半端者の天狗、ヒーローとヴィランが台頭する世界で前世の罪を償うため、英雄となる   作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ

3 / 6
*この小説の物語は、半天狗をもう一人の主人公にした、僕のヒーローアカデミアの物語です。基本、僕のヒーローアカデミアの原作沿いです。

*原作の主人公である緑谷出久ももちろんちゃんと主人公です。

*新たな半天狗の分身体の追加などもあるかもしれないですが、作者の気分にも寄りますので、必ずしも追加するとは限りません。ご了承ください。

*他に、理不尽な文句、嫌がらせなどは一切受け付けません。それならばこの作品を見なければ良い話です。ここ最近、理不尽なアンチ行為が多いと聞くので。あと、面白ければ何でもいいぞ!みたいな感じで見て頂けると、こちらとしても嬉しいばかりです。よろしくお願いします!

追記:近日中に投稿すると言ったのにお待たせしてしまって申し訳ありません。その分文字数はかなり多いので、それで妥協してくれると幸いです。


第壱話:別世界

狭間の女神たちと別れたあと、半天狗は時空の門を入り、その中にある、向こうの世界に続く道を駆け足で走っていた。

 

半天狗「周りには何もないのう・・・、じゃが本当に行けるのか?」

 

いつまでたっても変わらない景色にぶつくさと言っているといきなり半天狗の目の前が光り出した。

 

半天狗「うっ!眩しい!」

 

・・・・・・・・・バシュンッ!

 

光が消え、半天狗・・・いや、半天狗によく似た人物は目を開けて周りを見渡した。

 

???「何処だここは・・・?中を見た限りおそらく此処は立派な和洋折衷の屋敷みたいなところのようだが、もしや今向こうの世界とやらに着いたのか?ん?」

 

半天狗によく似た人物が次に感じたのは視点だ。先ほどより高いのだ。

 

半天狗は、この世界に来る前までは小柄な老人の姿をしていたが、今此処にいる、半天狗によく似た人物は若い頃の半天狗や半天狗の分裂体たちのように若く、背丈が高い。

 

気になった、半天狗によく似た人物はそばにある鏡に自分の姿を写した。

 

???「ッ!な、何故だ!?老人じゃなくなっておる!これはもしや女神様のさらなる施しか!?」

 

なんと高校生ぐらいの見た目に変化していた。服に関してはさっきまで来ていた金色の波線が縦状に引いてあるシンプルな立涌文様がある黒の生地と紅の生地の着物がそのまま大きくなったようだった。

 

そしてさらにそのまま肌や眼の色の見た目も見た。すると半天狗によく似た人物にとっては嬉しいことが起こった。

 

???「肌も鬼の時のような褐色肌じゃなく、れっきとした人間味のある白みがかった肌色だ。それでいて角も、額や瞼に浮き出ている暗い桃色の血管のようなところも見られん・・・。おまけに眼はしっかり人間の眼だ。そして眼の色は、周りの部分が白色で中心部分が紅色か・・・。ならばこの感じは正に・・・」

 

半天狗によく似た人物は、そのままかつて半天狗の本体を護った喜怒哀楽の分裂体の一人の名を思い出したかのように言った。その半天狗の分裂体はなんと・・・

 

 

 

 

???「かつて、怒りの分裂体だった頃の儂だ・・・!思い出したぞ。今の儂は積怒だ!」

 

元が半天狗の怒りの分裂体であったその半天狗によく似た人物は、自分の姿、名が積怒だと今わかった瞬間、やはりあの狭間の女神様の隠された施しなのだろうと思い少し嬉しい気持ちになった。それと同時に何か違和感を感知した。その違和感の居場所はどうやら積怒の身体の中らしい。三人ほどの生命エネルギーが感じられる。それがわかった瞬間、積怒はその三人・・・・を呼び出すために、その三人それぞれの名前を呼んだ。

 

 

積怒「・・・それにしてもやはり彼奴ら三人は儂の身体の中にいるか。ならば、おい、わざと隠れるのはいい加減やめろ!儂の身体にいるんだろう。出てこい!可楽!空喜!哀絶!

 

 

すると、積怒の身体から何処からともなく声が聞こえた。

 

 

可楽「カッカッカッ!ついにばれてしもうたか!積怒を試してみたんじゃが、やはり積怒の野生の感は強いのう。関心関心!」

 

空喜「カカカッ!相変わらず積怒はノリが悪いのう。そんなんだから俺らに短気と言われるんじゃ!」

 

哀絶「空喜・・・、積怒がいくら短気だとしても積怒にあまり現実を突きつけるようなことを言うな・・・、可哀想であろう。それに儂が哀しくなる」

 

その声色は、今積怒の身体の中にいるあの三人のものだった。一人目は、常に「楽しさ」を重きに置いている人柄を持つ可楽。二人目は、常に「喜び」を重きに置いている人柄を持つ空喜。最後の三人目は、常に「哀しみ」を重きに置いている人柄を持つ哀絶であった。三人それぞれ、元は半天狗という鬼であった頃、その本体が積怒と共に生み出した分裂体である。そして、積怒は哀絶の言ったことはともかく、可楽がふざけ、空喜が短気と言って挑発してきたため、積怒の堪忍袋が破裂しそうな状況であった。

 

積怒「黙れ!哀絶はともかく、可楽と空喜はふざけているのか?儂はただ早く儂の身体から出てこいと言っただけだ!もういい加減素直に出てこい!さもなければ儂の頸を自ら切断してでも貴様らを引き出すぞ!わかったか!」

 

積怒の威圧感に押され、こればかりは流石にしょうがないので、可楽、空喜、哀絶の三人は抵抗するのは諦めて潔く積怒の身体から分裂することにした。

 

可楽「全く、積怒はさっき空喜が言った通り相変わらず短気じゃのう。わかったわかった、積怒の身体からそろそろ出て行くからもうそんなに怒るな、積怒。」シュン!

 

空喜「ヒャヒャヒャヒャ!可楽がそう言うならば俺もそろそろ積怒の身体から出ようかのう!哀絶はどうじゃ?」

 

哀絶「そうだな、ここは潔く積怒の身体からもうそろそろ出た方が良い。これではキリが無い。」

 

空喜「そうかそうか!それは喜ばしいのう!」シュン!

 

哀絶「空喜・・・、いちいち声がでかいぞ。哀しくなる。」シュン!

 

そして、可楽、空喜、哀絶はシュン!と残像が飛ぶような音を出しながらやっと積怒の身体から分裂し、積怒と同じく人間の姿のまま現れた。三人共、服に関しては前世の頃と違って積怒が来ている着物とほぼ同じな着物を来ており、可楽は金色の波線が縦状に引いてあるシンプルな立涌文様がある黒の生地と緑色の生地の着物を着ており、空喜は金色の波線が縦状に引いてあるシンプルな立涌文様がある黒の生地と茶色の生地の着物を着ている。そして哀絶も金色の波線が縦状に引いてあるシンプルな立涌文様がある黒の生地と藍色の生地の着物を着ていた。身体的特徴も、特に印象に残ったのが目の色であり、可楽は目の周りが白色で、目の中心部分が緑色。空喜も目の周りが白色で、目の中心部分が黄色。

また哀絶も目の周りが白色で、目の中心部分が藍色である。

 

可楽「ふぅ〜、やっと外に出れたのう!積怒の身体の中に儂と空喜と哀絶が一片に入っていたから少し狭くてたまらんかった。なあ、空喜、哀絶。」

 

空喜「そうじゃのう〜、可楽。またこうして俺たちが分かれられたのは実に喜ばしいぞ!それにずっと積怒の中にいるのは息が詰まるからのう。」

 

哀絶「可楽・・・、空喜・・・、積怒の身体から出れて嬉しいのはわかるが、儂らの今の見た目を見ろ。何故か人間になっているぞ。」

 

可楽「何じゃと!?本当か!?おお!確かに紛れもない白みがかった肌じゃ!ということは儂らも人間に生まれ変わったということか!こりゃあ楽しそうだのう!また人間界に行けた上にまた人間に生まれ変われるなんてのう!」

 

空喜「おお!確かに俺も人間の姿じゃ!こりゃあ喜ばしいのう。こうしてまた俺らも人間の姿に生まれ変われたなんてのう〜。それにしても服装はまるで積怒が前世で着ていた着物とほぼ一緒とはな・・・、これも俺ら四人の中にある何かの縁かのう・・・?」

 

哀絶「確かにそうじゃな・・・、何故積怒の着物とまるでほぼ瓜二つの着物を儂ら三人とも着ておる・・・?もしやあの女神様とやらの天の施しの一つなのか?」

 

 

三人がそう仲良く話していた。だが、その話は怒を司る人物によって唐突に終わりを告げる。

 

 

積怒「ハァ、やっとか・・・!全く腹立たしい!儂の身体から出るまで一体何分掛かったんだ!?それと呑気に立ち話までしおって!」

 

可楽・空喜「「ん?何だ積怒か?さっきお前の身体から出たぞ!これでいいじゃろう.(だろう)!それと積怒の身体から出るまで何分掛かったかって?」」

 

そして、可楽と空喜は積怒が怒気を含ませながら聞いてきたその質問に答えた。

 

 

可楽・空喜「「覚えとr」」

 

 

ゴチン!!

