ダイの大冒険 ―次世代の竜の騎士ー   作:キャットテールの鈴

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テランの王子は母国に帰る。
ダイ(12)、主人公レグルス(10)。
あとがきにおまけあり(バッドエンド)


15_一時帰国

ロモスから舟で海を渡り、アルキード王国近くの人がいない西海岸にたどり着いたレグルスとラーハルトは再度舟を乗ることを想定して、舟を海から引き上げると周りから見えないよう草木の間に隠した。

 

「ここからテランまでかなり距離がある。歩いていては時間がかかりすぎるな。ラーハルト」

「心得ております。私がレグルス様を抱えて走ります」

「負担は魔法で出来る限り軽減する。ピオラ、バイキルト」

 

レグルスは素早さを上げる呪文と力を上げる呪文をラーハルトにかけ、ラーハルトは呪文の効果が自身に出たことを手を握り確認した。

 

「失礼します」

 

ラーハルトはレグルスを抱き上げると腕に抱えた。もともとレグルスは体重が軽いため普段から抱えても負担は少なかったが、バイキルトにより力が2倍になったことで負担はさらになくなり、抱えても重さをほとんど感じなくなっていた。

 

「仮面は外しても問題ない。周りから我々は見えなくなるからな、レムオル」

「これは―」

 

ラーハルトは仮面を外し、懐にしまうと自身の手や腕の中のレグルスが透明になり見えなくなっているのを驚きながら確認した。

 

「姿を消すことが出来る魔法だ。モンスターには匂いや気配で気づかれるが、人間には分からないだろう。走っている最中、前方に敵がいた場合は知らせる。その時は迂回せよ。頼む、ラーハルト」

「はっ、私にしっかり掴まっていてください!」

 

ラーハルトはテランに向けて駆けだした。あまりのスピードにたとえ人やモンスターがその場に居たとしても走り抜けるその姿を見えるものは誰もいないだろう。ラーハルトが走り抜けたところでは、草花がまるで一陣の風が吹いたかのように揺らめいていた。

 

 

 

夜は野営し過ごしたが、日中は回復呪文や補助呪文をかけ続けたことでラーハルトはスピードを落とさず走り続け、次の日の夕方にはテラン王国にたどり着くことが出来た。

王城に入るとすぐさま国王であるフォルケン王の寝室に入室し、レグルスは今まで起きたことや魔王が復活しモンスターが凶暴化したことについての話をフォルケン王に伝え、その場にて今後の対策についての話し合いが行われた。

 

「そうであったか、ではアバン様はそのダイという少年を勇者として育てるためデルムリン島に」

「はい、1週間ほど島にて訓練を行った後、ロモスに向かうと話しておりました。父上、国内でモンスターによる被害は出てないのですね?」

「うむ、森に入れば凶暴化したモンスターを見かけたという話は出ておるが、今のところ怪我人が出たといった被害の報告はない」

「それは安心しました…。父上、ご相談があるのですが、アバン先生はおそらく今回も魔王討伐のために旅に出ます。私も魔王討伐のためアバン先生に力を貸したいと考えております」

「…レグルス様、発言の許可をいただいてもよろしいでしょうか?」

 

レグルスの背後に控え話を聞いていたラーハルトは会話の中で芽生えた疑問を確認するため、発言の許可をもらいたく申し立てをした。

 

「許す、どうした?ラーハルト」

「アバン殿は一体何者なのですか?ただの家庭教師とは思えないのですが…」

 

レグルスはラーハルトの発言を聞いた後、父であるフォルケン王に教えてよいか確認するため視線を合わせた。フォルケン王はレグルスに小さく頷くと優しげな表情でラーハルトの疑問に答えた。

 

「今となっては隠す必要もなかろう。アバン様は15年前、魔王ハドラーを倒した勇者様なのだ。魔王を倒した後は家庭教師をしながら各地を旅していると聞いておってな、今回レグルスの旅のお供を依頼したというわけじゃ」

