転生者の教え子兵藤一誠 A new HERO new LEGEND 作:影後
私の目の前でイジメられ、泣いている生徒がいる。私は教師だ、イジメを無くし、一人一人に寄り添い、そして導く必要がある。
「一誠、やり返さなかったな」
「だって……それじゃあ、終わらないもん」
私はこの子供がどれ程優しい存在なのか理解できた。私の前世、とある教室の言葉だが、彼にこそ相応しいかもしれない。
「兵藤一誠、こういうのを知ってるか?
古代ローマで満足できる、納得できる行動をしたものにだけ与えられた仕草だ。
お前もこれに相応しい男になれ。
たとえ、裏切られ、イジメられても、友達の、友情を信じて、お父さん、お母さん、友達の笑顔の為に頑張れる男になれ。
いつでも、誰かの笑顔の為に頑張れる。
それって、凄く素敵な事だと思わないか?
…先生は、先生は、そう思う」
「先生、僕も……僕もそう思います」
私は一誠の頭を撫でた。
――――別side
それは無の空間、そこに佇むのはたった一人の青年。
「望むのは記憶、彼は面白い。力も無い、たった一人の男が世界の運命を変えるのだから」
青年が口を閉じた瞬間にそれは現れる。
「……やぁ、君は死んだ。君はこの世界に新しく生まれるが、何か」
「なら、俺を赤龍帝にしてくれ」
青年はその願いを受け入れた。
「さて……君はどうなる、兵藤一誠。彼の教え子」
――――――兵藤side
「……一誠、今、何処に居る?」
「駒王学園、高等部の1 年生です」
「そうか……」
目の前で俺の恩師が静かに俺の顔を見ている。
機会に繋がれ、先生の寿命がもう長くない事を教えてくれている。
「一誠、約束は……」
「はい、先生。俺、沢山覚えました。1000個まで、後1個なんです」
俺は何時しか泣いていた、父さん、母さんに、先生の奥さんと娘さんの三門ちゃんも泣いている。
「そうか……なら、なら……お前の1000番目を見るまで………ゴフッ」
「先生!!」
「皆さん、退出してください!緊急手術を行います、おい!今すぐ準備を!!」
先生との面会はもう何時になるかわからない、先生は最後まで俺の先生でいてくれた。
「一誠くん、ありがとう。高校もあるのに、急に来てもらって」
「いえ…先生は、先生が居たから今の俺があるので」
「………」
「三門……ごめんなさいね、三門は」
「……お父さんは一誠さんを自慢の教え子だって言ってた。約束を守る良い奴だって。……だから、だからお父さんとの約束を守ってください。必ず、必ず1000番目の技を、お父さんに見せるって」
俺は静かにうなずいた。
(先生、俺は1000番目の技を手にします。
だから、だから先生も頑張ってください。)
緊急治療室に運び込まれた先生に俺は言葉を綴った。
「……帰ります」
「一誠、それは」
「俺が先生との約束を破っちゃ駄目だよ、それに……先生は大丈夫!先生は約束を破ったりしないから!」
俺は皆に先生から習ったサムズアップをして見せる。
「……先生」
その日から俺は1000番目の技を考えていた。
思いつかない、せめて世界を回れれば良いけど俺の本業は学生だ。中学の頃から無理言って世界を長期休みに回ってみたけど、ソレでも1000番目の技が浮かばない。俺は山にある遺跡に向かった。
ここはかなり昔に発掘作業が終わった遺跡だ。
人も来ず、何か考える時には良い。
「何だよ……これ」
「逃げなさい!!死にたいのですか!!!」
俺と同い年位の女性が蜘蛛の化物に襲われている。
「ギベ、ビンゲンギガギンダベロボ。ゲゲルンジャラザ」
「何が…うわ!」
「リントバ、ジョグゾギギ。ゲゲルンヅズビザ」
化物は俺に目標を変えた、女性は足を怪我しているようだ、どうにか離すしかない。
「……アレは」
殺される、そう思った瞬間にソレが目についた。
石で造られたベルトの様な何か。
「逃げて!!」
「ぐっ……」
熱い、石は俺な腹に吸い込まれた。
そして、何かがフラッシュバッグしてくる。
「そうか……うぉぉぉぉ!!!!」
化物にパンチを与えた、俺の右腕が白い鎧を纏う。左腕、右足、左足、そして、全身が白い異形へと変わった。
「クウガザド?!」
「……やってやる!やってやるぞ!!」
―――――
「はぁ!」
「ゴンデギゾゼゴセグボソゲスロボバ!!」
化物が叫んだと思ったら俺の首に糸が巻き付けられた。苦しい、俺は何とか振り解こうともがく。
だが、化物も負けじと糸ヲ使い俺の身体を吹き飛ばす。
「ぐっ!」
負けられない、今ここで俺が倒れたらあの女性はどうなる!
