モモンガ様リスタート   作:リセット

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現地最強への道 前編

 36時間。その時間さえ我慢すれば、ラナーは再びクライムに会う事が出来る。とは言え気が気ではない彼女がその間何もせずいるのは、あまりにも時間の流れが遅く感じるだろう。

 

 なのでアイリスは事前に暇をつぶせるように、とある物をサトルに預けている。それが───

 

「これが……第五元素(エーテル)ですか?」

「うむ。ラナー殿下の刀や、私の装備類に使われている素材だな」

「……本当に、これがあの馬鹿げた武装に? 私には黒くてぶよぶよした、柔らかい素材にしか見えませんが……」

 

 サトルが取り出した世界級アイテム『第五元素(エーテル)』。それの見た目を一言で形容するなら、インゴットの形をしたコンニャクだろうか。

 

 指で突けばプルンと震え、握りしめれば形を変える。なのに刃物で斬ろうとしても傷一つ付かない最硬のコンニャク。『ユグドラシル』運営が最高の素材とは何かを考えた時に、鉄を斬る刀でも斬れない素材と言う事でコンニャクにしましょうと悪ふざけをした産物。

 

 結局ゲーム中では取得条件である『マウントフジの火口に神器級装備を20個投げ入れる』を誰も達成出来ず、異世界でようやく日の目を見た素材だった。

 

「これでクライム君のために何かを造ろうと思ってな。……確か彼が普段着ている鎧は、君が贈った物なのだろう?」

「はい。ラキュース達『蒼の薔薇』の皆様に譲って頂いたミスリルやオリハルコンを、私の貯めていたお小遣いで仕立てて貰った鎧を贈りました。……そうでもしないと、元孤児のクライムにはお古の鎧しか回ってこなかったので」

「───王女直属の付き人にお古って……はぁぁっ。思った以上に王城でのクライム君の立場が悪いと言うべきなのか……それとも王家がよほど軽視されているのか……」

「両方ですね。私が直々に選んだクライムに、そんな真似をしても大丈夫と高を括って。うふふ……まぁ今となってはどうでも良い事ですが」

「どうでも良いか……お小遣い制だったり、普段は演技をしなければならなかったり、王女と言っても上手くいかないのだな」

「───所詮は人間ですから。周りより頭が良い自信はありましたが……アイリス様に言わせれば全知はこの世に存在しない。私も思考誘導や手に入る情報を繋ぎ合わせる事で、第三王女の立場であっても、王国の調停者として動いてはいましたが……結局のところ手数が足りませんでした」

「だが時間さえあれば何とかは出来たのだろう?」

「どうでしょうか。ストロノーフ様の暗殺は私も気づいていませんでしたし、根回しの方面はどうにも苦手ですので……」

 

 苦笑をするラナー。彼女は大陸でも屈指の頭脳を持ってはいるが、決して全知と言うわけではない。あくまでも王宮で得られる情報を繋ぎ合わせることしか出来なかったせいで、王国では誰も知らなかった法国の企みは全く関知していなかった。

 

 そして根回しが苦手。これも事実である。クライムを拾うまでは、人間を上手く理解出来ずにストレスを感じていたのがラナーなのだ。

 

 少年を拾って以降は、人間の思考回路を自分にインプットすることで周囲の人間をある程度操作できるように成長はしていたが……それにだって限界はある。ラナーの兄であるザナックは、妹がわざと根回しに失敗することで、無害ですとアピールする方向で立ち回っているのではと勘ぐっていたが、本当にただ苦手なだけだ。

 

 自分の邪魔になる愚かな第一王子バルブロを事故に見せかけて抹殺するのも不可能で、ナザリック無しで帝国を打破するにもザナックやレエブン、ガゼフや父であるランポッサ相手に心中を打ち明けるしかなかっただろう。

 

 そもそも本来の歴史でも、とある超弩級の戯けの行動を読めず人間の思考が持つランダム性にラナーは苦しめられたり。クライムが全く与り知らないところで八本指のアジトに突撃して、本気で死にかけたのを聞いて軽く発狂しかけたりしている。