「勇者様!なるほどそれであれほどの実力をお持ちだったのですね。お答えいただき感謝いたします!アバン殿は今回も勇者として行動をするのでしょうか?」

「勇者として行動するかは分からぬが、魔王討伐のために何かしら行動はするであろう。魔王は世界全体の問題であり、倒さなければいずれこの国も滅ぶであろう…。我々も行動を移さなければならない。レグルスよ」

「はっ」

「魔王討伐のため、勇者とその一行の手助けをするのだ」

「かしこまりました。魔王を倒し、この国に平和が訪れるその時まで勇者の手助けをすることを誓います」

「ラーハルトよ」

「はっ」

「レグルスを支え、そして守ってほしい。頼りにしている」

「この命に代えても、必ずやレグルス様をお守りすることを誓います!」

「うむ、だが一つだけ約束してほしい、必ず生きてこの国に帰ってくることを。そなたたちは家族であり、このテランの民なのだから」

 

その後も細かい話し合いは続き、テランの今後や諸外国の情報を共有し終わるころ、兵士カナルが2つの武器を手に持ちフォルケン王の言葉を待つかのように壁際に待機していた。

 

「武器を用意したため持っていきなさい、今後の戦いに備えて強い武器は必要であろう。カナル」

「はっ、こちらの武器をお受け取り下さい」

 

カナルはレグルスとラーハルトに近づくとそれぞれに得意とする種類の武器を手渡した。レグルスには鋼鉄の剣を、ラーハルトには鋼鉄の槍を渡した。

 

「ほう、よい武器だ。父上、ありがとうございます」

「こちらの武器は以前ランカークスにて腕が良いと評判の鍛冶屋で購入したものになります。共に旅をされておりましたポップの御父上が運営する武器屋です」

「!ポップの父親が。確か鍛冶屋の息子と言っていたな…。国王陛下ありがとうございます!」

「よいのだ、そなたたちはこれから過酷な旅に出る。我らも可能な限り手助けをしたいのだ。他にも―」

 

武器を受け取った後もゴールドが入った袋、薬草などの道具類を受け取り、レグルスは内心父親の準備の良さにさすがの手際だと関心していた。

 

(父上は私が魔王討伐の旅に出るという言葉を想定して事前に準備していたのではないだろうか。だとしたらさすが父上だ!)

「食事を用意しておる。今日は英気を養い、ゆっくり休むとよい」

「ありがとうございます!」

 

食堂ではいつもより少し豪華な料理が並びレグルスとラーハルトは席に着くと共に食事をした。いつもなら兵士であるラーハルトは立場をわきまえて辞退を申し出ただろうが、魔王討伐という重大任務に向かうレグルスとラーハルトのために用意された食事だと理解していたため、ラーハルトは感謝の気持ちを持ちながら食事をとった。

食後、ラーハルトには城にある客間の1つを与えられ、そこに泊まることとなった。ラーハルトが住む森の奥の小屋は兵士カナルが定期的に換気していたが、1年近く不在にしていたため寝具はそのままであり、眠れるような状態ではなかったからだ。客間を与えられたラーハルトは少し申し訳なさそうにしていた。

 

レグルスは自室に戻ると明日の準備のため道具の確認や武器の手入れをして過ごしていたが、それもすぐに終わるとテランにいたときは毎日の日課で手入れしていた長剣を取り出した。鞘から抜かれ現れた刀身は他では類を見ない鋭さと輝きを放ち、レグルスは世界中を旅したことでこの剣が世界唯一無二の特別な剣なのではないかと薄々感じていた。

 

(今の私ならこの剣を振れるのではないか?)

