花里みのりは、桐谷遥にこんな質問を投げ掛ける。
「そう言えば、遥ちゃんは、
アイドルになった、きっかけは?」
「そうだね…B小町のアイの存在が大きいし、
実際、小さい時に出会ったことがある」
「あっ、あの、アイ様と!?
それに、小さい時の遥ちゃんは、あのアイ様と出会ったことがある!?
つまり、推し同士で、共演したことがある!?」
「アイのステージを、小さい時に見た時、
心を奪われたことがあったな」
「そうだよね!アイ様のステージって、
いつも、私の魂と心を、常に奪い続けているから、
何度、死んでいたとやら…尊死!」
遥は3歳の時から、芸能界に身を置いていた。
その時、アイは20歳だった。
遥は小さい時を回想する、アイとのたった一つの、思い出を。
「へぇ~この子が桐谷遥ちゃん!」
と、アイは、自分の子どもである、
アクアとルビーと重ねて、遥は才能と魅力を感じると、
アイは確信していた。
(この子は、アクアやルビーみたいに、
スターになれる素質が十分になる。
遥ちゃんが大きくなったら、一緒に共演したいな!)
アイは3歳の遥をナデナデしていた。
3歳の遥はニコッと笑った。
「カワイイ~!きゃわたん!」
と、アイが興奮して、遥の頬をスリスリした、
そして、あろうことか、遥の頬にアイがキスをする。
と、遥はアイとの唯一の共演のことを、みのりに話した。
「って、思い出があった」
「はははは、遥ちゃんとアイ様がキスで、
一緒に共演!?グフフ…!もう、アイ様と遥ちゃんの、
アイドルユニットだったら、歌もダンスも、
何億回聞いても、見ても、飽きないよ!」
「うん、だから、私はね、最初はB小町のアイに憧れて、
アイドルになった。そして、トップになるために、どんなことだってした。
嫌な事だって…辛い事だって、全て受け止めた」
「遥ちゃん…」
「アイドルの道は、険しいこと自体、みのりは、わかっているよね?」
「はい!心得ています!」
その夜。みのりは、妙な夢を見ていた。
みのりの前には、煌びやかなステージ、
そのステージの上には、桐谷遥と星野アイが、
一緒のステージに立っていた!
アイドルの頂点に立っている、二人のステージ、
アイ自体は、亡くなっているはずだが、
何故か、遥と一緒に、みのりの前で、歌って踊っていた。
すると、アイが、みのりに声を掛けた!
(キミが、遥ちゃんが言っていた、みのりちゃんかな?)
「ひゅぁっ!は、はいっ…!?って、アイ様…?」
「さぁ~アイのドッペルゲンガーかもしれないよ?」
「ドドドドド、ドッペルゲンガー!?
そっくりさん?それとも…?」
「もう、みのり。この人は、B小町のアイさんだよ?」
「ほほほほ、ホントにアイ様!?」
(うんっ!そーだよ?今日は遥ちゃんとわたしがね、
みのりちゃんの為に、ライブをしていたの!)
「わわわ、私なんかの為に!?」
(私は亡くなっているから、みのりちゃんと、
こうやって、出会うしか出来ないけど、
でも、また、きっと夢の中で、ライブが出来るからね!)
この時のアイは、モアモアジャンプのような衣装を着ていた。
そして、手と足に、妙に霧がかかっていた。
だが、顔はハッキリと、B小町のアイである。
「夢の中!?そうだったとしても、アイ様と遥ちゃんの、
ユニットは、日本…ううん、世界、いや、宇宙一!
うん!銀河に輝く、スーパートップアイドルだよ!」
(褒めて貰って、光栄、光栄)
と、アイが言いだす。
「うぅ…アイ様と遥ちゃんのユニットライブ!
眩しすぎて、溶けて、死んじゃいそう…グフフ…!」
と、みのりが目を覚めると、当たり前だが、みのりの部屋だった。
「あれっ…?まぁ、そうだよね。夢だもんね。
あーアイ様と遥ちゃんのライブ、また観たいな…」
(観れるかもね…?)
「…?今、声がしたような…でも、わたしの周りには、誰もいないはず…?」
(キミ以外、居たりして…?)
「だだだ、誰!?」
そこには、死んだはずの、アイが、みのりの目の前に!?
「夢じゃない!?」
(フッフッフッ、おはよう。みのりちゃん)
「おはようございます!って、アイ様!?
わたし、幽霊が見えるの!?幻覚!?」
(さぁ、どうかな~?)
「アイ様が…今、わたしの目の前にいる…!?」
みのり自体は、アイは、映像でしか観たことが無く、
もちろん、生前のアイが、みのりに出会ったことは無い。
だが、みのりの前に現れたのは、アイの幽霊だった。
どうも、みのりの夢が原因で、現世に現れたらしいが…?
言うからには、アイの魂は天国に昇ったはずだったが…