どうしようもないくらいの魔力不足で悩んでいたあの時より早二年半。俺は中学三年生になっていた。
これまで懸念していた堕天使だとか悪魔だとかの襲撃もなく、今日まで俺は生き延びることができている。不安だった魔力に関しても、この二年で少し改善された。というのも、実は原作の兵藤が作っていた米粒クラスの魔力放出が可能になったのだ! ……これまではそれすらできなかった、といえば少しは俺の魔力の無さがわかってもらえるだろうか。
まあそんなこんなで、俺はついに空間に漂う魔力の収束に成功した。おかげで収束中は魔力不足は起こらなくなり、体内で収束させているからか知らないけど、身体能力まで上昇するようになった。具体的には全力のパンチでコンクリ壊せるくらいにはなる。初めてやったときは『これ、「
まあそれはともかくとして。
魔力収束中の俺は、元となる魔力量さえ確保できていればいくらでも魔力が使いたい放題の擬似的魔力無限大ヒャッハー! ができるようになったのだ!これでいつ人外に襲われても生き残ることができるようになった、はずだ。うん、できるよね? まさかこの世界に
考えるのが怖いので思考放棄して、現時点での俺の欠点についていってみよう。
まず、素の身体能力、というか体力の無さだ。これについては、まあ納得である。何せこの中学生活、部活に入らず常に帰宅部だったのだ。さらに、家に帰ってからは魔力操作訓練という名の引きこもり生活だ。体力なんぞつくはずもない。別に運動神経が悪いわけではないのだ。証拠に、去年の体育祭では100m走で陸上部のやつと1位争いをしたくらいだ。まあ体力がなくて最後失速したから負けたけど……。
次に、魔力量だ。これは魔力収束を身につけたからかなり改善されたとは言え、一度収束を解くとそれだけで俺の魔力量はゼロになってしまう。まあ魔力の絶対量が低いから、回復もそれなりに速いんだが。それでも完全回復までに起きていたら四時間、眠っていても一時間くらいはかかってしまう。
なら収束解かなかったらいいんじゃない? っていう人もいるだろう。俺もそう思った。だがしかしだ。ただでさえ魔力収束なんていう某魔砲少女曰く危ない高等技術を使っているのだ。一日中収束し続けるなんて集中力が持たない。今の俺では継続できて一時間といったところだ。それ以上は魔力が暴走する。実験で何時間継続できるかを試していたとき周囲の魔力ごと暴走しかけて危なかった。幸い、精神ショックによる暴走じゃないから本格的に暴走が始まる前に魔力を散らせたから無事だったが……。
……さて、そろそろ現実逃避も限界だ。素直に現実を見るとしよう。
今は絶賛受験シーズンである。俺の進路についてだが、当時それはもう揉めた。俺は隣町にある公立高校を志望していたのだ。しかし、叔父さんは俺にいい高校に入ってもらいたいらしく、近場にある私立駒王学園、そう原作の舞台である駒王学園に行って欲しいと言ってきたのだ。俺と叔父さんは丸二日話し合って、お互い妥協することになった。
……それが、二校とも受けて、結果が良かった方に行く、というものだ。とはいっても、わざと手を抜いたりすることはない。それは叔父さんのお金で受験するのだから失礼だし、なによりほかの人に対する侮辱だろう。
実際に受験を受けた手応えとしては、自己採点だが公立高校の方は会心の出来栄え、駒王学園の方はちょっとミスが目立ったように思える。そう、受験を終えて油断していたのだ。
駒王学園の方は先日、合格通知が家に発送されてきた。叔父さんは大いに喜んでいたが、俺としては喜べなかった。なぜなら、原作に関わってしまう可能性が上がるからだ。その時の俺の顔は、きっと苦虫を噛んだような顔をしていただろう。
それから数日たった今。俺がいる場所は隣町の公立高校にいた。受験合格発表の場だ。そして俺が見上げているのは合格発表者の番号を張り出している看板である。俺の受験番号は1025。そして合格者一覧にある数字は1023、1024、飛んで1030……、となっている。
そう、何度見直しても俺の受験番号である「1025」が見当たらないのだ。それが意味するところは、つまり―――。
「嘘だろ……! 落ちた、のか」
