このすばアニメ三期2024年放送開始!
楽しみです。
どうしようこの状況。
多分これって俺が今投げた魔道具のせいなのか。
もし責任追及とかなったら言い逃れ出来る気がしないんだが。
あっちの世界で幾度となく逮捕された経験がある俺。
大抵は冤罪や誤解だったが今回に関しても俺は悪くないと言いたい。無罪だ。
というか何故俺は宿に置いてきたはずの魔道具を持っていたのか。
どうして今、あの魔道具が発動してしまったのか。
なんで、適当に投げた先がたまたまアクアの頭だったのか。
ここまで来ると本当に自分の幸運値は高いのか疑問を抱かざるを得ない。
だが先程も言った通り、現実は無常である。
「グガアァァァァァァ!!!!!!!」
「どうしてこうなったああああ!!!」
俺は後ろで空を飛びながら此方へと向かってくる
すると俺とは反対方向に逃げためぐみんが応援するように。
「カズマ!もっと早く逃げてください!もう直ぐ後ろにまで迫ってますよ!」
「無茶言うんじゃねええええ!!!!」
「大丈夫だカズマ!最悪私は食われても己の耐久の高さで防げる筈だ!だから私を囮にしてヤツの餌として目の前に放り出してくれっ!!ロープで簀巻きにされ抵抗も出来ないまま放置されるというのは………っくぅ!!」
「こんな状況で馬鹿なこと言ってんじゃねええええ!!!」
両手を広げて傍から見れば俺を守るように───実際はただ自分が食われたい為だが───骨の竜の前に立ち塞がるダクネス。
だがそんなダクネスの横を華麗にスルーし……て………
「だああああああ!!!ていうかさっきからこいつなんで俺ばっか狙ってくんだよおおおお!」
「グガアァァァァァァァァァ!!!!!!」
そう、先程から何故か俺ばかりを狙う骨の竜。
まるで親の仇かのように俺を狙ってくるが全く身に覚えがない。
やはり、魔道具を投げたのがいけなかったののだろうか。
今の所《逃げ足》スキルで何とか逃げ切れているが捕まるのも時間の問題だろう。
というかもうやばい。体力が普通に無くなりそう。
「誰かたーすーけーて!!!!」
もうダメだ、とそう思ったその時、神への祈りが通じたのか。
「すいません避けてください!!《マジックアロー/魔法の矢》!!」
そんな聞こえてきた声を信じて咄嗟に避ける。
すると正面から同時に光の矢みたいな魔法二つが向かって来た。
ひとつは骨の竜《スケリトル・ドラゴン》に直撃して。
もうひとつは………俺の目の前に。
「うおおおおおい!!!?」
俺はモン○ンで言う緊急回避の要領で咄嗟に前へ避ける。
すると避けた魔法が地面に当たり直ぐ後ろでボンッ!とそこそこデカい音を立てる。
地面に当たったお陰で土煙が立ち
俺はそれを確認すると静かにほふく前進してその場から離れる。
土煙が途切れている地点まで行き、ベチャッとそのまま倒れる。
すると心臓がバクバクしてきたので俺は心の中で。
………あ、あっぶねええええええ!!あれ当たったら絶対大怪我じゃ済まないと思うんだけど!!?
