このすば勢 IN オーバーロード!   作:ナミカゼ鼠

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20.死地からの帰還

 

 

Sideカズマ

 

 

モモンと共に無事に冒険者ギルド付近まで辿り着いた俺たち。

あとは曲がり角を通って直進するだけという所でモモンがいきなり立ち止まる。

そして少しすまない、とこちらに言うと何やら虚空に向かって小さくブツブツと話し始めた。

よく見ると耳に手を当てて何やらしきりに頷いていたりしている。

 

アクアとダクネスは何をやっているのかと疑問顔だったが、現代日本から来た俺はその仕草を見てピンと気づくものがあった。

 

あの仕草って絶対電話だろ。マジかこの世界にあんの!?

 

そう。モモンが頷いたりしている身に覚えがあるその仕草は完全に現代での電話をかけている姿とそっくりだった。

だが手や耳には何も持っておらずただ手を添えているだけである。

もしかしなくても魔法だろうか。そんな便利な魔法があるものなら是非とも覚えてみたいものだ。

 

だがそもそも俺たちはこの世界の魔法とかスキルとか覚えられるのだろうか。

モモンとの話を聞く限りどうやら向こうの世界とは全然法則が違うようだけど。

とりあえず後で教えて貰えるようモモンに頼み込もうっと。

 

そんな事を考えていると話し終えたのか。相も変わらず分かりにくいがモモンが申し訳無さそうな雰囲気で。

 

「たった今仲間から伝言《メッセージ》の魔法で連絡があってな。どうやらギルドの方ではなく件のポーション屋の方にバレアレ氏と共に移動したようだ。………すまないが私はそちらに向かうのでここで別れることになるな」

 

どうやらさっきの電話モドキはメッセージというらしいがモモンの仲間からそのように連絡があったらしい。

魔法の事について聞けないのは残念だが仕方ない。

 

「冒険者ギルドまではここから直ぐだしもう大丈夫だろう。まだもう少しいろいろ話したかったんだがな………。」

「いやいや全然、むしろここまで一緒に来てくれて助かった。またなにかさっきみたいに襲われないとも限らなかったし。また後で冒険者ギルドで会おうぜ!」

「そうよ、私とダクネスを助けてくれてありがとうね!また冒険者ギルドで酒を飲み明かしましょう!あっ、後ちゃんと体は綺麗に洗うのよ。アンデット臭って一度染み付くとなかなか取れなくてずっと臭ったままだからね!」

「えっ」

「こ、こらアクアっ!……すまないモモン氏。慌ただしかったが感謝しているのは本当だ。また話したいと言うならば我々は普段冒険者ギルドにいると思うからアクアの言う通り今度は食事をしながらでもどうだろうか?」

 

そうダクネスが尋ねるとモモンは「すまないがそれは出来ない」と申し訳無さそうだがキッパリと拒絶するような形でダクネスの誘いを断り。

 

「……実は私は宗教上の理由で大人数との食事は出来なくてな、誘いは嬉しく思うが……」

「……そ、そうか宗教上の理由なら仕方がないな、……私もエリス教という女神様の教徒なんだが、別の宗教ではそのような教義の宗教もあるのだな………」

「……まあ、この地では私と仲間だけだとは思うが……、それではまた後ほど会おう」

 

とどことなく残念そうに言いモモンは来た道を引き返した。

 

 

 

 

「えー、食事ってのは皆で食べるから美味しいんじゃない!何とも窮屈な宗教ねー。………ねぇもし良かったらアクシズ教に」

「やめんか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●■◆●■◆●■◆

 

sideモモン

 

 

(気持ちの良い連中だったな)

 

ばいばーいと、大きく手を振って別れを告げる青い髪の少女───アクアやその仲間達の事を思い浮かべながらモモンはポーション屋へと向かっていた。

 

クレマンティーヌに漆黒の剣が殺され、モモンの活動の拠点であるこの街で大量のアンデットを召喚された時は非常に不愉快だったのだが。

最終的に漆黒の剣は助かり今回の黒幕はこの手で潰し、更には大量のアンデットを倒した事による多大な名声が手に入るだろう。

途中何度かイレギュラーはあったものの上手く出来たことだろう。

 

