「オラァ!!」
『グゥゥゥゥ!?』
「(なんだ?こいつ、見た目だけでそんなに大したことない?)」
俺はゾンビフォームで使える武器、ゾンビブレイカーを振るいながら怪物斬りつける。
「はぁ!」
『グギャァァッ!!』
「よっと」
ダメージを与え、相手も反撃するが、攻撃も単調で読みやすく攻撃をかわすのも容易い。
「(この戦いの感じ、人間が変身してるならおそらく素人。ジャマトの方がまだ強い。なら、速攻で倒す!)」
これ以上は被害を広げないためにも早く倒す!んでもって目の前の怪物の中身を警察に突き出す!
POISON CHARGE
黎翔は距離を取り、ゾンビブレイカーのデッドリーポンプを上部に移動させ、テリブルチェーンに紫色のエネルギーが纏い、俺はタイミングを見極めインプットリガーを引く。
TACTICAL BREAK!
「ゼアッ!!」
ゾンビブレイカーを振るうと共に紫色の毒々しい斬撃を放つ。
『グアッ!』
「なっ、マジかよ⁈」
確実に当たると思った斬撃は怪物は毒のある斬撃を大きな口を開け捕食してしまった。
「(遠距離の攻撃はほぼ無意味かもな…なら、このまま近接戦に持ち込む!)」
『ガァッ!』
「攻撃が単調なんだよ!」
そのまま俺は近接戦に持ち込み怪人を斬りつける。時には俺を捕食しようとするが、上手く避け、カウンターを与えながら斬りつける。
単純すぎる攻撃だから避けるのは簡単だ。
『グギャ!』
「ふっ!へぇ、お前も武器が使えるのか。けど…あまい!」
怪物は武器らしき物を取り出し、俺に向け振るい、鍔迫り合いとなるが、俺はゾンビブレイカーのテリブルチェーンを高速回転させ相手の武器を両断する。
「悪いな。これ以上は時間をかけるわけにはいかないからな、これで決める!」
REVOLVE ON
俺はドライバーのリボルブアンロックを押した後、リボルブシフターを回転させ、ゾンビの鎧を上半身から下半身に入れ換える。
「ええっ⁈上下入れ替わったぁ⁉︎」
隠れていたアイが思わず声を上げていた。うん、これが普通の反応だよなこれを手にして5度目の人生だが、どういう原理か未だよくわからないし…
『グァァァァァァァァァォォォォォォォォ!!!!!!』
「っと!」
コイツ、崩れた鉄柱を俺に向けて振ってきやがる。俺は避けるがもはやなりふり構わずあたりを破壊しながら振るう。
「ったく、会場をこれ以上メチャクチャにするな!ハァ!」
『グゥ!?』
俺は近くにあった瓦礫の岩を怪物に向け蹴り飛ばし、怪物は口を広げ捕食をしようと構える。瓦礫に集中していたその隙をつき一気に背後に近づいて、思いっきり蹴り上げる。
「こいつで幕引きだ!」
ZOMBIE STRIKE!
ゾンビバックルのウェイキングキーをひねって必殺技を発動。地面から多数の墓石型のエフェクトを発生させてを取り囲む。
「ハァッ!」
怪物が墓標の前に来たタイミングを見極め、足のバーサークローにエネルギーが纏うと、その場で回し蹴りを叩き込み、止めを刺す。
『グゥァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!』
そして、怪物はダメージが限界を迎えたのか、爆発した。するとその場所では怪物変身していたと思われる人が倒れていた。
俺はデザイアドライバーからゾンビバックルを抜き変身を解く。
「ふぅ…(こいつが変身してた怪人の正体か…なんでアイ達を狙っていたんだ?)」
動機はわからないが…会場はメチャクチャ、これは中止を余儀なくされるだろう。俺は取り敢えず怪人に変身していた人を近くにあった紐で縛り上げる。
「よし、後は警察が来るのを待つだけ…ん、何だこれ?」
周辺を見ると、骸骨で巻かれたようなUSBメモリの形をしたデバイスが砕けた状態で落ちていた。
「これ…ニュースで言っていたメモリか?P……何かの頭文字か?」
中にはアルファベットと何か生物が混ざったような形で、『P』と書かれている。
「(……あの怪物の特徴を表すなら、プレデターの【P】って意味なのか)」
取り敢えず考えるのは後だ。今後このメモリについても近いうち調べる必要があるな、ひとまずスパイダーフォンで写真を一枚撮っておく。
「よし、後は…とぉっ⁈な、なんだ?」
突然後ろから衝撃が走り、何かと思い顔を後ろに向けるとアイが俺をガッチリ抱きしめていた。
「………」
「アイ……」
アイの体は震えていた。相当怖い思いをしたのだろう。
当然だ。俺ならまだしも、アイは家庭環境やアイドルを除けば普通の女の子、下手したら本当に死んでいたかもしれない状況だったから…こうなるのも仕方ないだろう。
「……大丈夫か?」
「…うん」
「怪我、してないか?」
「うん。レイが助けてくれたから平気」
