FGO世界で転生したハイドレンジア 作:愉悦部の幽霊部員
解釈違いならごめん!
わけわかんねぇよって人は『そういうもの』として受け入れる対ショック姿勢をとってください。
タグと前回のあとがきで読者をふるいにかけたつもりですが、あまりの衝撃に耐えられなかったらブラウザバック推奨です。
あと、前回のあとがきを少し修正しました。一人称の表記をカタカナ→ひらがな変更。箱イベに触れるセリフを削除の2点です。
……さて、ここまで前置いたら大概のことはしても大丈夫だよね?
オールトの雲より飛来した
星喰らいの
魔術世界に伝わる実在する怪談。
One Radiance Thing ──すなわち、
小説『鋼の大地』では本来来るべき時よりも五千年ほど早くから地球に到着し、実は星の悲鳴で招集された個体ではなかったという。
そんなガイアに呼ばれてもいないのに、西暦以前より南米に墜ちたとされる宇宙生命体。
アラヤが安定していれば冬眠し、ガイアが出現すれば
ならば、ORTが地球にいる理由とは?
2004年1月30日。
セイジは日本の冬木市街地に半ば強制でレイシフトさせられていた。どうやら藤丸たちとは違う座標に飛ばされたらしい。
「第一に焼却されたら困るからって僕まで投入するとか、形振り構わず凄い焦るじゃん」
ケホッケホッと咳き込み、周囲を見渡しながらひとりごちる。
辺りは戦火が絶えず燃え盛り、廃墟と火の海しかない。焦土と成り果てた光景がそこにはあった。
「ああ、ここセーフハウスに使ってた廃墟の近くか」
もはや別物の環境はともかく。遠目に見えた冬木大橋からセイジはおおよそ自身の位置を把握した。
そしてなぜ独りでこんな場所に飛ばされたのかも理解する。
藤丸たちとの差異は『当時この場にいたかどうか』が重要だったのだろう。おそらくはその事実が縁となり、レイシフト時のアンカーとして作用したに違いない。セイジは一人そう納得した。
現在、カルデアは管制室爆破による混乱の渦中にいる。
ともすればレイシフトとは切っても切れない『存在証明』を行うスタッフなど、人的リソースの不足が問題となってくることだろう。
レイシフト中、存在証明を怠れば『その時代に居ないはずの異物』として世界の修正力により意味消失──要するに"はじめからいなかった"ことにさせられる。本来それはセイジとて例外ではない話だ。
しかし、こと今回にかぎってはカルデアスが『助けろ』と言わんばかりに藤丸共々セイジをこの時代に維持させようと働いているから、多少言い訳の余地がある。
(常に存在証明されてるようなものだけど)
帰還後は絶対に報告書を提出させられるだろうことは目に見えていた。
であれば便宜上、分かりやすい理由というものは必要だ。それが必要のなかった事実であれ、事実であることに違いはない。
『おそらくカルデアスかシバのシステムが存在証明を代行していた』とでも予想を記せば、深くは追及されないだろうとそろばんを弾く。実際、レイシフトさせたのはカルデアスなのだから、隠そうとするセイジの実情には万能の天才だって辿り着きようがなかった。
「取り敢えず藤丸君たちと合流──」
言葉が詰まる。
冬木大橋でも目指しながら、セイジはカルデア一行と合流しようとした。けれどその歩みは止まる。
「……やだなあ、疲れてるのかな?」
一瞬、セイジはそれを見間違いだと断じた。
焔の影だとか、竜牙兵だとか、いわゆる枯れ尾花。正体見たりといった具合の勘違い。そういうものだと思い込もうとした。
だからつい二度見して、そう悠長に構えているものだから、あちらもセイジの存在に気がついた。
「おう、おったおった。ようやっと逢えたのう」
本来ここにはいない存在。
原作ではいなかった存在。
エネミーでも、生き残りの市民でもない。辺り一帯の揺らめく紅の炎を背に、闇夜のごとき黒い甲冑のサーヴァント。
どうにも敵対的ではなくて、セイジは逡巡した後、コミュニケーションを試みることにした。
「一応訊くけど……
濡羽色の艶やかな長髪を片手で靡かせて、美女は不敵に嗤った。
「このわしを差し置いて、いったい誰がそう名乗ると言うんじゃ? ん?」