 

その瞬間、積怒の拳骨が痛恨の一撃のように可楽と空喜の頭のてっぺんに直撃した。そして可楽と空喜は積怒がぶち込んだ拳骨によって起こった激痛を抑えるために、頭を両手で抱え、そのついでに積怒に精一杯抗議した。

 

可楽「痛いのう!いきなり何するんじゃ積怒!?覚えとらんと言ったら覚えとらんと言っておるじゃろう!?それに、儂は空喜と哀絶よりも早く先に出たぞ!?なのに何故まともな答えが出なかったらすぐ拳骨をしようとするんじゃ!?儂が理不尽に拳骨をくらうのは儂は楽しくないぞ!」

 

空喜「痛い!痛いぞ積怒!?可楽の言う通りじゃ!なんで積怒は俺と可楽だけにすぐ拳骨をやりたがるんだ!?そんなの不公平じゃろうが!?この短気!最後に積怒の身体から出てきた哀絶にも拳骨をやれ!これは全然喜ばしくないぞ!」

 

今も止まない可楽と空喜の荒ぶる抗議に対して、積怒はさらにイライラし、ブチ切れそうだった。そして・・・

 

積怒「黙れ!馬鹿者共!もういい加減にしろ!哀絶はお前ら馬鹿二人と違って素直に出てきてくれようとしたからそれに免じて哀絶には拳骨をしなかっただけの話だ。それに哀絶はお前ら馬鹿二人よりかはよっぽど利口な方だ。それに対してお前ら二人はどうだ!?口を開けば儂に対しての愚痴ばかりで舐めているような口を開く。なのに何故そんなに拳骨をやりたがるだと?そんなものただのお前ら二人の自業自得だ!もういい!儂はこの屋敷の中をさらに見てくる!少し反省していろ!」スタスタ

 

可楽・空喜「ヴッ!!」グサリ!

 

積怒による怒りの言葉矢が勢いよく馬鹿二人にぶっ刺さり、積怒は怒って屋敷の中の何処かへ行ってしまった。その後、さらに追い討ちを掛けるように哀絶が拍車を掛けた。

 

哀絶「ハァ、全く・・・。可楽も空喜もそろそろいい加減にしておけ。こればかりは積怒の言う通りだ。今こんなくだらぬ揉め事で無駄に時間を潰していることが無駄だと思わないのか?それならばこの世界に着いた時に確認するべきこととかがあるだろう・・・。そうは思わなかったのか?」

 

可楽「!よ、よく考えて見れば確かに」

 

空喜「そうじゃのう・・・。さっきから思いつかなかったぞ。」

 

哀絶の言葉で、くだらない揉め事よりもっと大事なことを優先するべきだということにやっと気づいた可楽と空喜は、哀絶に誠意を込めて謝った。

 

可楽「ならば哀絶、さっきはすまなかったのう。儂は一番気にするべきことをすっかり忘れておった。恩に着るぞ!」

 

空喜「同じく、俺も可楽が今言ったことと同様じゃ!哀絶にも拳骨をやれとか言ったりして、さらに哀絶までくだらん揉め事に巻き込んですまん!これから大事なことを優先するから何とかそれで許してくれ!」

 

可楽と空喜の誠意のこもった謝りに対して、哀絶はと言うと・・・

 

哀絶「・・・そうか、まあ可楽と哀絶の誠意がある謝罪はもちろん儂には伝わったんじゃが、お前らは一番迷惑をかけた積怒には謝罪しないのか?積怒にまた怒鳴られてもいいのなら儂は別にそれで構わんのだが・・・。」

 

可楽「ッ!た、確かにそうじゃった!空喜!積怒にもしっかり謝るぞ!」

 

空喜「ああ、わかっておるぞ!可楽!」

 

一番迷惑を掛けた積怒に謝っておけと哀絶に言われたため、可楽と空喜は急いで積怒に謝ろうと決めた。その一方で積怒はというと・・・

 

「・・・最初に儂がいた和室の広間に続いて、儂ら四人が余裕でいれるぐらいの広さがある一階の和室と少し広めの台所、そして玄関はとりあえずほぼ見終わった。あとは・・・ん?ここは・・・洋間か?とりあえず中に入ってみるか。」ザッ、ザッ

 

 

と、そう思ったその時・・・!

 

 

可楽「おお!いたいた!積怒!先程はふざけてしまって悪かったのう〜。だからそう怒らずに何とか機嫌を直してくれ!頼む!」ポンポン

 

可楽が突然積怒のところに現れ、積怒の肩をポンポンと手で叩きながら積怒に謝罪した。それに続いて・・・

 

空喜「俺も可楽と言いたいことは同義じゃあああああ!積怒!・・・からの、さっきは積怒のことを短気だと言ってすまなかった。この通りじゃ!何とか許してくれ!」

 

空喜も走った後、スライディングをするように滑り込みを入れながら盛大に積怒のところへ現れ、また積怒に謝罪した。

 

それを見た積怒はというとーー

 

 

積怒「ハァ・・・、せめて普通に謝りにこれないのか?そもそもこんな大声でいちいち盛大に謝りに来て煩いぞ!儂は今調べ物をしておるんじゃ!静かにしろ!さっきのことはもういい!儂はもう怒っておらん!だから大人しくしていろ!可楽!空喜!」

 

可楽「お、おお!儂と空喜に対してもう怒ってはおらんのか!なら良かった良かった!」

 

空喜「のう〜、これは喜ばしいぞ!」

 

積怒「わかったから静かにしろ!これで何度目だ!それと、いちいち騒ぐほど暇があるならば可楽と空喜も調べ物をするのを手伝え!」

 

可楽・空喜「「調べ物か・・・、面白そうじゃな!よし!わかった(ぞ)!」」

 

可楽と空喜は、ここで騒いでいるのも積怒の迷惑になると思ったので、

ここは敢えて積怒と一緒に調べ物をすることにした。そして積怒も再び調べ物に戻った。

 

積怒「よし、調べ物に戻るか・・・、それにしてもここの洋間、どうやら本や書類などが多めだな。そこら辺を重点的に調べてみるか。何かこの世界における情報が見つかるかもしれん。可楽と空喜もここの本や書類などを重点的に調べてくれ。あとふざけたり遊んだりするんじゃないぞ。もしそうしたらすぐに此処を追い出す。わかったな?」

 

可楽「ああ、わかったわかった!要するにちゃんと調べ物をしていればいいんじゃろ?」

 

積怒「そうだ。わかったならばさっさと手を動かして調べ物をしろ!」

 

可楽「おう!よし!儂たちも積怒の調べ物を手伝うぞ!空喜!」

 

空喜「了解じゃ!可楽!俺も退屈していたところだからのう。」

 

そして、三人は、洋間でこの世界についての情報をもっと詳しく調べるため、調べ物を始めたのだった。

 

 


 

 

積怒、可楽、空喜がこの世界について色々知るため、調べ物を始めたその一方、哀絶は屋敷の中で三人を探していたが、四人いる分には充分に広過ぎる屋敷の中を少しだけ彷徨っていた。

 

 

哀絶「・・・可楽と空喜の奴、やけに遅いのう。積怒に謝りに行ったついでに何処かで道草でも食っておるのか?全く、積怒も可楽も空喜も、儂を一人にするなんて哀しいのう・・・。まあいい、こっちから探せばいいことだ・・・。」スタスタ

 

そう言いながら哀絶は広い屋敷中を歩きながら積怒たち三人を探し続けていた。ちなみに哀絶が今いるところは、網戸や簾が外側にあり、その外側にはなんと、屋敷に四角く囲まれた、木や石灯籠、お地蔵様などが立っていて、さらに芝生のような草が敷かれたり、竹で作られた古風な獅子脅しなども置かれている日本庭園のような遊べるぐらいの広い庭にいた。そして・・・

 

哀絶「さてと、日本庭園のようなところもついでに見終わった。そろそろ積怒たちを探すことを再開するか・・・ん?なんだ?何か向こうから声がする・・・。もしやその方向に積怒たちがいるということか・・・。ならば早速向こうへ行ってみるか・・・。スタスタ

 

哀絶は、今いる場所を出発し、声を出しているその声の主がいる場所へ少し急ぎ足で向かった。そして数分後、その場所に着いた。その場所は昔のレトロな洋館にありそうな洋間だった。そして哀絶は扉を開けようと扉の取手に手を掛けた。

 

哀絶「・・・さてと、どうやら積怒たちはここにいるみたいじゃな・・・、さっさと合流するk「おお!見ろ可楽!このプロヒーローとやら、女なのにかっこいい風貌をしているぞ!しかも顔も身体も物凄く俺の好みで上玉じゃ!」・・・全く、相変わらず騒がしいのう。」ガチャ、キィィ・・・!

 

そして、哀絶は静かに洋間へと入った。

 

可楽「ん?本当か!それは良かったのう、空喜好みの女が見つかって。それにこの女のプロヒーローとやらの名前はなんと言うんじゃ?儂も楽しいから知りたいぞ!空喜!」

 

空喜「名前か?うーむ、このプロヒーローとやらの名前は・・・、ん?おお!ここか!それで名前は「リューキュウ」と書いてあるぞ可楽!

