最強悪童(五条悟)プレイをしたかった件   作:からや

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テストで赤点取って遅れました。

見切り発車なので書くのがつらい!!

感想ドシドシ下さい、展開予想みたいなのもあれば是非。(他意はナイヨー)


最強悪童、入学する。

 

「あなたは、あの気配を感じた?」

 

さて、どう答えるのかしら。

 

「あの気配っていうのは、さっき俺に斬り掛かってきた奴からの?」

 

…やはり気づいていたわね。

まあそうでしょう。

 

この人、少なくとも今の私よりは格段に強いもの。

 


ユニークスキル『簒奪者(コエルモノ)

 

鑑定結果:『失敗』


 

『ジュラの大森林』に転移した異世界人、五条悟。

見たところ、魔力は私達に比べたら全然少ない。

ベテランの冒険者より少し多い程度。

魔素も感じないから魔物でもない。

本当にただの人間でしょうね。

 

…人間なのに『仙人』より強いって、どれだけ当たりのスキルなのかしら。

今回の任務は『ジュラの大森林の異変の調査』だから、あまり関係はないけどね。

 

「ええ。私も感じ取れたわ。ほんの微かに、だったけど。」

 

「ま〜逆探は普通に無理だろ。気配でわかったら凄いよ。あれ、術をかけたら放置できるタイプだし、術者とのパスがないから、気配も微弱。まず無理ゲー。

あ、術の効果は感情のコントロールをしにくくするやつだな。」

『あの気配の質からして…ロウとか言ったか。アイツを完全に洗脳するのは容易かったハズ…

精度を敢えて落とす縛りで残穢まで消したのか?

…どちらにせよ、俺又はこの人たちに害意を持つ強者がいるってことしか分からねぇな。』

 

「…驚いた。そこまで分かるのね。転移した際に得たユニークスキルかしら?」

 

「あー、あの謎の声のやつ?んーまぁそんな感じ。」

 

「…そう。まぁいいわ。あれは洗脳系…いえ、思考誘導系の魔法だったのね。

加えてもう一ついいかしら?」

 

「何?」

 

「さっき、私達は魔物の大群に襲われたんだけど、それについてなにか知っていることはある?」

 

「いや、ないね。」

 

嘘である。五条が「お、人いんじゃん♪ちょっと実力見よ〜」てな感じで暴れさせた魔物達である。可哀想な魔獣達へ黙祷。

 

「…そう。なら次はそっちの質問ね。」

 

「んー基本的なことはさっきのバルドとかいうオッサンに教えてもらったし…

あ、この世界ってジャンプある?」

 

「…ないわよ。この世界はそんなに余裕のあるところじゃないのよ。」

 

 

 

 


「「「「五条殿、この度は大変申し訳ございませんでした。」」」」

 

俺に斬り掛かってきた奴が目を覚ましたって事で4人とも謝ってきたな。

 

「あーいいっていいって、特にヒナタ達は謝んなくて良いでしょ。全部そこの奴が悪いんだから。」

 

ていうか洗脳されてたからぶっちゃけロウって人も悪くないんだけど。

 

「……はい、申し訳ございません。

話も聞かぬまま斬り掛かってしまい…」

 

「まいいや。弱かったお陰で実害無かったし。

てか、早く人里までの道教えてくれない?甘いもの食べたいんだけど。」

 

いや結構切実に。

ほら、頭使うと甘いもの食べたくなるでしょ?

おれこの1週間くらいのサバイバル中ずーっと無下限使ってたから、体が甘いもの欲してるんだよね。

肉とかはフィジカルで動物捕まえて無下限の謎power!!!

で焼いて食べてたけど。

 

「……あのですね!今回悪かったのは私ですが、貴方は目上の人間に対する態度を改めなさい!!」

 

あ、逆ギレしてきた。

 

「は?何でオマエが目上みたいな言い草なんだよ。オマエ俺とタメくらいだろ。」

 

「ロウ、五条殿は異世界人だ。我々の立場は知らないし、今のお前は五条殿にとやかく言える立場ではない。」

 

バルドが口を開く。

 

「すいません五条殿、コイツには少しプライドの高い部分がありまして、もう少し言葉を柔らかくしてもらえると助かります。」

 

「バルさんも大変だね。こ〜んな雑魚の手綱を握らないといけないなんて。」

 

お、ロウの茹でダコ芸Ver.2じゃん。

 

テwラwワwロwスw

 

 

 


 

 

「…ということで、我々は、このジュラの大森林を調査していました。」

 

なるほどね~。

 

「ありがと、バルさん。」

 

結構新しい情報も手に入ったし、ここでひとまずまとめるか。

 

①ここは『ジュラの大森林』って所で、魔物(俺も1週間のサバイバルの中で見つけたゴブリンとか)の巣窟らしい。

 

…何で異世界転生一発目がそんな危険なところなんだよ。

 

②この人達はルベリオスって国から調査に来た聖騎士らしい。実力もその国では最高峰の、法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)の上位騎士だそうな。

 

…これは異世界チートできるのでは?

