星野アクアという、一人の兄貴を失った、星川真凛。
そして、微かに感じ取ったことがある。
(俺の兄貴が親父を殺した理由…)
兄の墓参りを終えた、真凛。
孤児院に帰って、昼ご飯を食べていた。
「味がしない…!?」
「真凛、どうしたの?」
「ごめん。舞。迷惑かけてばっかりで」
「真凛が、ここまで元気が無いの、初めてだよ…」
「舞。4月から、高校生だろ?」
「そうだけど?」
「楽しまないと、ダメだよ」
「う、うん…」
真凛は兄貴である、アクアマリンが死んだ海辺の海浜公園へと向かった。
そこには、花束が多くあった。
(兄貴。教えてくれ。どうして、兄貴は親父を殺したんだ?
あの、カミキヒカルって奴。いかにも人を殺したことがあるような、
目つきだった。オーラがあった。
まさか…)
星川真凛の後ろに、ある女性が声を掛けた。
「キミが星川真凛くんだね」
「誰だ?」
「私は黄泉。貴方に言う事があってここに来たの」
「何が言いたい?」
「星野アクアは、これ以上、被害者を出さない為にも、
それに、カミキヒカルをこの世から消し去るために、
自ら犠牲になって、親子共々、帰らぬ人になったんだ」
「だから、兄貴は…!」
黄泉という少女、よく見ると、足元が薄く見える。
幽霊を見ているのか?と感じるくらいに。
「あなたがどうして生まれたか?知ってる?」
「は?」
「ルビーを守るための、存在として生まれてきたんだよ。
あなたのお兄さんは、ルビーの未来を守るために、
あなたにルビーの未来を支えてもらうために、
死を選んだんだよ?」
「…!」
「数多くの夢を見てきたのは、神様からのメッセージかもしれないね」
「あんなに幻覚ばかり見て、あんなに妙な夢ばかりにうなされて、
それに、次は幽霊が見えるようになったと?」
「そうね。私も実際、殺人被害者だしね。
幽霊が見えるってことは、ある一種の才能かもね?」
「いらねぇな。そんな才能」
「あなたは生きるべきよ。
ルビーを守れるのは、あなたの役目だから」
「あぁ…」
真凛は感じた。人の命は重いようで本当に軽い。
カミキヒカルは、死ぬべき存在だったのかもしれないと、
微かに感じてしまう。
だが、もし止めてしまえば、今度はルビーだけじゃない、
他の人が亡くなって、人生が終わってしまう。
ふと思った。完全犯罪が成立するなら、
手伝ってもよかったかもしれないと。
だが、成功したとしても、いずれはバレてしまい、
歪んだ未来が待ち受けているのは、目に見えていた。
「俺は兄貴を助けられなかったのか?」
「あなたはルビーを守りなさい。
それが、あなたの使命で役目。生きなさい」
と、黄泉と名乗る少女は消えてしまった。