ダイの大冒険 ―次世代の竜の騎士ー   作:キャットテールの鈴

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ヒュンケルとの戦いは終わった…。だが、一息ついているダイ達一行の前に魔王軍氷炎魔団団長フレイザードが現れた!


28_パプニカ編_マグマに沈む地底魔城

突如現れた第三者の登場、炎と氷の人型モンスターの名をヒュンケルが叫んだことで一行は武器を構えると驚きながら見つめた。

 

「氷炎将軍フレイザード……!!?」

 

ダイは剣を構え、岩にいる敵を睨みつけながらヒュンケルが言った相手の名前を復唱した。

 

「なっ…なんだあいつ!?炎と氷がくっついてやがる…!!」

「…恐らく、禁呪法により作られた生命体だろう…!」

 

ポップの疑問にレグルスは相手を観察し、フレイザードの中央部分にコアがあることを感じ取りながら回答した。ヒュンケルはここにいないはずのフレイザードが現れたことに冷や汗をかき、睨みつけると怒鳴った。

 

「な…なぜ貴様がここに!?」

「クハハハッ!決まってんじゃねぇか!てめえの息の根を止めてやろうと思って来たのさ!!」

「なんだとっ!!?」

「だいたいてめえは昔から気に入らなかったんだ!人間の分際で俺様の手柄を横取りしようなんざ100年早えんだよっ!!」

 

フレイザードはそう言うと身体の半分、炎の身体から炎を多く出力した。

 

「ううっ!?」

「てめえがもし勝っていたらぶっ殺して上前はねてやろうかと思っていたが…負けていたとはいっそう好都合だぜ…!」

 

フレイザードは手に魔力を、火を溜め始めた。

 

「生き恥を晒さずに済むように俺が相打ちってことにしといてやるよ!!泣いて感謝しろっ!!!」

 

フレイザードは左腕を大きく振ると地面に向けてメラゾーマを放った。

 

「海波斬!!!」

 

炎が地面に着弾する、その前にレグルスが技を放つと炎を切り裂いた。

 

「…ちっ…そのまま決まっていれば面白かったのによぉ!」

 

フレイザードは炎を切り裂いたレグルスを睨みつけ、レグルスも睨み返すと剣を構えた。

 

「貴様が相手にしているのはヒュンケルだけではない…!」

「俺たち全員が相手だ!」

 

ヒュンケル以外の者達は武器を構えるとフレイザードを睨みつけた。フレイザードは面白そうにニヤリと笑うと人差し指を立てた。

 

「クックックッ…!オーケー、オーケー!てめえらが居る以上、簡単には突破出来ないのはよく分かったぜ…!なら、面白ぇ手品を見せてやるよ!」

(先程の攻撃…我々ではなく地面に対しての攻撃であった…なぜ、地面を攻撃した…?何か意味があるのか?まてよ…ここは…確か死火山…まさか!)

 

レグルスがフレイザードの目的に気づいた頃、フレイザードは手をグーの状態にすると、指を1本ずつ立て指先に炎を灯し始めた。

 

「メ…ラ…ゾー…マ…!」

「あの炎…!あの指1本1本が…メラゾーマかぁ!?」

 

ポップが驚愕しながら見つめる先で、フレイザードは指先全てに炎を灯し、指を折り握りしめると魔力を溜めた。

 

「ぬううううぅぅ!!くらいなぁ!!!フィンガーフレアボムズ!!!」

 

フレイザードの指先から放たれた5発分のメラゾーマは分散すると闘技場の地面に向かって放たれた。

 

「各自、メラゾーマを撃退!海波斬!!!」

「海波斬!!!

「海鳴閃!!!」

「メラゾーマ!!!」

 

技で切り裂き、呪文で相殺した事で4発のメラゾーマは消すことが出来た。マァムもポップに込めてもらったメラゾーマを撃とうと魔弾銃がある場所に手を伸ばしたが、その手は宙を掴むこととなった。

 

(…!そうだわ、魔弾銃は以前の戦いで…今、手元にないのだったわ…!)