挑発的に口角をつり上げて、不敵な彼女はふっと余裕綽々に笑ってみせる。
セイジは何も言わない。
なぜここにと、ただ訝しげに見つめるだけだ。
けれど、それを『ほんとか?』と怪しんでいるように捉えたのだろう。信長は気まずげに視線を逸らした。
「……いやまぁ、正確には違うんじゃが」
セイジはゆっくりと空を見上げる。
わけわかんないやつがわけわかんないまま、ぐだぐだ因子だけは引っ提げてきたのだ。天を仰ぎたくもなる。
「でもわしを偽物と言うんならサーヴァントも全部本物とは別個体なわけで、あれ? ならわしも胸張って良くね? 大概一緒じゃろ」
何やらぶつくさ一つ二つ呟くと、彼女は思案顔から破顔する。
「すまん、やっぱわし信長じゃったわ! 気軽にノッブって呼んでいいぞ。わしが許す」
自分の定義すら曖昧なのか、とセイジは呆れにも近い感情を抱く。
もし仮に原作で目前の存在を織田信長だと言われて出されても、スマホを持ったまま彼は首を捻らざるを得なかっただろう。なんなら、プリテンダークラスの"織田信長を騙る誰か"までは秒速で判断する。
「で、結局本物なの? それとも自分を織田信長だと思い込んでる
どう見たって女性なので、織田信勝がシスコン拗らせて信長の身体を乗っ取ったとか、妹だった世界線のカッツオルタとかだったりしないだろうかと彼は妄想を飛躍させた。
後者の場合、信長が表向き弟(妹)を殺したことにして──信長の性格的にそれをやるかやらないかは別として──信長の影武者をやらせていたパターンが想定できる。影武者だからバレないようにと役に入るため、自身を織田信長だと思い込んでいるシスコンの可能性をセイジは提唱する。
彼女はセイジからして完全な未知のインシデントなのだ。トンデモ仮説だろうが可能性を想定しておくべきと判断した。
なお、大前提に置いた『織田信長が女性』という考えをナチュラルに信じて疑わないのは、思考回路をFateシリーズに焼かれているからである。本来の歴史と、型月世界の歴史を同一視してはいけない。考察は常識から疑え。
セイジに問われた彼女は、「ハァー」と大きなため息を一つついて答える。
「
フォーリナーの織田信長。
原作には、セイジが知る範囲では登場しなかった存在。葛飾北斎の体験クエストやサンタのアビゲイルのマテリアルなど、各所で怪しげな言動をしていた信長だったが、ついぞ真相を知ることなく彼はこちらの世界に来た。
前提が変わればその後も変わる。
原作の信長がどうであれ、セイジの目の前にいる彼女は間違いなくフォーリナーの織田信長だった。
「それは……いやともかく、言いたいこと訊きたいこと山のようにあるけど、時間が限られてるし、いったん一つだけ」
目の前にいる信長と原作の信長は別物だ。
そして今こうしている間にも藤丸とマシュは竜牙兵と戦っているに違いなかった。物語通りであれば問題ないにしても、必ずしもその通りに進むとは限らないことを信長が証明してみせていた。
だから彼は山のように湧く質問を一つに絞る。
信長は「おう、なんじゃ」と笑ってみせた。
「なんでいるの?」
「わしに消えろと!?」
「いや違くて」
言葉が足りなかった。表面上気丈に振る舞っているが、内心は疑問符にまみれて焦っている証拠だ。
セイジはいったん深い呼吸を挟む。「酷くない?」とショックを受ける信長を余所に、問いを再構成した。
「ノッブのマスターは?」
指。
「そなたじゃ」
織田信長は静かに人差し指でヒバナセイジを指し示した。
「のう、フォーリナーのマスター?」
先ほどまでの反応はすべて茶番劇だったのか。そう思わせるほど意地悪く、笑みを浮かべる信長がそこにはいた。
そして、彼は言われて理解した。忘れていたものを思い出したともいう。
「この特異点はテクスチャ上で二つの聖杯戦争が
ヒバナセイジを名乗る以前の2004年。当時の聖杯戦争に彼は形だけではあれ参加していた。その参加枠を書き換えたことで──もとに戻したとはいえ──1月30日はフォーリナークラスが存在する時点だ。当然、そのマスターとは彼であった。
「そんでまあ、データの変質に伴って整合性をとるわけじゃが、フォーリナークラスに適合する者が向こうの聖杯戦争におらんでな?