 

可楽「リューキュウか、その女のプロヒーローの情報にヒーロービルボードチャート?で第9位を獲得と書かれているが、もしやヒーローとやらの番付か?ならば結構名が知れ渡っているプロヒーローなのかのう?」

 

空喜「そうじゃなぁ・・・、位が上位に食い込んでおるということはたしかに名が知れ渡る程に人気なプロヒーローかもしれんぞ!だからもし出会えたら俺は記念に握手やサインを貰うぞ!なんといっても俺の好みだからのう!」

 

可楽「カカカッ!それはそれはこれから楽しいことがあって良かったのう!さてと、次のプロヒーローの情報を見るぞ空喜」

 

空喜「カカカッ!それもそうじゃな!」

 

可楽と空喜は、洋間で積怒が調べ物をしている際に、「プロヒーロー大全集」という大型の図鑑を一緒に見ていて、お互い共それについての話で盛り上がっていた。だが、二人はまだ気づいていなかった。哀絶が今さっきここに来たことに。

 

哀絶「・・・可楽、空喜そのプロヒーロー?とやらの話に盛り上がっているところ悪いが、さっき積怒に謝りに行ってから何をしていた?本を読んだりして遊んでいたのか?全く、儂の目が無い内に儂を一人にしおって・・・、探す身にもなれ。可楽、空喜。」

 

可楽「ん?おお!びっくりした、哀絶か。何故此処に来たんじゃ?哀絶も調べ物をしに来てくれたのか?」

 

空喜「おお哀絶!それは苦労をかけてすまんすまん!積怒になら俺と可楽はもう謝ったぞ!それにわざわざ探しに来てくれたのか!?」

 

哀絶「・・・そうだ、可楽と空喜と積怒がいつまでも戻ってこないから儂が直々に迎えに来た。ちなみに積怒は今何処にいる・・・、積怒も一緒にいるんだろう。」

 

可楽「ああ、積怒ならここの洋間の奥でなんかこの世界の詳しい情報とやらを調べているぞ。」

 

空喜「ああ、そうらしいのう。」

 

哀絶「・・・わかった、恩に着る。ならば早速積怒に話しかけて来る。可楽と空喜は・・・、その図鑑でも見ていろ。」

 

 

哀絶がそう言うと、可楽と空喜は「了解じゃ!哀絶!」といってまた図鑑を見ることに戻った。そして哀絶が積怒のところへ向かってる時、洋間の奥で積怒は、この世界についての詳しい情報を調べている真っ最中であった。

 

 

積怒「・・・やはりこの歴史書などのどの書物にも鬼殺隊や鬼狩りのことは載ってすらいない。だとするとここはあの女神様の言う通り、鬼殺隊や鬼狩りが存在しない、前にいた世界とは全く違う完全な別世界ということなのか・・・?なら女神様が特別に転生させてくれるということは事実だったのか。ん?誰かこっちに来たな、誰だ?」

 

積怒がそう言いながら振り向くと、そこには哀絶がいた。

 

哀絶「積怒、可楽と空喜から話は聞いた。この世界のことについてもっと詳しく調べているのだろう?良ければ儂も手伝うぞ。」

 

積怒「なんだ、哀絶か・・・。お前まで此処に来たのか?それと哀絶も儂の調べ物を手伝ってくれるのか?」

 

哀絶「ああ、可楽と空喜はプロヒーローとやらの情報を調べていることにまた集中しておる。だから儂と二人がかりで手伝う。その方が効率的じゃろう・・・。」

 

そして積怒は、哀絶の提案に一瞬だけ迷いつつも、すぐに答えを出した。

 

積怒「そうか、わかった。ならば哀絶は儂と一瞬に調べ物を頼む。幸いなことに、可楽と空喜も仲良くあのプロヒーローとやらについて調べ物

をしているからな。」

 

 

哀絶「ああ、わかっておる。それで、どこまで進んだんじゃ?」

 

哀絶か積怒に対して、その調べ物に対する進捗を聞いた。

 

積怒「ああ、とりあえず今わかっていることはまず、まだ確定はしておらぬが、この世界は前にいた世界とは完全な別世界だと思う。そして、あの個性とやらの異能が関与している法があったり、ヒーローという職業に就くためにはまず「ヒーロー免許証」とやらを取得しなくてはならないこともわかり、養成学校で学んだりしてからそれを取得するらしく、その養成学校は言わばヒーローの育成専門の寺子屋みたいなものだった。殆どあの狭間の女神様が言っていた通りだ。」

 

哀絶「・・・そうか、可楽や空喜とは違って積怒は先のことを見据えながらしっかりこの世界のことを調べておるのだな。それは感心するものだ。」

 

 

積怒「ああ、この世界は儂もまだまだわからないことがあるからな。それと哀絶、儂はさっき信じられぬ情報を目の当たりにしてしまった。聞くか?」

 

 

哀絶「・・・ああ、聞かせてくれ。信じられぬ情報とは一体なんじゃ?」

 

 

積怒「そうか、実は・・・、」

 

 

そして積怒はさっき調べて気づいたその信じられぬ情報を哀絶に話した。

 

 

 

 

 

 

積怒「この世界には現時点で、鬼殺隊や鬼狩りの情報が全く無い。もしこのまま鬼殺隊や鬼狩りの情報が掴めぬままであれば、儂らはどうやら鬼殺隊や鬼狩りがそもそも存在しない世界に来たかもしれぬ。」

 

 

 

哀絶「何!鬼狩りや鬼殺隊が存在しないかもしれぬ、だと・・・!」

 

 

積怒が調べ上げたその信じられぬ情報はなんと、さっき積怒が調べた鬼狩りや鬼殺隊の存在が現時点では無いという情報だった。鬼だった者として、鬼殺隊や鬼狩りは宿敵である。その宿敵がこの世界には存在しないかもしれないと知ればどんなに冷静な人物でも驚かない訳がない。

 

哀絶「積怒!ならばこの世界は本当に鬼狩りや鬼殺隊が存在しない別世界という訳なのか・・・!?」

 

積怒「ああ、儂も最初は信じられなかったが、今時点では紛れも無い事実だ。それに此処の洋間にあった書物などにも鬼狩りや鬼殺隊の情報は一切乗っていなかったからな。それを考慮すると鬼殺隊や鬼狩りがおそらく存在しなかった世界に来たかもしれないということがわかる。まあ先程も言った通り、まだ確定はしておらぬがな。」

 

 

哀絶「そうか・・・、あの冷静な積怒が今時点では紛れも無い事実と言っているのならば、本当のことなのか・・・。わかった、恩に着る、積怒。それと積怒、気になったことがあるんだがいいか?」

 

 

積怒「なんだ?哀絶」

 

そして哀絶は今自分が気になったことを積怒に聞いた。

 

 

哀絶「まず一つ目、無惨様は今頃何をなされているのかということだ。儂らが鬼狩りたちに負けて戦死したせいで無惨様にまたさらなるご苦労を掛けさせてしまった・・・。哀しいことにな・・・。」

 

積怒は、哀絶の一つ目の質問を一通り聞いたあと、その質問に答えた。

 

 

積怒「ああ、その気持ちは儂も同じだ、哀絶。儂らが不甲斐ないせいで無惨様にさらなるご苦労を掛けさせてしまった。だが!無惨様もいつかきっとご自分の罪を理解されて自らの罪を償ってくれるだろう・・・!だから儂らは無惨様が自分で犯した罪を無惨様が償ってくれるように儂らは同じく前世の罪を償う者として心の中で願う、ただそれだけでいい・・・!哀絶、何も難しく考えることはない!」

 

なんと積怒は、無惨に申し訳ないことをしたということの他に、無惨がいつかきっと自身の罪を理解して自ら償っていくと、そう願ったのだ。それに哀絶も自然とその言動に惹かれて行った。

 

哀絶「ッ!そうか、そうだな。無惨様もいつか自分の過ちに気づいて、自身の罪を償って下さるだろうな。なら儂も常に心の底から願おう・・・!無惨様も自身の罪を償って下さると。」

 

積怒と哀絶は、前世の時の主であった無惨もきっといつか自身の罪を償って下さるだろうと、そう深く願いながらこの場には存在しない鬼舞辻無惨に向けて手を合わせ、合唱をした。そして、その後哀絶は積怒に次の気になったことを言い出した。

 

 

哀絶「それはそうと積怒、あと二つ目だ。翁殿は一体何処にいるんじゃ・・・?この世界に来てから翁殿の姿を一切見ていない。分裂体であった儂らもこの世界に転生しているならば翁殿も必ず何処かにいるはずなのだが・・・」

 

 

積怒「ハッ!哀絶の言う通り、そう言えば翁殿は一体何処に行った!すぐに、すぐに探さねば!」

 

 

積怒は、翁殿が迷子になっていることに気づき、すぐに探そうと洋間から出ようとした。だがその瞬間!喜怒哀楽の分裂体たちにとっては絶対に聞き覚えのある、弱々しくて臆病な肉声が、洋間の隠れた小さな隙間から聞こえてきた。

 

 

 

 

半天狗「ヒィイイイ・・・!」ガサッ!