と、大絶叫する。
だがあの魔法が無ければ俺は今頃あの骨の竜に食われていただろう。
そう思うと命拾いしたのだから感謝こそすれ恨みを言うのはお門違いだ。
しかし何だろうかこの納得のいかない気持ちは。
この気持ちを考えると俺はひとつくらい文句を言っても良い気がする。
それに顔面からスライディングしたせいで顔がヒリヒリするし。
顔の痛みは完全にモン○ンダイブをした俺のせいだが、そんな事知らないとばかりにに憤る。
すると遠くからおーい!と、呼びかける声が聞こえてくる。
段々と近づいてくるその声の方向に顔を上げる。
さあ、一言言ってやる!と見えてきた声の主を見ると。
中性的な顔の美少年が焦った顔でこっちに走ってきてた。
「す、すいません大丈夫ですか!?ごめんなさい暗くてあまり良く見えなかったので狙いが逸れてしまいました………。どこかにお怪我は有りませんか?」
と、美少年は本当に申し訳なさそうな顔をしてこちらの心配をしていた。
その様子を見た俺はつい先程まで文句を言おうとしていたことも忘れて。
「だ、大丈夫怪我はないみたいだ」
「そうですか!良かった~…………もしボクのせいで怪我なんてさせたら大変な所でした…………」
そう言ってほっとため息をする美少年。
中性的だからだろうか暗いところで見ると女の子と間違えてしまいそうだ。
…………暗くて周りが見えなかったのは本当の事らしいしどうやら本気で心配しているようだ。
その事に毒気が抜かれた俺は素直に助けてくれた美少年に対して。
「あ、ありがとう。危ない所だったからお陰で助かったよ……………っと、それよりもあいつは!?」
「あっ、安心して下さい、今は取り敢えず僕の仲間たちや他の冒険者が抑えています」
そう見た目美少年な彼──どうやらニニャと言うらしい──は後ろを見ながら安心するようにと言った。
その方を見ると確かに多くの冒険者がやつに立ち向かっていた。
だがそれを見る限り全然倒せそうではなくただの時間稼ぎのようだったが。
それを確認するとニニャは此方を向いて、真剣な顔で。
「───すいませんがどうやらあまり時間がないようです。こんな状況で申し訳ないですけど、今とある人を探しておりましてご存知無いですか?」
「とある人?」
「はい。見た目は青い髪でまるで羽衣の様な服を着ていて不思議な杖を持っている女性なんですけど………」
「………まあ、知ってるけど」
「本当ですか!?その方は今どこに!?」
「うおっ!」
聞かれた事に素直に答えるとニニャは食い気味に体を寄せて来た。
というかそんな変な格好した奴これまで一人しか見たことが無い。
なんでコイツがアクアを探してるかは知らんが場所は直ぐに分かる。
そう思い、先程までアクアがいた所を指差すと。
「うわあああああああん!!!!!誰か助けてー!!!カズマさーん!!!!」
そう悲鳴を上げながら大量のアンデッド達に追われているアクアがいた。
■◇◆□■◇◆□■
「……え、えー!?どういう事ですか!?なんであの人あんな所に一人で居るんですか!?というか何であんな大量のアンデッド達に追われているんですか!?」
初め、アクアを見てポカンとしていた様子だったのだが、徐々に状況が呑み込めてきたようで焦った様子で矢継ぎ早に質問してくる。
だが俺が気が付いた時にはもうあんな感じだったんだが。
「そ、そんな!じゃあ早く助けないと!あのままだとあっという間にアンデット達の餌食に……餌食に…………あ、あれ?」
彼がそう疑問の声をあげたのも仕方がない。
よく見ると逃げているアクアにアンデッド達が全然追いついてないのだ。
アクアは頭はパーだがその他のステータスは俺達の中でも飛び抜けている。
しかもそこにそれぞれバフをかけているのだからノロノロと動くアンデッド達では到底追いつかないだろう。
ただアクアにとってみれば恐ろしいことこの上ないだろうが。
それを彼に言うと困惑した様子で。
「えぇー……、だ、大丈夫なんですかそれ?」
「大丈夫じゃないがあの大量のアンデット達があいつに構っている間はこっち側に来ないし、時間稼ぎになるはずだ。心苦しいがこっちが片付くまではあいつには少しの間頑張ってもらおう」
「あの、彼女とてつもなく大泣きしている様に見えるんですけど…………、なんなら涙と鼻水の所為で顔が見られない感じになっているんですが………ほ、本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ問題ない…………はず」
マジかこの人と、ニニャがドン引きした様子でこっちを見てくる。
何やらフラグをへし折った様な気がする。
だが仕方がない、今はあんな大群を相手にしている余裕は無いし、さっきも言った通り逃げるだけなら余裕のはずだ。
この人でなしー!とか言ってる気がするが俺の気の所為だろう。うん。
おっと、ドン引きどころかまるで鬼畜を見るような目ですね!