つまりはそういうことだろう。そうとしか考えられない。
しかし解せない。何故あれほどの会心の出来栄えだったのにも関わらず落ちたのか。俺は一緒にこの高校を受験して、見事合格して喜んでいる同じ中学の級友を無視して事務員室に走った。この高校は、事務員室で希望すれば受験結果の点数を教えてもらえるのだ。
『廊下は走るな』というポスターを尻目に全力疾走した俺は、その勢いのまま事務員室で結果を教えてもらった。
そして、
「全教科ゼロ点、だと……!」
帰ってきた答えに、愕然とした。
「そらあんた、受験番号書いてなかったら受けてないのと同じで0点扱いになるさ」
事務員のおじさんが言った言葉に、俺は膝をついて絶望する。
「うわぁ……、そんな初歩的なミスをするなんて―――!!」
項垂れている俺に事務員のおじさんが、残念だったね、と声をかけて事務員室に戻っていく。それを横目に見ながら、俺はこれからどうしよう、と途方に暮れるのであった……。
*
「うん……。うん、そう。落ちちゃって……。うん、だから、約束通り、駒王に行くよ。……うん、大丈夫、落ち込んでないって。うん……、わかった。じゃあ、これから帰るから。うん。……はーい、またあとで。じゃ」
そう言って俺は電話を切る。
あれからあの場所でずっと項垂れているわけにもいかないと思った俺は、ひとまず学校の外に出て叔父さんに結果報告の電話をしたのだ。叔父さんには心配されたが、そう落ち込んでばかりもいられない。これから原作の舞台である駒王学園に通う事になってしまった以上、なるべく原作から離れられるように情報を集めておく必要があるのだから。
俺は級友にメールで、『駒王学園に入学予定の生徒』の情報を教えてもらう。その時に理由も聞かれたが、俺の悲しいミスを話してせめて誰が一緒なのかを知っておきたい、と言うと大笑いしながら教えてくれた。
一人目は原作主人公である兵藤。中学一年の頃からエロさをオープンにしていて、中学校の全女子生徒から嫌われていた。ちなみに俺は兵藤とはあまり接点がない。ただのクラスメートだ。そういう風に意識して接してきたから、そうなってないと困る。
二人目・三人目はそんな兵藤とずっと一緒に騒いでいた松田と元浜。俺はてっきり高校に入ってから知り合ったものとばかり思っていたので、三年生になってこの三人が一緒になっているのを見たときは心底驚いた。が、まあ親友というくらいだし別におかしくはないと思って納得した覚えがある。こいつらも原作同様変態で、やはり兵藤と合わせて変態三人組と呼ばれていた。
四人目、はまあ俺だ。教えてくれた友人曰く、常に眠そうで自堕落な雰囲気を撒き散らしているくせに運動神経抜群な引きこもり志望、だそうだ。うん、自覚はある。眠そうだったのは魔力収束の関係で魔力が常に底を付いた状態で学校に行っていたからだ。魔力がなかったら眠くなるのだ。しょうがない、うん。自堕落なのはまあ、めんどくさがりなあれだろう。どれかは知らんが。あと駒王受かったのに別の高校に行こうとした変人、だそうだ。ほっとけ。
そして五人目。名前は
この世界にジョジョ(に似たやつも含めて)はないから、こいつ転生者じゃねーの?と俺が疑っているやつでもある。ちなみに伝勇伝もなかった。
あとついでに、以前こいつをこっそり
そして六人目。こいつが厄介で、名前は
……えぇぇ、転生者(ほぼ確定)が二人もいるのかよ。厄介事の匂いしかしねぇ……。
「はぁぁぁ……。どうか絡まれませんように」
俺は大きくため息をついて、家に帰るために歩き出した。
ああどうか、どうか厄介事がこっちに飛び火しませんように……!
転生者No2
新城条規―しんじょうじょうき
男
茶髪黒目 超イケメン
DIOを日本人風にして茶髪黒目にしたあと日本人のイケメンと足して2で割った感じ
備考:能力不明、スタンドとか波紋とかそんな感じのなにかじゃないかなと思っている
氣?が膨大。主人公とは大違いだね!
転生者No3
黒咲苺―くろさきいちご
男
茶髪に濃い茶色の瞳 イケメン
ブリーチの黒崎一護にとっても似ている
備考:斬魄刀っぽい刀。能力不明
霊力?が膨大。シネバイイノニ