転生者の教え子兵藤一誠 A new HERO new LEGEND   作:影後

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灼熱 参

「あれ?イッセー君じゃない、お墓参り?」

 

「店長さん!」

 

それは一誠の行きつけの喫茶店『ポレポレ』の店主オリビエ・マーキスだった。そう言えば、今日はポレポレは定休日だったと思い出しつつ、雑談にふける。

 

(うわ…リアスのお嬢の魔力残滓)

 

「もし……ですけど、誰かがやらなくちゃいけない。を自分でやるとしたら」

 

「……うーん、俺なら80%ぐらいを目指すね。大元の道筋を立ててメインとサブを考えるんだ。サブ目標は別に他の人に任せても良い。だって、自分はここまでやったんだぞ。そう言えるんだから」

 

「……はぁ」

 

「それに、人間80%ぐらいをやるのが丁度良いのさ。

適度に力を抜いて、適度に頑張る。それが出来てこその一人前さ。

全てを100%でこなすなんて無理な話さね」

 

オリビエはそう一誠に話、意気揚々と歩き去る。その言葉は今の一誠には深く突き刺さるものだった。

 

「………駄目だな、抑えられそうにない」

 

今、一誠の心はどす黒く変色している。

憎しみが蔓延し、一つの目的の為に動こうとしている。

 

「……リアス・グレモリーは言った。領地だと、ならば……あの堕天使を討ちに来る。先に見つけ、排除する。そして………奴等を迎え撃つ、二人の……敵討ちだ」

 

死んではいない、しかし二人は意識不明の重体で生死の境を常に彷徨っている。だからこそだ、一誠は気付けなかった。

自分がならないと誓った、あの凄まじき戦士に成ろうとしていると。

 

兵藤家は黒歌と白音の二人が帰ってこない一誠を心配していた。

 

「一誠が2時過ぎても帰ってこないなんて」

 

「バイクも無いです、あの時……あの時、一誠先輩は消えた……でも、何処に?」

 

翌日、生徒会メンバーは急遽会議を開いていた。

 

「…誰も生徒会室には入れないよう人よけの結界も張ってあります。匙、今日彼を、兵頭君をみましたか?」

 

「何処にも……ありえません。彼奴が無断欠席なんて」

 

「そうですね、兵藤君らしくありません。では、ここで昨日起こった事件を話します」

 

「私の使い魔が急遽、知らせてくれました。教会を警官隊が包囲突入、無論、未確認生命体4号の姿もありました。……その際、堕天使とみられる存在を確認したと」

 

「堕天使ですか」

 

「でも、一誠は4号ですよ!簡単に」

 

「……彼の性格を含めると、辛いでしょう」

 

「じゃあ、堕天使に殺されたとでも」

 

「聞きなさい、私と協力してくれている刑事さんから連絡を受けました。謎の未確認生命体。更に、未確認4号に酷似した存在が自分達を救ったと」

 

メンバーは理解できない。

クウガが、未確認4号がもう一人という話が信じられないのだ。

 

「刑事さん達はその存在を4号-B。通称B号と呼称しました。B号が一誠君の味方となるかはわかりません。そして、私達の脅威となるかも」

 

事前に、未確認生命体が並の悪魔よりも強いと教えられている彼等は言葉が出ない。

 

「…今日の目的は兵藤君の捜索。悪魔の仕事など二の次で構いません。最悪な場合を想定しなければなりませんので」

 

「最悪な場合とは?」

 

真羅椿姫がそう問いかけると、蒼那は静かに呟いた。

 

「私が、彼を殺す事です」

 

 

 

 

 

 

『クウガ』

 

アーシアは鎖に繋がれながらも、自身を救ってくれた存在の名をつぶやいた。

その正体は何処にでも居る高校生であり、自分と変わらない年齢だった。

 

『……何が駄目だったのですか』

 

傷ついた悪魔を救った事から、自分の転落は始まった。

そして今は堕天使の陣営にはいり、命を奪われんとしている。

救いようのない未来、苦しみと悲しさが身体中を包んでいく。

 

『ひぃ……』

 

激しい爆発音と悲鳴が響く。

アーシアは必死に耳を押さえ、それらが聞こえない様に、見ないように隠れている。

 

「何よ……なんなのよ、アンタは!」

 

「………俺は、怒りによって目覚めた最強の戦士だ」

 

それは真に凄まじき戦士であった。

赤い瞳を持ちながらも、戦い方は無慈悲な一撃を加えるのみ。

 