「おいニニャ!こっちを手伝ってくれ!コイツかなり強いし硬いからお前の魔法で援護頼む!」
そんなやり取りをしていると。隣にいるニニャに向かって切羽詰まった様子で叫ぶ声が聞こえてきた。
そっちを見ると既に何人かの冒険者が傷つき戦えなくなっているようだった。
ダクネスは未だに立って前線で戦っている。
だがさっき綺麗にしたはずの鎧にもうかなりの傷が付いていた。
ダクネス自身も肩で大きく息をしてしており疲労していることが目にとって見れた。
しかし、反対に骨の竜の方は初めと変わらずピンピンとしていた。
そう。問題はアクアではなく何故か俺の方を狙ってくるこの骨の竜。
アクアは女神の神性かなんかは知らんが元々アンデッドに集られるたちではあった。
だが俺はただの人間だし、追いかけられる理由が分からない。
だからこそだろうか。隣にいるニニャに対して仲間が魔法で援護を頼むのは普通だし、倒れて少なくなった人手がいるのも分かる。
だけど何だろうこの胸騒ぎは。
「わ、分かりました!行きます!《マジックアロー/魔法の矢》!!」
そう呪文を唱えると二つの光弾が生み出される。
その呪文は今まで俺があっちの世界で見たことがない魔法だった。
その魔法を見て俺は違和感に気がついた。
さっき俺を守るため彼が魔法を骨の竜に対して撃ったとき。
俺の方に逸れてきた魔法は地面に当たり大きい音を上げて土埃を立てていた。
しかし、
─────少しでも当たった音が聞こえていただろうか。
その事に俺が気が付くと同時に発射した魔法の矢が
今度は魔法の二つともが当たり煙を立てる。
「やった!」
「……………。」
その事に喜び嬉しい声を出すニニャ。
だがその様子を見てもまだ俺は嫌な予感が抜けない。
やがて魔法によって立っていた煙が払われ、その姿が徐々に露わになる。
しかしそこには。
先程と変わらない様子で立っている
「馬鹿野郎!あの
さっき兵士から隊長と呼ばれていたやつがそう怒鳴る。
そういえばこいつの名前知ってたのあいつだったか。
というかそう言う大事な情報は先に言え!
そう思うが時すでに遅し。
魔法を撃たれたと認識したのか、ギロりと怒った様子でこっちを見ると………
「ニニャ逃げろ!!」
「へ?」
彼の仲間がそう叫ぶが共に
俺は咄嗟に手を掴み逃げようとするがまだニニャは呆然としているのか足が動いてない。
不味い!このままじゃ避けられない!
二人揃ってぺしゃんこになる最悪の場面を想像して目を瞑るとそして俺は心の中で。
この別の異世界でまた先立つ不幸をごめんなさいお母さん。
何回目か分からないけどまた生まれ変わったら今度こそ精一杯頑張るよ。と、遺言を残す。
だがいつまで経っても衝撃がやって来ない。
その事に疑問に思った俺は恐る恐る目を開けると………。
「はああああああ!!!」
ダクネスが大剣を盾にして俺たちを守るようにスケリトル・ドラゴンを受け止めていた。
「ぐっ!大丈夫かカズマ!すまないが長く持ちそうにない!そこの男を連れて早く此処から離れてくれ!」
「あ、ああ助かったダクネス。ほら早く離れるぞ!…………って」
こいつ気絶してやがる。
俺はニニャを抱き抱えてその場から離れる。
というかこいつの肌、男の癖になんかすげー柔らかいんですけど。
そんなどうでもいい事を考えながら距離を取る。
すると今度はターゲットがダクネスに向いたのか、
ダクネスは懸命にそれを防いでいるがそれも時間の問題だろう。
クソっ考えろ!どうすればあいつを倒せる!?あいつには魔法が効かないらしいし、アンデッドに対して特攻を持つアクアはあそこで涙を流しながら逃げている。何か手は────
「ふっ、真打ち登場ですね」
そう考えていると俺の心を読んだのか。
いつの間にいたのか後ろから声が聞こえてきて。
「魔法が効かないならばそれ以上の圧倒的な火力で!ヤツを爆裂魔法の名のもとに沈めてやりましょう!」
俺が振り返るとそこには反対側に逃げたはずのめぐみんが紅い目を爛々と光らせてバサッとマントを翻していた。