「……ん? いや、待って」
途中まで「なるほどなぁ」と流していたセイジではあったが、流石に聞き流せない事実に気がついた。
「こう言うと失礼だけど、
「は? たかが人間風情、たとえ
うってかわって彼女は汚泥を見たかのように表情を歪めた。「白痴が伝播でもしたか?」とあまりに辛辣な物言いでセイジを心配する。
彼からすれば、語られる内容がどうにも解せない。視覚情報と解離していた。できないと口では言うくせに、そこには織田信長がいるのだ。
ここでおそらくは何段か話が飛んでいるのだとセイジは推察した。だから彼はまず一段ずつ疑問を解く。
「じゃあノッブの霊基に親和性があるものを混ぜたとか?」
「あ? あー、いや、なんじゃ。存外阿呆というか、いや例外とはいえ成功例しか見とらんし、そうなるのも致し方なし……か?」
信長はポリポリと後頭部をかくと、「考え方が逆じゃ」と己を指差して言う。
「親和性があるもんを織田信長にした」
幾ばくか、セイジは言われた内容を飲み込むのに時間がかかった。
「出力が抑えられとった依り代とはいえ、
「無理矢理なじゃないが?」
ダブルピースでチョキチョキと指を動かし、セイジをおちょくる織田信長にみえるソレ。
このときのためだけに織田信長としての化身を生み、織田信長として生きて、織田信長として死んだらしいナニカ。
そんな歴史の世界を創って人理を誤認させ、英霊の座に侵入した人類の理外にいるモノ。
話の規模にセイジは頭痛を覚えながら、いったんはそれで飲み込んだ。ありのままを受け入れる姿勢だ。彼女を織田信長と定義しようが、織田信長をエミュレートした邪神と断じようが、現実は変わらない。
「じゃあ数ある選択肢で織田信長を選んだ理由は?」
「そんなん、貴様が日本人じゃから縁を結びやすくするため以外にあるまい」
因果の時系列が逆だ、なんて反論はしなかった。
かれらに人間の尺度が通用するわけないことをセイジは理解している。そもそもこのために本来とは別の歴史を、すなわち並行世界を創ったような物言いをする相手に、そんなツッコミは野暮でしかない。
「それに我、第六天魔王波旬ぞ?
波旬。つまり、邪悪なもの。
彼女には適した肩書きだったというわけだ。
「いやはやなんか思い出すと染々とするの。当時は家臣の無知さ加減に我慢できんくて、敦盛を引用して啓蒙を説こうとしたんじゃが、てんで理解されんかったんよね。ま、理解したらしたで大抵狂って使いもんにならんから是非もないんじゃが」
「ごめん待ってその話凄い気になるんだけど」
「ほれ、
彼女は呵々大笑する。
下等を笑う。無知を嗤う。道化ほど見ていて面白いのだと嘲笑う。
「しっかし、夢幻とは思うておったが、
「……ああそっか、キミたちには話したもんね。見た目がノッブだから脳がバグるな」
「ハッ」
嘲笑が返る。
「最初に
言って、彼女は自然な動作で火縄銃を抜き、前方に構えた。
「ちょっ──」
発砲。
突然の暴挙。
セイジが言葉を放つ間も無く、爆音が轟く。
「ちと油断し過ぎではないか?」
呆れる信長の言葉に、セイジは耳を押さえて「うおぉ」と唸り、しゃがむ。被害は鼓膜にしかなかった。
彼の背後で剣を振りかぶっていた竜牙兵が一体、朽ちて消えていく。
音に釣られ二体、三体の竜牙兵がゆったりと武器を引き摺り、近づいていた。
「さて、遠隔操作に慣れてきたとはいえ、人間とサーヴァントはまた勝手が別じゃからな。慣らしも兼ねて初陣とゆくぞ、マスター」
「え、なんてー?」
「ああもう、そんくらいなかったことにせい。ほれ、耳、耳」
信長は人差し指で耳をトントンと叩く。【有毛細胞が傷ついていなかった】セイジはそれに対して物申す。
「いきなり撃たないでくれる?」
「うははっ、それはすまんかったのう! して、初陣じゃぞマスター。魔力をまわせ! というやつじゃ」
「はいはい、頑張ってね」
セイジは信長を送り出す。
運命は元より逸れていた。
チャートは崩れ、歪みが生まれる。
「
織田信長の貌をした彼女が火縄銃を玩び、舞うように撃ち放つ。こんなもの戦ですらないと背中が語る。
それを見ながら、セイジは再び予定を組み直す。遠い遠い未来のために。
──LOADING ──
「ちゅーわけで、改めてフォーリナークラスのわし、推参じゃ!」
「改める必要あった?」
周囲の光景とは酷い落差だ。
いきなり眼前で決めポーズをとっていた信長にセイジは首を捻った。
「なんじゃおぬし、ちとノリ悪くない? メリハリは必要じゃろ。シーンの切り替わりとか特に」