 

 

 

積怒・哀絶「!お、翁殿!!」

 

 

なんと、洋間の隠れた小さな隙間から、喜怒哀楽たちの本体こと、半天狗が、野ネズミほどの大きさで現れた。探していた翁が突然出てきて一瞬だけ驚いたものの、何とか落ち着きを取り戻した積怒と哀絶は、自分らの主である半天狗に話を振った。

 

 

積怒「翁殿、この屋敷で一体何をしておられたのですか!?一向に翁殿の姿が見当たらないので儂が探しに行こうとしたのだぞ!?」

 

 

哀絶「まあ積怒、少し落ち着け・・・。こうも騒いでは煩くて敵わん。まずは翁殿の話を聞くのが先決だろう・・・。」

 

 

半天狗に質問攻めするように言った積怒に対して、哀絶は、まず半天狗、すなわち翁殿の話を聞くべきだと言ったため、積怒もまた落ち着きを取り戻した。そして、哀絶は半天狗に何処で何をしていたか?ということについて聞き始めた。

 

 

哀絶「翁殿・・・、此処の洋間にくるまで一体何をしておられた?まずは翁殿が此処までくるまでの経歴を知りたい・・・。翁殿、言えるか・・・?」

 

 

半天狗「うっ、ううう・・・!やっとじゃ・・・、やっとお前たちと合流できた・・・!ここまで来るのにこの小さくなった身体では本当に大変じゃった・・・!野ネズミに執拗に追っかけ回されたりしたからくたびれたものじゃった・・・」

 

 

積怒・哀絶「ッ!」(野ネズミに追っかけ回されただと・・・!?)

 

 

その後、半天狗からの話をさらに聞くと、半天狗は、時空の門から出た後、最初は暗い屋敷の屋根裏部屋にいて、そこを彷徨いつつ、屋根裏部屋を出る出口を探していた時に、ガサガサと動く何かが現れ、それが野ネズミで、執拗に追い回されたらしく、その勢いで、何とか出口を見つけ、屋根裏部屋を出れたもののまた野ネズミに屋敷の中で追い回され、最後は半天狗が隠れていた時に、野ネズミが外へ出て去っていったという。そして、また屋敷の中を彷徨っていた時に喜怒哀楽の分裂体たちがいる洋間の部屋へと目を付け、その中に何とか入って、今に至ったらしい。

 

 

半天狗「ーーと、まあこんな感じの経歴じゃ・・・。うっ、うっ。」

 

 

積怒「そうだったのか?まあ経歴はわかった、翁殿。ならば何故身体を小さくしたままこの屋敷の中を散策していたのだ?元の大きさに戻れば儂らなどすぐに見つかったはずであろう。」

 

 

積怒は気になった。何故、半天狗が野ネズミ程の大きさでこの屋敷の中を散策していたのかを。自分らを探すことなど途中から元の大きさに戻ればすぐに見つかったはず、積怒はそう思っていた。

 

 

半天狗「うっ・・・、そ、それは、野ネズミに執拗に追い回されたせいで、屋根裏部屋を出た後に元の大きさに戻ればいいという考えまで思いつかなかったんじゃ・・・」

 

 

積怒「だから儂らを探すのに少々時間がかかった、という訳ですか。なるほど、まあ小さくなっていた翁殿に対して、屋根裏部屋に大きい野ネズミがいたら、普通は冷静さを欠くということは確かにわかります。ですが、だからと言って勝手にフラフラと散策して迷子になると探しに行こうとした儂らも困るぞ、翁殿。これからは気をつけて下され。」

 

 

半天狗「あ、ああ、わかった・・・、すまぬ。それと今から一旦元の大きさに戻るから待ってくれぬか?」

 

 

積怒「ああ、そのことは既にわかっておる。だから早く元の大きさに戻ってくれ。」

 

 

半天狗は積怒の軽い説教を受けたあと、少し怯えながらも了承した。そして、半天狗はムクムクムクという擬音を立てながら元の大きさへと戻り、見た目も人間の姿に戻った。

 

半天狗「ふう、これで何とか元の大きさに戻れたわい・・・。さて、お前たち、これからこの世界で生きていくための話し合いをする。ちなみに可楽と空喜は何処にいるんじゃ?」

 

 

哀絶「ああ、可楽と空喜なら、ヒーローとやらがたくさん載っている大図鑑を見ながら二人で仲良く調べ物をしておる・・・、翁殿。」

 

さっきまでずっと黙っていた哀絶がそう口を開いた。それを聞いた半天狗は、積怒と哀絶に二人で調べ物をしている可楽と空喜を呼びに行ってくれと頼んだ。

 

半天狗「そうか・・・、ならば積怒と哀絶は今もこの世界について調べておる可楽と空喜を連れて、これから話し合いするこの屋敷の広間に来てくれぬか?儂は先に広間に向かって準備をしておる。」

 

 

積怒「わかった、翁殿。可楽と空喜を連れてすぐに儂らも広間に向かう。心配は無用だ。」

 

哀絶「同じく儂も同様じゃ。翁殿。」

 

 

半天狗「そうか、ならば頼んだぞ、お前たち。」

 

 

半天狗はそう言ったあと、また身体を縮小化させて洋間にある小さな隙間をまた通って洋間の外へと出て行った。それを確認した積怒と哀絶は、可楽と空喜を呼んで洋間を出る準備を始めた。

 

 

積怒「よし、じゃあ可楽と空喜を連れてこの洋間を一旦出るぞ、哀絶。」

 

 

哀絶「ああ、わかっておる、積怒。」

 

 

 


 

 

 

そして数分後、洋間を出た積怒たちは、積怒たちが最初にいた広間へと喋りながら足を運んでいた。可楽と空喜は自分らの主である半天狗が見つかったことに喜んでいた。

 

可楽「そうかそうか!翁殿が無事に見つかったのは実に良かった話じゃのう、積怒。」ポンポン

 

 

積怒「ああ、とりあえず翁殿が見つかったのは幸いなことだ。あと可楽!肩組みしながら儂の肩を叩くな!歩きづらいぞ!」

 

 

可楽「やれやれ、全く積怒は相変わらず怒りやすい短期者じゃのう。まあそう怒るな積怒、儂と積怒の仲じゃろうに。」

 

 

積怒「何が儂と積怒の中だ!全く!お前という奴は・・・!」

 

 

その一方で・・・

 

 

空喜「カカカッ!翁殿が見つかったのは実に喜ばしいのう!おまけに積怒と可楽は仲良しでさらに喜ばしいことじゃ!」

 

 

哀絶「ハァ・・・、楽観的なところは相変わらず変わっておらぬな、可楽は。積怒ももう放っておけば良いものを・・・。」

 

 

空喜「まあ哀絶もそう気に止むな!可楽はただ積怒と仲良くしたいだけなんじゃ!そう心配することではないぞ!それに俺は哀絶と仲良しこよしがしたい!」

 

 

哀絶「ッ!空喜!急に何を言い出す・・・!」

 

 

空喜「何を言い出すも何も、俺は哀絶と仲良しになりたいんじゃ!それ以外他にないじゃろう!?ほれ、俺らも肩組みじゃ!哀絶!カカカッ!」

 

 

哀絶「ハァ・・・、仕方ない。少しだけだぞ?空喜。」

 

 

哀絶がそう返事を返すと、空喜は「そうかそうか!流石哀絶は話のわかる奴じゃ!」と言いながら哀絶へ肩組みをした。そのまま四人は肩組みをしながら広間に向かった。そしてーー

 

 

 

哀絶「積怒、おそらくここではないか?翁殿がいる広間は」

 

 

積怒「ああ、たしかここだったはずだ、儂らが最初にいた広間は。では入るぞ、可楽、空喜、哀絶。」

 

 

可楽「カカカッ!そんなこと儂は既にわかっておるぞ!だから早く入れ積怒!」

 

 

空喜「そうだぞ積怒!積怒のせいで列が詰まっておるぞ!」

 

 

哀絶「・・・可楽、空喜、少し静かにしろ。積怒を急かすな。」

 

 

積怒「全く可楽と空喜は・・・、まあいい。翁殿、儂らです、失礼します。」ガラガラッ!ピシャン!

 

積怒、可楽、空喜、哀絶の四人は、襖を開け、中に入った。そしてそこには・・・

 

 

 

半天狗「先程言った通り来たか、お前たち。まあこの焦茶色の卓(テーブル)のそばに敷いてある数枚の座布団に適当に座れ。」

 

 

積怒、可楽、空喜、哀絶「わかった((わかったぞ!))、翁殿((翁殿!))」

 

 

喜怒哀楽の四人は、焦茶色の木の台(テーブル)を囲むようにそれぞれの座布団に座った。そして、半天狗による、これからどう生きて行くかということについての話し合いが、今行われようとしていた。

 

 

半天狗「さてお前たち。何故ここに呼んで話し合いをするのか、おそらくじゃがもうわかっておるな?」

 

 

積怒「ああ、儂はだいたいわかっておる。これからのことについて、であろう。」

 

 

可楽「儂もなんとなくじゃが話はわかっておるぞ!翁殿!」

 

 

空喜「俺も可楽と同義じゃ!翁殿!」

 

 

哀絶「・・・儂も積怒の言う通り、この世界で生きるためのことについてだと思う。翁殿。」

 

 

喜怒哀楽の四人各々が口を開く。四人の答えを全て聞いた半天狗は満足そうに頸を縦にゆっくり振った。

 

 

