どんなに優秀でも男は女の尻に敷かれる運命なんだと思う。   作:ゆず1252

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亀更新許して欲しいでごわす


第18話

風間と薫が模擬戦を行い、歌歩に怒られるという事件が発生して数日経過した。

そんな薫は歌歩とご飯を食べると言う約束を蹴ってまで修と食堂で食事をしていた。

 

「んで、わざわざ俺の貴っ重〜な昼の時間を奪って何の用でしょうかメガネ隊長殿?」

 

「いや、今後のランク戦に備えて色々話したかったんですが…何かすいません。」

 

「アホ。そういうのは作戦ルームとかでやるもんだろ。そう言うのちゃんとしとけよ。」

 

「はい、その通りです…。」

 

ったく、と悪態をつきながらもなんだかんだ言って色々相談に乗ってくれる所を見ると、やはりいい人なんだなぁと実感する修であった。

 

「というかさ、何でこんな注目されてるの?」

 

「そ、それが…」

 

現在進行形でA級の風間と引き分けたB級という噂が1人歩きしており、その結果周りの視線を集めているとの事。

 

「へぇ〜…ま、頑張れ。」

 

「めちゃくちゃ他人事じゃないですか。でも、杠先輩も結構噂されてますよ?」

 

「え、俺も?」

 

「はい。A級の風間さんとタメ張れるくらいに強いって噂が。」

 

まぁ、事実なんですが…と追加するが、薫としてはそんな噂どうでもいいと言わんばかりに興味無さげに聞いている。

 

「ねぇねぇ」

 

「?」

 

2人が話していると、小柄な少年が話しかけてきた。

 

「ちょっと聞きたいんだけどさ。」

 

「な、何かな?」

 

2人がそう話している間、薫は携帯を見て誰かに返信していた。

 

『ちょっと、なんで三上さんと昼一緒じゃないのさ』

 

『ウチの隊長に呼び出しされてんだよ』

 

『は?そこは三上さん優先にしなよ』

 

『いや、普通に許可もらってるって』

 

『僕からの許可はまだ降りてないよ』

 

『意味わからん』

 

その相手はまさかの菊地原。本日風間隊の作戦ルームは歌歩による薫トークが炸裂しており、菊地原と歌川はその被害を受けていた。

 

「今から俺とソロのランク戦やろうよ。」

 

「お?メガネくんランク戦やんの?」

 

チャットでのやり取りを終え、目の前で起こっている出来事に目を向ける香る。

 

「え、まぁ…ちゃんとしたランク戦なんて久しぶりなんで、少しだけやろうかなと。」

 

「ふーん。」

 

相槌を打ちながら少年を見る薫。

 

「えっと、なんか用事あった?」

 

「いやねーよ。まぁそうだな、良い機会だしやってくれば?」

 

薫の言葉を聞いて良い機会?と修は疑問に思ったが、見るからに初対面な様子だし、深い意味は無いだろうと考えた。

 

「よし決まりだね。」

 

そう言って少年はランクブースの方へ足を進める。

その道すがら薫は気になっていた事を修に聞いていた。

 

「なぁ、アイツお前の知り合い?」

 

「いや初対面です。杠先輩は知らないんですか?」

 

「俺も知らん。」

 

「なんだか玉狛の事気になってるみたいでしたよ。」

 

「…そ。」

 

その言葉を聞いて少し呆れたような表情をする薫を見てさらに困惑する修であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっこらしょ。」

 

修と少年がブースに入ったのを見送り、戦闘を見学するためにソファに腰掛ける。

 

「あれ、薫くん?」

 

「歌歩ちゃん?お疲れ様。」

 

「ありがとう、薫くんもお疲れ様。今日はお昼玉狛の隊長とお話があるって言ってなかったっけ?」

 

「うん。でもあのチビ助と絶賛浮気中だよ。」

 

そう指を指すモニターを見ると既に修が2本取られている場面が映る。

 

「あれって、緑川くん?」

 

「へぇ、そんな名前だったんだ。」

 

「薫くんの隊長ボコボコにされちゃってるけど…良いの?」

 

「んー、まぁいいんじゃない?風間さんから聞いてるだろうけどメガネくんは強くないし。そもそも気にするべき所はそこじゃないよ。」

 

後半の語気が強くなったことを確認し、あははと乾いた笑いをだす歌歩。

 

「でもちゃんと仲良くやってるみたいで安心した。」

 

「うん。大事な仲間だからね。」

 

そう2人で話しているとついに修が10-0で敗北したことがアナウンスされる。

 

「あっ!!おさむ!?負けたっ!!」

 

「お、なんでセンパイと遊真がいるの?」

 

「よっカオル。おれは槍の人と戦う約束してたから来たんだけど…オサムボロボロだな。」

 

挨拶を交わしているとブースから出てきた修が歩いてきた。

 

「空閑に陽太郎!?と、杠先輩の隣にいるのは…?」

 

「あ、初めまして。風間隊オペレーターの三上です。いつも薫くんがお世話になってます。」

 

そう挨拶をして修達に頭を下げる歌歩

 

