お腹が空いたのでお金を稼ぎたいです。剣術極めた死神の無自覚ライフ 原作にちょっと沿ったver   作:狂骨

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いけすかない奴には千年殺し

 

「信じられん…破面を一撃とは…」

 

白哉は冷や汗を流しながら目の前に広がる光景を見つめる。そこには十刃の中でも最強の第0十刃であるヤミーの遺体があった。その身体は一刀両断された事で臓器と共に血が溢れ出ており、顔からも生気が失せていたために完全に生き絶えていた。

 

「これをあの隊士がやったというのか…?」

 

そう言い白哉はヤミーを一刀両断した死神である千弘へと目を向ける。

 

そこには

 

「このバカがぁぁぁ!!!!解剖に支障が出ない程度と言っただろう!?一刀両断にしたお陰で臓器も何もかも真っ二つじゃないカぁ!!!!」

 

「うるさぁぁぁあいい!!!なら初めからそう言いなさいやぁ!!!一撃で仕留めろとか抜かすから命令通りにやってやったのに何ですかその言い草はぁぁ!!!!

 

怒り心頭に達しているマユリに頬を引っ張られている千弘の姿があった。

 

「言ったはずだヨ!?解剖に支障がないようにと!!なぜ毎回命令が実行できないのかネ!?こうなったら10ヶ月間はタダ働きにさせるヨッ!!!」

 

「ふざけんじゃねぇぞ腐れ局長!!まだ未払いの給料があるっつうのにこれ以上、続けんならマジで弁護士呼ぶぞ!あ"ぁん!?」

 

「呼ぶ金もないくせによくもそんな事が言えるネぇ!!!」

 

そう言い2人は取っ組み合いを止めない。

 

「あれが千弘だ朽木。俺を一番楽しませた男だ」

 

「兄を…!?」

 

更木も千弘を見つけると生き生きとし始めるが、それ程の威厳は全く感じられない。

 

そんな中であった。

 

「…ん?この感じ…」

 

「どうした?」

 

千弘は何かを感じ取り、虚空へと目を向ける。その様子にマユリが尋ねると千弘は答えた。

 

「いえ。何か、尸魂界に藍染隊長のドデカい霊圧が…」

 

「おやおや。まさか黒崎一護のみならず、狂犬まで送ったというのに負けたのかネ?」

 

千弘のその言葉に、現世にて藍染を迎え撃つチームが敗れた事を悟ると、首を横に振る。

 

「やれやれ。どいつもこいつも、どうしてキッチリと任務がこなせないのかネぇ〜」

 

「俺はちゃんとやってるぞ」

 

「黙っていろ猛獣めが……ふむ」

 

更木の言葉を一蹴したマユリは、少しばかり人差し指で額を叩きながら考えると答えを出す。

 

「…ふむ。よし。あのバカも送るとしよう」

 

「兄らしくないな…黒崎一護のために増援を送るなど」

 

「はぁ?」

 

マユリのその言葉に口を出した白哉にマユリは首を横に振る。

 

「くだらん。なぜ私が子供1人に援軍など。藍染の奴に尸魂界を取られては私の大切な実験データや資料が全て没収される恐れがあるからネ。虚圏に来た事で研究が更に進みそうだというのに、そんな事になってもらわれては困るのだヨ」

 

そう言いマユリは装置の起動を進める。

 

「すぐにできるのか…?」

 

「当たり前ダ。だが、まず現世を経由する必要があるがネ。さすがの奴も直接現世など次元に穴を開けない限り_____」

 

 

その時であった。

 

「あ、開いた」

 

「はぁ!?」

 

千弘の声が聞こえ、驚いたマユリが振り返ると、そこには先程よりも巨大な黒膜が空いていたのだ。

 

「なにぃいいいい!?」

 

「あ、局長。なんかこれ空いたら藍染隊長の霊圧が余計に強く感じますよ」

 

駆け寄ったマユリは千弘が開けた黒膜をジロジロと見回す。

 

「確かに…先程と性質が違う…これは恐らく尸魂界に繋がってるネ…どうやって開けた…?」

 

「藍染隊長の霊圧が少し強く感じる場所を力一杯、ぶん殴ったら何か壊れて、出来ちゃいました」

 

「…」

 

その様子にマユリはしばらく考え込むと、千弘へと目を向ける。

 

「おいバカ」

 

「黙れ腐れ局長」

 

千弘を呼んだマユリは、一枚の紙を取り出すと、何かを書き記し千弘へと手渡した。

 

「少しばかり、虚圏での採取が長引きそうダ。実験室へ行ってこの器具を取ってきてくれたまエ」

 

「はい。あれ?尸魂界もどれるんですか?」

 

「この黒膜なら可能だ。黒崎一護と同じ要領で戻れば着くはずだヨ」

 

「な〜るほど。それで?持ってくる器具は…と。……は!?」

 

納得した千弘は渡されたそのメモを開く。そこには、数十種類もの実験器具の名前が記されていた。

 

「えぇ!?こんなに沢山!?」

 

「つべこべ言わずに持ってこい!!できないなら、しばらくは給料無しで強制休暇にするヨ?」

 

「きよ………強制休暇ぁ〜!?それじゃあご飯すらも経費で落とせないじゃないですか!!」

 