その中でも最も大きかったのはやはり………。

 

(酒を飲み合う仲間………か)

 

苦労したクエストを終え、仲間と報酬を分かち合い最後に酒を飲み合う。

異世界にある冒険者らしいその行動も彼らにとっていつもの事なのだろう。

 

そう言えば酒を仲間と楽しく飲んだのはいつだろうとふと考える。

リアルでは会社の上司に怒鳴られながら酒をついで、一人で飲む時も鬱憤を晴らすために部屋で寂しく飲んでいた。

このオーバーロードの身になって飲食は不要になったがその分の楽しさが減ったと考えると煩わしさが大きくなる。

 

そう………。もし、飲食が出来たのなら先程の誘いに乗って酒を飲みあいながら話をする事もできたのだ。

そうして誰にも吐けないような愚痴を酒の席だからとこぼして………あれ?

 

そんなありえない妄想をしつつ、そこまで考えた所でふと疑問が頭をよぎる。

 

確か見た感じ彼ら年齢はだいたい高校生ぐらいだと思うがそもそもお酒が飲めるのだろうか。

飲めるにしても高校生ぐらいの少女や少年が年上の男の自分と酒を飲んでいる光景を思い浮かべて………。

 

「うわぁ……。断っといて良かった」

 

と、どう考えても完全に事案なその光景に。先程とは逆にオーバーロードの身である事に感謝しちょっと安心するのだった。

 

 

 

 

 

◆■●■◆●■◆●

 

 

sideカズマ

 

 

 

モモンと別れてすぐ近くが冒険者ギルドだったので苦労せずにやってくることが出来た。

結局最後までフルフェイスの鎧でどんな表情をしていたのかさっぱり分からなかったが……かなり頼りになる男だった思う。

俺も目指すとしたらあんなダンディーなおっさ……大人になりたいもんだ。

まだここの事も全然分からないし、もしもまた出会うことがあったらその時にまた色々聞いてみるか。

 

そんなことを考えながら扉を開けようとドアノブに手をかけ……「ねえねえカズマカズマ」……ようとすると横からアクアが話しかけてきた。

 

「うんどうしたんだよアクア、もうさすがに夜も明けてきそうで眠いからお前の相手をしたくないんだが。」

 

というかなんか今日は一日中朝から晩までずっと動き回っていたような気がする。

……えーっと、確か今日は何をやったんだったか。

 

あぁ……そういえば朝早くからギルドで依頼を受けて午後まで街の外でクエストを完了させた後、めぐみんと一緒にでかいハムスター見て、宿に戻ったと思ったらアンデッド騒動が起きたと思ったらそれをどうにかするために駆けずり回って…………。

 

あまりにもハードすぎじゃないだろうか。

自分で思い出しといてなんか余計に疲労感が増した気がする。

何ならもうとっくに日を跨いで夜明け前だし。

そりゃこんなにも体がクタクタになるはずである。

というかちょっと前にも思ったがこんなわけのわからん場所に飛ばされて二日目にこんな騒動に出くわすとか疫病神でもついてるんじゃないか?

 

具体的には目の前のコイツとか。

 

「な、なに?ど、どうしていきなりそんな目で私を見てくるの?……や、やめて!なぜだかこっちから謝らなくちゃいけない様な気がしてくるんだけど……!?あ、謝らないからね……!」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………………」

 

「……………………ご、ごめんなさい………、……ねえなんで!?なんでわたし謝ってるの!!?」

 

……まあ、良しとするか。

俺の無言の圧に屈したのか。若干涙目で謝るアクアにこれまでの理不尽に対する溜飲が少し下がりそれ以上の追求を辞めることにした。

うん完全に八つ当たりである。

 

「で、どうしたんのだよアクア引き止めて、もういい加減冒険者ギルドに入りたいんだが」

「………ねえダクネス、なんで今私が謝らなくちゃいけなかったの……?私悪くないわよね……?」

「……カ、カズマは本当にアクアに容赦無いな……、う、うらやまし……ゴホンッ!……そ、それでアクアいったいどうしたんだ。何か気になることでもあったのか?」

 