「そうか」
今のアイは嘘はついていないのは俺でもわかる。こう言う状態のアイは正直かなり珍しい。
俺はそのまま落ち着くまで安心させるように手を握り、しばらく俺に抱きついていたアイはようやく落ち着き、俺から離れる。
「ライブ会場、メチャクチャになっちゃったね」
「そうだな…おかげでとんだ災難だよ。取り敢えず怪我人と死人もいないみたいだし、なんとかなってよかった」
「ねぇ、こんな時にこんな事聞くのはおかしいと思うけど…私のライブ、どうだった?」
「ん?ああ、すごかったよ。正直驚いた。思わず言葉を失ったくらいだよ」
「ほんと!これでレイは私のファンになってくれたかな?」
「残念だがアイドルに興味ないからファンにはならないよ」
「えー!」
「けど、歌は良かったからCD出たら買うよ」
「ほんと!あ、そう言えば警察は来るのかな?こんな大事になったんだし、来てもおかしくないと思うけど…?」
「避難してる人に呼ぶように頼んだからそろそろ来るんじゃないか?後アイ、俺があの姿になった事は…」
「えー…どうしよっかなぁ〜」
「おい、マジで言うのやめろ。バラされたら俺の人生詰むからな?」
「冗談だよ冗談!」
「くそ、いつもの状態に戻りやがって、お前が言うとマジでバラしそうで怖いんだよな…」
「大丈夫!私は口は堅い方だからね!」
「嘘を吐く達人の間違いじゃないのか?」
けど、いつものアイに戻ったことに少し安堵してる。ほんとに口を滑らせて喋らないことを祈るしかあるまい。
『君達、大丈夫か!?』
「あ………」
「どうやら来たみたいだな」
ようやく警察が到着し、そこから先は彼らの仕事だ。
数時間後………
あの後、俺たちは警察に保護された。それと、今回の騒動を聞きつけたのか、苺プロダクションの社長さんも飛んできたらしい。
ちなみに俺はというと、警察から事情聴取を受けた。当然俺が変身して怪物を倒した事は伏せたが、仮面の戦士が助けてくれて倒してくれたと言ったら、警察の人は納得するように聞いていた。これでわかったが、やはり俺以外の仮面ライダーが存在していると確信した。
普通の警察官がどう考えても対応できる相手ではないし、通常の武器では全く歯が立たない。
一応どうやらアイのアイドルグループも事情聴取を受けたが、アイは俺が仮面ライダーに変身した事はバラさなかったようだ。話してたら俺はまた警察から話を聞かされるハメになる。
取り敢えず俺は一安心した。アイツの嘘はほんとこう言う時には役にたつ。
後、怪人に変身していた犯人はどうやらアイの同じグループの1人のストーカーだったらしく、いつも付けられていたらしく困っていたらしい。その犯人は一度警察から厳重注意を受けていたらしいが、今回のことで逮捕に至り、数年の間は檻の中にいるのは確実だろう。
更に数時間後………
「ああ、疲れた………こんなに長いと思った1日は久しぶりな気がするな」
事情聴取も終わり、ようやく家に帰ることができた。母さん達からもものすごく心配された。俺は夕食と風呂を済ませベットに大の字になりながら倒れる。
「…こんな事件が続くようなら、せめて1人仲間が欲しいな…」
流石にこんな事態が続くのであればせめて同じ仮面ライダーで1人戦力が欲しい。もし、この世界にも何かしらの組織が幾つも存在してるのだとすれば1人で戦うのも限度もある。この世界には俺の他にも仮面ライダーもいる。近い内情報を集めて接触するのもありかもしれない。
「今は考えるのはやめよう。明日ゆっくり考えればいい…」
俺は取り敢えず疲れたので明日に向け寝る。もう少しトレーニングの量を増やした方がいいかもしれない。
翌朝………
ーーチュンチュン
朝日が昇り、スズメの囀りを目覚ましに、彼はゆっくりと瞼を開けた。
「うー…」
どうやら、あの後寝落ちたようだ。寝ぼけながら手を伸ばし、手に掴んだスパイダーフォンを掴み、ぼんやりする視界で画面を見つめると午前6時を過ぎていた。上半身を起こし、カーテンを開け晴れている時は日の光を浴びる。
「さてと、準備するか………ん?」
顔を洗おうと洗面所に向かおうとそう思った時、自分の机の上に見慣れない何かが置いてあった。
俺は目を擦るとそれは目を疑いたくなるものだった。
「こ、この箱⁈」
何故この箱が⁉︎しかも黄色い箱とマゼンタの箱がいくつかあった。
「何故これが…中身はいったい…」
黄色い箱を開けると、そこにはデザイアドライバーと、紫色で牛の絵が描かれた丸いコアのようなものが入っていた。
「これって……バッファのコアID!まさか他は…」
この時、俺はまだ知らなかった。俺がいくつか世界を渡りながら転生して出会った仲間と、形は違うがすぐに再会することになる事に