ポーズを崩して彼女はセイジに指を向ける。非難の指先だ。そうして何かと力説するが、セイジはそれに反論を返す。
「そりゃあ場面が切り替わったと言えなくもないけどさ。二度目じゃん」
「はー! これだから貴様は」
やれやれと左右に頭を振って、信長は解説する。
「マスターを想う一人のサーヴァントとしての気遣い、これが分からんかのぅ。分からんのじゃろうなー! どうせあれじゃろ? 『この邪神、今度は何言い出したんだ?』とか内心思っとるんじゃろ?」
言われて、意外そうにセイジは答える。
「凄い、読心術だ」
「かーッ、なんで本人を前にそれ言うかの。普通、口先だけでも否定せんか? 人の心とか知っとる?」
「知ってるよ。こんな本心言うのはノッブ相手だけだよ」
「それ単品ならわしも不覚にキュンと来るんじゃがのー、如何せん内容が内容じゃからなー」
あーやだやだと首を振ってみせる信長は「そんで?」と話を切り替える。
「これからどう動く? 藤丸とやらに合流じゃっけ?」
「いいや、予定変更。よっぽど戦況が悪くならない限り遠くから観察するだけ、藤丸ちゃんとは合流しないよ」
セイジが答えてみせれば、彼女は愉快そうに嗤った。
「そうかそうか。オルガマリーとやらは見殺すか」
「えっと、レフも一応友人だからね? いやレフも助けるつもりないけど」
「阿呆、一緒じゃ一緒。助けられるくせして我を通すために切り捨てる。捨てられた側は堪ったもんじゃなかろうなあ?」
悪意と嫌味をたっぷりに込めて、彼女はセイジに顔を寄せた。
「今更でしょ。しかもそれノッブが言う?」
彼はただ答える。言われたことは事実だから押し退けるようなことはしなかった。
しかし、だからといって流せるほどセイジは完璧ではなかった。分かっていることを指摘されて不愉快ではあったし、それが声色として態度に現れてもいた。けれどそれだけだ。それだけだった。
その反応を見て、信長は満足そうにゆったりと一歩、セイジから離れる。
「……いやあ、すまんのう! わしの性分が性分なもんじゃから、こういうとこで口出さんと気持ち悪くてな。『悪意は振り撒けるうちに撒け!』が今のわしの座右の銘じゃから」
「変動するのは座右の銘じゃなくない?」
「お? なんじゃ表情も硬くして。心にゆとりがないと器が知れるぞ? わしの言葉が耳障りと言うならほれ、詫びじゃ。この肢体、貴様の好きにしてよい。出すもん出して注ぎ倒せば、さぞ痛快じゃろうな?」
胸当てに手を添えて、「ん、どうじゃ?」と妖艶に微笑む信長。
邪神と分かってはいても、見かけは最上級の美女だ。男として、視線誘導もされたら当然そこには目が行ってしまうわけで。セイジはそんな自分が嫌になった。
「【こんなところに織田信長なんていなか──】」
「待て待て待て待て! 待って! わしが悪かったから! 化身創るの手間なんじゃからな!?」
中身がどうあれ、所詮彼女の身体はサーヴァントだ。本体は依然として遥か彼方の別宇宙にあるのだから、この場の活動制限範囲はセイジの一存に左右される。
セイジの両肩を掴んで、ぐわんぐわん揺らして信長は泣きわめく。たとえ格好だけだとしても──それにしては真に迫っているが──あまりの情けなさに毒気が抜かれる。
彼が呆れてなにもしないと分かると、ほっと一息入れて信長は抗議した。
「まったく、わしなりに貴様を労ってやろうと思ってたんじゃが、そんな気に入らんか? わりと人間の美意識を刺激する出来でわしながら鼻高々なんじゃが」
毛先をいじくりながら、「ケアも怠っておらんからな」と不満げに文句を垂れる。
「別に、魅力的に見えないわけじゃないよ。人並みだけど興味もある」
「ほう、気息子の日和りかと思うたが……ならばなにゆえ?」
「現状が現状だから、そんな気になれないだけだよ」
この場合、現状を指す事態とは『人理焼却』でも『ここがレイシフト先だから』というわけでもない。しかし、何を現状と指しているか正確に把握している信長は「ふむ」と一度短く思案すると。
「であるか」
「うん」
続く言葉には返さない。
それ以上の言葉を両者は交わさなかった。
やがて二人はどちらからともなしに歩き出した。
ただ道なりに、カルデア側の探知範囲外から藤丸たちを見守るべく、見晴らし良く隠れられそうな場所へ。
とはいえ、曲がりなりにも彼女は織田信長だ。
つまりそれはぐだぐだ因子をもっているというわけで。
「……参考までに、なんじゃが」