多分俺世界最強でしょ(フラグ)。

 

③この人達は『仙人』とかいうのに覚醒してるらしい。

人間の進化系で、結構パワーアップしてる。

 

俺もできるかな?修行方法教えてもらお。

 

せっかく五条悟に転生したんだから、最強でいたいし、こう言うので妥協したら駄目だよねって話。

 

ちなみに俺の五条知識から強さを判断すると、素のフィジカルで『仙人』は準1級の術師、ヒナタみたいな上澄みで1級くらいだね。

 

…俺が『仙人』になったらどうなるんだろ。

 

 

 

「ただ、我々は先程錯乱した魔物に遭遇しまして。

この辺りの調査だけはやってからルベリオスに帰還するつもりなのです。五条殿にも、ルベリオスまで案内する事を対価に、調査を手伝って頂きたいのです。無論、ルベリオスまで行った後、今回の件の慰謝料に加え、別途報酬も払います。」

 

「!?何故ですか!?バルド殿!

我々のような気高い騎士が、そんな品の無い男に頼るなど!」

 

あ゛ぁん?だぁ〜れが品の無い男だってぇ?

祓うぞ?

 

「口を慎めロウ。俺達は神託でここに来た以上、この任務だけは絶対に遂行せにゃならん。

それに、法皇猊下に言われただろう。「可及的速やかに任務を完了せよ。」ってな。

五条殿に最寄りの街までの地図を渡して調査を再開、という手段もあったが、お前が斬り掛かったから、俺達はルベリオスで公式に謝罪、慰謝料も払わにゃいかん。

なら同行してもらう方が早い。

それに、任務中であったし罪に問われることはないが、それはあんな事をして悪くない、なんて事にはならんだろう。」 

 

さっすが大人のバルドさん。

クソガキの対処に慣れてるぅ〜♪

 

「くっ………わかり、ました。」

 

「んじゃ、俺は何すりゃいいの?」

 

「手伝いと言っても、進んで危険な場所まで行くということはないですから、自分の身は自分で守る、ということを念頭に置いていただければと思います。」

 

「ほ〜ん、理解理解。あ、別に俺に敬語使わなくていいよ。さっきも言ったけど別にバルドさん達悪くないし、あ、俺に切り掛かって来た奴、テメェはダメだ。」

 

「くっ………わかり、ました。」

 

んじゃ、とっとと調査して、甘いもの食べに行きますか♪

 

 

 

 


 

 

五条悟一行は五条が魔物をバルド達にけしかけた地点の調査を終え、何事もなく帰路についていた。

今回の調査でわかった事と言えば、五条悟と出会った後から、捩じ切れた木や、大穴のあいた地面、強い力で薙ぎ倒されたかのような転がった大木を発見したが、

「空間に干渉できる大型の魔物がいるかもしれない」

という仮説が立っただけで、探知魔法にも、引っかかるような魔物は確認出来なかった。

 

しかしもうすぐ大森林を抜けるかという所で、付近の村から略奪してきたと思われるオーク約130体と遭遇する。

 

「あ、バルさん、ブタ見えたよ〜」

 

「マジで居るのかよ。五条お前感知範囲広くないか?」

 

会敵の10分ほど前に五条が放った

「このままならブタの群れとぶつかるけどどーする?」

という言葉を受け、臨戦態勢こそ解かなかったが、聖騎士の誰も気づいていなかった事から、半信半疑であった。

 

「んー、大体130ってとこか。100体はもらうよ?

