黒き狐と星の子   作:狼ルプス

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1話

「………」

 

俺は九十九黎翔(つくもれいと)、平凡な生活を送っている中学一年だが、俺は普通の人には言えない秘密がある。

 

「10回目の生を受けて13年、下手したら今世で千年目は生きるかもな」

 

 

 

 

 

 

そう、俺は今回で十回の転生を繰り返している。肉体はともかく、中身はもう900歳くらいは歳はくっている。その中には…戦乱の世の中を生きたり、魔境の世界を生き抜いたり、時には普通に平凡な生活を過ごしたり、裏で誰にも知れず化け物と戦ったりなど色んな世界を生き抜いてきた。

 

「今世でも、こいつを使う時があるかもな」

 

俺は狐の絵が描かれた丸い形状のコアのような物を見つめる。他にもセットであるが、これは5回目の転生で手にした物だ。それ以降…何故かその次の生まれ変わりからずっとある物だ。

 

どうもこの世界は怪物騒ぎの事件が多い上、メモリ型のデバイスを使った犯罪の増加やその他色々。事件とは関係ないが、とある風の街で都市伝説となっている仮面の戦士の話。この世界にももしかしたら…

 

「……はぁ、色んな世界を生きてきたが…楽できた試しがないな」

 

「ヤッホー、レイくーん!」

 

「…お前、また勝手に…つか毎度言ってるがノックして入れよ」

 

「むぅ〜……私の顔見るなりすっごい嫌な顔するじゃん」

 

突然の入室者に俺は眼の前にいる少女を見てため息が出た。瞳に星を持つ少女の名前は星野アイ。知ってる範囲で言えば、彼女は名前や顔を覚えるのが苦手、関わり始めた当初は何度も名前を間違えるのは当たり前で、家庭環境が普通ではなかった。

 

しかし、何が面白いのか彼女は笑っている。

 

「とまあ、それは置いといて……宿題の答えを見せて!」

 

「さも当たり前のように言ってんじゃないよ。この範囲は前も教えたろ?」

 

そう言うなりアイは慣れた手つきでノートを持っていた。こいつはいつも俺にこうして答えを見せろやら教えてやらよくこうして家にくる。小学生の長期休みの時なんかほぼ一緒に宿題をやったくらいだ。

いや、そうしないとこいつは確実に宿題をしないからだ。けど、今までの人生でこう言った人はいなかったから、不思議と、少しは楽しいと思っている自分もいる。

 

「ほら、早く済ませるぞ」

 

アイは何処か不服そうな顔をしていたがオレのノートの中身を少し内容を教えながら写していくアイ。説明を終え、オレは視線をアイから逸して窓の外を見つめる。

 

 

こんな他愛ない日々が続けばいいと思うが、おそらく簡単にはいかないだろう。転生を繰り返した故か、そんな気がしてならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイ君!」

 

「ん?なんだ?またノート見せろか?」

 

数日後、俺は席で読書をしているとアイに話しかけられた。大体アイの要件はノートを見せろかなんか帰りに奢ってくれの二択だ。

 

「ちがーう!レイ君は私の事なんだと思ってるのさ!」

 

「図々しい女の子」

 

「酷い⁈」

 

いや、こればっかりは思ったことを言っただけだよ。まぁ、俺はいいが、他のやつからしたらいい迷惑だからな、こいつの場合一回だけじゃなくもう数十回もあるから

 

「じゃあなんだよ?二択以外の要件があるのか?」

 

 

「そうなの!私、アイドルやることになりました!」

 

「は?」

 

俺は唐突、アイ謎の宣言をされた。思わず変な声が出たが…冷静になれば言葉が出てくる物だ。

 

「いいんじゃないか?頭はともかく、顔はいいもんなお前」

 

「頭はともかくってひどーい!レイ君そんなこと言ってるとモテないよ?」

 

「いや、モテるモテないの話じゃないだろう」

 

このやりとりは毎日の様に繰り返しているから嫌でも慣れたので適当に受け流す。

 

「(まっ、アイはアイドルに向いていると事には否定はしないけどな…)」

 

お世辞抜きにアイは容姿は良い。アイドルとしては充分なのだが、理由は他にもあり、彼女の嘘を付くレベルの高さだ。その嘘つきのレベルは何が本当か区別が付かなくなる。

 

「(偶にアイツを思い浮かぶんだよなぁ…)」

 

とある人物が浮かびかあるが、そんな彼女がアイドルをやるのだ。アイツほどとはいかないが、やり方を間違えなければ国内で売れることは間違いないだろう。

 

 

「と言うかなんでアイドルになる気になったんだ?怪しい奴とかじゃないんだよなそいつ」

 

「あはは〜、スカウトされて見事に口説かれたんだよね~」

 

「フーン、そう言う事にしておいてやる」

 

最初は勘違いや騙されていて、変な勧誘に乗ってしまったのではないかと少し心配になるが、そう言った相談はないからしっかりした会社からスカウトされたのだろう。

 

「それで、どこの事務所に所属するんだ?」

 

「んーとね、確か…苺プロダクションだったかな?」

 

「えらく単純な名前だな…名刺とか貰わなかったのか?」

 

「そう言えばそんなのもらったようなもらわなかったような…」

 

「いい、後で調べておく。アイドルをやることに関しては本気みたいだし、応援ぐらいはしてやるよ」

 

そう言うと彼女は満面の笑みで返してきた。

 

「本当!なら、レイ君は私のファン一号だね!」

 

「残念だが俺はアイドルには興味ない」

 

「えー、嘘だぁ〜」

 

「その言葉を信じるか信じないかは…お前次第だ」

 

「ぶぅ〜、イジワル!」

 

「はいはいっと…」

 

軽くあしらっていると、そこで予鈴の鐘が鳴る。

 

「あ、次の授業て何だっけ?」

 

「それくらい覚えてろよ。次は英語だ」

 

「え〜、やだなぁ」

 

「嫌でも授業は無くならないよ…」

 

 

授業に対して、人生で数回は口にするような台詞を吐いていると英語の先生が入ってきた。俺の場合転生した世界によっては違う国で産まれていたので英語は完璧に出来るし、授業内容もほぼ復習のようなもので…つまらないと思うことがあるのも悩みだ。

 

 

偶に、俺は生きている意味があるのか?と思うこともある。

 

 

 

 

 

俺はアイツみたいに、誰かを探しているわけではないし、意図して転生を繰り返してるつもりはないし、俺とは違う形で、俺より長いこと生きていた人生で、アンタもこう言う気持ちもあったのか、なぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“浮世英寿(エース)

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