だいたい20話ぐらいなんでサクサク行きますぜー。
俺は目の先にある雲が緩やかに流れていくのをぼーっとした頭で見つめていた。
空はとても綺麗で俺は心が洗濯される様な心地良さを覚える。
そうして空を見つめていると突然、いや必然的だろうか。ある疑問が頭に浮かんできた。
はて?なぜ俺は空を見ているのだろうか。
いや待て、というかどうして俺は倒れてるんだ………?
………えーと、たしか俺はアクア達とウィズの店に来てそれで―――!?
俺はそこまで考えて体を起こしたが、目の前の光景に言葉を失う。 というのもそこにはさっきまで俺達はウィズの店に居たはずだ。
だが体を起こして周りを見渡すとその店は何処にも無く、それどころか建造物すら無かったからである。
その代わりにどこまでも見渡せる草原があり、その事がここがアクセルの街で無く、全く見知らぬ土地である事をを悠然に物語っていた。
それに仲間達もさっきまでの俺と同じように意識を失って倒れており、まだ俺以外目を覚ましてないようだ。
そして俺はそんな光景を見て、ぽつりと一言呟いた。
「………………どうしてこうなった?」
そして物語は初めに戻る。
■◇◆□■◇◆□■
ひとまず回想を終え状況を把握した俺は───まだ少し混乱しているが───とりあえず、めぐみんから起こしにかかる事にした。
いや待って欲しい。これは俺がめぐみんが気になっているからとかそういう事ではなく、ただ単純に今の現状を把握してくれるだろうと予測した結果だ。
ダクネスはこういう突発的な状況になると、ポンコツになるし、アクアは言わずもがなである。
それに、こういう状況だからこそ自称紅魔族一の天才であるめぐみんがなにか指針んとなる良い案を出してくれることだろう。だから断じて気になってるとか、そういう事ではないのである。
俺は誰に言うわけでもなくそう言い訳をしてめぐみんの近くに行き肩を揺する。
「おい、めぐみん起きろ!ちょっと大変な事態になってるんだが、今こそようやく出番の無かったお前の紅魔族随一の頭脳とやらの出番だぞ!」
「……すう……すう……」
「おーい、お前いつものの寝起きの良さは何処に行ったんだよ、いっつも寒い朝俺より早く起きて、一緒に爆裂に行きましょう!つって俺の布団を引っ剥がすじゃないか」
「……すう……すう……」
「………このまま寝続けると俺の右手がうっかりお前の胸に触っちまうかもしれないぞ?それでもいいのか?……おっと、そう言えば触れるほど無かったわ!」
「……すう……すう……」
「………………」
「……すう……すう……」
「貧乳ロリ自称天才魔法使い、さっさと起きろ」
「その喧嘩買おうじゃないか」
俺がそう呟くと先程まで起きる素振りすらなかったのにカッ、と一瞬で目を覚まし、俺の首を締めに来た。俺はそんなめぐみんと対抗しながら、落ち着くように説得した。
「おいおいめぐみん、今はこんな事をしてる場合じゃないんだ。ちょっと周りを見てみろ。」
「カズマから先に言ってきたんじゃないで…す……か………」
俺がそう言った後、めぐみんの言葉は尻すぼみになっていき、めぐみん自身固まってしまった。
「……………………」
「おーい、めぐみん?」
「……………な、」
「な?」
「な、なんなんですかこれは!?どうしてこんな所にいるんですか!私たち先程までウィズの店にいましたよね!?」
「ちょ、やめ、首!首!また締まってるから!」
俺は、興奮して目を紅くしためぐみんに首から手を離すように言った。
というか首がガクン、ガクンしてやばい。また意識が飛びそうなんだが………
すると俺の様子に気付いためぐみんが慌てて首から手を離して、
「あぁ、すいません!……けどどうしてこんな事になってるんですか!」
「……いや、俺も目が覚めたばっかで、まだ把握してないんだが………意識を失う前にこの変な魔道具を弄ってただろ、多分これのせいだと思うんだが………。」