ちょい試してみたい事があるし。

え?拒否権?ないよ。」

 

五条が大雑把な数を伝え、決定事項を伝える。

 

「は?いやいや、いくらお前が強いからって、オーク100体は流石に時間がかかりすぎるだろ。

戦闘が長引けば他の魔物も呼んじまう。

ここは俺達と強力しt」

 

「だ〜いじょ〜ぶ。」

 

「お前!部隊の輪を見出そうとするのではありまs」

 

「俺、最強だから。」

 

ロウが文句を言い終える前に、五条は呪力強化を行い、地面が崩れるほどの踏み込みでオークの大群に突っ込む。

 

「なっ!?」

 

「オ、イイミナリノニンゲンガタk「ほい。」」

 

一匹のオークの首が無造作に引きちぎられる。

 

「「「ハ?」」」

 

仲間の無惨な最後に思考が追いつかず、

殺されたオークの近くにいた者達の動きが止まる。

それの硬直は致命的なミスだろうか?

いや、どうせ結果は変わらない。

ただ言えることは、状況を理解できないまま死んだ者たちは、比較的幸せであっただろう。

 

ズガガガガガガガガガ!!

 

肉が潰れる音が、血飛沫の舞う音が、オークの悲鳴とともに呆然とする聖騎士達の耳を通り抜けていく。

 

その中で、いち早く動いたのはヒナタだった。

 

「呆けている場合じゃないわ。私達は逃げようとするオークの処理よ。彼の足手まといにならないようにしましょう。」

 

ヒナタの言葉にようやくバルド、ロウ、シャルトがいつもの調子を取り戻す。

 

「!そうだな、文句は言ってやりたいがやるべきことはやるか。ロウ、お前は正面から逃げるオークを牽制しろ。

お前の『崩壊者(ホコロブモノ)』が適任だろう。

シャルトと俺はロウの右、ヒナタは左だ!

人を襲ったオークだ、一匹も逃がすな!!」

 

「「「了解」」」

 

3人はすぐに動き出す。

 

「全く、何故私があのような男の援護をしなければならんのだ…!」

 

「文句言ってんじゃないよロウ!

あの若者が鼻につくのはわかるけどね!」

 

シャルトはロウの精神が今までになく不安定な事に不安を覚えるが、今はオークに集中すべきと考え、意識を切り替える。

 

「時間をかけるな、速やかに殲滅するぞ!」

 

バルドの太い声が、オークの悲鳴を掻き消し、森に木霊する。

 

 

 

 

 


 

グチュ!

 

「これで100体っと。」

 

最後のオークが生命活動を停止する。

 

『大体35秒。1秒あたり2.8体。

…渋谷五条より全然遅いな。

こればっかりは肉体のせいじゃねぇ、俺の戦闘経験の少なさが問題だ。

あ〜あ、どっかに俺と対等に戦える程度の強さのやついねぇかな。無理だろうけど。』

 

五条が一人反省会を行っていると、オークの掃討が終わったバルドたちが近づいてくる。

 

「凄まじいな、五条!まさか一人でやっちまうとは!」

 

「何なんですかさっきの速さ!五条さんのユニークスキルによるものですか!?アタシに教えてくださいよ!」

 

「確かさっきは無限…とか言ってたわね。どう応用してるのかしら?」

 

「…チッ。」

 

ロウを除く3人が興奮気味に(ヒナタは分かり難いが)五条を質問攻めにする。

 

「え?あ〜さっきの?スキル使ってないよ?」

 

 

「「「「は!?」」」」

 

 

 

 

 


 

 

「お、見えて来たぞ、五条!

あれがルミナス教の総本山、神聖法皇国ルベリ…

そういやお前目見えてるのか?」

 

…初めっから何も見えないようなグラサンかけてたから失念してたが、コイツって結構おかしいのでは?

 

「おーよゆーよゆー。てか、バルさんが言いかけたルミナス教って何?」

 

「あ゛、教えてなかったか。俺等が聖騎士であるとかは言ってたんだけどな。

まず、ルミナス教ってのは、唯一神ルミナス様を崇拝する宗教だ。

そしてこの国は、ルミナス教の法皇と、『七曜の老師』が治めている。

まぁ後は魔王バレンタイン云々もあるが…」

 

「え?この世界魔王いんのか。

どう?強いの?」

 

「ピンキリだな。俺等でも勝てる魔王もいれば、逆立ちしても勝てなさそうなやつもいる。」

 

なるほど。そりゃいいね。

俺のいい経験値になるかもしれん。

 

「そのまおうって何処n」

「バルド殿、早く慰謝料を払って報告に行きましょう。」

 

「オイ雑魚、人の話遮んじゃねぇよ。てかオマエ俺に謝らなきゃだめだろ。誠意が見えねぇなぁ〜誠意がw」

 

「黙ってください。貴方に口止め料として慰謝料を払ったらそれでこの件は終わりです。くれぐれもそれを忘れないよう。」

 

「へぇ、喧嘩売ってる?