 

 つまるところそこがラナーの……正しくは知性の限界値。思考だけで完全な未来確定は絶対に不可能。技術的特異点(シンギュラリティ)の産物で地球最高峰の処理性能を誇ったアイリスも、未来の予測は出来ても確定は不可能と断言している。

 

 ───カオス理論と不確定性原理が産まれた日。ラプラスの悪魔は死にました

 

 だから全知は存在しない。それがアイリスの出した結論だった。

 

「───この話は止めましょう。バルブロお兄様やボウロロープ侯を思い出して、頭が痛くなるだけです。……それよりもエーテルを使った何か、ですか。鎧や剣はアイリス様の方でご用意されるそうですから、何にすれば良いのやら……」

 

 これが暗号解読などであれば、瞬時にラナーは答えられる。だがプレゼントとなると、少しばかり難しい。鎧の時にはまともな物を上げたいと、分かりやすい理由があったからすぐに用意出来た。けれども今回はクライムが喜びそうな武具の類いは、もう用意されている。

 

 そうなると何を贈れば良いのかとラナーは悩んでしまう。クライムならラナーに関連することで役に立ちそうなマジックアイテムなどであれば喜ぶだろうが、それ以外だとかなり物欲が薄い。何よりも彼が一番欲していたのは、ラナーの役に立てるような強い自分だった。それも叶いそうになっている現状、クライムがあえて欲しい物となると一体なんだろうか。何か良い物がないかとラナーは考えた末に、そういえば気になる事があったなと、一つのことを思いついた。

 

「サトル様。御身とアイリス様は左手の薬指に全く同じ指輪をしていますよね? あれは何か意図があるのでしょうか?」

「うん? ああ、これのことか」

 

 サトルが左手を持ち上げる。薬指に嵌められているのは、何の装飾もない白銀の指輪だ。本当にシンプルな見た目で、宝石もなく、うねりなどの変化も加えられていないただの指輪。

 

 だがこの指輪は非常に特別な指輪だ。アイリスとサトルが二人で造った指輪であり、素材は当然エーテル。能力隠しなど含め、様々な効果を持つデータクリスタルを詰め込んだ逸品。

 

 この世界で実体化した当初、サトルはまだモモンガだった頃には『流れ星の指輪』など課金を含めて10個の指輪を装着していたが、ボス化による完全耐性の獲得などにより必要もなくなったのでそれらを全て外し、この指輪だけを常につけている。

 

「これはペアリングと言ってな。私たちの世界には、愛し合う男女はお互いに指輪を交換し、左手の薬指に嵌める風習があるんだ」

「……愛し合う男女が交換!!」

 

 ラナーが強く反応する。全く同じ物をつけているのだから、特別な意図があるのだろうとは推測していた。だがそこまで直球の意味があるとは。

 

 ───サトル様とアイリス様が愛し合っているのは自明の理。やはりサトル様を言葉で誑かすのは無理ね。私の言葉より、絶対にアイリス様の御言葉を信頼す───何を考えているの私! 御二方の機嫌を損ねたら、この世界が終わるのよ! 消えなさい、闇の私! 忌まわしきトラウマと共に! …………危なかったわ。もう少しでまた発作が起きかねなかった。我がことながら、根っこに染みついた習慣は恐ろしいわ

 

 他者を数字だけで区別し、利用できるか否かだけで判断する。そんな悪魔ラナーとの闘いを辛くも制した天使ラナーは一息つく。昔は昔、今は今だ。あと少し耐えきれば一々他人を見下したりしなくとも、安全で甘々なクライムとの生活が待っているのだ。何が悲しくてリスクを踏みに行こうとするのだと、自分を戒める。

 

 それよりも今はクライムのために、このエーテルをどうするかだ。何を贈るのかをラナーは悩んでいたが、今の話で造りたいものも決まった。

 