「当たり前だろ?どうするかネ」

 

マユリの提示したその条件に千弘はイライラとしながらも了承した。

 

「あ〜ちくしょう!!!持ってくればいいんでしょ!?持ってくればぁ〜!!!」

 

「最初からそうすれば良いのだヨ。ネム、奴だけだと私の研究室が荒らされ兼ねないからお前も行け」

 

「はい」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その後、千弘はマユリとネムによって再び開錠された黒膜をネムと共に通ると、尸魂界へと向かっていった。

 

その光景を、背後から目にしていた白哉は、装置の上で寝そべるマユリへと目を向ける。

 

「涅マユリ…やはり黒崎一護を案じて園原千弘を…」

 

「はぁ?」

 

その言葉にマユリは肘をつき不機嫌な表情を浮かべながら答えた。

 

「何を言っているんだネ?私はただ実験器具を取りに行かせただけだヨ。藍染を討伐したとしても、そんなものついでに過ぎん」

 

「…!!!」

 

 

○◇○◇○◇

 

一方で。尸魂界の瀞霊廷より遥か数十キロほど離れた流魂街の外れにある岩場にて。現世へと送られた一護は、隊長格を全て下し途中から参戦した一心や夜一、浦原も一蹴した藍染と次々と衝突していた。

 

「ふん…!!」

 

藍染の一振りが一護と衝突した瞬間、付近の巨大な岩石が切り飛ばされる。

 

「私の力はもはや軽い一振りだけで地形を変えられる程になってしまったようだ。正直私もここまでとは思ってもいなかった…だがこれで確信した。私は君よりも更に上の次元に立っているのだと」

 

「そうかよ。じゃあ袖から流れてるのはなんだ?」

 

「なに…?」

 

一護の言葉に藍染は自身の肘へと目を向けると、そこには血液によって赤く染まった肘があり、傷口から血が流れ出ていた。

 

「あと、さっき岩を斬ったのはお前の刀じゃねぇ。俺の刀だ」

 

「な…!!」

 

その言葉に藍染は固まってしまう。そしてその隠れた本心に気づいたのか一護は更に追い打ちをかけるかの如く問い掛ける。

 

「怖いか?自分の目の前で自分の理解できねぇ事が起こるのが」

 

「ぐ…!」

 

その言葉に藍染の目元から筋が湧き上がると、その場から後方に跳躍する。

 

「私に傷をつけた程度で勝ち誇った口をきくな!!園原千弘にも及ばぬ貴様が私を超えられる筈がない!!」

 

「藍染…会ってからずっと千弘千弘…って。お前、何でそこまでアイツにこだわるんだ?」

 

「愚問だな!!奴こそ…私が目指す頂点だからだ!!一振りで山をも消滅させる力とそれを操る肉体!!奴を超える者などこの世に存在しない!!奴を超えてこそ私の目的は完遂される!!君程度では理解できないだろうがね!」

 

「アイツそんなに強かったのか…まぁ理解はできねぇし今は興味ねぇな」

 

一護は刀を再び構える。

 

「来いよ。決着つけようぜ」

 

「調子に乗るなッ!!!ならば先程の奇跡など起こらぬように鬼道で圧し潰してやるッ!!」

 

その言葉に激昂した藍染は右腕を天へと掲げる。

 

【滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる

爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形

結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ____

 

 

 

 

____破道の九十・黒棺】

 

 

 

その言葉と共に一護を巨大な黒い霊圧が現れ始めた。

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

___パリン

 

 

藍染の背後の空間がガラスのように崩れた。

 

○◇○◇○◇○◇

 

「えっほ!えっほ!えっほ!!」

 

ネムと共に黒膜へ飛び込んだ千弘はその中を進んでおり、周囲の足場は千弘の膨大な霊圧による床で埋め尽くされていた。

 

「千弘さん。現世にはどのような手立てで戻られるのですか?」

 

「取り敢えず藍染隊長がいるのは確実!なのでソイツの霊圧が少し感じる場所をぶん殴って入り口を開けます!」

 

「なるほど」

 

すると、ある一点を通過するとより一層、藍染の霊圧を強く感じるようになった。

 

「千弘さん…この辺りかと…無理に開けば藍染元隊長に気づかれる恐れがあるので慎重にいきましょう」

 

「了解です!!」

 

ネムに頷いた千弘は力強く握り締めて人差し指を“ある一点”へと向ける。

 

「静かに…ビニール袋を破く感じで…ッ!!!」

 

頭の中でイメージを浮かべながら、指の先へと力を込めると、“その一点”に向けて一気に突き出した。

 

 

すると、

 

___パリィイイン!

 

その指に当てられた空間がガラスのように砕け散り光が差し込む。

 

「千弘さん。もう一息です」

 

「よし!!」

 

ネムの言葉に千弘は奮起し、もう一度、人差し指を向けた。

 

「どおおおりやぁあああああ!!!!」

 

 

その瞬間________放たれた人差し指は空間を突き破り、尸魂界への入り口を開くと共に______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

________目の前にあった藍染の肛門へと突き刺さった。

 

 

「「あ」」

 

その直後

 

 

「うぎゃああああああああああ!!!!!」

 

 

藍染の巨大な悲鳴が三界に響き渡ったのであった。

 

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