また瞬殺してやんよw」

 

「先程は油断しただけです。冷静さを取り戻した今、私が貴方に負ける道理はありません。」

 

いや冷静に考えて無理だろ。

 

「そこまでにしとけお前ら。もうすぐ着くぞ。」

 

 


入国のチェックを終えると、五条、バルド、ヒナタは真っ先に騎士団本部に来ていた。

 

 

 

 

 

 

バルドが五条に袋を手渡す。

 

「改めて、今日はすまなかったな。ウチのバカが危害を加えようとして。

これは慰謝料と、調査を手伝ってくれた礼だ。受け取ってくれ。」

 

「お、結構ずっしりしてんな。どんくらい入ってんだ?」

 

「…大体五年は遊んで暮らせるくらいね。」

 

ヒナタが答える。

 

「お、そんなに貰えるのか!

こればっかりはロウに感謝だな。」

 

「あー、すまんな、五条。アイツ今シャルトと一緒に今回の調査の報告に行っててな。まぁばつが悪かったんだろうが…

「私は目覚めて直ぐ謝ったので、また謝る必要はないでしょう。」とかほざきよってな。

…アイツはプライドが高くてな、普段はそこまででもないんだが…」

 

「いいよいいよ~てか、ホントにバルさんが謝る事じゃねーし。」

 

五条が袋を持っていない方の手をひらひらさせて応える。

 

「…そうだな、ありがとう。

ところで五条、お前はこれからどうするんだ?異世界から来たばっかだろ、何なら、騎士団に入るか?お前なら一瞬で序列1位になれるだろ。」

 

「やだ。俺は基本自由がいいからな。あー、でも序列かぁ。騎士団に俺より強いやついる?」

 

「今は俺が序列1位だからお前に勝てるやつはいないな!」

 

ガッハッハ、とバルドが笑う。

 

「そんな笑いながら言えることでは無いと思いますよ、バルドさん。」

 

ヒナタが冷静なツッコミを入れる。

 

「でも、騎士団に入らないならどうするの?」

 

「え?まぁなんとかなるでしょ、俺最k「この世界の通貨の単位は?」……」

 

「ハァ、あなたがフリーでいたいならそれを否定はできないけど、それでもこの世界に関する最低限の知識は必要よ?」

 

ぐうの音もでねぇ…

 

「ぐう。」

 

「だったら、異世界人が通う、イングラシアの学校に行ってみたらどうかしら。紹介状も書いてげるわ。」

 

側ではバルドがエネルみたいな顔をしている。

今にも目玉が飛び出そうな程に驚いている。

 

「ブッwハッwww

何でバwルさんそwんな顔www」

 

「い、いや、ヒナタがそんなに他人を気にかける場面は初めて見てな。

俺の印象では、ゴミを見るような目で、

「あなたに興味なんて無いわ。」

とか吐き捨てる人間だと…」

 

「私を何だと思ってるのかしら?」

「あ、スンマセン。」

 

「バルさんビビっててジワるwww」

 

はい皆も想像してみましょ〜う♪

2メートル超えの筋骨隆々のオッサンがエネル顔したと思ったらすぐにスンッ…と真面目な顔になって誠心誠意謝罪する姿www

 

「五条も笑ってないで、行くの?行かないの?」

 

「あー、行かせてもらブッww」

 

ちなみにバルドはまたエネル顔を繰り出した。

 

 

 

 


ルミナス教法皇、ルイの前に、二人の騎士が跪いている。

 

「――、報告は以上になります。法皇猊下。」

 

「…そうか、長期の任務ご苦労。5日間の休みを調査に向かった者に与える。下がってよし。」

 

「「は。」」

 

バタン、という大扉の閉まった音が、二人の騎士が出ていったことを示す。

 

「…」

 

 

法皇ルイが、本来存在しないはずの地下へ通じる階段を降りていく。

そして、下った先には、この国で唯一神とあがめられる少女、ルミナスがいた。

側には執事のような者が控えている。

 

 

・・・・・・・

 

 

「なるほどの。強力な魔物の出現が予想されると…」

 

「しかしルミナス様、あの者共で気づけなかったのであれば、その魔物は少なくとも魔王種、それも高度な知性を持っているものと思われます。」

 

ルイが口を開く。

 

「ふむ……魔物…ルイよ、他に何か報告はなかったのか?」

 