半天狗「そうか、最初からわかってくれて何よりじゃ。うむ、ならばまず最初に話し合うのは、この世界でまず果たすべきことについてじゃ。これは単刀直入に言うと、あの狭間の女神様が仰った通り、お前たちにはヒーローという人助けする職を目指してもらう。ちなみに儂はヒーローという職とは別の形で善行をしようと思っている。儂らは、前世の時のようにもう二度と道を踏み間違えたくはない!どうか頼む・・・!」

 

 

その問いに対して、喜怒哀楽の四人は今半天狗が言ったことを了承するように口を開いた。

 

 

積怒「・・・そうか、わかった、翁殿。翁殿が儂らにこれから人助けをしたりして善行を行って真っ当に生きてくれということならば、儂らはそれを謹んでお受けするだけじゃ。だから顔を上げてくれ。そんなことをせずとも儂らの思いはもうとっくに決まっておる。そうだろう?可楽、空喜、哀絶」

 

 

可楽「カカカッ!確かにそうだのう〜!積怒の言う通りじゃ!翁殿!」

 

 

空喜「それに、俺はそのヒーローとやらの職について興味が出できたからのう〜!はっきり言ってこれは好都合じゃ!翁殿!」

 

 

哀絶「儂も翁殿が仰ったことに従うまでじゃ・・・。儂もそのヒーローという職を目指してみようと思う。興味もなんとなく出てきたからのう。」

 

 

喜怒哀楽の四人は、半天狗の言ったことを了承する以前に、もう四人の意思は決まっていた。せめて翁殿を儂ら四人で守りたいと、その意思を見た半天狗は、嬉しそうに笑みを溢しながら口を開いた。

 

 

半天狗「そうか、それは良いことじゃ。儂はお前たち四人が純粋で優しい者であって本当に良かった。ありがとう、お前たち。さて、話は次に移る。次は、これからこの世界での儂らそれぞれの基本情報となる、戸籍と個性の確認じゃ。実は、この世界に来た時に気づいたんじゃが、儂らの戸籍と個性についてはどうやら狭間の女神様が儂にこっそり用紙を渡していたらしくてのう、その数枚の用紙が、儂ら全員で計五枚の戸籍謄本の申請書と、そして儂らそれぞれの個性が書いてある個性届とやらの個性を登録するための用紙らしい。今からその二つをお前たちに配る。もちろん儂の分もある。では、これが儂らの戸籍並びに個性の申請書じゃ。」スッ

 

 

半天狗はそう言い終わった後、早速、戸籍謄本の申請書と個性届を積怒、可楽、空喜、哀絶へとそれぞれ配った。戸籍では、積怒、可楽、空喜、哀絶、そして翁殿こと半天狗の(偽の)出生と、親族関係についてそれぞれ五枚の戸籍謄本の申請書に書いており、個性では、五人それぞれの個性が、個性届に詳しく書いてあった。その二つを見た喜怒哀楽の分裂体たちは、各々反応や意見を述べていた。

 

 

積怒「ふむ、なるほどな。儂の今の戸籍上の名は上弦肆 積怒じょうげんし せきど》、そして親族関係は上弦肆 翁怯じょうげんし おうきょう?殿との養子縁組・・・、まさか、翁殿は儂ら四人の親という立ち位置になるのか?」

 

 

可楽「ほう?儂の新しい名は上弦肆 可楽(じょうげんし からく)か。これはこれで中々楽しそうな気がするのう〜。」

 

 

空喜「カカカッ!俺もだいたい同じだぞ!積怒!可楽!俺の新しい名は上弦肆 空喜(じょうげんし うろぎ)じゃ!名が余り変わっておらんのは実に喜ばしいぞ!これはこれで。」

 

 

積怒「煩いぞ空喜!真っ昼間からそんなでかい声で騒ぐな!落ち着いて見れんのか!腹立たしい!」

 

 

哀絶「ハァ・・・、全く、積怒も空喜も少しは静かに見れぬのか。それはさておき、儂の新しい名は上弦肆 哀絶(じょうげんし あいぜつ)か、哀しいほど余り変わっておらん名だな。」

 

 

そして、翁殿こと半天狗はと言うと・・・

 

 

 

半天狗「・・・なるほどのう。お前たち、まず儂の新しい名は上弦肆 翁怯(じょうげんし おうきょう)となる。儂の新しい正式の名はもう覚えておくのじゃぞ?」

 

 

積怒、哀絶「「わかった、翁殿」」

 

 

可楽、空喜「「わかったぞ!翁殿!」」

 

 

半天狗、いや、上弦肆 翁怯は.自分の名前をすぐに覚えるように、喜怒哀楽の四人に言い聞かせた。その後、また説明を続けた。

 

 

翁怯「そして儂は戸籍の続柄上、お前たちの祖父じゃが、お前たちに渡した用紙のところに養子縁組と書いておるじゃろう。これはつまり、儂はお前たちの祖父であり、父でもあるということじゃ。」

 

可楽、空喜「「な!なんじゃとぉぉぉぉぉ!!翁殿、翁殿が儂らの父親代わりになるのか!?これは意外じゃ!」」

 

 

積怒「煩い!いちいち叫ぶな!可楽!空喜!別にそう驚くことでもなかろう!まあどうやらさっき儂が立てた仮説はやはり本当のようだったろうがな。」

 

 

哀絶「ああ、どうやらそうみたいだったな・・・」

 

 

可楽と空喜は、翁怯が積怒、可楽、空喜、哀絶の祖父並びに父親代わりとして親族関係があることに深く動揺しながら驚き、逆に積怒と哀絶は、さっき立てた仮説である、実は翁殿が親なのではないか?という仮説が本当のことだったことに少し満足していた。

 

 

積怒「それにしても翁殿、今思ったのだが、翁殿の戸籍の続柄が祖父ならば、儂ら四人は翁殿の孫になるという訳か?」

 

 

積怒は思った。翁殿の続柄が祖父ならば自分ら四人は必然的に孫に当たることになると。その確認をするために積怒は翁怯にその問いを投げた。すると、翁怯からとんでもない答えが出て来た。

 

 

翁怯「ああ、結論から言うとこれからお前たちは紛れもなく儂の孫になる。それに・・・」

 

 

 

 

 

翁怯「お前たちの戸籍上では、お前たちは四つ子で、同い年の兄弟関係になっておるからのう。」

 

 

積怒、可楽、空喜、哀絶「「「「なっ!何!?四つ子だと!?」」」」

 

 

そのことを聞いた喜怒哀楽の四人は耳を疑った。それもそうだろう、前世の時は半天狗自身から生まれた分裂体だったのが、今世はちゃんとした四つ子の兄弟なのだから驚くのも無理はない。そして喜怒哀楽の四人は、最初こそ驚きはしたものの、徐々に落ち着き、また各々が反応を口にした。

 

 

可楽「そうかそうか!カカカッ!ならば儂らはこれから四つ子の兄弟と

してこの世界で暮らすようになるのか!これはこれで楽しそうじゃのう〜。なあ積怒?」

 

 

積怒「・・・ああ、確かに儂も今世の儂ら四人の親族関係がまさか四つ子だとは思わなかった。これもまさか翁殿が言っていたあの狭間の女神

の施しなのか?」

 

 

空喜「カカカッ!今世で儂ら四人は四つ子となるとは!それは何とも喜ばしいのう〜。こうして俺ら四人で兄弟になれるのは滅多にない幸運だぞ!特に哀絶と兄弟になれて俺は幸せじゃ!」

 

 

哀絶「やめぬか空喜・・・、哀しいほど気色が悪いぞ。」

 

 

空喜「なっ!何じゃと!?哀絶!何もそんなことを言わなくてもいいじゃろう!逆に俺が哀しくなるぞ!」ガーン!

 

 

その後、哀絶は「別に儂はお前のことを嫌っている訳ではない。今の言動が単に気色悪かっただけじゃ。」と言うと、空喜は誤解だったことに気づき、「!そうかそうか!なら良かったのう!」と言っていた。そして喜怒哀楽の四人がガヤガヤと騒ぎ始めていたため、翁殿こと翁怯は、静かにするように四人に指摘した。

 

 

翁怯「お前たち、まあ驚くのはわかるが、今は話し合いの最中じゃ。悪いが静かにしてくれぬか?」

 

 

積怒「わかりました、翁殿。可楽、空喜、哀絶、とりあえず静かにしろ。」

 

 

可楽、空喜「「ああ、わかっておるぞ!積怒!だから早く話を進めろ!」」

 

哀絶「ああ・・・、わかった、積怒」

 

 

喜怒哀楽の四人が静かになった後、再び翁怯による話し合いが始まった。

 

 

翁怯「さて、次は四つ子としてのお前たちの続柄じゃが、これは順を追うとまず最初に積怒が長男で、次に可楽が次男、その次に空喜が三男、そして最後に哀絶が四男、つまりは末っ子じゃ。そんな感じでお前たちの戸籍上ではそのような四つ子の関係になっておる。なのでこれからはそのような兄弟関係になる。わかったか?お前たt「ちょっと待て!翁殿!」何じゃ?空喜よ。」

 

ちょっと待てと言って手を挙げたのは空喜であった。その後、空喜は何故一番上の長男が積怒なのが気に食わないことを、言い分として言った。

 

 

