私の名前は各務原なでしこ(かがみはら)。
静岡県の浜松から山梨県の南の方、南部町に今日、引っ越して来たばかりだ。
「うぅぅぅ、坂が長いよ~!」
そんな私はいま、自転車で本栖湖という場所へと向かっていた。
お姉ちゃんから聞いたんだけど本栖湖から見える富士山は千円札の裏側になるほどの絶景なんだって!
だから間近に行って見ようとしたんだけど…
「…雲が…」
頑張って来たのに富士山には雲が掛かって見えなかった。
そんな私は気落ちして、ちょっと疲れたから少しだけ横になることにした。
〜数時間後〜
「…どうしようぅぅぅ。」
いつの間にか私は寝てしまっていて、起きたら既に辺りは真っ暗だった。
来た道を見れば暗くて怖すぎて1人では行けない。
「うぅ…どうしよう…グズっ…あれ…?」
泣き出しそうになった私が見たのはトイレから出てきた人影だった。私は咄嗟にその人のもとに向かった。
その人影は私より小さい子だった。
人がいた…
それだけで私は泣いちゃった。
そしたら相手の子は走って逃げ出してしまった。
「待ってぇぇぇ!!」
私は必死になって追いかけた。
こんな暗い所に1人は無理だから!
すると追いかけてた子の前に誰かが現れた。
私は思わず、その人に抱きついた。
「ハァッ!?え、なに!?だれ!!」
声からして男の子のようだけど私には関係なかった。
だって…
「グズっ…び…ど…が…い…だ…よォォォ!」
人がいたことにホッとして泣き崩れちゃったんだから。
〜しばらくして〜
私は2人にことの顛末を話した。2人共、なんか複雑そうな顔してた。
「あっちは下り坂だし、トンネル使えばすぐに下まで行けると思うけど…」
「むりむりむりぃっ!怖すぎるよ!」
小さい子に対し私は全力で無理だと叫んだ!
あんな暗い所、行けないよォー!!
「携帯は持ってないのか?家族に訳を話して迎えに来てもらうとか…」
男の子から携帯の話を聞いて慌てて探しだら出てきたのはトランプだった…なんで…?
そしたらね、小さい子がスマホを貸してくれようとしたんだけど家の番号も自分の番号も記憶にございませんでした。
落ち込んでたらお腹が空いた私に男の子と小さい子がカレー麺を食べさせてくれた。
…1500円って聞いた時は震えてしまった。
そしたらね、小さい子がやまとって男の子のこと呼んでたんだ。
「(やまとくんっていうんだ…見た目は私と同じくらい?…小さい子は妹さんかな?…小学生かな?小さいのに偉いな〜)」
そう思ってたらやまとくんはカレー麺にじゃが○こや粉チーズを使ったアレンジ調理を食べさせてくれたんだ~!
これが結構、美味しかったんだ!
「ヘェ…、へくしゅっ!」
冷えちゃったのかな…そんな私をみてやまとくんはテントからブランケットを貸してくれたんだ!優しいよね!
ただ、小さい子がなにか言ってたような…なんだろ?
それから私が何処から来たのか聞かれたから南部町から来たと言ったら2人共びっくりしてた。
「よくここまで来たね」
「本栖湖の富士山は千円札の絵にもなってるってお姉ちゃんが言っててさ。それなのに、長い坂上ってきたのに曇ってて全然見えないんだもん…」
見たかったな…富士山…
「見えないって、アレが?」
「えっ?」
「後ろ、見てみろよ。」
「あれって……あ」
2人に言われて振り返るとそこには月に照らされた綺麗な富士山の姿があった。
「…見えた。」
「良かったな。」
「うん!…あっ!?」
この瞬間、私はお姉ちゃんの携帯番号を思い出したんだよね。
〜しばらくして〜
…お姉ちゃんに物凄く怒られました。お姉ちゃんはやまとくんと小さい子にお礼でキウイ渡すと私の首根っこを掴んで車に放り込んだ。お願いだから蹴るのはやめて!!
お姉ちゃんが車を出そうとしたので私はお姉ちゃんに待ってもらった。
「お姉ちゃん、紙とペンある!?あと私の番号教えて!!」
私の連絡先を書いた紙を手に車から降りて2人に渡した。
「これ!私の電話番号!お姉ちゃんに聞いたんだ!後ね!私の名前!“各務原なでしこ”って言うの!カレー麺やじゃが○こ、ご馳走様!!」
メモを二人に渡して私は急いで車へと戻った。
「今度は、ちゃんとキャンプやろーねっ!“やまと”くん!じゃーねー!!」
とりあえず名前がわかるやまとくんの名前を呼んでお別れした。
一緒にキャンプするの楽しみだな~!
「さっきから気になってたけどアンタ…なんか煙臭いし…そんなブランケット持ってたっけ?」
「…およよ?」
あ、やまとくんのブランケット…返すの忘れてた。
1話外伝:終
これにて1話はホントに終りです。
とりあえず、次は2話か…
まぁ、読みたい方いたら書いてこう。