俺はそう言って近くに落ちていたトロフィーみたいな魔道具を指す。その魔道具はもう光を失い、真ん中の宝石だけが怪しげに輝いている。
「………そう言えばアクアがなにか読んでいましたね。未知なる世界とか厄災がどうかとか………」
「ああ、多分なにか関係あるだろうな」
「…………そう言えばカズマ、私が意識を失っている間の事を薄ぼんやりと覚えてるんですが何か非常に不快な事を言いませんでしたか?………主に胸のことについて」
「…………ナニモイッテナイヨ?」
「顔を逸らさないでちゃんとこっちの目を見て言ってみて下さいカズマ………おい言え」
そんなめぐみんのドスの効いた声に汗をダラダラと流しているとそのやり取りで起きたのか。アクアとダクネスがさっきのめぐみんの叫び声で目を覚ましていたらしい。
現状を把握し、めぐみんと同じように固まっていた 所、俺らを見つけると二人とも詰め寄ってた。
「ちょ、ちょっとカズマ、どうして私達こんな所にいるのよ!…………分かったわ!夢の中なのね!だからいきなりこんな変な場所にいるのね!」
「おい、アクアの言うことは放っておいて、どうして私はこんな所で倒れていたんだ?確かウィズの店にいたんじゃなかったか?」
そう詰め寄ってくる二人に俺はこれ幸いとめぐみんの追求から逃れ、…………紅い瞳でじっ、と見つめてきたが………取り敢えずこれまでの事を話した────
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「……なるほど、という事は今の状況の原因はその魔道具のせいなのね。」
「ああ、確証は無いがほぼ間違いないだろうな……」
俺は多分今の状況の原因である魔道具を持ちながらそう答えた。ウィズは確か特殊な転移の魔道具と言っていたから、それがアクアの言葉と膨大な魔力によって発動してしまったのだろう。
………いや指示した俺も悪いが、半分くらいこいつのせいじゃないか?
そんな事を俺が思っていると、ダクネスが、ふと、
「『元の世界に戻りたければ、己の役割を果たせ』か…………なあ、どういう意味だと思う?」
と言ってきた。確かアクアがそんな事を言っていた気がする。確かにどういう意味なのだろうか?
………いや、今考えたって分からないなら、取り敢えず………
「おい、ダクネスちょっと肩貸せ」
「?どうしたんだいきなり、私は意味を聞いたんだが…………」
「今考えたって分からないだろ、それより暮れる前に、街を見つけて何処か泊まれそうな場所を探すぞ………幸い俺は千里眼のスキルを持ってるし、肩に乗って視野を広くしようと思ってな」
「なるほど、分かった。………しかし肩だけでいいのか?どうせなら頭も踏んでいいぞ、思いっきり強く踏んでくれ」
「……………」
………俺はダクネスのドM発言を無視して肩に乗り………おい、ガッカリしたため息をするんじゃない……千里眼スキルを使って辺りを見回した。
すると、このまま真っ直ぐ進んだ方に、なにか城壁のようなものが地平線に沿って遠くの方にあるのが見える。
そしてよく見ると先程は気が付かなかったが右側の方に街道の様なものがあり、それが城壁の方まで伸びているのが分かった。どうやら街道に沿って行けばあそこに辿り着けそうだ。
そう考えた俺はダクネスの肩から降りて見えたものを伝える。
「よし、このまま真っ直ぐ行った方になにか城壁みたいなやつがあるから街道に沿って歩いていくぞ、とりあえず原因究明はその後だ。」
「分かったわ」
「分かりました」
「ああ、分かった」
そうして俺は持っていたトロフィーのような魔道具を鞄に入れて城壁の方へあるきだした。
しかし俺達はその時、鞄の中で一瞬だけ魔道具の宝石が紅く怪しく光り輝いていたことに気づいてなかった………………。
「そう言えばカズマ、先程の事について話は終わってませんが」
「アッハイ」