空喜「何故・・・!何故一番上の長男が積怒だと最初から決まっておるんじゃ!誰がやりたいかも決めずに翁殿が勝手に積怒を長男として決めるのはいくらなんでも不公平じゃろうが!翁殿!ここは公平にじゃんけんとかじゃろう!」

 

 

可楽「!確かに言われてみれば空喜の言う通りじゃ!ならば儂に、儂に長男をやらせろ!翁殿!」 

 

 

空喜「!待て可楽!流石に抜けがけはずるいぞ!ここは公平にじゃんけんとかじゃ!」

 

 

可楽「じゃんけんなど、そんな運要素の強い決め方は嫌じゃ!こればかりは儂が絶対適任じゃ!空喜!」

 

 

そして、可楽と空喜は長男の枠を取り合い始めるように言い合いが始まった。そのくだらない争いに対して哀絶は、「ハァ・・・、哀しいほどくだらぬ」と呆れ果てた。そして何より、その争いを無理矢理沈める者が、怒髪になりながら可楽と空喜に説教という名の制裁を加え始めた。

 

 

 

 

積怒「いい加減にしろ・・・!この馬鹿者共!翁殿が何故可楽と空喜を長男にしなかったかわかるか?答えは単純明快じゃ。勝手なところが多い可楽や空喜だと長男は向いていない。それだけのことだ。こんなくだらぬ揉め事を起こしている時点でな・・・!」

 

 

空喜「うっ!だとしてもじゃんけんとかで決めた方が良いと思ったんじゃ!積怒も理解してくれるところは何処かしらあるであろう!?」

 

 

可楽「空喜の言う通りじゃ!儂だって長男をやりたいんじゃ!」

 

 

可楽と空喜は積怒にまた説教され始めても、悪あがきと言わんばかりに未だ抗議している。それを見た積怒は、何とも腹立たしい馬鹿者共と思い、段々とこめかみに青筋を立てながら焦茶色の木のテーブルを思いっきり握り拳で叩き付け、さらに説教を激しくさせた。

 

 

積怒「黙れ!!ふざけるのも大概にしろッ!腹立たしい!もう一度言うが、翁殿は慢心が多い可楽と空喜では長男には向いていないと思っただけであろう!だからこそ必然的に見て可楽、空喜、哀絶をまとめ上げる儂に焦点が向いて、そして儂が長男になった。それだけの話だろうが!いちいちもうこんなくだらぬ揉め事を起こすな!煩くて敵わんぞ!わかったらそこでまた反省していろ!この馬鹿者d 「ヒィィ!せ、積怒・・・!ちょっと待ってくれぬか・・・!?」ッ!なんだ?翁殿・・・」ギロッ!

 

 

 

この騒動に対して、ついに助け船が出た。その正体は、なんと半天狗こと、上弦肆 翁怯であった。そして、翁怯は少し積怒の威圧に押されながらも何とか喜怒哀楽の四人の兄弟関係があらかじめ決まっている理由を話し始めた。

 

 

翁怯「じ、実はのう・・・」

 

 

そして、翁怯は喜怒哀楽の四人にとって驚くべきことを発言した!

 

 

 

 

翁怯「言い忘れたんじゃが、お前たちの兄弟関係はどうやらあの狭間の女神様が設定したものだったんじゃ。だから今さらもう変えられぬ。」

 

 

積怒・可楽・空喜「は?」

 

 

積怒、可楽、空喜は一瞬思考が停止した。何故なら自分らの兄弟関係を設定したのがあの狭間の女神だったのだから。だがその後、何とか落ち着きを取り戻した積怒が翁怯にまた問い始めた。

 

 

積怒「お、翁殿、その話は誠なのか?」

 

 

翁怯「あ、ああ、証拠として添えた狭間の女神様の伝言が書かれた紙もある。見てみるか?積怒、可楽、空喜」

 

 

積怒「ああ、わかった、翁殿。ならばその狭間の女神とやらからの伝言の紙を見せてくれぬか?」

 

 

可楽「そうか、ならばその狭間の女神とやらからの伝言用紙、儂も見てみたいぞ!翁殿!」

 

 

空喜「俺もじゃ!翁殿!その伝言用紙、見せろ!」

 

 

積怒、可楽、空喜の答えを聞いた後、翁怯は、翁怯が座っている畳のその隣の位置の畳に置いてあった複数枚の書類の中から、その狭間の女神様の伝言が書かれた紙を取り出して積怒、可楽、空喜に見せた。

 

 

翁怯「そ、そうか・・・、ならばほれ、これが狭間の女神様の伝言が書かれた紙じゃ。」スッ

 

 

そして積怒、可楽、空喜は餌に群がるようにその紙を見た。

 

 

 

狭間の女神からの伝言の紙にはこう書かれてあった。

 

 

 

ちなみに、半天狗さんの分裂体についてなんだけど、親族関係は四つ子の兄弟にでも設定しておくわ。そしてその兄弟関係は、長男が積怒くん、次男が可楽くん、三男が空喜くん、そして最後の四男並びに末っ子が哀絶くんという関係になるわ。え?どうやって兄弟関係を決めたのかって?そうねぇ・・・、まあイメージとして合っているところに適当に振り分けただけよ。それぞれの戸籍謄本には先程言った通りの内容でもう書いちゃったからそれで我慢して頂戴。じゃ、よろしくー。

 

親愛なる狭間の女神より!

 

 

その用紙を一通り見た積怒、可楽、空喜の三人はと言うと、

 

 

 

積怒「なっ!何だと!ではあの狭間の女神とやらが儂らの兄弟関係など諸々決めたのは本当だったのか・・・。それにしても勝手に決められたのは少し腹立たしいが、こればかりは仕方ない。」

 

 

可楽「ほう?まあ確かにこの用紙に書かれたことは本当かもしれんのう。それに、翁殿がその狭間の女神とやらを敬愛するように言っておるならまあ信じてやるとするか。なあ空喜?」

 

 

空喜「カカカッ!そうじゃのう〜可楽!俺が長男になれなかったのは全然喜ばしくはないが、翁殿が先程言った話は信じてやるとするかのう〜」

 

 

どうやらさっきの翁怯の話を信じるようだ。それに対して半天狗こと翁怯は積怒、可楽、空喜の三人が早く信用したことに少し驚きつつも、安心したようにため息を吐いた。

 

 

翁怯「ハァ・・・、やっと納得したか、お前たち。狭間の女神様がもう決めたことじゃ、潔く諦めてこの兄弟関係で行く。それでいいかのう?」

 

 

積怒「ああ、わかった、翁殿」

 

 

可楽「儂もわかっておるぞ!翁殿!」

 

 

空喜「カカカッ!俺も積怒と可楽と同義じゃ!翁殿!」

 

 

哀絶「・・・ああ、儂は了解じゃ。翁殿。」(儂の兄弟の続柄が四男並びに末っ子なのは多少気にはなるが・・・)

 

 

そして、話し合いは次に進んで行った。

 

 

 


 

 

それ以降の話し合いは案外理解が早く、スムーズに進んだ。まず狭間の女神からの伝言の一つとして、狭間の女神が執筆した現代の時代での暮らし方の説明書用紙が、それなりにどっさりとこの屋敷にあった。そしてそれを翁怯と積怒、可楽、空喜、哀絶はそれを一から学んで行った。だが、覚えるものは五人にとってはたくさんあり、ノートパソコンやスマートフォン、ガスコンロ、さらには現代の風呂や洗濯機など、前世は現代よりも大昔の江戸の世から大正の世まで生きてきた五人には、余りに衝撃的でハイカラ過ぎるものばかりを目にし、それら全てを理解しようとして可楽と空喜はストレス性高体温症を発症してしまった。そして積怒は可楽にわかりやすく説明するというやり方で可楽を助け、哀絶は空喜にわかりやすく説明するというやり方で空喜を助けた。一方で喜怒哀楽の分裂体たちの翁殿、翁怯は自ら重い腰を上げて現代の時代での暮らし方を必死になって学んで行った。そして数時間後、五人はついに説明書の内容をとりあえず全て理解した。特に、元来の資質や勤勉さもあった積怒は、現代家電を始めとした機器の使用法を完璧にマスターし、パソコンについても自分で一から組み立てる事こそ出来ないが、起動後の各種設定の手順を、説明書を見ずとも行えるようになるほど頭に叩き込まれていた。また、積怒の次に覚えが早かった哀絶と翁怯も、最初は不慣れな現代家電の使用法を覚えるのは苦手そうにしつつも、重い腰を上げて何とか必死で覚えていき、やっと積怒ほどではないが、マスターした。最後にこの問題児二人組である可楽と空喜は、最初こそ現代の暮らしを学ぶことに飽きてふざけて遊び始め、その後積怒に鉄拳制裁され、仕方なくまた真面目にやり始めた。その結果、結局は可楽が空喜よりも先に現代での暮らしを一応マスターし、最後に空喜がやっとの思いで現代での暮らしを一応マスターした。積怒曰く、正直やっぱり空喜が一番物覚えが下手だったらしい。さらに半天狗、いや、翁怯たち五人がこれから住む和洋折衷な大屋敷の全貌を示した内部が説明と共に描かれた巨大なポスター状の用紙を五人で見て大屋敷の構造を覚え始めた。その後、その巨大なポスター状の用紙は、玄関に飾られた。

 

 