「サトル様! 私決めました! クライムとのペアリングを造ります!」

「……ラナー殿下も女の子なんだな。アイリスも私とのペアリングを造るときに、似たような感じで張り切っていたよ。……しかしペアリングとなると、もう一つエーテルがいるが、生憎全部アイリスが持っていてな。この分はクライム君の分になるから、ラナー殿下の分は二人が出てきてからになるが、よろしいか?」

「構いません! クライムに造って貰ったのを、頂きたいんです!!」

 

 本当に、普通の女の子のように。ラナーは嬉しそうに笑う。『黄金』とまで呼ばれた少女の笑みには、演技の色はない。サトルの心がとっくの昔に、アイリスに奪われていなければ今ので射止められていたかも知れない、心からの笑顔。

 

「───ああ、そうだな。好きな人からのプレゼント。それが一番欲しいものな」

 

 サトルとラナーは時計を見る。二人が箱庭に入ってから、既に1時間。中では千時間、四十一日が経過している。

 

 ラナーに不安がないと言えば嘘になる。なにせその身でナザリックの訓練を実体験したのだから。クライムの性格だと、辛くても我慢をしてしまうのを良く理解しているから。それでも……今は待つだけ。アイリスなら多分……恐らく……きっとデミウルゴスよりは優しい訓練だと信じて。

 

 彼に贈る指輪を作成し、今は待つだけ。

 

 

 

    ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 脳力解放。本来の歴史であればとある執事との訓練によって脳の恐怖を感じる機能が壊れ、習得するはずだったクライムの専用武技。それを彼が自力で獲得したのはつい2ヶ月ほど前の事だ。

 

 なんとかして今の現状を打破したい。その執念は体の機能を限界まで酷使。更にその先に行こうとした時、肉体の疲労を緩和するために脳内物質が大量分泌され一時的にランナーハイに。副次作用として脳のリミッターも完全に外れ、一時的にクライムは一流の戦士の領域へと一歩を踏み入れた。

 

 その感覚を武技として落とし込んだのだが……脳のリミッターとはつまるところ自分の出力で、体が壊れないように肉体の方から設けている制限。それを外すのだから、筋肉は断裂し骨は自らの力に砕け脳は何倍もの速さで消耗する。

 

 そんな武技を24時間常に使い続ければどうなるのか。クライムは自らの武技で地獄を味わっていた。

 

「かぁ……ひゅ。かぁ……ひゅ。かぁ……ひゅ」

 

 喉が壊れたような呼吸をクライムは吐き出す。……ようなではなかった。彼の喉は既に壊れている。喉だけではない。脳力解放によるデメリットが全身を蝕み、彼は常に死にかけていた。

 

 眼の毛細血管は破裂して白目は全て赤色に染まっている。全身の穴からは血が滲み出ている。体は酸素を求め呼吸を必要としているのに、肺が動くだけで張り裂けそうな激痛が走る。

 

「っふ、っふ、ふぅっ! ぎっき…………」

 

 意味のない呻き声を上げる。上擦った声は体を震わせ、さらなる痛みを招き寄せる。

 

 それら全ての痛みを……ただクライムは全力で抑えつける。箱庭に入ってからの間、クライムはただひたすらに自分の武技が産み出す責め苦と戦い続けていた。

 

 早々に教えられた分割思考(マルチタスク)を活用。寝ている思考と起きている思考を分ける事で睡眠時でも武技を使う方法を駆使し、彼は必死で脳力解放を維持し続ける。

 

 心臓は早鐘を打ち、脳は常時掠れたノイズを吐き出す。短距離マラソンを全力疾走するのに等しい負担が、常に肉体にかかり続ける事でとっくの昔に全身の筋肉は断裂した。今のクライムは柔道着を着せられているが、その下は内出血による痣だらけになってしまっている。

 

 この箱庭に彼が入れられてから、既に60日。その間彼は脳力解放の維持以外何もしていない。正しくは何も出来ていない。自傷に耐えるのが限界で、食事すらまともに取れない中、どうやって訓練を行えと言うのだろうか。

 

