お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 原作にちょっと沿ったver 作:狂骨
場内には緊急警報が鳴り響くと共にアナウンスが流された。
『侵入者発見__。日本刀ヲ帯刀シタ140センチ程度ノ死神ノ子供__。直チニ太陽ノ門ヲ封鎖シ迎撃セヨ』
「いたぞ!!日本刀を所持した子供!!捕えよ!!」
「「「「おおおお!!!」」」」
回廊を走る中、千弘の背後からは千弘を発見した兵士達が追いかけてきており、更にその騒ぎで続々と別の滅却師達も集まり始めていった。
「あ〜!!!もうめんどくさッ!!何で上手くいかないんだよ!!」
すると、目の前から別の滅却師達が現れた。
「いたぞ!!奴を捕えろ!!」
「うへぇ〜!?前からも!!」
背後と前方からの挟み撃ち。更に通路も広いが、その分、相手側の人数が多いため抜け出す事は敵わなかった。
多数の兵士達が迫り、完全に道を阻まれた千弘はしばらく考え込むと、ため息をつきながらも決断し、斬魄刀を握り締める。
「こうなったら仕方ない______
______やるか」
その言葉と共に千弘の目が変わると、握り締めた斬魄刀振り回し_______
__________目の前から迫り来る滅却師の1人を真っ二つに切り飛ばした。
「ぎゃあ!?」
「さ…下がれ!!奴は___」
「うるさい」
前衛の1人を切り飛ばし、周囲に血が飛び散る。それに驚いたもう1人の前衛が下がるように促すが、それよりも速く千弘の刀は動き、その聖兵も斬り殺した。
滅却師の血を被り、周囲が驚く中、千弘は止まる事なく駆け出す。
「ほらほら邪魔ですよ!!シッシッ!!」
そう言いながら千弘は次々と斬魄刀を振り回して、目の前に迫り来る聖兵達を斬り殺していった。
「うぎゃああああ!!」
「や…やめ___」
「聖章騎士をよ____」
断末魔と共に、恐れて退却しようとする者、援軍を呼ぼうとした者、それら全てを千弘は容赦無く斬り殺していった。
「奴に近づくな!!遠距離攻撃用意!!」
「ん?」
すると、背後から号令と共に無数の霊子の矢や弾丸が放たれた。それに対して千弘は刀を握り締めると、振り回して次々とその弾丸や矢を弾いていく。
「よっ。ハッ。せいっ」
1発1発、自身に向かってくるものは取りこぼす事なく全て弾いていった。
「な…!?全て弾いているだ____」
「あらよっと」
そして最後の一段を刀身で受け止め、指示を出したリーダーらしき滅却師目掛けて弾き飛ばすと、その上半身を吹き飛ばした。
「た…隊長…!?」
「嘘…だろ…」
切り口から大量の血が溢れながら下半身が地面に崩れ落ちていくと、その光景に残りの兵士達は顔を青ざめる。
それに対して千弘は刀の鋒を向け、笑顔で歩いていった。
「あの〜面倒なので教えてくれませんか?“太陽の門”の場所」
「「「「ひぃ!?」」」」
その血に塗れた風貌や、顔から見せる無邪気な笑顔に残りの兵士達は見を震わせると、遂には逃げ出した。
「うわぁあああ!!!なんだコイツはぁああ!!!」
「悪魔だぁああ!!」
「すぐに聖章騎士を呼べぇえ!!!」
「え〜?ちょっとさ〜」
たちまち逃げ始める兵士達に千弘はまたため息を吐くと、刀を握り締める。
「逃げないでくださいよ〜脚を切らないといけなくなるじゃないですか」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
その後、追いつかれた兵士達を千弘は次々と捕らえ、場所を尋ねるも、兵士達は答える事はなかった。