俺は、俺は先生と約束したんだ。
皆の笑顔を守るんだって!
「うっ…うぉぉぉぉ!!!」
「ブ……リジュブバクウガグ」
ブチリという音と共に俺の首に繋がれた糸が千切れる。
「ギラパビゲス」
俺の行動を見た化物は森の中に消えていった。
「……貴方は」
俺は女性にサムズアップすると同じ様に森に隠れた。
――――
翌日だ、俺は先生の見舞いに行った。
「先生、俺、1000番目の技を手に入れました!」
つい、先生に報告したい。その気持ちで溢れている。
「……そうか、今は体調も良い。一誠、歩こう」
昨日、緊急治療室に入ったばかりの先生はもう、俺の隣を歩いている。杖を突きながらでも、確かに自分の足で歩いている。
「病院の外れだ、見せて欲しい。兵藤一誠」
「はい!ふんっ」
意識すればあの白い異形の姿になれた。
ソレを見た先生はあり得ない者を見た表情だ。
「一誠、その力を何処で」
「山の遺跡です、ほら何年も前に発掘作業が終わった」
「駒王遺跡……まさか……そんな………」
先生の顔色が悪くなる、そして、先生は俺を抱き締めてきた。
「すまない……すまない……兵藤一誠、お前を、お前を過酷な運命に引き入れてしまった」
「何を……」
「………妻を、恵美子を頼ってくれ。そこに……そこに君の知るべき物がある」
「先生、それは」
「兵藤、約束だ。怒りに呑まれるな、怒りがお前を呑み込んだ瞬間、お前は道を見失う。だが、お前の優しさを、お前の原点を……忘れないでくれ」
先生は泣いていた、何故こうなってしまったのだろう。俺にはわからない。
そして、その日の夜。
先生は静かに息を引き取った。
「………先生、俺、頑張ります。だから……だから……天国で見ててください」
翌日、俺が学校で清掃作業をしていると生徒会の蒼那先輩が声をかけてきた。
「ねぇ、兵藤一誠くん。くだらない質問だと思うけど昨日」
「はい!蜘蛛みたいな化物と戦いました!」
とサムズアップと笑顔を見せる。
「やはり君がクウガ……君は……アレがどれほど危険な存在なのか知っているの?!それに……あの力は」
「クウガ…そうか……クウガっていうのか」
「実は……遺跡に入った時、こう…石のベルトみたいなのがあったんです」
「ソレを……腰につけたらこう…フッて感じで中に入っ」
「いや…ズンって感じだったような」
「そんな事はどうでもいいんです!何故あんな危険な事を」
「だって蒼那先輩、怪我してたでしょ!誰かを助けるのに、理由っていりますか?」
蒼奈先輩は呆れた様に頭を抱えている。
「……一歩間違えば死んでいたかも」
「大丈夫です、そんな気がしたんです」
「大丈夫って貴方は」
蒼那先輩と話している時、外から悲鳴が聞こえた。
「ゲゲルンバギギザ」
昨日の蜘蛛の怪物が皆を襲っている。
「やめろ!」
俺は白い異形、クウガとなって怪物と応戦する。
「クウガ、ジャラゾグスバ」
「ぐぅ……」
吹き飛ばされた挙げ句、壁に縫い付けられるように糸が絡みつく。
「やめろ……やめろぉぉぉぉ!!!!」
友人が、知り合いが殺されていく。
6人だ、6人殺された時、やっと糸がちぎれた。
「うぉぁぁぁぁぁ」
化物に何度もパンチとキックを浴びせる、でも……倒しきれなかった。
今回も逃げられ、死体が近くにある。
「うっ……うぁぁぁぁぁ」
俺は守れなかった。
グロンギ語の翻訳はつけません。
クウガ本編にもそんな物はありませんでしたから。
ですので、翻訳付けてなどは受け付けません。