伝説のアイドルの子   作:アッシュクフォルダー

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第二十八話 予知夢と現実

真凛は生まれてから、ずっと様々な身に覚えのない出来事が、

フラッシュバックされる夢を見ていた。

 

それは、会ったことの無い、母親のアイが、

生まれて間もない真凛を抱く夢まであった。

 

最近、真凛は風邪を引いていた。

咳とクシャミが、何度も発症してか、学校生活と芸能活動に、

多少の支障が出てくるほどである。

 

さらには、食生活も、疎かになっていた。

何を食べても、味が薄っすらとしか、感じなくなるほどである。

 

今日の晩御飯のカレーでも…

 

「ほとんど、味がしない…」

 

「どうかしたの?」

 

と、舞が心配していた。

 

「大丈夫だよ」

 

真凛はカレーを残さず食べた後、自分の部屋に戻った。

 

(何だろう…ずっと見る、変な夢の数々。

母親、それに、ツクヨミって子と金髪の美男の存在。

夢で出会って、本当に実在していた。

それに、最近は、何というか…人の内面が読めるようになった…)

 

真凛は人の心を微かに読むことが出来るらしい。

数秒後くらいの出来事であれば未来予知に近いことが出来ると言える。

 

対象は自身の周辺数メートルから、教室くらいの範囲。

集中すれば、少し離れた人込みの群衆の声も全部読み取れる。

 

ちょっとしたテレパシー能力だが、

本人にテレパシー能力の自覚は無い。

 

アイとツクヨミ。そして、金髪の美男が夢の中に現れたのは、

テレパシー能力の副作用からだと思われる。

 

真凛は寝るのも、最近、苦痛を感じるようになった。

出会う前に、夢の中で初めて出会う光景ばかり見ているせいか、

不眠症になりかけてもいる。

 

夢の中

 

(ツクヨミ…ちゃん…?)

 

(随分と大変な目に遭っていて、

それに、何かをしたいって感じだね)

 

(この前の撮影の時、ツクヨミちゃんがいなかったら…

どうなっていたとやら…)

 

(はぁ?それは、アイツ等が脅すからだろ!)

 

(俺はどうしていつも、こんな夢ばかり見るんだ…?)

 

(じゃあ、教えてあげる。それはね、テレパシー能力の干渉だからだよ)

 

(テ、テレパシー能力…?)

 

(お兄ちゃんはね、人の心の内面を読むことが出来るんだよ?)

 

(そんなの知ったことか)

 

(でも、時に聞こえてこない?自分の友達や仲間が何を思っているか?)

 

(…表で言っていても、裏で何かを想っているかは、

また別な事位わかっている)

 

(その能力を使うかは、使いこなせるかは、お兄ちゃん次第だよ?

そして、助けるのも、助けないのも、救うのも、救えないのも、

この能力と、お兄ちゃんにかかっているからね)

 

(あぁ、そうですか)

 

夜中の4時44分になり、真凛は目を覚める。

 

(また、あの子と夢の中で出会った。

僕はどうかしている…僕はどうしたらいいんだ…!

それに、あの子って…?)

 

真凛の身体は蝕んでいく一方だった。

 

 

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