『クウガ』

 

漆黒のクウガの足元が燃えている。

それどころか、クウガが歩いた位置が燃えている。

 

「ひっ…」

 

「………覚悟は決めたんだ」

 

画面の下で流す涙は既に枯れ、たった一つの願い。

たった一つの目的の為に凄まじき戦士は立っている。

腕を堕天使に向けた瞬間、発火し、燃えていく。

 

「熱い……いやぁ…いやぁ…」

 

水を被ろうとその火が消えることはない。

水すら燃えているのだ、まるで油を注いだかの様に爆発的に燃え上り、堕天使は朽ちた死体となった。

 

「………」

 

『クウガ……イッセイさん』

 

クウガは一瞬、サムズアップをしてみせようとしたがその手を伸ばそうとした瞬間に引く。

 

『違う、貴方は私を助けてくれた!貴方は殺戮者じゃ』

 

「……堕天使は全滅、そして、………血に濡れた未確認4号」

 

クウガはアーシアに下がる様にジェスチャーを行い、その体を現れた赤髪の悪魔たちに向ける。

 

「……なんだよ、クウガってまじで」

 

(何故その名前を?)

 

クウガはそう呟いた男子に瞳を向ける。

クウガの名前は一般的に広がっていない、クウガ=未確認4号。

 

「…」

 

クウガは言葉を発する事はせず、アーシアを抱きしめようとする。安心を、安らぎを贈りたい。

そう思ってしまった。倒したと、安全だと思ってしまった。

 

「ゲギジョンヂ、ボセゼゴセンゲゲルグ」

 

ゴキブリの様に黒く輝く甲殻を持った未確認49号がアーシアの胴体からその左腕をクウガに見せる。

 

『…わた…しの?』

 

驚いた目で自信から生えた腕をみながら、アーシアは倒れ血を流す。

 

「あっ……あぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ソレは悲鳴ではない、守れなかった。気付けなかった。

アーシアの遺体は恐怖し、目を見開いている。

 

「クウガ、ギラパビガラビヅビガデデザ」

 

クウガはアーシアの目を優しく閉じると、未確認49号の報を向く。だが、その目は赤く強い意思の宿った物ではない。

漆黒の全てを鏖殺する虐殺者の目であった。

 

 

 

〘ソーナ•シトリー〙

「私に何用ですか」

 

ソーナの眷属が地に倒れ、苦悶の表情を浮かべている。

目の前にいるのは未確認4-B号白き王『ン•アギト•ゼバ』であった。

 

「クウガを救え、今彼は凄まじき戦士となっている。このまま行けば、クウガが真の闇と同じ存在になりかねん」

 

「…クウガ、一誠に……俺の親友に何をした!」

 

匙がボロボロの体を起き上がらせ、拳を構える。

だが、『ン•アギト•ゼバ』はそれを静止する。

 

「……お前達に選択肢は無い筈だ。クウガを救いだければ、今すぐに教会へと向かうのだ」

 

『ン•アギト•ゼバ』はそう言うと背を向けて歩き出した。

数メートル程で風と共に虚空へと消える。

ソーナは消えた『ン•アギト•ゼバ』の言葉を信じたくなかった。

一誠が凄まじき戦士になるなど有り得ないと思っていたからだ。

だが、ソレはすぐに裏切られた。

あの時と同じように教会のある方向から火の手が上がった。

信じたく無かったが、直ぐ様ソーナは動く。だが、誰かが腕を掴んだ。

 

「…匙、離しなさい。これは貴男が口を出す事は」

 

「親友なんです!俺は、モテまくる彼奴が羨ましくて監視になりました!けど!彼奴と居ると、モテるとかよりも此奴に勝ちたい!そう思えて!何時の間にか本気で!本気で親友だって思えたんです!妹達も彼奴に懐いてて…彼奴が見せる999の技が何時も楽しみだって話してて!約束したんです!2000の技を覚えて見せてくれるって!だから……お願いします!足手纏なら捨ててくれて構いません!だから!だから……俺も、俺も連れて行ってください!」

 

匙は普段では決して見せない涙を見せる。

男と男の友情、打算じゃなく、ただ親友だからという理由で助けたいと、そう叫ぶ姿にソーナは心を動かされた。

 

「なら、私が殺せない様にしっかり付いてきなさい!生徒会メンバーの前で、仲間を殺す程堕ちてはいません!」

 

「会長……押忍ッ!」

 

ソーナは匙を連れて、転移を使い教会はと向かった。

 

 

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