学校で冬キャン実施について話し合ってから数日後…
カランコロン
「ありがとうございましたー。」
現在、大和はバイトしていた。
「大和ちゃん、急に悪かったわね。」
「いえ、気にしないで下さい。“祥子”(さちこ)さん。」
この女性の名は澤田祥子(さわださちこ)、大和のバイト先の食堂…さわだ食堂の女将さんである。
「ほら、うちの人って強面でしょ?新しい人を探すのも大変で…」
「うるせぇーよ。人の顔をとやかく言うな。」
「あ、”辰夫“(たつお)さん。」
調理場から現れたのはこの店の大将である澤田辰夫(さわだたつお)さん。かなりの強面で見た目は完全にヤーさんだがカタギです。
「オイ、大和…すまねぇが調理の仕込みを手伝ってくれや。明日の分が足りなくてよ。」
「…前から思ったんですけどバイトのオレが調理補助していいんすか?」
大和の質問に呆れたような表情で辰夫は言う。
「阿呆…ガキの頃からオレに料理を教わったオメェが素人レベルな分けねぇだろうが。」
そう、大和に料理を教えたのは辰夫であった。
料理人として辰夫は30年以上の大ベテランであり、そんな人から教わった大和の調理レベルは遥かに高いのだ。
「幼い頃から大和ちゃんくらいだものねー昔から辰夫さんの顔を見て泣かなかったのって…」
「…祥子、勘弁してくれや…」
辰夫の強面が原因で小さい子供はすぐ泣いてしまうことが多かったが唯一、大和だけは辰夫にすぐに懐いたため辰夫は大和を本当の我が子のように可愛がっているのだ。
「と、とにかくだ!仕込み頼むぞ!!」
「うっす!」
顔を赤らめた辰夫はそそくさと調理場へ行き、大和もその後を追うのであった。
…数時間後…
「ふぅー、終わった。「お疲れ様、大和ちゃん。」あっ、お疲れ様です。」
営業も終わり、一休みしていた大和に祥子が声をかける。
「もう遅いし、今日はうちで夕食、食べていきなさい。」
「えっ?いいんすか?」
「いいのよ。それに辰夫さんもそのつもりだったからもう大和ちゃんの分も作ってるわよ。」
そう言われ、大和と幸子が調理場を覗くと辰夫は黙ったまま調理していた。
「…それじゃ、御言葉に甘えます。」
こうして大和は夕食にあやかるのであった。
……………
「そういや…大和。最近は肇さんの娘さんとはどうなんだ?」
「リン?どうって…特になにも…」
「あら!?なら本命はみね子さんのお孫さんのあおいちゃんなの!?」
「ぶぅーッ!?ゴホッゴホッ!!」
食事中に辰夫に質問されたので気にせず答えた大和だったがその答えをとんでもない形で受けた祥子に咳き込む大和だった。
「なっ、なんの話してんすか!?リンもあおいも幼馴染ってたけで…「あら?でも昔から大和ちゃん…リンちゃんやあおいちゃんと一緒にうちに来てたじゃない?」…それは飯食いに来てただけで…じいちゃんやばあちゃんもいたでしょ。」
呆れた顔で言う大和であったがすると辰夫が…
「そういや…オメェ…リンちゃんが名古屋にキャンプ行くの誘われたのにそれ断ったらしいじゃねぇーか。」
「ちょっと待ってェ!?誰から話し聞いたんすか!!」
「「孝蔵さん。」」
「またアンタかよ!じいちゃん!!…って違う!別にリンからの誘いを断った訳じゃなくてですね!」
大和はリンのキャンプに行く日が野クルのメンバーでキャンプに行く日と重なってしまい止むを得ず断った説明したのだが…
「やっぱり、本命はあおいちゃんなのね!みね子さんに電話しなきゃ!!」
「いや、話を聞くと他の2人も女子なんだろ?そのどっちかの可能性もあんぞ…」
「あらやだ!?大和ちゃん、他にも女の子が!?今度、うちに連れ来なさいな!」
「まったく…しかし…オレはてっきり大和とリンちゃんはとっくにくっついてんだと思ってたんだがな。」
「お願いだから人の話を聞いてェェェッ!!!」
慌ただしい夕食だったが久々に明るい食事をした大和であった。
4話∶次回に続く
今回はオリキャラを入れたオリジナル回でした。
次回からはキャンプ回となります。
…このペースで書ければいいな。