TS転生お嬢様「家から追い出されたくないのでお兄様と子作りするぜ!」 作:赤々
「え、デート……?」
「うん。デートしよう彩華。ほら、せっかく父上や黒須に怒られることを覚悟の上で桜花街に来たのにカップラーメンだけを買って帰るだなんてあまりにも味気ないだろう?」
「で、でも……」
「ふふ、大丈夫だよ。実は僕ちょっとこの辺の店には詳しくてね。まず最初はカップラーメンがたくさん売っている店に行く?ああ、それとも女学生に人気のお店でも行く?ふふふ、彩華とこうして二人っきりで出かけるなんて初めてだから浮かれちゃうなあ」
「いや、え、ちょ……お兄様!?」
そう言い、兄貴は戸惑う俺の手を再び握り街中を歩き出した。それから俺は――……
「ほらここがカップラーメンがたくさん売っている庶民の店だよ。彩華好きなだけカップラーメンを買っていいからね。ああ、僕も職場に持っていく用にいくつか買って行こうかな」
「いや別にワタクシは……って、お兄様一体いくつカップラーメンを買うつもりなんですの!?ちょ、買い物かごからあふれていますわよ!?」
バコバコと陳列棚からカップラーメンを駆逐するがの如く買い物かごの中に投入する兄貴を止めたり、
「うーん、女学生に人気の店とは聞いていたんだけど……」
「ひっ!こ、この下賤な獣が高貴なワタクシの膝に乗るなんて不敬極まりますわ!って……お、おやめなさい!私の足をフミフミするのは!」
「ニャーン」
「うん。まさか猫と触れ合える喫茶店だったなんて思いもよらなかったよ。でも、彩華が喜んでいるみたいで良かった」
「別に喜んでなんかいませんわよ!?だって猫なんか嫌……いいいいいい!舌がザラザラしてるーーッ!!」
「ん?君もおやつが欲しいのかい?」
「ニャッ!」
苦手な猫がたくさんいる店に無理矢理連れて行かれて、苦手な猫達にフミフミされてゴロゴロされたり……
「……まっ、また負けましたわ!」
「ふふふ、また僕の勝ちだね」
「ぐう……!どうして勝てないんですの!?ワタクシ結構このゲームやりこんでいるのに……!」
「あれ?さっきはじめてやるゲームだって言ってなかったっけ?」
「あっ。あ、あれ?そんな事言いましたっけ?お、おほほほほ!さ、さあもう一回勝負ですわお兄様!」
「え?もう一回やるのかい?あはは……彩華は負けず嫌いだね」
前世で言うところのゲーセンに連れて行かれ、前世でやり込んだ筈のゲームで兄貴に勝てずムキになって何回も兄貴に勝負を仕掛けたり……
そうして。
「はあー……つ、疲れましたわ……」
日が傾いてきた頃には俺は疲労困憊でぐったりとベンチに寄りかかっていた。そんな俺を見て兄貴は苦笑いする。