けられた。ならば、何を成すべきなのだ?

 

 

『答えは国民の期待に応える事』

 

 

 その期待する内容がナチュラル軽視、それが間違っていた場合、どうするのか?

 

 今のパトリックのように、敢えてそうするのも手段の一つではないか?

 

(・・・・精々、全力を尽くせよ・・・・パトリック・ザラ?貴様が正そうとした流れの産物の一つな私とて、まだ終わらんよ・・・・)

 

 テロメアの低下による弊害に苦しむクルーゼにとっては、今の長期戦を覚悟すべき展開は正に地獄であったが、破滅を目指した男としての意地がある。その抵抗の一つが離れた場で作用したのがパトリックの誤算にもなった。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

『停船せよ!従わなければ撃つぞ!』

 

「あ、『アルスター』さん・・・・」

 

「良いから行って!」

 

 以前も似た事があった。けど、今回はただ泣きわめくだけは許されない、それに今回は自分なりに気付けた事があるから!

 

『ドミニオン』

 

 アーク・エンジェルの二番艦にしては異様すぎる場から快速挺で逃げ出したフレイは協力ではなく買収であるが、同行した者に操縦してもらいながら、ひたすらアーク・エンジェルを目指していた。既に意味があるかわからないくらい悲惨な光景を見たけど・・・・それでも!と思ったが先回りされた地球軍のMS三機に阻まれた。これまでかと思った瞬間、横からのビームが立ち塞がったMS隊のカメラと武装を破壊した。

 

『そこのシャトル?聞こえますか?』

 

 忘れもしない声だ。ずっと憎んで・・・・謝りたかった存在、ストライクを思わせる外見のMSを見て、モニターにパイロットの顔が出るまでもない。この状況が以前の二の舞にならないよう祈りながら、ただ彼の名を呼んだ。

 

「キラ・・・・来てくれたのね」

 

「フレ・・・・イ」




 何はともあれ・・・・一部除いて、オヤジキャラが骨のあるとこ見せて悪いか?って感じた時期に考えたネタ。
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