「は…?……確か、ジュラの大森林に転移していた異世界人を保護したそうです。名は五条悟。調査に向かった聖騎士(ホーリーナイト)によれば、「下品な若造」と。」

 

「それだな。」

 

ルミナスが確信を得たような声で反応する。

 

「それが妾が数日前に感じた気配の正体よ。

異世界人というのなら、急に現れたのも合点がいく。

急ぎその者をここに連れて参れ。その者を取り立てるぞ。ルイ、その者が到着したらお前が騎士団、ないし高い立場に勧誘せよ。

ともするとダグリュールに一泡吹かせられるかもしれん。」

 

ルミナスの顔に喜色が浮かぶ。

 

「は。すぐに騎士共に連れてこさせます。」

 

ちなみにルイは知らない。五条悟はこの時点でもうこの国にはいないことに。

 

 

 


 

五条とヒナタは無限の応用で、イングラシア王国まで瞬間移動していた。

 

 

「ここが異世界人の学校、自由学園よ。その紹介状を渡せば、ある程度の面倒は見てもらえるわ。」

 

「ほーん、ありがとヒナタ。てかやばいな、このままじゃヒナタへの借りめっちゃあるじゃん。」

 

「ま、タダより高いものはないものね、この貸し、有効活用させてもらうわよ。

強い人への貸しなんてどれだけあっても困るものはないものね。」

 

ヒナタが笑みを浮かべながら答える。

 

(この笑み、冥さんもよく浮かべてたな。あー怖。)

 

「へいへい、精々こき使われますよ。」

 

「フフ、そうさせてもらうわ。」

 

そう雑談していると、建物の中から一人の人間が出てきた。

 

「お~いヒナタ~!久しぶりだね~!全然顔を出さないからシズ先生も心配してたんだよ?

あれ、そこの隣の人は……まさかあのヒナタに春が!?

 

「そんなわけないでしょう。ジュラの森で保護した異世界人よ。」

「あはは、こりゃ失敬。僕としたことが、早とちりしてしまったみたいだね。」

 

見るからに軽薄な炭〇郎が開口一番ヒナタを煽る。

そこにヒナタがあまり敵意を向けないあたり、この男の軽口にはもう慣れているということだろうか。

 

「あぁごめん五条、この男はこの学校の理事長兼自由組合総帥、ユウキ・カグラザカよ。」

 

「とは言っても、この学園を作ったのはほんの2〜3年くらい前だけどね。」

 

「ほーん、あ、俺は五条悟。呼び方は好きでいいよ〜。」

 

「うん、それなら悟と。

それでヒナタ、今日は何の用かな?君からここに来るのは過去になかったと思うけど。」

 

「あぁ、この人をこの学園に入れたいのよ、最低限の一般教養を覚えるまでね。」

 

ヒナタが五条を指さして応える。

 

「なるほどね。うん、わかったよ。入学手続きはしておくよ。あ、学費は出世払いでいいからね〜。」

 

「てか、これなら紹介状いらなかったな。」

 

「もっと早く転移が使えると教えてくれたら良かったのにね。」

 

五条の独り言に鋭利なカウンターで返すヒナタ。

場には微妙な空気が流れる。

 

「ま、まぁまぁ!あ、そうだ。ヒナタ、久しぶりに先生に会っていくかい?」

 

ユウキが空気を変えようと、話題をわざとらしく逸した。

 

ヒナタの眉がピクリと動く。

 

「いえ、遠慮しておくわ。五条、ルベリオスまで飛ばしてくれる?」

 

「…いいのかい?ヒナタ。」

 

「ええ。そう決めたもの。」

 

ユウキが確認するが、決意は固いようだ。

しかし、

 

「ホントにいいの?ヒナタ。」

 

「ユウキもあなたもしつこ「確かに()にキミの決断に口出しする権利はないよ。」…だったら」

 

「でもねヒナタ、それは呪い(・・)にならないかい?」

 

「…呪い?」

 

「僕も恩師や親友を失った経験はあるけどね、相手を呪いはしなかった。

あの時ああしておけば、なんてのはまだ良い方さ。

でもね、相手を大切に想う気持ちってのは、いつか、何で死んでしまったのか、何で自分を置いていったのか、って相手への呪いに転じる事がある。

相手が殺されたのなら、原因を呪うのは仕方ないことだよ?でもね、自分から大切な相手を呪うようなことはしないほうがいい。誰も幸せにならない。

呪わないコツは、日々後悔なく生きる、だよ。」

 

「だとしてもこればっかりは私の問題よ。忠告は受け取るけど、この決断を曲げる気はないわ。」

 

