少し違う感じになってしまった。
難しい。
「なんなんですか、コレ。」
「それを確かめる為に君に来て貰ったんだよ。
「いやホントこの前はすみません。だからその顔はやめてくださいよ。如月さん。」
はて、そんなに怖い顔をしただろうか?
「その心底不思議だって顔よく出来ますね。」
「私はそんなに怖いかい?」
「ええ、そりゃあ怖いですよ。」
どうやら私は彼にとって怖い存在らしい。
「それは少し悲しいね。君に限らず皆には優しく接しているつもりなんだけどな。」
「如月さん。アンタ分かってて言ってますね?」
「まあ、そろそろ本題に移ろうか。染谷君。」
「はいはい。で、コイツは誰なんです?」
「まず彼を発見した経緯から話そう。」
「まず初めに私はこの最近の怪異の発見数が少々少ないと思ったんだ。この地図と最近の報告を見て違和感を感じた。」
「・・・この辺り、樹海近辺の怪異の出現数が少ないって言いたいんですか?」
「流石だね。まあ、正直この数だったら誤差の範疇で済まされるだろう。しかし、ここ最近私の耳には妙な噂が入ってきていてね。少し気になったんだ。」
「その噂って言うのは?」
「
「はあ?鬼道家の現当主が?」
「うん。鬼道家は第七の研究に反対していた。」
「確か・・・概念付与の研究してる場所ですよね。」
「その通り。第七は私達が怪異退治に使う武器や備品だけでなく、人そのものに対する概念付与を研究していた。ただ、それはお世辞にも良い結果とは言えず、大抵の場合術式を刻まれた人物は精神に異常がみられるか拒絶反応で死んてしまうかだった。その結果、」
「禁忌指定をくらった。でしたっけ?」
「そうそう。その時一番積極的に動いていたのが鬼道家初代当主だ。」
「なのに、現当主は頻繁に出入りしていると。」
「ああ、さらに補足で付け加えると私が確認した事だがさっき見てもらった報告は偽造だった。怪異の討伐数が軽く見積もっても十は違う。」
そこまで二人が話して一度会話が止まる。
「そこで録画可能な式神や監視カメラを確認したら彼が見つかったんだ。調べた限りでは彼は顔無しと呼ばれている事と見てもらった通り非常に高い身体能力を持っている。そこで君に彼と接触して話をしてほしいんだ。」
「一応聞いときますけど緋薙は来ます?」
「残念ながら彼女は来れない。出張の方に時間を取られていてね。」
「はあ〜。やるだけやってみますよ、」
「ありがとう。今度何か奢るよ。」
「ざる蕎麦で。」
「言うと思ったよ。じゃあよろしくね。」
「アイツか。」
黒々としたアーマーを纏った人物が出現したばかりの鴉天狗を一方的に殴っているのを静かに観察する者が一人。
(そろそろ出ますかね。)
なんだ?怪異とも人とも違う感じだな。まあ、そこそこにやりますか。
そこから始まった戦闘は対象の逃走という結果になったしまったが染谷燈はあまり気にしていなかった。なぜならばこの任務は威力偵察と共に相手がどういった者か見極めると言う意味合いが強いからだ。
「にしても、詰めきれなかったな。鈍ったか?」
数度刀を振るう。
「・・・とっとと帰って報告しますか。」