アクアは未だに納得のいってない顔をしていたが、ダクネスのその言葉を聞くとそういえばそうだったと思い出したかのようにポンっと手を叩き。

 

「いや、なんか冒険者ギルドにしては中がやけに静かじゃない?ほらさっきカズマとめぐみんが行った時は上を下への大騒ぎだったんでしょ?それにしては全然物音がしないじゃない」

「……た、確かに……、私も誘拐犯を捕まえる為に一度冒険者ギルドに寄ったがその時も外から分かるぐらいの騒ぎだったからな……!凄い洞察力じゃないかアクア!」

「へっへ〜んそうでしょそうでしょ」

 

誰だろうコイツ本当にあのアクアか?

異世界に来てしまった影響で成長しないはずの知力が上がったんじゃなかろうか。

だとしたらどうせならもっと賢くなってもらいたかったんだが……。

 

というか確かに言われてみればアクアの言う通りである。

俺とめぐみんが来た時も扉の前どころか表の通りに居ても気が付くぐらいの喧騒が聞こえてたはずだ。

だが今は中から何も聞こえてこないし何なら扉の前でこう言い合っているのに誰も出てくる気配が無い。

 

「よし覗いてみるか」

 

そう疑問に思った俺たちはそーっと扉をゆっくり開け、上から俺、アクア、ダクネスの順番で扉から顔だけ出して確認すると何かおかしいことに気がついた。

 

先程も言った通り確か俺とめぐみんが先程冒険者ギルドに訪れた時は阿鼻叫喚の騒ぎだったのだが、今度は打って変わってギルド中が静まり返っており。

中にいる殆どの者は顔を俯かせて絶望的な表情をしていたり、中には涙を流しているものまでいる始末。

その光景はこれから死地へと向かうことが確定しているかのようで、ギルドの中は見てわかるほどの圧倒的な負の雰囲気が漂っていた。

 

はて?これはいったいどういうことだろうか。

今回の異変は先程何とか解決したはずだが。

 

そう疑問に思いつつも取り敢えず静かに扉を開け入口から歩き進めていく。

すると先の扉を開けた音に反応した幾人かの近くにいた冒険者がこちらに気付き俺たちの姿を見ると驚愕した顔で見つめてくる。

 

……あれっ?そう言えばコイツらってあの時まんま死亡フラグみたいなセリフをかましていた奴らじゃないか。

よく見ると他にもあの時逃げ出した冒険者たちの面々がおり、俺らに気付いた奴らは呆けた顔をして凝視していた。

 

というか何でこいつらはこっちを見てくるのだろう……。

……何となく居心地が悪いし、さっさとめぐみんを見つけて宿に戻って休むとするか。

 

 

「離してください!!」

 

そんなことを考えているとギルドの奥の方から聞き覚えのある声が鳴り響いた。

 

 

●○■□◆◇●○■□◆◇●○■□◆◇

 

 

俺たちがその声につられてギルドの奥のテーブルに目を向けると、そこではめぐみんが先程組合長と呼ばれた歴戦風の男に抗議しているようだった。

 

「まだ私の仲間が墓地で戦ってるんです!助けに行くんですからさっさとその手を離してください!!」

 

どうやらそれは俺たちの事を助けに行こうとして止められているらしい。

その抵抗する様は激しく周りのことなど目にも入っていないようで。落ち着かせようとするために数人の職員がめぐみんの周りを囲っていた。

 

するとめぐみんの事を止めていた組合長が一旦掴んでいた手を離すと落ち着くよう諭すような声で。

 

「………済まないがその様に魔力もなくフラフラな体で助けに行くと言われても、はいそうですかと見過ごす事は出来ない。それにほかの冒険者達が言う事が正しければ、先刻以上のアンデッドの大群が現れたという………。最悪一時この街を放棄する事も視野に入れなければ───」

「だから仲間を見捨てろと言うんですか!?カズマたちはまだアンデッドの軍勢を相手に必死に戦っているかもしれないんですよ!」

 

いや今ここに居るんだが。

 