「?」
なんともいえない空気が両者の間には生まれていた。もしかしたらそれを気にしているのはセイジだけなのかもしれないけれど。明確に先ほどまでの話が尾を引いていた。
だから勿体ぶったように前置きをした信長が次に何を言い出すのか、セイジは少しだけ気になって耳を傾ける。
小さな瓦礫に足をとられないように歩きながら、炎に照らされた彼女は言う。
「魔力が足りんくなったら寝屋は容赦なく襲うが、そなたは上と下、どっちが良いとかあるか?」
「台無しだよ」
空気は変わるも話は変わらず。
信長は右手の親指を人差し指と中指で挟んで握りこぶしを作る。
「ああ、襲うっちゅうてもあれじゃぞ、性的にな?」
「襲撃の意味で心配とかしてないから。カルデアには電力を魔力へ変換するシステムがあるでしょ。あれ使えばいいじゃん」
「それ、わしが気持ちよくなれんじゃろ」
「嘘でしょ、キアラですら自重してたのに」
「あれなんかわし貶められとる?」
行き着く先は殺生院。彼女の着いた先はカルデアでの禁欲生活だったわけで、正しくキアラには殺生な話だったわけだ。
なので、あのキアラですら我慢できたのにとセイジは衝撃を受けていた。
「あー、良いもんね。どこぞのマスターのせいで哀れな職員が悪いサーヴァントに襲われるかもしれんけど、運が悪いだけじゃもんね」
「……性的な意味で?」
「
サーヴァントが魔力を回復する手段には幾つかあるが、そのうちの一つが食事となる。
ただ食べたものを魔力に変換するにしても、消化するために魔力を消費しなくてはならない。普通の食事では得られる魔力など微々たる量で、差し引きゼロがせいぜい。
だが命の根幹に関わるものには魔力がある。特に魔術師の血や精には魔力が多く含まれ、消化分を差し引いてもプラスとなる。
心臓なんて言わずもがな。
「……上か下なら、上かな」
「かかっ、動かれるより動く方がええか。ならわしは下じゃな」
揺らめく炎の音が静まったようにセイジは感じられた。「決まりじゃ決まり」という信長の声が耳に残る。
「あっ、職員襲うって嘘じゃから! なんか脅したようですまんの」
ケラケラ笑って信長は童のように跳ね、一歩二歩前に出る。
もうセイジには彼女が何を考えているのか分からなかった。いや、初めから完全な理解などできてはいないのだけれど、少しだけ理解から遠退いたというべきだろうか。
ともかく、ただセイジは彼女の悪性だか善性だかによる"からかい"に振り回されただけだった。
嘘と明言されて、彼は小さな息を吐く。そんな露骨な態度ではなかったが、気がつかない彼女でもない。
「……なあ、そなたよ。終わり良ければすべて良しとは云うがのう。至る過程も全部良い方がええに決まっとるじゃろ?」
セイジを尻目に信長は夜空を見上げ、まるで人間みたいに語る。
(……いや、そうか)
邪神だとか、理解の外の存在だとか。
セイジは信長にそういうレッテルを貼ってはみたものの、彼女の思考回路は完全な邪神そのものというわけではないのだ。
彼女は少なくとも一回、間違いなく『織田信長』として、人として生き抜いた実績がある。誤認だろうが、彼女はその生き様を人理に認められた英霊なのだ。
「生きとる内は欲に正直な方が楽しいぞ? 大丈夫、初めはわしが教えてやる。わしも天下人目指しとった時期は色々あったが、それはそれで愉快じゃったしの」
ヒバナセイジはわからない。
信長がどのような意図をもってこのような言動をとっているのか。何をさせたいのか。どうしたいのか。
ただ後々、一つ分かったことがあった。
ベッドの上でも
R-15タグ、おまえが砦だ。
てなわけでオリ鯖2騎目。
真名『第六天魔王波旬 織田信長』
あと、ここで先に明言しときますね。
最終章含め、オリ鯖は全部で4騎を想定しています。
『はじまりのフォーリナー』
『第六天魔王波旬 織田信長』真名判明
『○○○』
『○○○○○○ ○○○』
全員フォーリナーです。
それと本編でも触れたけど、原作ノッブの言動がなぁ。アヴェンジャーのノッブの絆Lv4のセリフも考慮して、どう解釈するべきか実は悩みどころ。
藤丸のサーヴァントじゃないこのノッブ見たら、藤丸のノッブたち
「あれがフォーリナーのわしか! さすがわし、まさに才色兼備というやつじゃのう。降臨者ってか、美が降臨しておるわ!」
って見た目を絶賛しながらしれっとへし切抜いてそう。ついでに
「わしのことはわしが一番
とかも言うね、たぶん。
まーじでどうしよ。