そして、答えなかった兵士達を千弘は次々と___
____殺害していった。
それによって、周囲には血の海が出来上がってしまった。その惨状に心が壊れて完全に消沈してしまった最後の1人は、その場に倒れ込んでしまった。
そんな彼に千弘は刀の鋒を向けながら改めて尋ねる。
「さて、教えてくれませんかね?こうなりたく無いでしょう」
「…!!!」
その兵士は必死に頷き答える。
「た…太陽の門を使うには“太陽の鍵が…ないと…」
「“太陽の鍵”?」
「は…はい…星十字騎士団全員に配られたもので…それで“太陽の門”から別の太陽の門へ移動できます…ここから5層ほど降った先に現世侵攻用の太陽の門があるので………」
「なるほど…となると、その滅却師達を探さないといけないのか。教えてくれてありがとうございます」
答え終え、立ち上がった千弘は、喋り終えた滅却師の首を切り落とした。
「え…?」
胴から切り落とされた兵士は何が起きたのか、理解も認識も出来ず、そのまま“痛みに苛まれる事なく”生き絶えた。
「せめて最後は苦しまず。どうか安らかに」
千弘は刀についた血を振り払うと、鞘に戻した。
「あ、またやっちゃった。“昔の癖”が相変わらずだな〜まぁいいや。さて、では星十字騎士団(シュテルンリッター)っていう人を探そう」
その時であった。
「その必要はねぇぜ?」
「え?」
背後から声が聞こえ、千弘が振り返ると、
「バーナー・ファンガー…ッ!!」
巨大な熱線が放たれた。
「おっと」
向かってくる熱線を首を傾げる形で避けた千弘は背後へと目を向ける。そこには、特徴的なモヒカンをした青年が立っていた。
「よぅ。テメェが侵入者で間違いねぇな?」
「ん?ニワトリ?」
「あぁ!?テメェぶっ殺す!!」
その一言に怒りを露わにした青年は再び指を向ける。すると、その指が赤熱し、炎を纏い始めた。
「バーナーフィンガー1ッ!!!」
「うぉ!?」
再び放たれた熱線を千弘はすぐさま斬魄刀の塚で弾き飛ばす形で防いだ。
「ほぅ?やるじゃねぇか。ならコイツはどうだ!?」
それを見たバズビーは笑みを浮かべながら感嘆の声をあげると、今度は2本指を向ける。
すると、その指は先程よりもより赤く燃え上がり、巨大な炎を纏うと千弘へと向ける。
「くらいな!バーナーフィンガー_____」
その時であった。
「よっ」
先程の熱線が放たれるよりも早く、千弘は動き出し、一瞬にして懐に入り込むと、その腕を切り飛ばした。
「…!?」
斬り飛ばされた腕が血を撒き散らせながら宙を舞う中、それをみたバズビーは即座に別の指を千弘へと向けるも、それすらも千弘は予測しており、向けられた腕を蹴り飛ばす。
「ていっ」
「のわ!?」
蹴り飛ばされた事でその腕は方向を変え、熱線は全く別方向へと放たれ、千弘の背後へと迫っていた女性の滅却師の肩へと突き刺さった。
「ぎぃ…!?てめぇバズビー!!」
「俺のせいじゃねぇだろ!?」
女性の滅却師はバズビーへと怒りを露わにし、それに反応してバズビーも反論していく中、攻撃を回避した千弘は後退していた。
「あ!?おい!あと少しだってのに逃げられちまうじゃねぇか!?」
「だから俺のせいじゃねぇだろ!?元はと言えばテメェが割り込んできたからだろうが!!」
「あ"ぁ!?」
離れた地点に着地した千弘は現状を確認するため、言い合う2人のみならず、周囲にも感覚を研ぎ澄ます。すると、目の前の2人と同等の霊圧が多数、迫ってきていた。
「ふむ…あの2人は他の滅却師と違う…【星十字騎士団】なのかな…?それにデカい霊圧がワラワラと集まってきてるな。上にいるデカめの二つの霊圧も気になるけども、早く帰らないと…」