「───それ程までに事態は深刻なのだ。たとえこの街にアダマンタイト級の冒険者達が居たとしても報告にある通りなら厳しい戦いになるだろう。そしてこの街にはアダマンタイト級の冒険者は居らず、王都へ早急に連絡しても必ず数日はかかる……。都合よくこの街にアンデッド退治専門の凄腕でも滞在してない限りはどうにもならん………」

「く、組合長……」

「イシュペン、市民の避難を最優先に急いで冒険者に指示を出せ、まだ北区の方は完全に避難が完了してない。他にも───」

 

アンデッド退治専門の凄腕ちょうど隣に居ますし、なんなら今既に事態が解決した所ですよ。

というかコイツらさっきから全然こっちに気づかないんだが。

現在、俺とダクネスは気まづそうにさっきからずっと挙動不審でソワソワしているし、アクアは興味津々といった様子でめぐみんと組合長の行く末を見守っている。

 

だがそんな茶々を入れることも出来ない様な重すぎる空気。そんな中めぐみんがギュッとスカートの裾を握り締めると。

 

「───分かりました……。」

 

そうめぐみんが呟くと組合長がやっと観念したのか、と疲れたような表情でほっとしたのが見えた。すると帽子を深く被っためぐみんが俯いて淡々と。

 

「………確かに私が行ってもできることはないですし、なら他の人達と共に避難しますね……………

 

────とでも言うかと思いましたか!?残念ですね!紅魔族は諦めが悪いんですよ!そっちがそう言うのなら勝手に行ってやりましょう!!」

 

訂正。全然観念してなかったわ。

バッと勢いよく紅魔族の紅い瞳を爛々とさせるとめぐみんは先程以上にまくし立てるように組合長に突っかかる。

そこまで言って組合長もキレたのか。先程とは違いまさに冒険者のような荒々しい物言いで。

 

「ええいわからん小娘だな!というかお前みたいな奴が助けに行ってもどうにもならんだろうが!!大人しくさっさと市民と共に避難しておれい!!」

「何ですか!私はちゃんとした成人のレディですよ!?どこを見て小娘だと判断したのか聞かせてもらおうじゃないか!」

 

「組合長………」

「ええいもう構ってられん!イシュペン、早急に市民の避難を進めろ!冒険者達にはその市民が完了するまでの時間稼ぎを………」

「いえ、あの………」

「どうした早くしろ!」

「いや、それがアンデッドの大群を消滅させたとそこの冒険者から今報告が………それにアンデッドの大群を離れた所から観測していた別の斥候隊からも同じような報告がたった今………」

 

「……………は?」

 

そう呆けた声を出す組合長がようやくこちらを認識したのか。誰だコイツ?みたいな顔で此方を見てくる。

 

同時にめぐみんも気がついたようで、先程まで紅い瞳を爛々とさせて組合長と口論していたのだが。

やはり無事でしたかと、安堵した顔でこちらの安否を確認すると何故か慌てて先程と同じように帽子を深く被った。

ただなんか口元がモニョモニョしているのは確認できたが。

 

「───ま、マジかよ」

 

するとそこでようやく先程まで呆けていた冒険者がようやく復活したのか。

墓地から死亡フラグを吐き捨てながら逃げ出した冒険者の一人が心底驚いた表情でこちらの方へぷるぷると指を向けて。

 

「い、生きてたのかお前ら!?」

 

と、まるで俺らが死地からアンデッドになって戻ってきたかの様子で驚愕の声を上げた。

 

……………ほーう、なるほどなるほど。

 

そう思い、周りを見ると先の冒険者と同じように真っ先に逃げ帰った他の冒険者たちと目が合うと。

気まずそうにさささっと目を逸らすのが分かった。

 

ちくしょうコイツら!