「風間隊の!?っというか二人は知り合いなんです!?」

 

この間ボッコボコにされた風間の隊員と聞き驚くが、薫と知り合いという事に更に驚く修。

 

「おぉ!弾バカから聞いたぜ?お前ら付き合ってるんだってな!」

 

「えぇ!!」

 

隣にいた槍の人こと米屋がまた驚愕の情報を口に出す。二人は関係を隠している訳では無いが、大っぴらにしている訳でもないので、その話題を挙げられると歌歩は照れたように笑う。

 

「お〜今日もらいじん丸の腹はいいですな。」

 

「うむ!かおるは見る目があるな!」

 

逆に薫は全く気にせずらいじん丸の腹を撫で回すているマイペース具合である。

 

「おつかれメガネくん。」

 

そこに先程まで修とランク戦をしていた緑川がやってくる。

 

「あんたの実力はだいたい分かったかな。だからもう帰っていいよ。」

 

煽りとも取れるその言葉を聞いて玉狛組は当然良くない反応をする。

 

「なぁカオル。さっきまでオサムと一緒だったんだろ?何で止めなかったんだ?」

 

「メガネくんにも言ったけど、良い機会だと思ったんだよ。自分の事に鈍感過ぎるのも良くないだろ。」

 

「ふむ。それは一理ある。」

 

そう言って遊真は前に出て緑川に話しかける。

 

「なぁ、この見物人集めたのお前か?」

 

「…違うよ。風間さんと引き分けたって言う噂を聞いて寄ってきたんだろ。俺は何もしてないよ。」

 

そう白々しく緑川は言う。

 

「へぇ…」

 

お前つまんないウソつくね。

 

「!?」

 

明らかに雰囲気が変わった遊真をみて緑川は一瞬気圧される。

 

「おれとも勝負しようぜミドリカワ。もしお前が勝てたら俺の点全部やる。」

 

「お、良いじゃん。アイツA級だろ?俺もA級ボコしてB級に上がってるからオソロにしよーぜ。」

 

その言葉に便乗する薫。

 

「お?カオルは風間センパイ以外のA級ともやってたのか。」

 

「まぁね。ほら俺悪目立ちするだろ?」

 

その言葉を聞いて確かにと笑う遊真。

 

「…いいよ。やろう。そっちが勝った何が欲しいの?3000点?5000点?」

 

「はっ、点なんている訳ねぇだろガキが。」

 

「は?」

 

「カオルの言う通りだぜミドリカワ。点はいらない。その代わり俺が勝ったら先輩と呼べ。」

 

「…OK。万が一俺が負けたらアンタをいくらでも先輩って呼んであげるよ。」

 

「違うおれじゃない。ウチの隊長を先輩と呼んでもらう。」

 

「ちょっ…空閑!」

 

修の声は虚しくも届かず、2人はブースの中に入って行ってしまった。

 

「くっそー。白チビは俺が先約だったのにー。」

 

「あ、三輪隊の…」

 

「米屋陽介。陽介でいいよメガネボーイ。そっちのヤンキーもよろしくな。」

 

「ん?あぁ、よろし…く?」

 

薫には珍しく少し困惑したように返事をする。

 

「まあそうなるわな。この間までバチバチにやり合ってたのにこうもフランクだと調子狂うか?」

 

「えっと…。」

 

「俺は楽しくやりたいだけだからよ。お互い水に流して仲良くやろーや。」

 

「どちら様ですか?」

 

その言葉を発した瞬間空気が凍った。

 

「何処かで会ったことありましたっけ?すいません記憶になくて…。」

 

本当に心の底から申し訳なさそうに謝る姿を見て米屋は言葉を失う。

 

「えっと、薫くん?」

 

「どうしたの?」

 

「米屋くんは…その、あの夜いた部隊の人だよ?」

 

「え?そうだっけ?あんま印象に無いや。」

 

その言葉を聞いてついに米屋の堪忍袋の緒が切れる。

 

「上等じゃねーの!!この間の借り今返してやる!ブースに入れ!!」

 

そう言って息荒く詰め寄るが、それを見ても意に返さない薫。

 

「んー、とりあえず遊真の試合終わったらで良い?あと5本ね。この後歌歩ちゃんと遊びに行きたいし。」

 

とりあえず忘れている事は事実だからという理由で申し出を受け入れる薫。

 

「杠先輩…何したんですか?めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか。」

 

「いや知らん。身に覚えのない冤罪だと思います。」

 

「三雲くん…だっけ?ごめんね。薫くんが迷惑ばかりかけちゃって。」

 

「あ、いえ。責めてる訳じゃなくて…米屋先輩があんなに怒るとは思えなくて。」

 

今さっき会った間柄ではあるが、米屋の人柄を考えるにここまで突っかかってくるとは思えなかったのだ。

 

「んー、まあ色々あったんだ。薫くんは忘れてるみたいだけど。」

 

「お、遊真の試合始まるぞ。」

 

当の本人がこうとマイペースだと先が思いやられると感じる三雲であった。

 

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