わーい!日間ランキングのったぞー!いえーーい!
めちゃくちゃ嬉しいです。
「…………あれ?そういやアクアの奴どこいった?」
俺は先程のセリフで後ろを振り返っていたのだが、そこにアクアの姿が無いことに気がついた。
そういや途中から返事が無かったな、と思い辺りを見渡したが何処にも姿が見えない。
いったいまたあいつはどこに行ったのか。
そう思いながら俺は辺りををキョロキョロと見る。
その様子を見てめぐみんとダクネスもアクアが居ないことに気づいたようだった。
俺と同じ様に辺りを見渡して────
「あっ、見てくださいカズマ。あそこに居るのアクアじゃないですか?」
そう言って壁の下を覗いていためぐみんがちょいちょいと手招きして墓地側の地面を指差す。
めぐみんが指さした方を確認するといつの間に移動したのか。確かにアクアがそこに居た。
暗くてよく見えなかったので俺は暗視スキルを用いてアクアの姿をよく見てみる。
すると、どうやらアクアは地面にしゃがみこんで骨を避けながら何か行っているようだった。
はて?あいつは一体あいつはあんな所で何をしているんだろうか。
そう思った俺はアクアに向かって聞こえるように大声で
「おーいアクアー!お前そんな所で何やってんだー!どうやらもう俺たち出番は無さそうだし、一回冒険者ギルドの方に帰ろうと思うんだがー!」
と、そう叫ぶ。すると気づいたアクアがこちらを振り返り口に手を当てて息を吸い込むと、
「ちょっと待っててー!今、このアンデッドの死体を浄化するために魔法陣描いてるからー!何だか今夜はとんでもないアンデッド臭がするからこのままじゃ眠れないし、それに私は女神なんだからこのままってのは見逃せないわよ!それにあともう少しで終わるからそれまで待っててちょうだいー!」
そう言うとアクアはまた魔法陣を描く作業に戻ってしまった。
………………ふむ。
「なんだよ、今夜のアクアは絶好調だな。女神の面目躍如じゃないか?」
「……そうだな、確かに今夜のアクアは殺されてた人を蘇生させたり、怪我人を治したりしているしな。果ては墓地の浄化までするとはまるで本物の聖職者のようではないか。それにもう敵も見る限りここら辺には居ないようだしカズマの言う通り一旦冒険者ギルドに戻るのもありかもしれないな」
「そうですね、後はこのまま無事に終わってくれれば良いのですが………」
おい、フラグっぽい事を言うんじゃない。
「───そういえばカズマ。ひとつ気になることが有るのですが」
「うん?」
めぐみんの台詞にを心の中で突っ込む。するとめぐみんが顔に疑問を浮かべながら話しかけてきて。
「───その例の魔道具いつの間に持ってきてたんですね、てっきり宿に置いていたと思ってたのですが」
と、そんな事を言っ……て…………?
「………は?いやいや、ちゃんと宿に置いてきたぞ。こんな所に持ってきても仕方無いし」
「そうなのか?では今カズマが右手で持ってるのは一体何なんだ?………っというか先程まで持っていなかった気がするのだがいつ取りだしたのだ?」
めぐみんに言葉に否定するがダクネスが俺にそう質問する。
ダクネスの言葉で右手に視線を向けると確かにそこには俺達がここに居る原因である転移の魔道具があった。
…………?何故これがここにあるのだろうか。
確かに俺は宿屋に置いてきたはずだが。
もし仮に間違えて持ってきていたとしてダクネスの言う通り一体いつ取り出したのか。
そんな事を疑問に思いながら転移の魔道具をじっと見つめていると、真ん中にある紅い宝石が徐々に輝いてきて………。
…………何だかとてつもなく嫌な予感がする。
そう、例えばこっちの世界に転移してしまう前や。
ベルディアやハンス等、魔王軍幹部と対峙した時だったり。
巨額の借金を背負わされる前のみたいな。
どうしようもなく理不尽な事が起こる時の様に。
これまで俺たちが散々経験してきた出来事と同じような事が起こると経験則から察知し。
妙にスローに見える世界の中でめぐみんとダクネスの焦った顔を見て。
段々強く輝いていく魔道具を見て強く握り締めた俺は。
それを思いっきり遠くへと放り投げた────────が、しかし
適当に強く放り投げたのがいけなかったのか。
魔道具は綺麗な放物線を描いて墓地の側へ落ちていき。
運悪く、魔法陣を書いていたアクアの頭にスコーンといい音をしてぶつかると。
アクアの女神的な力が作用したのか、より一層の光が強くなっていき。
大きなたんこぶを作って涙目のアクアを見たのが最後に。
目を開けられない程強く魔道具全体が眩く光り輝いた。
…………………。
「な、何が起きたんでしょうか、二人とも大丈夫ですか?」
「あ、ああ、私は大丈夫だ。此処から見たのところアクアも問題は無さそうだが…………っな!?」
そんなダクネスの驚いた声を聞いて目を開けても特に二人に何か変わった様子は無かった。
しかしダクネスが声のあげた方に視線を向けてみると、異様な光景があった。
まず、墓地の地面を埋め尽くすほど大量に転がっていた骨がカタカタと動き出して。
「な、なんだよあれ」
そして、その動き出した骨はゆっくりと宙へと浮かび上がり一つ一つが意志を持っているかの様に隣の骨へとくっつき出した。
そうして例の冒険者がバラバラにしたはずの大量の骨がそれぞれの元の大きさや形に変貌していく。
中には、そのまま他の骨と骨とを繋いだまま巨大な形へと変化していく物もあった。
それと共に新しいアンデッドが地面の中からどんどん発生してきて………。
その様子を俺はただただ呆然と見ているだけだった。
だがしかし、俺たちと同じ様に門の上にいた兵士や冒険者たち。
彼らがようやく異常な事態に気づいたのか慌てた声で。
「な、何だこれは!?さっきまでの
「
「クソっ、もう終わったんじゃねぇのかよ!さっきの漆黒の鎧の冒険者があいつら全部やっちまってたじゃねぇか!」
「た、隊長!あ、あれを見てください!」
「………おいおい嘘だろ、なんでこんな所にアレがいやがるんだよ!!?」
その悲鳴にも近い叫び声につられてそちらに視線を向ける。
するとさっき見た中でも特に大きい骨の集合体がそこにはあった。
その骨から新たに誕生するかの様に体、手、足と順々にその体躯が形成されていく。
最終的には身体に骨の翼が生え、最後に顔が作られる。
するとその眼に光が宿り、まるで全ての敵を睨みつけているかの様子で翼を広げた。
そして既に形となったそれがズシンっと地面に足をつける。
その姿はまるで……まるで………、
「─────
「ウガアァァァァァァ!!!!!!!」
そう叫ぶ彼らの言葉と共に呼応するかの様に。
骨の竜は雄々しく叫び声をあげた。
…………え?これ俺のせい?