 

マァムは魔法を放つことが出来ず、何も出来ない事に焦りながら残ったメラゾーマを目線で追った。

 

「ぐっ…!」

 

ヒュンケルもメラゾーマを切り裂くために武器を掴んだのはいいが、起き上がる事が出来ず、技を繰り出すことが出来なかった。

 

「クックックッ…!残念だったなぁ!!!」

 

結果、1発のメラゾーマが爆炎を上げながら地面に着弾すると、地面からゴゴゴゴという音が鳴り始めた。

 

「ううっ…!!」

「こ…これは…!!」

 

地響きが鳴り、少しすると、地面は大きく揺れ、ダイ達はその場から動くことが出来なくなった。

 

「クカカカ…!ちょいとここらの死火山に活を入れてやったのさ…!!もうじき…この辺りはマグマの大洪水になるぜ…!!」

「ええっ!!?」

 

地面が大きくひび割れると、隙間からマグマが勢い良く噴き出した。

 

「うわっ…!」

 

ポップは近くの割れ目からマグマが噴き出した事でぞっと背中に冷や汗をかきながら慌てて割れ目から離れた。マグマが噴出するのを見たレグルスはヒュンケルの近くにいるマァムに大声で指示を出した。

 

「マァム!すぐ様、ヒュンケルの体力を回復せよ!」

「!!分かったわ!ベホイミ!」

 

マァムはヒュンケルに駆け寄るとすぐに回復魔法をかけ、レグルスは地面に転がっていた魂の貝殻を拾うと懐にしまった。回復魔法を受けているヒュンケルはフレイザードを怒りの形相で睨みつけた。

 

「フレイザードッ!!!」

「おのれっ…海鳴閃!!!」

 

ヒュンケルが怒鳴り、ラーハルトも怒りながらフレイザードに向かって技を仕掛けると、斬撃はフレイザードの炎の腕を切り落とした。

 

「うおっ!!!クックックッ…!この距離でこの威力とはやるじゃねぇかよ!だが…無駄!無駄ぁっ!!」

 

フレイザードがニヤリと笑い、斬られた腕の断面をダイ達に見えるようにすると、瞬く間に腕が再生した。

 

「ぐっ…!」

 

ラーハルトは歯を噛みしめ、再生された腕を悔しそうに睨みつけた。

 

「へへへっ…俺は歓迎されてねぇみてえだな…じゃあここらでおさらばするぜ!せいぜい岩盤浴の海水浴を楽しみな!!ファッハッハッハッ…!!!」

 

フレイザードは高笑いしながらダイ達に背を向けるとその場から姿を消した。マグマに囲まれた一行は熱い熱気に汗をかきながら少しずつ後退していた。

 

「だっ…駄目だっ!もう逃げられない!!」

 

ダイが焦りながら周囲を確認し、マグマによって退路がないことに気付くと愕然とマグマの海を見つめた。

 

「レグ!」

 

ポップは振り返るとレグルスに大声で呼びかけ、レグルスもポップに対して頷くとマァムとヒュンケルに視線を向けた。

 

「ああ…!マァム、ヒュンケルの怪我はどうだ?」

「もう大丈夫よ!動く分には問題ないわ!」

 

レグルスは倒れているヒュンケルをじっと探るように無表情で見下ろした。ヒュンケルはその冷たく見える目線の意味を察すると自傷気味に笑った。

 

(レグとやら…分かっているさ…例え騙されていたとはいえ、俺の罪は…到底償えるものでは無い…!)

 

ヒュンケルはある覚悟を胸に抱き、起き上がると地割れによりひび割れた地面に指をかけた。

 

(俺が…俺がダイ達の為に…最期に出来ること…それは………お前たちを生かすことだ…!!!)

 

目をつぶり、脳裏にクロコダインの姿を思い浮かべたヒュンケルは心の中で強く願った。

 

(クロコダイン…!!今なら分かる…お前の気持ちが…!…頼む!俺にお前の剛力を貸してくれ…!!!)