 今も城の中にある道場の畳の上で蹲り、体がバラバラになりそうな痛みにひたすら耐える。耐える。耐える。だがいつかは物理的に耐えられなくなる。

 

 クライムの脳のどこかでバツンッ! と音がなった。限界に達した脳内の血管が切れたのだ。

 

 ぐるりと彼の眼が壊れたように回転する。意識が遠のいていく。奈落の底へと───。深い場所へとおちて───

 

「<軽傷治癒>」

 

 完全に落ちるその前に、彼を見守っていたアイリスが最低限の治癒を施す。クライムが意識を飛ばす事を、絶対に彼女は許さない。

 

「あ……いりす───さま……」

 

 あくまでも最低限。意識が戻ったとしても、痛みは引かない。神経を直接削り取りにくる。思わず彼はアイリスに懇願しようとして───

 

「終わりにしますか?」

 

 澄んだ赤目が向けられる。その眼を見て……クライムは吐きかけた言葉を飲み込む。

 

 ───そうだ! 何を勝手に諦めようとしている! お前の……お前の気持ちはその程度なのか!! この程度の……全身の骨が砕けかけて、体中の筋肉が断裂した程度で諦めようとするな!! アイリス様に……ラナー様に誓っただろう!! 隣に立つに相応しくなると!! 弱音を吐いていい身分ではないだろうがぁ!!!

 

 ……クライムの訓練。それは彼当人が望めば、いつでももっと穏便な内容に変更してもらえるようになっている。今やっているような下手な拷問より辛い鍛錬ではなく、和やかに鍛えるだけのプランも用意されている。だがその場合……クライムが望むようなラナーすら超えるような強者にはなれない。アイリスが考えている最強の戦士。それになるためには、脳力解放を常時維持する事でこの武技そのものを洗練化させることと……もう一つ。とある武技の習得が先決なのだ。

 

 そのために常に死の一歩手前で肉体に追い込みをかけている。つまるところこれはクライム自身との戦い。自分に折れたら最後、二度と立ち直ることは出来ないだろう。一度楽な道を覚えてしまえば、人はそちらしか選べなくなる。だから折れてはいけない。折れることは許されない。もしそれが許される時があるならば……いや、そもそも許される時はない。死ぬ時ですら許されない。

 

「あなたの死は、ラナーの死」

 

 その言葉が耳から離れない。あまりにも正論だからこそ、忘れられない。守護者を失った護衛対象には悲惨な道しかないのだから。

 

 ……ラナーは強い。100レベルに到達し、世界級装備を持つ彼女を傷つけるのは困難を極める。けど……けれどクライムが亡くなるのを目撃したラナーは、どのような気持ちになるだろう。死をその身で味わった彼女に、自分が死ぬ姿を見せてしまったら……きっともう二度と立ち直れない。心と言う器は完全に砕けたら戻らない。今のラナーの心を繋ぎとめているのは、クライムの存在だ。

 

 それを自惚れではなく、実感としてクライムは己の魂に刻み付けている。何度もフラッシュバックに苦しむラナーを見た。そんな中、自分に抱きしめられると安堵してくれたのだ。それを見て気づかぬほど、クライムは流石に鈍くない。

 

 だから……何があっても死なぬ強さを。誰にも負けないぐらいの強さを。アイリスが語る最強の戦士に。そのためには───

 

「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 吠える。自分に負けてなるものかと。自分にすら負けるような輩が、どうして強くなれようか。

 

 声を出せば全身の筋肉が鳴動し、比例して痛みも増す。だがそれがなんだ。ラナーが……ラナー様が覚えている苦痛に比べればなんだと言うのか。

 

 別に腕が動かなくなったわけではない。足も折れてはいるが、ちゃんと動く。眼は霞むが、まだ見えている。なんだ、つまりは五体満足じゃないか。クライムが折れていい理由はこれで無くなった。

 

 その姿をただアイリスは見守る。僅かに口元に微笑を浮かべて。足掻き続ける生の確かな在り方に好感を覚えながら、監視し続けた。

 

