戦国時代に転生したら春秋戦国時代だった件   作:d_chan

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第25話 六式修行編(六王銃)

■月L日

ついに、六王銃の修行開始。

六式を極めたものが修得できる秘奥である。重ねた両こぶしを相手に当てて、全身のエネルギーを使い衝撃を内部に与える。岩につかえば粉々にできる。まさに必殺技。

……うん、ぶっちゃけ今までで一番やばい。

この技、マジで六式の全部をミックスしなきゃいけないんだよね?

嵐脚の速さ、鉄塊の硬さ、紙絵のしなやかさ、指銃の集中力、月歩の踏み込み、剃の瞬発力……。

何かひとつでもズレたら、全部台無し。

いや、違う。台無しどころか、自爆する。

 

 

■月N日

普通にミスると腕がダメな方向に曲がる。マジで。

「力を一点に集めて解放する」って言葉にするとかっこいいけど、やってることは全身のエネルギーを自己爆発ギリギリで制御するってことだよね?

難しくて凹む。ついでに俺の拳も凹んだ。

 

 

J月◎日

修行方法を変えた。断崖から飛び降りて、落下の勢いを拳に載せる。

地面に衝撃を与えるとともに、自分へと反発する衝撃を逆算して参考にする、

界王拳併用じゃないと死ぬけど、力の流れが掴めてきた気がする。

ただ、着地の衝撃で骨がカチ割れそうになるの、どうにかならんかな?

 

 

M月○日

ついにやった。岩が、砕けた。

拳から衝撃を叩き込んだ瞬間、六式すべてが「ぴたり」と噛み合った。

音もなく、空気が凪ぎ、次の瞬間には——爆ぜた。粉砕音とともに、岩は一面の粉塵へと還った。

これが、六王銃。究極の一点突破。今の俺の最高技。

界王拳に並ぶスペシャル技である。

 

 

 

 断崖を背景に、月光に照らされた高地にて、一人の少年が拳を握りしめていた。

 田忠。銀髪にオッドアイ。仙人見習いにして、この世界にて六式の極致を追い求める者。

 その日、彼が挑もうとしていたのは、六式の統合技「六王銃」—。

 嵐脚の速さ。鉄塊の重さ。紙絵の柔らかさ。指銃の精密さ。月歩の軽やかさ。剃の加速。

 すべてを一瞬にして発動し、全身の力を拳に集め、解放する。

 それが六王銃。完成すれば、一撃で山をも砕くと噂される秘技だった。

 

 「これを極めれば……俺の戦場は変わる」

 

 田忠は、まずは基礎の確認から始めた。嵐脚の蹴りで空気を裂き、鉄塊の重心で衝撃を受け流し、指銃の集中で力を一点に。

 それらを次々と再現し、ひとつひとつ、肉体に落とし込む。

 最初の挑戦は失敗だった。

 拳は岩に届いたが、砕けたのはほんの一部。手応えはなかった。むしろ、拳が痺れ、自身が吹き飛びかけた。

 

 「これじゃダメだ……」

 

 田忠は地に座り込み、拳を見つめながら、修行方法を変えた。

 断崖からの落下。重力を活かした攻撃訓練。

 気流、姿勢、着地。すべてが一体化した瞬間、彼の中に「流れ」が見え始める。

 やがて——。

 彼は草原に立ち、岩を前にして静かに息を整えた。

 

 「全身の力を、今この拳に!」

 

 そして叫ぶ。

 

 「六王銃——破ァァァッ!」

 

 次の瞬間、岩は砕けた。音もなく、ただ静かに、そして爆音とともに、白く砕けて消えた。

 周囲の草がうねり、風が逆巻く。まさに「拳圧(インパクト)」。

 

 「……これが、俺の六王銃か」

 

 田忠は拳を下ろし、静かに呟いた。

 疲労が全身を包んでいたが、内なる達成感は確かなものだった。

 夜空を見上げると、一筋の流れ星が夜を横切る。

 それはまるで、彼の修行の果てに差し込む、未来の閃光のようだった。

 

 なお、後の北部戦役にて冒頓単于を討った技として現代においても有名である。

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