 

ヒュンケルは目を見開くと、決死の覚悟で掴んだ岩を持ち上げ、ようとした。

 

「問題なく動けるようだな…トラマナ!…皆、行くぞ!…ヒュンケル、魔剣を忘れるな」

 

レグルスはヒュンケルが動けることを確認すると全員に魔法をかけ、マグマの上を何事もなく歩き出した。ダイ、ポップ、マァムはマグマの上を問題なく歩くレグルスを見ると、恐る恐るマグマの上に足を置き、レグルスの後に続きマグマの上を歩き出した。

 

「す…すごい!マグマの上を…歩いてる!!」

「レグの魔法って本当に便利よね!」

「万能とは言い難い…何故か攻撃呪文は初期の魔法しか唱えられないしな…」

「おめーが強力な攻撃呪文使えちまったら魔法使いである俺の立場がなくなるだろうが…」

 

4人は談笑しながらマグマの上を歩き、闘技場の壁際に向かって進んでいった。

 

「…………」

 

ヒュンケルは岩を掴みながらマグマの上を歩く4人の姿を黙って見続けた。

 

「おい、ヒュンケル!何している?さっさと行くぞ!」

 

ラーハルトは地面に置いてある鎧の魔剣をマグマが触れる前に拾うとヒュンケルに差し出した。

 

「……ああ」

 

ヒュンケルは何事もなかったかのように、持ち上げようとした岩から手を離すとラーハルトから鎧の魔剣を受け取った。ラーハルトは一連のヒュンケルの行動を訝しんだが、すぐに何をしたかったか察し、少し憐れむとヒュンケルの肩に手を置いた。

 

「…俺はお前の行動を評価する」

「………無駄だったがな」

「その気持ちが大事なのではないか?…とにかく、魔法が切れる前に移動する…!行くぞ!」

 

ラーハルトとヒュンケルは並んでマグマの上を行くとダイ達を追いかけた。

 

 

 

地底魔城の最深部、普段は主であるヒュンケルが座る王座の間にてモルグは手にしている鈴を一定間隔で鳴らしていた。

 

「…不死騎団もこれまでか…」

 

地鳴りと大きな揺れの後、地下は強い熱が発生したことから死火山が噴火したと考えたモルグは目をつぶると主であるヒュンケルの姿を思い浮かべた。

 

「ヒュンケル様…せめてこのモルグが冥土の案内人を……ん?」

 

モルグは近くの地面から音が聞こえた為、発生源を凝視していると、土が盛り上がり、すぐに大きな穴が空くとそこから大柄のワニの獣人族が現れた事でモルグはたいそう驚いた。

 

「ヒョッヒョッヒョッ…!!?」

「熱いな…ここはどの辺だ?」

 

獣人族、クロコダインは穴から這い出て周囲を見渡すと、驚いた表情をしているモルグと目が合った。

 

「あ…あなた様は!獣王クロコダイン様では…!?」

「むう…俺を知ってるのか?」

「ヒュンケル様が仰っておりました…魔王軍において最も尊敬出来る男だと…!」

「そうか、ヒュンケルが…ところで人質は何処にいる?俺は人質を助けに来たのだ…!」

 

クロコダインが目付きを厳しくてモルグを睨むが、モルグは首を横に振った。

 

「人質は逃げたようです…部下が確認したところ壁に穴が開いておりました…」

「そうか逃げたか…ならひとまず安心だな…」

 

クロコダインが一息ついた時、大きめの揺れが再度発生したためモルグは焦った様子でクロコダインを見つめた。

 

「た…大変だ!ここに居てはなりません…!さあ!地上へ!…ご案内致します!」

「俺を助けるのか?」

「あなた様を死なせたとなれば、あの世でヒュンケル様に叱られてしまいます…!こちらへ…!ここからなら最も地上へ早く着けま―ヒョッヒョッヒョッ!!?…そんな!ここにもマグマが…!」

 

地上への道はマグマにより塞がっており、逃げ道は既になくなっていた。

 

「クロコダイン様…申し訳ないです…もう…逃げ道は…ありません…」

 

モルグは申し訳なさそうにクロコダインを見るが、当の本人は悲観した様子もなく天井を見上げた。

 