そして、翁怯たち五人の話し合いもそろそろ終盤へと進み、個性届に書いてある五人それぞれの個性の確認し始めた。まず最初に、積怒たち四人の個性は、簡潔に答えると、前世での積怒たちの本体の名前であった半天狗の血鬼術『分裂』と鬼の身体能力と再生能力、そして喜怒哀楽の分裂体それぞれの能力をそのまま個性として当てはめたようなものである。特に最初の方は、分裂の血鬼術を狭間の女神が積怒、可楽、空喜、哀絶のために直々に改造して作った、実質喜怒哀楽の分裂体専用の個性らしく、その個性の名はなんと、『半分裂半吸収』である。半分裂半吸収の能力は、まず基本的に分裂と吸収、二つの能力に分かれており、半分裂の方は、積怒、可楽、空喜、哀絶のどれかの分裂体を元に、他の三体の分裂体がその元になる分裂体に取り込まれている時だけ発動できる能力で、元になる分裂体が自身の頸を切断したりすると、その切断した頸からは胴体ができ、新たな分裂体を出せる。逆に頸が切断された胴体からは、分裂元になった分裂体の頸がまた生えてくる。頸の切断で出せる分裂体は積怒、可楽、空喜、哀絶の計四体で。それ以上頸を切断したり、されたりして分裂すると攻撃の威力が落ちる。ちなみに、分裂元の分裂体が頸を切断しなくても、一応背中から積怒、可楽、空喜、哀絶を出せるが、その分裂方法は、出てくる分裂体本人の意思で外に出るか出ないかを決められるため、大事な時に出てこなかったりする時もある。なので使い勝手が悪く、特に積怒は余り使いたがらない。あと、頸を切断した場合での分裂体が出てくる順番は、元になった喜怒哀楽の分裂体によって以下のように変わるらしい。

 

〈頸が切断された場合での喜怒哀楽の分裂体が出てくる順番〉

 

 

積怒が分裂元の場合:可楽→空喜→哀絶

 

可楽が分裂元の場合:空喜→哀絶→積怒

 

空喜が分裂元の場合:哀絶→積怒→可楽

 

哀絶が分裂元の場合:積怒→可楽→空喜

 

半吸収の方は平たく言うと、喜怒哀楽の分裂体が合体並びに融合して、さらに協力な分裂体を誕生させるという能力だが、今時点では鬼滅の刃の原作同様、積怒が自らを元に可楽、空喜、哀絶を手から吸収して、「憎珀天」という、積怒を元に顕現した融合体を出すことができる。ちなみに可楽、空喜、哀絶も半吸収の能力を持っているが、序盤ではまだ制御できないため、積怒だけが今のところ半吸収の方も使える。だが、積怒曰く憎珀天の力は制御が難しいため、あまり使いたくないのことらしい。あと異常なまでに癖が強い個性である。また、『鬼化』は、文字通り鬼滅の刃に出てくる鬼の如く、超怪力と超スピード、そして超再生の能力が付いて、見た目も前世の時になっていた鬼の姿になることができる。だが、鬼化込みでの戦闘力は、一歩間違えれば重傷を負わせてしまうほどの威力なので、力の手加減は必須である。しかも、驚くのはこれだけではない。『半分裂半吸収』と『鬼化』の個性はなんと、喜怒哀楽の分裂体たち四人の共通個性であるのだ。つまり、喜怒哀楽の分裂体たち四人全員が持っている個性となる。共通個性だけでも個性が二つあるので、いかに上弦肆四兄弟たちが狭間の女神から優遇されているのかが伝わる。そして今、積怒たち四人は喜怒哀楽の分裂体それぞれの能力を個性にした個性の確認を行っていたが、名前がかっこいいなどの反応が多かった。

 

 

積怒「なるほど、儂の固有の個性は『天雷の錫杖』と言うのか。その内容は・・・、【雷の力を纏った錫杖で広範囲に豪雷を発生させて、攻撃できる。なお、この錫杖は、「自身の肉体から生み出されたもの」という設定がある。なお、生物の体の一部に触れていないと豪雷の攻撃は発動しない仕組みになっている。】か・・・。正に前世の儂の時とほぼ全く同じ能力の個性だな。」

 

 

可楽「儂のは・・・『神風の羽団扇』と読むのか。なるほどよのう。それで肝心の内容はどんな感じじゃ。えー、【自身の肉体から生み出した、天狗が使うような羽団扇(ヤツデの葉っぱのようなアレ)を武器とし、猛烈な烈風を起こす攻撃で、振るった跡にはその風圧で羽団扇型のクレーターができ、建物の床などが簡単に底抜ける。だが、あくまでも武器の特性なので、羽団扇が奪われると自分が「豆粒のように」ぶっ飛ばされることに。 なお、生物の体の一部に触れていないと烈風の攻撃は発動しない仕組みになっている。】という感じか・・・、要するに前世の儂の能力とほぼ一緒のようなものかのう!なあ空喜。」

 

 

空喜「カカカッ!そうじゃのう〜!可楽。ちなみに俺の個性は『超音波の猛禽』という個性らしいぞ。個性の説明はうーむ、【超音波を放つことができる上、大きな猛禽類の翼を生やし、手が猛禽類のような鋭い蹴爪になっているのが特徴。(手と足は、鬼化した時に顔と共に変化する。)また、鋭い鉤爪は非常に強力で、「金剛石(ダイヤモンド)を砕く」と豪語できる程。 そしてその高い飛行能力を活かしたヒット&アウェイ?戦法が可能で、さらに超音波の能力を活かした狂圧な音波を放ってでの攻撃もできる。弱点は、体重が軽いこと。ちなみに猛禽類の翼は場合によって出し入れ可能。】か。それにしても個性の内容が前世の頃の俺の能力がそのまま反映されているのは実に喜ばしいぞ!ならばいつも通り、儂の背中に猛禽類の翼を生やしたり、鬼化した時は腕と足を猛禽類のような腕と足にすることができるという訳か!じゃがヒット&アウェイとは一体何じゃろうな?哀絶。」

 

 

哀絶「そんなこと儂は知らん。自分で調べろ・・・、空喜。それで儂の個性は『激流水の十文字槍』、か。それで個性の内容は・・・、【自身の肉体から生み出した十文字槍で、激流の水の如く速く、そして激しい突きで攻撃できる。また、槍を構えて前方に衝撃波のようなものを繰り出すこともできる。なお、生物の体の一部に触れていないと衝撃波の攻撃は発動しない仕組みになっている。 ちなみに、自身の肉体から生み出す十文字槍は、殺傷能力が無く、訓練用に使える模造品の十文字槍も生み出すことができる。】か。だがなんともまあ、哀しいことに儂の個性は積怒、可楽、空喜と比べて地味じゃのう・・・。哀しくなる。」

 

 

喜怒哀楽の分裂体たちがワイワイと話し合っている一方で、翁怯は一人で静かに自分の個性の確認をしていた。

 

 

翁怯「儂の個性とやらは一体何処に・・・、ん?ここか。何々、『怯の鬼』と『恨の鬼』か・・・。能力の説明は・・・うむ、【怯の鬼は、自身を野ネズミ程度の大きさに小さくした小鬼にすることができ、さらに素早さと防御能力と再生能力が超強化される。ちなみに、怯の鬼の個性は攻撃系統の特殊能力は持っていない。】ことと、あと・・・、【恨の鬼は、自身を2メートルぐらい大きくした大鬼にすることができ、さらに攻撃能力と防御能力と再生能力が超強化される。あと一応、威力が少し弱めの超音波を口から放てる。】か。やはり狭間の女神様が仰っていた通り、儂らの個性は全て前世の頃の能力が元になってできている、という訳か・・・、ん?ッ!こ、これは・・・!、お前たち!ちょっと聞いてくれぬか!?」

 

翁怯はすぐさま積怒、可楽、空喜、哀絶を呼び戻した。積怒と哀絶は、自分らを呼びつけた翁怯に対し疑問を感じ、逆に可楽と空喜はだるそうに欠伸をしながら翁怯に自分らを呼びつけた理由を問い始めた。

 

 

積怒「ん?翁殿、どうかしたか?そんなに急いだ顔をして」

 

 

哀絶「なんだ?何か火急の用でもあるのか?翁殿」

 

 

可楽「何じゃ?翁殿。今儂ら四人は儂ら四人の個性のことについて熱く語り合っていたんじゃぞ。」

 

 

空喜「そうだぞ!翁殿!今度は何の話じゃ!?」

 

 

四人各々が口を開いているが、翁怯はとりあえず静かにしてくれと言い、喜怒哀楽の四人を黙らせた。

 

 

翁怯「お前たち、まあ少し落ち着け・・・。実はのう、儂らが今やるべきことがだいたいわかったのじゃ。」

 

 

積怒・可楽・空喜・哀絶「「「「今やるべきことじゃと?」」」」

 

 

翁怯「ほれ、今度はこの戸籍謄本の申請書と、あと個性届とやらと共に添えてあった狭間の女神様からの伝言用紙を見よ。そこに儂らが今やるべきことが書いておる。」

 

 

そして喜怒哀楽の四人はその狭間の女神様からの伝言用紙を見た。そこにはこう書いてあった。

 

 

 

この戸籍謄本の申請書と個性届についてなんだけど、半天狗さん達の住処であるここの大屋敷から近場にある市役所、半天狗さん達にとっては役場にあたるわね。要するに何が言いたいかというと、戸籍謄本の申請書と個性届を半天狗さんたちでその市役所に申請して提出してくるのよ。あと、戸籍謄本の申請書と個性届の書類を市役所へ提出した際についでだから半天狗さんたちの住処であることを証明する住民票も作ってくるといいわ。最後に、持ち物として財布とお金も持って行った方がいいわね。半天狗さんたちの財布は広間にある引き出しに閉まってあるわ。ちなみに財布の中には個人番号カードという、あなたたちの身分証になるものが入っているわ。確認して頂戴。そして生活費などその他もろもろのお金は銀行通帳という通帳に記載されているから役場に行くついでに銀行というお金を管理するところで銀行通帳を使って必要な分お金を引き出すといいわ。地図はスマホという今時の携帯電話の中に地図の情報があるからそれを頼りに役場まで行くのよ。じゃ、そういうことでまたよろしく〜。

 

親愛なる狭間の女神より!

