それから、オーディションの日がやって来た。
僕の机に、一通の手紙が置いていたので、
読んでみた。
差出人は、オガモの家の職員、ロッカーという、
30歳の青年だった。
ロッカーは、オガモの家に引き取られた、最初の孤児である。
(真凛。苺プロダクションに行け。
そこで、アクアとルビーに接触するんだ。
オーディションで受かって、この二人に近づくんだ。
そうすれば、憶測だが、真凛の母が、わかるかもしれないから)
「ありがとう。ロッカー」
手紙だけではなく、書類や、その他の諸々の資料。
ロッカーが用意してくれたのでは?
と、思った。
こうして、僕はオガモの家を出て、
苺プロダクションへと、向かった。
そして、長い道のりを経て…
僕は苺プロダクションのオーディションを受けた。
一次審査、二次審査、三次審査を乗り越えて、最終予選…
そして、結果は、合格だった。
(ありがとう。ロッカー)
と、真凛は感謝の気持ちでいっぱいだった。
「やったー!真凛!合格したんだって!
芸能人になれるの?」
「まだ、そうとも、限らない。
なんだって、合格した人の中でも、最下位だったからな…
つまり、ギリギリ、合格ってわけ」
「ふーん」
「なんだよ!アクアとルビーって奴に、
会えるんだから、満足だろ?」
「うん!舞!とっても、嬉しい!
アクアくんとルビーちゃんに、サイン貰ってね!」
「そりゃ、有名になって、共演しない限り、
無理だろ?僕はギリギリ合格してても、蚊帳の外だし」
僕は舞と愚痴を交わしながらも、オガモの家に戻った。
出迎えたのは、ロッカーだった。
「ロッカー」
「おめでと」
「ありがとう。ロッカー。
舞、お前、ちょっと、向こうに行ってくれないか?」
「うん、わかった」
「ロッカー、場所を変えるぞ。話がある」
その後、僕は気になる事を問いかけた。
「なぁ、どうして、ロッカーが?」
「アクアとルビー」
「こ、これは…!どこから?」
「お前は、アクアとルビーの弟なんだ」
「な、なんだって!?色々、ビックリするけど…
でも、どうやって、それがわかったの?」
「施設の資料を偶然見た。
だが、決して、公にしてはいけない」
「わかった」
「アクアとルビーに接触しろ。
そこで、真実を確かめるんだ」
「うん、わかった。
そして、わかってきた気がする。
僕が歌う理由。それは恐らく、生き別れの、姉と兄に会う事かな…?」
「そうだ。アクアとルビーを助けるには、
実の弟である、真凛の力が必要なんだ。
どうか、実の双子の兄と姉を助けてくれ」
「わかった。これで、真実がわかるなら、
僕は手段は、選んだ訳じゃない」
と、僕はアクアとルビーに近づくため、
芸能活動を開始するのだった。
そして、真凛自身も、アクアとルビーと血の繋がりがあるとは、思わなかった。