「道が無ければ作ればいい…!俺は穴を開けるのが得意でな!むうっ…カアアアアッ!」

「ヒョッヒョッヒョッ!!?」

 

クロコダインの右腕が闘気により膨張し、右腕の鎧が内側から弾け飛んだためモルグはビックリすると両手を上げた。クロコダインは天井を睨みつけると右腕を天井へ向けて突き出した。

 

「獣王痛恨撃!!!」

 

クロコダインの技は天井を突き破ると巨大な穴を開けた。砂埃などの煙が落ち着く頃、眩しい光を感じたモルグはギョッとして穴を見上げると、天井から地上までは巨大な穴が開き、空、そして太陽の光が見えていた。

 

「こ…この光は太陽の光!ま…まさか…この地底魔城に…太陽の光が差し込むとは…!」

「デルパァッ!」

「クワワァッ!!」

 

クロコダインは懐から魔法の筒を取り出すと相棒であるガルーダを呼び出し、モルグに近づいた。

 

「行くぞ!直にここもマグマに沈む!」

 

モルグは悲しげに俯くと首を横に振った。

 

「…クロコダイン様…私はここに残ります…ここでヒュンケル様の冥土の案内を―」

 

クロコダインは返事を最後まで聞かずに、モルグの襟を掴むと持ち上げた。

 

「!!?…ヒョッ!?」

「ヒュンケルが死んだと決まった訳ではないだろ…!ダイ達のことだ…ヒュンケルは生きている可能性がある!どうするかは確認してからでもいいだろう!…行くぞ!ウオオーーーン!!!」

「クワァッ!」

 

ガルーダは翼を広げ、クロコダインの両肩を脚で掴むと天井の大穴へ向かって翼を動かし、上昇した。

 

「ヒョッヒョッヒョッ…!!?」

 

モルグは目を白黒させながら宙ぶらりんの状態で移動し、そして、地底魔城から出たモルグの目には青空と太陽の姿がうつった。

 

 

 

「ん?なんだありゃ?」

 

憎きヒュンケルと勇者一行を倒したことで機嫌よく岩場を歩いていたフレイザードは上空を飛行する巨大な物体を見つけると訝しんだ。

 

「ありゃ鳥か…?いや…ちげぇ!あいつは…クロコダイン!蘇生液から消えたと聞いたが…こんな所に居やがった…!」

 

フレイザードが見つめる先で、飛んでいるクロコダインの姿は徐々に小さくなっていった。

 

「こいつはハドラー様に報告だな…!クックックッ…帰ったら楽しみだぜぇ!クロコダインを見つけ…!ヒュンケルを倒した…!勇者亡き今、俺の邪魔をする奴はいねぇ!俺が魔王軍1の大手柄を手に入れるのもすぐだろうよぉ!!!クックックッ…ファッハッハッ!!!」

 

フレイザードは高笑いしながら移動し、周囲に何も無い場所にたどり着くと、キメラの翼を使用し、魔王軍の居城である鬼岩城へ移動した。

 

 

 

マグマが噴き出す地底魔城から離れた場所に辿り着いたダイ達は岩場に座り休んでいた。

 

「むっ…!何が来る!」

「えっ?」

 

離れた場所から何かがこちらにやって来る気配を感じたレグルスは剣を構えると空を睨み付けた。最初こそ鳥にしか見えなかった黒い影だが、徐々に影が大きくなるとその巨大な闘気にレグルスは強い警戒心を抱いた。

 

「…相手はかなりの強者だ…!皆、警戒を怠るな!」

「分かった!……ん?…ねえ、あれってもしかして…!クロコダイン!!!」

 

レグルスの警告に最初こそ警戒していたダイだったが、その姿がクロコダインだと気付くと笑顔を浮かべた。

 

「ああ!間違いねぇ!あいつは…クロコダインだ!」

「…クロコダインだと?」

 

ポップも喜んでクロコダインの名前を呼んだ事でレグルスは眉を顰めると説明を求めるためラーハルトを見つめた。

 

