お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 原作にちょっと沿ったver   作:狂骨

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帰還したはいいけども、まさか現世とは

 

空から突然と現れた少年に、銀城は驚き、見つめていた。

 

「なんだコイツは…」

 

目の前に立っているその少年は、ただ何の変哲もない死神である。身体は酷く小柄で、特別霊圧が強いわけでもない。なんなら一般的な死神と相違ない。ただ____

 

 

 

 

 

______“何か”が違っていた。自身の体内にある“ある欠片”がそう告げたのだ。

 

近づこうにも動けない。攻撃をしようにも何故か躊躇ってしまう。

 

「(なぜこうも震える…!?あんなガキに…!?)」

 

その一方で

 

「お前なんで空から降ってきたんだ!?」

 

「あ〜!旅禍の黒一さんじゃないですか!」

 

「略して呼ぶなよ!?それにもう旅禍じゃねぇわ!!」

 

一護は空から落ちてきた千弘にその理由を尋ねていた。

 

「んで?なんでここに」

 

「いや〜話せば長くなるんですがねぇ〜……あれ?」

 

そう言い千弘は息を吐きながら立ち上がると何かを感じ取る。

 

「どうした?」

 

「黒一さんだけじゃないですね。白哉隊長、更木ン隊長、そのほかにも隊長の霊圧の痕跡が」

 

「あ…あぁ。確かに白哉達もいるぜ。銀城の仲間達と闘ってるはず…あれ?」

 

「銀城…?」

 

いつの間にか駆けつけた白哉や更木達の姿が消えていることに一護が驚く一方で、千弘は上空で佇む銀城へ目を向けた。

 

「あ〜あの人ですか……いや〜悪そうな顔してますねぇ」

 

「…いやいや。いきなりきて感想それか………よ?」

 

そういい一護が見上げ、見た銀城の表情は______

 

 

 

 

 

 

 

_______真っ青になっていた。

 

 

「おい一護…誰なんだソイツは…!?」

 

「え?」

 

「何なんだよ!!ソイツは!?」

 

「いや、ただの知り合いだよ」

 

「知り合い…だと!?この化け物と!?」

 

銀城の表情は、今まで見た事が無いほどまで焦りで満たされていた。その表情から流れ出る冷や汗も尋常なものではない。

 

「化け物だ?確かにコイツは藍染を瞬殺したけどよ。なんでそれを___」

 

「そうじゃねぇ!!!」

 

そう言い銀城は震えながら千弘へと指を向ける。

 

「お前には見えないのか…!?ソイツの“姿形”が!?」

 

「え?」

 

その言葉に一護は千弘に目を向けるが、そこには元気に腰を伸ばしながら体操している千弘の姿があった。

 

「どこがだよ?」

 

「…!!(コイツ…分からねぇってのか!?いや…俺がおかしいというのか!?)」

 

すると、銀城の腕が震える。

 

「やっぱり死神ってのは…気持ちの悪い奴らばかりだな…!!浮竹…えげつねぇ研究ばかりしやがる涅マユリ!!そしてその化け物!!そんな連中を見ていまだに死神側につくテメェの気が知れねぇ!!!」

 

眉間に皺を寄せて怒りを露わにした銀城は自身の武器を握り締めると、千弘へと目を向ける。

 

「まずはテメェをぶち殺してやる!!」

 

その言葉とともに、銀城の姿が一瞬にして千弘の背後へと迫った。

 

「!?」

気づいた時にはもう遅かった。既に銀城の大剣が__

 

 

 

 

______千弘へと振り下ろされていたのだ。

 

 

「やべぇ!!千弘!!避けろ!!!」

 

そう叫びながら振り向いた一護は、動きを止めた。

 

「へ?」

 

 

 

 

そこには

 

大剣を握り締めながら歯を食いしばる銀城そして、その一振りを親指と人差し指で掴む様に止めている千弘の姿があったのだ。

 

「なん…だと!?その細いナリで俺の…!!」

 

「細い?何言ってんですか。服がダボダボなだけで鍛えてますよ。ほら」

 

「!?」

 

そう言い掴んだ大剣から手を離し、千弘は死覇装の袖と袴をめくる。

すると、そこから現れたのは極限まで鍛え上げられた太い腕と足であった。

 

「うわ気持ち悪!?顔と全然合ってねぇじゃねぇか!!」

 

「ムカッ!!!いいじゃん別に!!小枝みたいにクソ細い腕よりはかっこいいでしょ!!……さて」

 

銀城へと向き直った千弘は自身の腰にかけてある斬魄刀の塚を握り締めた。

 

「攻撃してきたってことは…やり返される覚悟があると…受け取ってよろしいですよね…?」

 

「…っ!!!」

 

その言葉と同時に、千弘の全身から殺気が溢れ出し、それを感じ取った銀城は得体の知らない姿とその悍ましい殺気に冷や汗を流して後退する。

 

それを見た千弘の腕からは、筋が浮き上がり、斬魄刀を更に強く握り締めると、目元からも筋が浮かび上がった。

 

「逃げるんなら…更に痛くしますけど、良いですよね?」

 

 

 

 

その時であった。

 

「待て千弘」

 

「ん?」

 