 

 

積怒「・・・なるほど、とりあえずこれで儂らの今やるべきことはもう決まったようじゃな。ならば可楽、空喜、哀絶。儂ら四人でこの戸籍謄本の申請書と個性届をここから近い役場に行って提出してくるぞ。あと翁殿はここの大屋敷で待っておれ。老人に長距離を歩かせるのは翁殿にとって流石に危険できつい。翁殿の分は儂が代わりに提出して来る。」

 

 

可楽「カカカッ!確かに気晴らしに外に出るのもそれはそれで楽しそうだのう。その話乗ったぞ!空喜と哀絶も賛成じゃろう?」

 

 

空喜「俺も全然賛成じゃ!外の美味い空気を吸えるのは実に喜ばしいからのう〜!」

 

 

哀絶「長距離を歩いて役場まで向かわなければいかんのは実に哀しいほど面倒だが、必ず行かなければいかぬのならば仕方ない・・・、儂も行く。」

 

 

積怒以外の三人はそれぞれの思いを口にし、積怒が言ったことに乗ることにした。翁殿は積怒、可楽、空喜、哀絶の四人で役場までに向かうことを了承した。

 

 

翁怯「そうか、お前たちがそう決めたのならば儂は何も言わん。ならばお前たち、携帯電話とやらに入っている地図の情報をよく見ながら慎重に役場へ向かうのじゃぞ。もし仮にでもお前たちが迷子になったら、儂のこの老いぼれた身体ではお前たちを探しに行けぬからのう。」

 

 

積怒「ああ、わかっておる。だから心配するな、翁殿。儂らはそこまで阿保ではない。」

 

 

可楽「そうじゃぞ、翁殿。過度な心配は老人の体には毒じゃ。まあここは儂ら四人に任せておけ!」

 

 

積怒と可楽は何も気に病むことはないと言わんばかりの言葉で翁殿に言った。そのことを聞いた翁殿は・・・

 

 

翁怯「・・・わかった、ならば儂はお前たちに任せるとしよう。ではそろそろ話し合いはお開きにしてそれぞれ身支度をせい、お前たち。」

 

 

積怒・哀絶「わかった、翁殿」

 

 

可楽・空喜「わかったぞ!翁殿!」

 

 

そして、積怒、可楽、空喜、哀絶の四人は役場へ行くために話し合いをこれでお開きにし、なるべく簡単な身支度を整え始めた。

 

 

 

ー数分後ー

 

 

 

それぞれ身支度を済ませた、積怒、可楽、空喜、哀絶の四人はその後、玄関に向かい、今大屋敷の外に出ようとしていた。ちなみに持ち物は、四人それぞれが持っているものがスマホと財布で、積怒が一人で管理して持っているものが銀行通帳と戸籍謄本の申請書と個性届である。そして翁殿も、喜怒哀楽の四人を見送るために玄関へ来ていた。

 

 

翁殿「ではお前たち、そろそろ行くと良い。気をつけて行くのじゃぞ。」

 

 

積怒「わかった、翁殿。では儂らはそろそろ最寄りの役場へ行ってくる。さっさと行くぞ、可楽、空喜、哀絶。」

 

 

可楽「おお!言われなくともそのつもりじゃ、積怒。翁殿はここの大屋敷でしっかり留守番しておるんじゃぞ〜!」

 

 

空喜「カカカッ!積怒も可楽もとても良く張り切っていて実に喜ばしいことじゃのう!なあ哀絶。」

 

 

哀絶「そうだなぁ・・・、空喜よ。だが儂はできれば早く用を済ませてさっさと家に帰りたい。面倒だ。」

 

 

空喜「そうかそうか!相変わらず釣れない奴じゃのう〜、哀絶は。じゃがまあせっかくならばこれから俺らが暮らす今の世の景色でも見に行くぞ!哀絶も後できっと慣れてくるぞ〜!」

 

 

哀絶「ハァ・・・、全く空喜は余計なことばかり考えおって・・・。まあ仕方ない、少しぐらいならば良いじゃろう。」

 

 

空喜「本当か!?それは実に喜ばしいぞ!」

 

 

そして、積怒、可楽、空喜、哀絶の四人はまず戸籍謄本の申請書と個性届を役場へ提出して来るため、大屋敷の留守番は翁怯に任せ、外に出て大屋敷を後にした。

 

 

ーそして数分後ー

 

 

積怒、可楽、空喜、哀絶は今,住処である和洋折衷の大屋敷の門を出て森で覆われた静かな自然の一本道にいた。そして、四人でガヤガヤと話しながら歩いていた。

 

 

可楽「それにしても積怒、気のせいだかここの道は森ばっかりで儂らが前世の頃にいた大正の世と同じ時代にいるように感じるのう。」スタスタ

 

 

積怒「ああ、確かにな。森にしては結構茂っている。まるであの時の鬼狩りの刀を作っていた刀鍛冶の里にあった周辺の森のようだ」スタスタ

 

 

空喜「じゃが可楽、積怒。俺は逆にこの森の静けさが実に心地よくて喜ばしいぞ!哀絶もそう思うじゃろう?」スタスタ

 

 

哀絶「儂は別に森の静けさが心地良いことには大して興味はない。だが静けさがあるところなのは実に良いが・・・、それよりも積怒、可楽、空喜、出口が見えた。もうそろそろ森を出るぞ。」スタスタ

 

 

積怒「本当か?一体何処に出るのだ。」

 

 

可楽「さあ、普通に考えて普通の町じゃないかのう」

 

 

空喜「俺も可楽と同じことを思っていたぞ」

 

 

積怒「まあいい、とりあえず此処の森を抜けるぞ。可楽、空喜、哀絶」

 

 

可楽・空喜「おう!」

 

 

哀絶「わかった、積怒・・・」

 

 

そして喜怒哀楽の四人は森の道を進んで哀絶が示した出口へと出た。だがその瞬間!半天狗の喜怒哀楽の四人の分裂体たちにとって信じられぬ光景を見た・・・!

 

 

積怒「こ、これは・・・!」

 

 

ワイワイ、ガヤガヤ(市民が話していたり、歩いていたりする音)

 

 

大正の世とは到底思えないその光景は、現代の住宅が所狭しと建てられ、そこら一帯が住宅街として成り立っており、道行く人々が色鮮やかで様々な服装をしている。また、ちょっと遠くに高層ビルなどが所狭しと建てられていた。それだけでも積怒たちからすれば驚愕すべきことだが、それ以上に目を疑ったのは人とも思えぬまるで鬼みたいな異形が普通に人々の生活に溶け込んでいたからだ。普通、鬼と同類ならば、誰しもがその姿に恐怖して近寄ることすらないはずだ。だが、今の場を見ると、異形の人が平然と普通の人と話していたりしていた。その光景を目の当たりにした積怒は、静かになりながらも、内心で心底驚いていた。

 

 

積怒「・・・」(これが、この世界があの狭間の女神とやらが言っていた異世界なのか・・・!?鬼と同類のような異形の者が人間と平然と共生して行っている。にわかには信じがたい世界だ・・・。この御伽話のような世界が儂らがこれから暮らして行く、ほとんどの人間が血鬼術のような異能を持った世界なのか・・・?)

 

 

 

果たして、積怒、可楽、空喜、哀絶は、個性社会で成り立っているこの異世界で一体どんな情報や発見をするのかと、積怒たちはそう思いながらスマホに入っている地図の情報を頼りに、最寄りの役場まで再び足を運び始めた。

 

 

 

 


 

 

・喜怒哀楽ノ分裂体ノ設定画・

 

 

「上弦肆 積怒」ノ設定画

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「上弦肆 可楽」ノ設定画

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「上弦肆 空喜」ノ設定画

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「上弦肆 哀絶」ノ設定画

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

以上が、半天狗の分裂体である喜怒哀楽の四人のヒーローコスチュームの設定画です。簡単に描いただけですが、張り切って描きました!とは言ってもこの喜怒哀楽の四人たちのヒーローコスチュームがこの小説上で出て来るのは必然的に雄英高校に入学してからになると思いますので。ご理解のほどよろしくお願いします。




第弐話についての情報は、基本、不定期投稿にはなるのですが、早くてもなるべく近日中に執筆しようと思います。よろしくお願いします。読者の皆様には執筆がいつも遅れてしまい申し訳ありません!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。