「ラーハルト…説明せよ」

「はっ!我々がヒュンケルに殺られそうになった際、クロコダインが現れ、助けて下さいました!…かの者は我々の命の恩人です…!」

「!!…そうであったか…!」

 

驚きの表情を浮かべたレグルスが剣を鞘に収める頃、クロコダインはダイ達に気付くと高度を落とし、地面に着地した。

 

「クロコダイン!!」

「おう!皆、無事だったか!」

 

ダイが笑顔で駆け寄ると、クロコダインも笑顔を返し、掴んでいたモルグを地面に降ろした。

 

「ヒュ…ヒュンケル様ァ…!!ご無事でしたか…!」

「モルグ!お前も無事だったか!」

 

地面に降りたモルグはふらつきながらも走ってヒュンケルの元に辿り着くと、嬉しそうに見上げ、ヒュンケルもモルグとの再会に驚きつつも嬉しいのか、小さな笑みを浮かべた。レグルスはヒュンケルとモルグのやり取りを確認し、モルグもクロコダイン同様、敵意がないことを確認すると警戒を解き、懐から拾っていた魂の貝殻を取り出すと、ヒュンケルに近づき差し出した。

 

「…ヒュンケル…これを」

「!!…受け取ろう」

 

ヒュンケルは受け取った魂の貝殻をじっと見た後、ゆっくり耳に当てると目を閉じ、懐かしい父親の声をしばらく聞いた。

 

「……」

 

聴き終わったヒュンケルは寂しくもどこか穏やかな表情で目を開けると目の前にいたモルグに魂の貝殻を手渡した。両手で貝殻を受け取ったモルグは戸惑いながらもヒュンケルを見上げた。

 

「ヒュンケル様…これは?」

「父さんの…バルトスの…魂の声が入っている…」

「!!バルトス様の…!…こちらは丁重に預からせて頂きます…」

「俺は戦いに行く…!父の本当のかたきを討つため…!そして…俺がした事の始末を…つけるため…!」

「…かしこまりました…私はここに残り…同胞の亡骸を埋葬すると致します…」

「…頼んだ」

「ヒュンケル様…ここはあなた様が育った場所…家です…何時でも帰ってきて下さい…モルグはバルトス様と共に…ここにおりますゆえ…ヒョッヒョッヒョッ!」

 

モルグが見送る中、ダイ達一行はその場を後にした。ヒュンケルは魂の貝殻を、モルグを、そして地底魔城を見た後、新たな戦いに赴くためダイ達と共に歩き出した。




ヒュンケルが仲間になった!
パーティメンバー:ダイ、ポップ、マァム、レグルス、ラーハルト、クロコダイン、ヒュンケル

これにてパプニカ編は完結とします!



おまけ(没ネタ)
ヒュンケルが岩を持ち上げようとするのを主人公が勘違いしたら?

ヒュンケルは岩を持ち上げ、ようとした。

「(ヒュンケルは立ち上がるのさえ難しいか…)トラマナ!ラーハルト、ヒュンケルは動けないようだ…運んでやれ」
「はっ!」

ラーハルトはヒュンケルを肩にかついだ。

「!?!?」
「皆、行くぞ!」

全員でマグマの上を歩き出した。

「やめろ!今すぐに下ろせ!!!」
「おい!俺は今、マグマの上を歩いているのだぞ!じっとしていろ!」
「ぐっ!」
「ヒュンケル、怪我痛むの?大丈夫?」
「ヒュンケル!ここから脱出したら回復魔法かけるわ!」

ヒュンケルはいたたまれない気持ちになりながら視線を動かし、ポップを見た。ポップは両手で口を押え、ほっぺたは膨らんでいた。

「ブブッ!」

ポップは笑うのを必死に堪えていた。

(こんな事なら…マグマに取り残されていた方がましだ!!!)

ヒュンケルは心の中で絶叫した。


「ヒュンケル様、何処かお具合が悪いのですか?」
「……なんでもない」

その後、モルグに心配される、落ち込んだヒュンケルの姿があった。

ボツ理由:パプニカ編ラストの終わり方が綺麗に纏まらなかった為。あと、ヒュンケルが気の毒になった(笑)
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