お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 原作にちょっと沿ったver   作:狂骨

10 / 15
終わりのち騒ぎ

 

その後、一護によって此度の騒動の元凶であった藍染惣右介は無事に捕縛。何重もの封印を施された上で中央四十六室にて裁判を受ける事となるが、彼の変わらぬ傲慢さによって、最終的に無間にて2万年の禁固刑が与えられる事となったのだった。

 

だが、それでも犠牲者は多数いた。藍染達との戦いによって、多くの隊士に加えて、元隊長であるギンと東仙は死亡。たとえ敵であったとしても、彼らの死には多くの隊士達が涙を流すのであった。

 

 

 

そんな中、隊長である白哉はある隊士を自身の屋敷の道場に招いていた。

 

ーーーーーーー

 

「さて。では始めよう」

 

「いや…いきなりすぎて意味がわからないのですが…」

 

白哉の目の前に立っていた千弘は呼ばれた理由が分からないのか、首を傾げており、木刀を構えられている事に引いていた。

 

「私、副長を迎えに来ただけですよ!?なんでいきなり決闘なんですか!?」

 

「それは貴様が一番分かっている筈だ。貴様はあのヤミーという破面を一撃で切り伏せた。そんなこと…並の隊士ができるものではない」

 

その言葉と共に白哉は警戒心を露わにし、鋭い瞳を向ける。

 

「貴様は一体何者だ?場合によっては、総隊長に報告せざるをえん」

 

「えぇ!?そう言われても…」

 

千弘はどう返したら良いのか分からずアタフタとしてしまうが、そんな様子を気にかける事なく、白哉は始める。

 

「まぁ良い。一度打ち合いを頼む。話はそれからだ」

 

 

その瞬間

 

白哉の身体が千弘の目前まで迫り、その額めがけて木刀を振り下ろしていた。

 

「わ!?」

 

 

___ッ!!!

 

額に届く直前、すぐさま千弘が反応し、慌てながらも、一切の無駄のない動きで木刀で防いだ。

 

「…」

 

それを瞬時に防がれた白哉は次々と木刀を振り回していった。

 

「わ!?わわ!?いやいや!ちょっと!!」

 

次々と木刀が衝突し合う音が響く中、白哉の猛攻は止まらないが、千弘はそれら全てを手慣れた動きで捌いていったのだ。その動きは一般隊士には絶対に見られないモノであり、鍛錬に鍛錬を重ねた者でしか会得できない動きである。

 

「悪くない。剣術に関しては私に並ぶか。ならば……!!!」

 

次々と自身の攻撃を防ぐ中、白哉はようやく千弘の強さを理解すると、すぐさま後退し、今度は瞬歩で千弘の周囲を移動し始める。

 

「わわ!?何ですかこの速度!?」

 

白哉は隊長格の中でも瞬歩の扱いに長けており、そのスピードは瞬神と言われた夜一さえも一眼おくほどである。さらにその瞬歩のみならず、達人顔負けの剣術も身につけており、まさにテクニックとパワーを兼ね備えた数少ない死神なのだ。

 

 

千弘が見渡していく中、白哉の姿が消える。

 

「あら!?どこに____」

 

突如として視界から消え去った白哉の姿を千弘は何度も探す。だが、既に白哉の姿は千弘の視界から外れた背後にあった。

 

「…ふむ(スピードには翻弄されるか…)」

 

アッサリと背後を取れたことによって、改めて白哉は自身が見た光景について疑念を抱いてしまうも、アレほどの威力となればパワータイプであり、致し方ないと納得すると、勝負の決着をつけるべく、木刀を握りしめ、千弘の首元へと振り回した。

 

これが終わったら改めて聞けば良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った直後であった。

 

「___ッ!!!」

 

振り回した木刀が首元へと迫った途端、自身の頭の中に『敗北』の2文字が浮かび上がると同時に明確な【死】を悟った。

 

「く…!?」

 

咄嗟に振り回していた木刀を潜めると、すぐさまその場から後退する。

 

「…ん?いつのまに!?………って、どうしたんですか!?酷い汗ですが」

 

「…」

 

こちらに振り向いた千弘はまるで自身が背後にいた事に一切気付いていなかったように振る舞ってはいるが、白哉の長年の隊長としての、死神としての経験からの勘はハッキリと自身に訴えかけていた。

 

 

____負けていた。あそこで攻撃していれば確実に“殺されていた”___と。

 

 

「貴様…やはり私の動きを見切っていたか…」

 

「うぇ!?ち…ちょっと待ってくださいよ!!別に見切ってなんか!」

 

そう言い千弘はアタフタとし始めるも、白哉はその行動さえも鬱陶しいと感じる。自身からすれば強さを隠す稚拙な演技としか見えない。

 

「くだらぬ演技はよせ。貴様は一体何者なのだ…?その強さ、どこで身につけた?」

 

「えぇ…!?いやいや!なんですか!?怖い!!怖いですよ顔!!」

 

「戯言は良い。答えろ…!」

 

詰め寄っていくと、千弘は更に慌て始めていく。

 

「いや…本当に私知らないですよ…!」

 

「…」

 

これ以上はやめた方が良いだろう。追求して他の部隊の隊士を追い詰めでもすれば、彼の上司であるマユリが何をしてくるか分からない。彼の手法など、多少は心得てはいるが、千弘が入隊してからは妙な実験などが多いと聞くため、出来る限り対立は避けたい。

 

「…もう良い。今日は帰って構わん」

 

「ヒュ〜…」

 

そう言い白哉が気を潜めると、千弘は力が抜けたのか、その場に溶けるように座り込んだ。

 

そんな中であった。白哉はある単語を思い出す。

 

「………待て。貴様が迎えに来た『副長』とは『涅ネム』の事か?確かに前までは女性死神協会が私の屋敷を勝手に改造し部屋を作っていたが…前にまとめて封鎖し_____」

 

すると

 

ウィーン

 

千弘と白哉の間にある壁がゆっくりと横に開き、ネムが顔を出した。

 

「あ!副長〜!迎えにきましたよ!」

 

「ありがとうございます。お茶とお菓子ありますが…どうでしょう?」

 

「わ〜い!やった〜!!頂きま〜す!」

 

そう言いネムに抱き抱えられた千弘はネムと共にその隠し通路の奥へと入っていった。

 

「……」

 

悩みの種が更に増える白哉であった。

 

そんな中、

 

___バキッ

 

「ん…?」

 

白哉の握っていた木刀が立てかけられた直後に亀裂が走ると同時に粉々に壊れた。

 

「傷んでいたのか…?まぁ良い」

 

なぜ木刀が突然と壊れたのか、深く追及する事なく女性死神協会達の連中のやらかした屋敷の改造の後始末へと向かうのであった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。