現状が危険と悟った千弘はすぐさま立ち上がると2人へ問いかける。
「あのすいませんが、出口、教えてくれませんか?帰りたいので」
「教える訳ねぇだろ!?クソガキ!」
「えええええええ!?」
「当たり前だろうが!!」
その時であった。
「お?」
背後から無数の霊子の矢が向かってきた。それを感じ取った千弘は刀を振り回して全て吹き飛ばす。
「ほい」
弾き飛ばされた矢は全て軌道を変えていき、周辺の場所へと突き刺さっていく。
そんな中で、矢を吹き飛ばし、刀を納めた千弘は表情を苦くさせる。
「うへぇ〜」
そこには、バズビーやキャンディスと同じく、独特な軍服を身に纏った精鋭の滅却師達の姿があったのだ。
その中でも小柄で金髪の滅却師が目の前に飛び降りる。
「おいおい金髪ビッチにトサカ野郎。なんてザマだよ」
「うるせぇよリル!そもそもこのバカがいなきゃどうにかなってたんだよ!!」
「んな訳ねぇだろ。遊ばれてんじゃねぇか」
「きぃいいいー!!!遊ばれてねぇよ!!」
「ま、それよりも、これ以上暴れられたら、こっちの面子に関わる」
喚くキャンディスを一蹴したリルトットはすぐさま千弘へ向けて霊子兵装を展開し、弓矢を構える。
「死んでもらうぜ」
「まだ小さいのに可哀想〜だけど、仕方ないですよねぇ」
リルトットに続き、横に立っていた長身の女性も拳を構える。彼女らに続く様に他の滅却師達も武器や拳、霊子兵装を展開して構えていく。
その様子に千弘も焦りを感じたのか、汗を流し始める。
「うへぇ〜!?ちょっとこんなに!?勘弁してくださいよ!?」
「心配すんなよ。どうせ他の死神共も死ぬんだ。遅いか早いかそれだけだろ」
そう言い現れた滅却師の1人でもある『ナナナ・ナジャークープ』は自身の能力『聖文字』を発動させ、千弘へと狙いを定める。
「テメェの霊圧ももうすぐ解析が済むぜ__」
その時であった。
「……は?」
その発言を聞いた千弘は動きを止め、目元を震わせながらナジャークープへと問い掛ける。
「お仲間?それは私の大切な人も?」
「そうさ。お前の友人も恋人も、死神は皆殺しって言われてんだわ」
「…」
その言葉を千弘は頭の中で整理する。
大切な人。それは、自身が所属する技術開発局の局員は勿論、自身が愛する姉のような存在であるネムも___。
その瞬間
千弘の口元が動くとともに目元から筋が沸き立ち、刀を握り締める腕からは血管が浮かび上がる。
「_____」
「あ?なんだ?聞こえねぇぞ?」
「待てバズビー!!」
「あぁ!?」
ボソボソと何かを口にする様子にバズビーが接近しようとすると、リルトットが咄嗟に止めた。
「しゃしゃり出てくんじゃねぇよ!」
「よく見ろ…様子がおかしいぞ…!!」
「あぁ?」
冷や汗を流しながら見つめるリルトットにバズビーもすぐさま千弘へと目を向ける。見れば千弘の全身から黒いオーラが溢れ出ていた。
「___」
更にボソボソとまるで呪詛を唱えるかの様に何かを口にしていた。その不気味な様子と見た事もない霊圧の色に星十字騎士団達は冷や汗を流し始める。
「なんだ…?ありゃ…黒い霊圧…?」
キャンディスが口にした時であった。
「…」
千弘の右腕が動き出し、斬魄刀へと伸びると握り締めた。
「…ッ!!!」
その動きを見たリルトットはすぐさま叫んだ。
「全員!!伏せろぉおおおお!!!!!」
「「「「!?」」」」
彼女と同じく、既に感じ取った星十字騎士団達も、咄嗟に体勢を低くさせた。
その瞬間
銀架城が切れた。