踏み出そうとした千弘の前に一護は立ち入り、彼を制止させた。

 

「アイツは俺が止める。ここは任せてくれねぇか?」

 

「はい?」

 

それに対し、千弘は首を傾げながら首を横に振る。

 

「いや、何言ってんですか?向こうがやってきたんですよ?私が八つ裂きに」

 

そう言い千弘は斬魄刀を握り締めるが、その手に一護は自身の手を止め、彼の目を見ながら答えた。

 

「それでも頼む。同じ代行として俺が止めたいんだ」

 

「代行…?あ〜なるほど。あの人は貴方の前任者って訳か……ふむふむ…」

 

そう言い一護は自身の意思を伝えると、それに対して千弘は腕を組みながらう〜んと考え込むと、溜息をつく。

 

「はぁ〜分かりました。いいですよ」

 

「悪いな」

 

「別に。私もネムさんに早く会いたいし、今回ばかりはお譲りしますよ」

 

そう言い千弘が素直に引くと、一護は礼を言いながら斬魄刀を握り締める。

 

「さぁ銀城…決着をつけようぜ」

 

「…」

 

向けられた斬魄刀を前に、銀城は歯を食いしばると眉間に皺を寄せた。

 

「さっきの話を聞いてもなお…アイツらにつくってことか…それがテメェの答えかよ…じゃあしょうがねぇな…」

 

そして、再び自身の大剣を握り締め、歯を食いしばりながら一護へと怒りを露わにした。

 

「ここで死ねぇええ!!!一護ぉおお!!!!」

 

「…!!!」

 

向かってくる銀城に対して、一護も斬魄刀を握り締めると向かっていき、両者は激突したのであった。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

一方で、

 

「よっ…と」

 

一護から離れた千弘は、近くに座り込み、その激闘を眺めていた。

 

「ふぅ〜ん。あれが黒一さんの卍解…」

 

その場にあぐらをかきながら、銀城とぶつかり合う一護の刀を振るう一つ一つの所作を千弘は、観察していた。

千弘は以前から彼に目を向けていたのだ。隊長達が信頼して皆が頼りにするほどの死神代行『黒崎一護』

その力はどれ程のものなのか、機会があれば見てみたかったのだ。

 

「……妙ですね」

 

微々たるものだが感じられた。それは、先程まで自身に敵意を向けていた“滅却師”達と同じものであった。

 

「黒一さん…何か混ざってるような…」

 

 

すると

 

ピコン

 

『おい!!!このバカ!!』

 

「のわ!?」

 

突如として手につけていた通信機が光るとともにマユリの怒鳴り声が響いた。

 

『やっと繋がった。今まで何をしていたのかネ?』

 

「はぁ!?いきなりなんですか!?こっちも大変だったんですよ!?」

 

『知らないネ。私が知っているのは、お前がここ数日完全なる無断欠勤した事だけだヨ」

 

「ほわぁ!?」

 

「因みに、キチンと欠勤分は給料から差し引いておいたからネ。ほら、迎えに行くからサッサと帰ってこい。そして溜まってる作業を全て片付けに来るんだヨ」

 

「ムカァ!!いい加減にしろよ腐れ局長!!こちとら滅却師の連中に追いかけ回され____」

 

そう言い千弘は通信機のマユリへ向けて怒鳴り声をあげるが____

 

 

 

 

 

 

_______既に通信は切られていた。

 

「あんの野郎ぉおおお!!!!帰ったら速攻ぶった斬ってやるぅううう!!!!」

 

すると、

 

地団駄してる千弘の背後の空間が突然と歪むとともに、穿界門が現れた。それを見た千弘は振り返ると腕の骨を鳴らし始めた。

 

「来やがったな腐れ局長!!まず腹パンからの下剤100人前を____へ?」

 

千弘はマユリをしばこうと骨を鳴らすが、門から現れた影を見て動きを止めた。

 

「ネムさん…!」

 

その影はマユリではなく、自身のたった一人の大切な人であるネムだった。現れた彼女は千弘の近くまで歩み寄ると優しく微笑んだ。

 

「迎えに来ましたよ」

 

そう言いネムは千弘を抱き上げ頬を擦り寄せた。

 

「さぁ一緒に帰りましょう」

 

頬を擦り寄せ、笑みを浮かべる彼女の顔を見た千弘は頬を紅潮させながら笑みを浮かべて頷いた。

 

「はい!」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その一方で

 

「なんだ…こりゃあ…」

 

技術開発局にて、霊圧の観測を行っている部署にいた阿根は、目の前に映し出されている画面を見て冷や汗を流していた。

 

目の前に映し出されているのは現世、尸魂界の霊圧の強さや波長である。その中である部分だけ『妙な波長』が観測されていたのだ。

 

「なんでこの時間とこの時間だけ…急激に濃度が濃くなってやがる…!?」

 

その波長は、普段の正常な数値が観測されている一方で、現世側では一護と銀城との激闘により、高めな波長が観測されていた。

 

それはまだわかる。一護が銀城と接触した事は既に通達されていたのだから。問題は数十分前の現世と数日前の尸魂界における“たった一瞬”の数値である。

 

 

見ればその点だけ、急激に上昇しようとしている濃度が観測されていたのだ。

 

 

 

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