伝説のアイドルの子   作:アッシュクフォルダー

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第三十五話 未来に託す先は

星川真凛は、めまいをしてしまい、

3月1日から、事実上の昏睡状態に陥ってしまった。

 

舞は心配していた。

 

「真凛!しっかりして!」

 

「…」

 

応答がなかった。返答もない状態だった。

 

数日後、3月11日。真凛は治療の末、目を覚ます。

 

「真凛!」

 

「…変な夢にうなされていて、倒れていた。

真っ白な光が見えて、死にかけたかもな」

 

「そ、そんな!」

 

「大丈夫だ。僕は死なない。

ルビーを守れるのは、星川真凛っていう、

ただ一人の弟だけだからな…」

 

「えっ?」

 

「舞に言ってなかったな。俺はアクアとルビーの弟だった。

星野真凛。それが、俺の本名なんだ」

 

「そうだったんだ…」

 

星野真凛 (マリン)が本当の名前であり、

星川という苗字は施設長から与えられた、苗字であり、

アイやアクア、ルビーから遠ざけるために、

生まれた名前。それが、(星川真凛)だった。

 

「不思議だよな。兄貴がアクアなのに、

弟である、俺はマリンって…」

 

「アクア、マリン?」

 

「天国にいるお袋曰く、俺の名前は兄貴から、

取られているらしいぜ?」

 

「で、でも、真凛はお母さんに会ったことが無いんじゃ…」

 

「B小町のアイは、俺のお袋だった。産んでくれた母親なんだ。

だが、俺は物心がつく前に、お袋と永遠の別れをしないといけなくなった」

 

「どうして?」

 

「アイがアイドルとして、子育てするのに、

三人の子を育てるのが大変だから、

施設長が、苺プロダクションの人と知り合いの縁で、

俺がオガモの家にやって来たのは、

恐らく、巻き込まれない為だったかもしれねぇな」

 

「ロッカーも、それに孤児院の子達も、

真凛を心配しているよ?」

 

「ありがとな。舞。しばらく、一人でいたい」

 

「わかった」

 

舞は病室を後にした。

 

(兄貴がルビーの未来を作ったなら、

俺はルビーの未来を守る役目であり役割であり使命…

それが、俺が生まれた理由であり、存在。

俺が死んだら、兄貴の死が無駄になってしまう…

だから、俺は生きる。生きないと、兄貴が…

兄貴が…兄貴が!無駄死になってしまう…!)

 

真凛の青い瞳は、黒く染まっていた。

だが、瞳に星状は付かなかった。

 

星川真凛は、星野ルビーを守るために生まれた存在。

神様が描いたストーリーが、その通りに進んでいたのかもしれない。

 

世の中に、天罰も神罰も無い。

理不尽で不公平なことだらけである。

 

が、それでも、命を奪う事に、正しい事はある。

だが、その代償は、死で償うしかなかった。

 

悪を殺すには、悪と共に死で償う必要が必ずあったのか?

 

真凛は考えつつ、退院した。

 

そして、真凛は海辺の海浜公園に来ていた。

真凛は暇さえあれば、アクアが亡くなった現場の花束を、

1時間ほど見つめている。

 

「兄貴。俺は死なない。ルビーを守るためにも、

俺は兄貴を死を無駄にはさせない」

 

(真凛)

 

「あ、兄貴!?」

 

(ルビーのことは、頼んだぞ)

 

「あっ!兄貴!」

 

と、アクアを追いかけるマリン。

曲がり角を曲がると、アクアの姿は無かった。

 

「わかったよ。兄貴。天国で見ていてくれよ」

 

ルビーを守っていく。

それが、星川真凛にとって、生きる性となったのだ。

 

その後、真凛は役者を引退し、

ルビーのフォローする立場として、多忙な日々を送るのだった。

 

高校生活も二年目になり、これから楽しくも忙しくなりつつあった。

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