星川真凛が目を覚ますと、朝の四時五十分と、時計の針が示していた。
(僕は…それに、あの人は一体…?
でも、この人、この男の人、何か疎外感を感じる。何でだろう…)
夢の中に出てきた、美男は金髪に、兄貴や姉貴のように、
瞳に星を宿していた。どこかで、ドス黒い感じがしていた。
彼は…それに、ツクヨミって女の子も、
初めて出会った時は夢の中でだったな…
その日は、ラジオの収録、パーソナリティとして、
桐谷遥と星川真凛が、招かれていた。
「今日はよろしくね。星川くん」
「うん。よろしくね。遥ちゃん」
向こうで、高田舞ちゃんと、
クラスメイトの、小岩井よつばちゃんが見学している。
ちなみに二人は初対面で、出会ってから、仲良くなっていた。
収録終了後。
「お疲れ様!真凛!」
「真凛!すごかったぞ!」
「そんなことないよ。よつばちゃん、舞ちゃん」
「あっ、星川くん、ちょっと話がある」
桐谷遥から、そう言われた。
「ひょっとして、告白とか~?」
「違うと思うな」
給湯室。そこにいるのは、僕と桐谷遥ちゃんだけだった。
「えっと…話って…」
「信じて貰えないと思うけど、私、B小町のアイの人格が、
体内に宿っていて…」
「えっ?」
すると、遥が目を閉じて、開いた。
遥の瞳に星状のマークが両目に付いていた。
遥の様子が、何かおかしいと感じた。
今、見た目は桐谷遥でも、中身はアイという状態だった。
「初めましてかな?久しぶりかな?
私はアイ。アクアにルビー、それに、マリンの実の母親です」
「やっぱり、そうだったのか…」
今まで夢で見てきた、あの妙な夢の数々。
これは、現実に起きた夢だったんだ!
「アクアとルビーを助けて欲しい」
「わかっています」
「それでね、芸能界のどこかにいる、誰かを助けて欲しい」
「だ、誰かって…」
「それは、きっといずれ出会うはず」
身体は桐谷遥さん。でも、心と中身がアイだから、
実際に話している相手は、実の母である、アイだ。
「わかりました」
真凛は、この場を後にした。
元の場所にやって来ると、よつばが…
「なーなー遥ちゃんに告白されたのか?」
「遥ちゃんにメロメロ?」
「これこれ、滅多なことを言うんじゃない。
それに舞もだ!」
「はーい」
それにしても、誰かを助けて欲しいって、ひょっとして、
今朝方、夢の中で出会った、あの見知らぬ美男の人か…?
にしても、アクアとルビーに似ているな…その人…
誰なんだ?
金髪、星状の瞳、整った顔立ち。
全て、俺の兄貴と姉貴にそっくりな人。
それに、苺プロダクションに入ってから、妙な夢ばかり見ている。
僕は…どうなっているんだ?