 

この1年の旅でレグルスは以前より身長が高くなり力も上がっていた。1年前剣を振ってみた際は剣が重く、振るのも一苦労であったが今の自分ならある程度は振ることができるのではないかと考えると居ても立っても居られず、レグルスは鞘にしまうと剣を抱えて城にある訓練場に足を運んだ。

 

「はっ!はっ!ぐっ、重いな…」

 

月明かりが差し込む訓練場にてレグルスは長剣を鞘から出すと素振りを行った。剣は重く、両手で力強く握り体全体で振らなければまともに剣を振るうことが出来ず、一振り一振りに時間がかかり、実戦ではとても活用できるものではなかった。

 

「バイキルト!はっ!これならまともに剣を振れるな!」

 

バイキルトで力が2倍に上がり、先ほどよりも剣を素早く振るうことが出来たため何度か素振りを行った。横切り、縦切り、走りながらの横切り、大地斬、海波斬と剣技や技を何度か繰り出し剣の様子を確かめた。

 

(よし、いいぞ、剣を振るえる!)

 

今までまともに長剣を振るうことが出来なかったのが、この日初めて長剣を振るえたことが嬉しく、レグルスはバイキルトを何度も掛けなおしながら夢中で剣を振り続けた。1時間以上剣を振るい続け、ある程度満足すると顔を滴る汗を腕で拭った。そして、剣の刀身を気落ちしながら見つめた。

 

「(剣は振るえるが…実戦ではまだ使えない。攻撃の隙が大きく剣を振るった直後に攻撃されてやられるのが目に見えている…)今回の旅もお前を連れていくことは出来ないようだ…」

 

剣に向かって思わず呟くと刀身が輝いた気がし、それがどこか、ともに連れていけないことについて抗議しているようにも見えた。

 

「すまない。私もお前と共に旅をしたいと思っているのだが…今より力が付いたらその時はお前を連れていくと誓おう。もう少し待っていてくれ」

 

レグルスは申し訳なさそうに剣に話しかけるとまた、刀身が輝いた気がした。それが、将来共に旅をしようといったレグルスの言葉に剣が期待しているような、喜んだようにも見えた。

 

 

 

夜が明け、朝日が差し込む中、レグルスとラーハルトは城の外でフォルケン王、テラン兵士、テランの民に見守られながら旅立とうとしていた。テランの民は両手を組みながらレグルス達の旅の安全を祈り、フォルケン王は兵士カナルに支えられながらも旅立とうとするレグルスを真剣な表情で眺めていた。

 

「父上、行ってまいります」

「レグルス様は命かけてお守りいたします」

「くれぐれも気を付けていくのだぞ…そなたたちに、竜の神の加護があらんことを」

 

レグルスとラーハルトはフォルケン王に向かってお辞儀をした後、人々が見守る中、魔王討伐のためにテランを旅立だった。




レグルスは薬草を手に入れた!毒消し草を手に入れた!ゴールドを手に入れた!鋼鉄の剣を手に入れた!そのほかいろいろ手に入れた!
ラーハルトは鋼鉄の槍を手に入れた!

地上においての最速の移動手段は間違いなくラーハルトがレグルスを抱えて走ることだと思ってます!
ラーハルトにバイキルト(攻撃力2倍)、ピオラ(加速)、レムオル(ステルス機能)、レグルス(生物探知機)、ホイミ(自動回復)

ちなみにポップが訓練をサボった際、レグルスを抱えたラーハルトに全速力で追いかけられました。そりゃ、逃げるの諦めるよね。

報告:誤字脱字修正しました!報告ありがとうございます。



IFルート
もしも、レグルスが真魔剛竜剣を装備して旅に出たら(バッドエンド)
注意!
レグルスがかなり痛い目、酷い目にあいます!苦手な方はご注意を!