「…そっか。んじゃ、()はいいや。

ほい、ルベリオスに送るよ〜。」

 

五条は両手をパンと合わせ、座標をイメージしていく。

 

「それじゃあまた今度ね、ユウキ。何か情報が入ったら、また伝えてちょうだい。

あ、五条。あなたへの頼み事はユウキを通してやるから。」

 

「へいへーい。恩はちゃんと返しますよ〜。」

 

「…それじゃ、送ってちょうだい。」

 

バシュ!と音がすると、ヒナタはユウキ達の前から消えていた。

 

 

 

 

「…ちなみに今のはスキル?」

 

「んーまぁそんな感じ。別に今開示するつもりは無いけどね?」

 

探りを入れてきたユウキに五条が飄々とこたえる。

 

「あれ、ちょっと以外だね。大体異世界転移したら力使ってオラオラしてぇ〜、みたいな人が多いのに。特に悟みたいな年齢は。」

 

「そんなガキじゃね〜よ。」

「そうは見えないけど。」

 

「あ゛あ゛ん?」

 

ユウキの割りと的を射たツッコミに五条がピキる。

 

「ま、冗談はさておき。」

 

「冗談で済ますかは俺が決めるからな〜(怒)」

 

そんな五条の口撃をユウキは気にも留めない。

 

「ははは、とりあえず君の担任になる人と顔合わせしようか。」

 

ユウキが五条を先導する様に建物に向かって歩きだす。

 

「へー、どんな人なの?」

 

五条が歩きながらユウキに質問する。

 

「凄腕の冒険者さ。『爆炎の支配者』なんて呼ばれてる。」

 

「厨ニ臭やべぇな。」

 

五条が脊髄反射でツッコミを入れる。

 

「言わないでおいてくれよ、そういうのには目を瞑るのがこの世界の暗黙の了解だからね。しかもこの世界の人はそれがマジでカッコいいと思ってる。」

 

「……マジで?」

 

「マジだよ。よって気にした方の負け。まぁ最初の方は『異世界だから』で無理矢理納得した方が気が楽だよ〜。」

 

ユウキがひらひらと手を振りながら語る。

 

「は〜、まいいや。そういやユウキは何してんの?」

 

「僕に質問してばかりじゃないか。こっちも悟の事知りたいんだけど。

悟、あっちの世界で何してたの?見るからに只者じゃないし。」

 

ユウキが苦笑しながら五条に質問する。

 

「あー、俺?心霊スポット巡り歩いてた。あと高校生。」

 

ちなみに嘘は言っていない。

 

「あはは、やっぱり喋ってはくれないか。

少し用心深すぎないかい?」

 

「俺は今日1人腹黒を感知して煽り倒してきたんだけど、そんな俺の腹黒をセンサーがオマエを結構なロクデナシだと告げてんの。正直何考えてるか分からん。」

 

「ははは、酷いセンサーだなぁ。」

 

五条の辛口にもユウキは声色いとつ変えずに答える。

 

「まぁいいや。…よし、着いたよ。今日からここが悟の教室だ。

あ、ちなみに同級生は居ないよ。

普通、召喚されたけど子供だった場合、ここに引き取られるんだけどね。

ちなみにある程度成長した状態で召喚されたら、召喚した国の軍に入れられるかな。異世界人は総じて強力なユニークスキルを持つからね。

そもそも悟みたいな天然の転移は稀だから、まず同級生は存在しないんだ。」

 

「ほーん、稀なのか俺って。」

 

「うん、僕も天然の転移者と会うのは初めてだよ。

 

…と、シズ先生が来たみたい。」

 

ガラリ、という音を立てて扉が開く。

入ってきたのは見た目は20代後半くらいの美しい女性だ。

女性はユウキと五条に向かって口を開く。

 

「あ、その子が『念話』で言ってた新入生?…大きいね。その年で召喚されたら国に吸収されると思うんだけど…「シズ先生、彼は少し特殊なんですよ。」あ、そう?

なら…ん゛ん゛。

私はこの学園の教師、シズエ・イザワ。よろしくね。」

 

自己紹介をしたシズを、五条はサングラスをずらして見据える。

 

「五条悟だけど…シズ先生でいいのかな?」

 

「うん!よろしくね!五条君!」

 

「シズ先生、このままだと余命10年も無いよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




五条がロウを嫌ってる理由→腹黒そうだから。
ロウが五条を嫌ってる理由→生意気だから。

結論、五条が悪い。

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