 そこからも苦痛を覚える日は連日続き。

 

 箱庭に入ってから95日経った頃。クライムはようやく、その武技を習得してみせた。

 

<自己治癒>

 

 能力向上で身体能力を上げるように、肉体が持つ自然治癒力を向上させる武技だ。

 

 ……リミッター解除で体が壊れていくならば、常に生命力を回復させれば良い。それがクライムの肉体が弾き出した結論だ。アイリスの低位階の治癒により、少しでも体は楽になる。その感覚を肉体に覚えこませ、武技として昇華させたのだ。

 

 マジックアイテムや装備などを使えば、似たような効果は幾らでもある。だがアイリスはこの武技をどうしても覚えさせたかった。この武技を発展させれば、必ず役に立つからだ。

 

「おめでとうなのです! まさかこれほど早く習得するとは……クライム。貴方の根性は筋金入りなのです。だいはーどなのですよ!」

「ありがとうございますアイリス様。ですが、私だけでは習得は出来なかったと思います。常にギリギリを見極めてくれた、アイリス様の手助けがあってこそです」

「ネガティブ。努力と根性も十二分に立派な才なのですよ? 頑張る事を諦めない。それを考えはしても、実行に移せる人は稀です。ましてや、自らの肉体を限界を超えてなお、酷使する。さて……これを実践できる人は何人いるのか? ───誇ってください。貴方はやり遂げる為の一歩を、踏み出せる側の人種なのです」

「そんな! 私はそんな大層な人間では───」

 

 アイリスの言葉にクライムは少し困惑しているが……その頬は緩んでいる。王宮にいた頃には、彼を凄いと言ってくれたのはラナーぐらい。それ以外だと『蒼の薔薇』のガガーランのように、「頑張ってるじゃねえか」や「よくやってる」と言ってくれる人物はいても、アイリスのように誇れと言ってくれた人は本当に皆無だった。

 

 だから少しだけ……本当に少しだけ。今までの苦労が報われたような気持ちに少年はなり───

 

「───その気持ちは最後まで取っておくのですよ」

「ッ! 申し訳ありません! このような事で気が緩んでしまい……」

「ネガティブ。アイリスの言葉が嬉しいと思ってくれたならば、師匠冥利に尽きるのです。……こほん。では気を取り直して。どうです? リミッター解除による負傷と自己治癒。それは釣り合っていますか?」

「はい! 今は何の苦痛もありません!」

「ポジティブ。ではこれで本格的な修行に入る前提が揃いました。これから貴方には様々なモンスターとの闘い。アイリスとの組手。それと並行して脳力解放と自己治癒の強化と発展を行って貰います。……モンスターは全て貴方のレベルより高い相手しか用意しません。組手は手加減はしますが、それでも内臓が破裂したり背骨が折れたりします。体の苦痛は無くなりましたが、常に集中力の容量を二つの武技に割くのは精神的な負担が大きいです。───この三ヶ月を乗り越えた貴方には愚問でしょうが、再度問います。誰よりも強くなるためなら……あらゆる壁を乗り越えられますか?」

「出来ます! 私には諦めて良い理由はどこにもありません!」

 

 断言したクライムの顔には、何の憂いもない。ただ主のために邁進する。それを再確認した漢の顔だった。それを見て……アイリスは確信する。彼のために用意したプラン。それが無駄になることは絶対にないと。

 

「───ポジティブ。残り三年と九ケ月。一緒に……ポジティブしましょう。その暁には……貴方はこの世界最強の、竜王すら超えられる」

 

 アイリスが目指すクライムの完成系。それはツアーすら超えさせること。

 

 彼女がサトルを守るために、ユグドラシルのシステム限界すら超えているように。クライムには、この世界の限界に挑戦させるつもりだった。






ラナー:トラウマと共にかなり光堕ち。たまに闇の私と戦っている。本作だと全てを頭脳だけで全てを操作するフィクサーとかまではいかないくらいの天才。それが出来たら原作開始前にバルブロと宮殿のメイドは多分事故死してる



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