テラン
「よし、問題なく剣を振るえる!やっと共に旅に出られるな」
レグルスは剣を装備した。剣は喜んだ。

テラン出発
悪魔の目玉が真魔剛竜剣を背中に背負ったレグルスを発見、上司に報告する。

バーンパレス
「バーン様、ご報告したいことがございます」
「なんだ?キルバーン」
「テラン近郊の森にて、竜の騎士と思われる子供を発見いたしました」
「なに?まさか生まれ変わっておったか…」
「殺しますか?」
「そうであるな…ミストバーンにも伝えよ。確実に仕留めるのだ」
「ウフフフ、承知いたしました」

テラン近郊の森の中
レグルスとラーハルトが森の中歩いていると、周囲に笛の音が響き渡る。

「?誰かが笛でも吹いているのか?にしても、不気味な音色だ…」
「ぐっ、う!」

ラーハルトが倒れる。

「ラーハルト?どうした!」
「ウフフフ、僕の死神の音色にやられたのさ。君には効かないみたいだけどね」
「!!お前たちは何者だ!」

森の中からキルバーンとミストバーンが現れた!

「ボクの名前はキルバーン、口の悪い友達は死神なんて呼ぶけどね。彼の名前はミストバーン」
「…」
「…貴様ら魔王軍か!」
「ウフフフ、ご名答!ボクたちは大魔王バーン様の命令で君を殺しに来たんだよ。竜の騎士である君を、ね」
「!!!私が…竜の騎士、だと?」
「おや、知らなかったのかい?君が背中に背負っている剣、その剣の名前は真魔剛竜剣、竜の騎士のみが扱えることを許された剣だ。それを背負っている君は竜の騎士なんだよ。ウフフフ、良かったね、最期に自分の正体が知れて」
「レグルス様!お逃げください!!」
「逃げようとは思わないことだ。君が逃げたらそこにいる坊やとテランの人間は死ぬことになるよ」
「っ!!…ここで貴様らを殺せばいいだけだ!!」

レグルスは真魔剛竜剣を構えた!

「ウフフフ、ボクたちを殺せたらいいね」


戦闘シーン
キルバーンとミストバーンが現れた!

キルバーンの攻撃!レグルスはひらりと避けた!
ミストバーンの攻撃!レグルスは攻撃をさばいた!
レグルスの攻撃!ミストバーンの衣を少し切り裂いた!
ラーハルトは動けない!

キルバーンの攻撃!レグルスはひらりと避けた!
レグルスの攻撃!キルバーンはダメージを受けた!
ミストバーンが爪を伸ばして攻撃した!レグルスの体に穴が開いた。
ラーハルトは動けない!

キルバーンの攻撃!レグルスはギリギリで避けた!
ミストバーンの締め付ける攻撃!レグルスの体中の骨が砕けた。
レグルスは締め付けられて動けない!レグルスは激痛に顔をゆがめながらもキルバーンを睨みつけた。
ラーハルトは動けない!ラーハルトは泣き叫んでいる…。

「やめろ!やめろやめろやめろやめろ!やめろぉ!!!」

キルバーンの攻撃!キルバーンは鎌を振った。

パーティは全滅した…


森の中
キルバーンは左手を少し持ち上げ、子供の頭を見つめた。
ピロロは子供の頭を見ながらニヤリと笑い、キルバーンが嬉しそうに呟いた。

「ウフフフ、ヴェルザー様に良い報告が出来そうだ。そういえば、マザードラゴンが現れないな…残念、殺してみたかったのに」

森の中からミストバーンが現れ、キルバーンに近づいてきた。

「ミスト、そっちは終わらせたかい?」

ミストバーンは少し離れた森の中を指さした。ラーハルトは血を流して絶命している。

「ボクたちも戻ろうか、バーン様はお喜びになるだろうね。そういえば、真魔剛竜剣はいつの間にかなくなっているな…まあ、いいか。ミストそこにある竜の騎士の体を回収してくれ、何かに使えるかもしれない」
「…」

キルバーンとミストバーンは森の中から姿を消した。後には、息絶えたラーハルトの遺体が残された。
その後、レグルスを見たものは誰もいない。

コメ:真魔剛竜剣を装備したら、竜の騎士はここにいますよ!と教えるようなもんですからね。なので、レグルスに装備させるのはまだ先になります。
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