つまるところ俺らはとっくのとうにくたばったと思われていたらしい。

だから俺らが冒険者ギルドに現れた時に呆けた顔でこちらを見ていたのだろう。

 

一発ぐらいぶん殴ってもいいんじゃないか、とマジメに考えてると今度は組合長が厳しい顔つきで此方へ来て口を開いて────、

 

「──おいお前たち、今アンデッドを消滅させたと聞こえた気がしたんだが……?…………というかお前たち銅(カッパー)って事はさっきからこの喧しい小娘が言ってる仲間か?………なにがどういう事かしっかり説明し………」

 

「ちょっとちょっとカズマ、めぐみん私たちの事あんなにも心配して必死に抗議してくれて……!……それに今帽子を深く被って見せないようにしてるけどさっき私たちが無事だって事が分かると目元がウルウルして……」

「ちょっ……!違いますアクア!ウルウルなんかしてません!これはそう……ゴミが!目元にゴミが入ったんです!決して安堵したら目の奥から溢れてきたとかそういう事では………!」

「分かってるぞめぐみん、みなまで言うな」

「ダクネスまで!………違いますからね!本当に違いますからね!!?そんな分かったような感じでうんうんと頷かないで下さい……!………や、やめろぉ!!」

 

「お前達喧しいわ!ちょっと静かにしておれ!!…………って、ぐわっ!?」

「ああ組合長!?」

 

………と思ったら今度は隣の喧しい奴に邪魔されてた。

 

しかもアクアとダクネスに飛びかかろうとしためぐみんが避けられてそのまま組合長におもいっきしぶつかったし。

冒険者たちはおろか職員たちのどうすればいいか分からずざわざわとまだ混乱している。

 

さっきまでのシリアスな雰囲気が吹っ飛び、なんか場が混沌としてきたんだが。

というかそうか。アクアがアンデッドの大群を消滅させたのは今さっきの事だったからまだ報告が入ってなかったらしい。

ちょうど俺らが来たタイミングと同じで別の斥候から連絡が来たようだが、先の組合長とめぐみんの言い合いで中々言い出せなかったようだ。

 

そう考えた俺は取り敢えず場を落ち着かせる為にも。

ひとまず組合長に手を貸し起き上がらせた後、今回の件が無事終わったことを伝えようとして──────

 

「ああ今回のアンデッドの騒動は無事に……………って、あれっ?」

 

─────そのままガクッと膝から崩れ落ちた。

 

「「「カ、カズマ!?」」」

 

三人の驚く声を聞きながらああそういやそうか、と自分で納得する。

 

つまるところ冒険者ギルドに到着した事で安心してしまったらしい。

さっきも考えた通り今日は朝から夜通し動き回ったり魔力を何度も消費したせいで体はとっくのとうに限界を迎えていたのだろう。

そのまますーっ、と後ろ向きに倒れていく体を止める事が出来ない。

 

 

 

………ああ、目が覚めたら全部夢で元の世界に戻っていて布団の上で惰眠を貪っていますように。

 

 

そして今度こそ平和に一日が過ごせますように。

 

 

「お、おいカズマ大丈夫か!?今倒れた時に頭から心配になるくらい大きな音でゴンッといったんだが……!………ちょ!カズマの口から今にも昇天しそうな白い何かが!!………こ、これはこのままじゃダメなやつじゃないか!!?」

 

だんだんと暗くなってゆく視界の中でそんなささやかな願いを思った俺は。

 

「だ、ダクネス早くそれをカズマの口の中に押し込んでください!………って、捕まえようとした手全部避けられてるじゃないですか!?どんだけ不器用なんですかあなたは!?………ってああ!何かカズマから出てる魂的なものだんだん薄くなってきてる気がするんですけど!?」

 

なんか前にもこんなことあった気がする、とデジャブを感じながら闇に意識を落としていき。

 

「ちょっとカズマ!なんで私の目の前で昇天しそうになってるのよ!?ふざけんじゃないわよ!さっき言ってたこの街で一番の高級酒を浴びるほど飲んでいいって約束はどうするの!?………ほーら大人しくこっちに来なさい、この女神アクアがその魂を元に戻して………って!いったぁ!このカズマ魂状態なのに反撃してきたんですけど!!?…………ああやめて!私の髪を引っ張らないで!」

 

周りの騒がしい声を最後に。何度目か分からないあのセリフを強く、強く思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────どうして!こう!!なった!!!!!

 

 

 







もうちっとだけ続くんじゃ。
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