個人的に物事には動機や理由がある方がスッキリするタイプなので。
秀尽学園に所属している学生が一堂に会して行われている今日のイベント、球技大会は中々白熱している。
休校になっていた期間があるせいで、必要な授業日数を確保する為に、本来なら中止になる予定だったこのイベントは、とある体育教師の熱い要望で開催される事になった。
それに対しての学生達の反応は様々だ。単純に楽しんでいる者、運動が苦手だから中止の方が良かったと言う者、ここぞとばかりに存在感を出して異性にアピールしている者。
内面が四十過ぎの人間からしてみると、学生達が十人十色な過ごし方を見せている事に微笑ましさを感じるが、流石にあの中に混ざってイベントに参加しようとするタイプではないので、人があまり居ない場所に居座って、目立たない様にその様子を眺めていると、俺の近くで手足を投げ出して寝転がっていた竜司がおもむろに身体を起こす。
「ッチ、うっぜーな」
そう呟いた竜司が、教師でチームを組んでまで球技大会に出場し、自分の存在をアピールしている鴨志田を睨み付ける。
いきなり剣吞な雰囲気を出し始めた竜司に驚いた他の生徒達が、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。元々目立たない場所だったから人影は少なかったが、今や俺達以外には誰もいなくなってしまった。
「ちょっと、目立つような事しないでよ」
「最近のあの人、凄くピリピリしてるから目を付けられると大変だよ?」
俺の近くに座って雑談していた杏と志帆が、苛立ちを隠そうともしない竜司を窘める。
窘めるような二人の言葉に思うところがあったのか、二人に小さく謝罪してから、鴨志田を視界に入れないようにまた寝転がる竜司。
まあ、怨敵認定している鴨志田が、奴の本性を知らない生徒たちに持て囃されている光景を見せられては、そうボヤいてしまう気持ちも分からなくはない。
「分かってるけどさ。あのヤローが生き生きとしてるのを見ると、どうにも腹立ってきてよ」
球技大会に参加している鴨志田は、男性教諭の中でもガタイが良い他の運動部の顧問をしているメンツを集めたチームを作り、男子高校生の寄せ集めチームを完全に圧倒していて、此処までのどの対戦でも大差をつけて勝ち続けている。
普段の体育の授業や部活の指導時よりも明らかに生き生きとしながら学生達に自分との力の差を見せつけているその姿を、カッコイイと見るか大人げないと軽蔑するか、はたまた過去の栄光に縋り付いていると嘲笑するかは人に寄るだろうが。
「しかし、あの姿を見てると思うんだが鴨志田はあんなに目立ちたがりなのに、なぜ教師になったんだろうな」
「はん。どうせ上の立場から子供をいびりたいからとかじゃねーの」
竜司のセリフも間違いではないだろう。パレス内での出来事からも分かるが、鴨志田は弱者を虐げる事に悦楽を見出している。そういう気質があるのは間違いない。
だが、それだけではない。パレスやシャドウの感じからして目立ちたいというか、誰からも崇拝される存在になることに執着している部分の方が、あのパレスの根幹になっていると思えるのだ。
そして、オリンピックのメダリストという実績があれば、選手やコーチとして尊敬される存在になる事も可能な筈なのに、その選択肢を取っていないのが引っかかる。
「オリンピックで活躍した鴨志田以外の選手は有名なチームに引き抜かれてたり、大企業でコーチをやったり、愛されキャラが功を奏してタレントになっている人もいるのにか?」
鴨志田の背景を洗う際に、奴と交友関係にあった人間の事はある程度調べている。
オリンピックに出場した時のチームメンバーとの現在の交流や当時の関係性と彼らの現在の状況。当時の監督やコーチとの関係性も漏れなく調べているが、大体の人間は成功を掴むか、身の丈に合った順風満帆な人生を送っている。
「あいつだって学園のバレー部を全国に導いてるって意味では有名じゃない?」
「だが、それで有名になるのは学園の名前だ。監督だかコーチだかの名声は、そんなに広まりはしないんじゃないか?」
「確かに。私もバレー部が強豪だからって聞いて進学先の選択肢にしたけど、監督とかコーチの事は調べなかったかも」
世界の強豪を相手に戦ったチームメンバーだけが有名になり、チームのエースで得点源として活躍した男が誰にも惜しまれず、当時は陸上部が有名な進学校だった学園の一教師になっている。
そして気になるのは、オリンピックでの優勝後、チームメイト達は誰一人として鴨志田と連絡を取り合っていないという点だ。それは、彼らと鴨志田の関係性が、そんなにあっさりと切れてしまうレベルの物だったということでもある。
鴨志田の欲望が歪んだ原因はその辺にありそうだが……理由や原因を一々追求する程でもないか。
「なんにせよ、やる事に変わりはないしな」
どんな理由があったとしても、人が死にかけている以上あのパレスを放置する訳にはいかないし、パレスに人を引き摺り込んで蛮行を働こうとした鴨志田のシャドウも見逃せない。
そして何より、自由に行動する悪魔を放置したらどうなるかというのは、これまでの経験で痛いほど理解しているから今だパレスに潜んでいるアスモデウスに好き勝手させるわけにはいかない。
「メメントスで医薬品の効果も確認出来たし、そろそろ動くか」
武見医院で購入した医薬品は、認知異界の中で不思議なほど高い効果を発揮してくれた。
薬事法的には問題ない成分の普通の薬なのだが、認知異界で使うと深い切り傷や火傷なんかも瞬く間に癒してくれる優れものになるのだから凄く助かっている。
あれだけ効果があるなら、薬のバリエーションを増やして欲しいな。異常状態を回復するタイプとか……治験に協力してくれればラインナップを増やすかも、とも言っていたから暇がある時は治験に協力するか。
そんな風に雑談したり、今後の怪盗団の計画を話していると、ワッと教師チームと俺と杏が所属しているクラスが試合をしていたコートが沸き立つ。
「なんだ?」
声に釣られてコートの方を見ると、なにやら人が集まっているのが見える。
「ッチ……大丈夫か、三島!」
霊能者になったことで強化されていなければ聞こえないほど、小さな舌打ちをした鴨志田が、倒れた三島に駆け寄る。
どうやら、鴨志田が放ったボールが三島の顔面に当たってしまったようで、三島は鼻血を流しながらコートに蹲っている。
「だれか、三島に付き添って保健室まで連れて行ってやれ!」
鴨志田がそういうと、別のクラスのバレー部員っぽい男子生徒が三島に肩を貸して体育館から出て行く。
倒れた奴を助け起こすのが上手いな。倒れていた三島も直ぐに立ち上がって保健室に向かっていたし、どことなく慣れた行動という感じだ。恐らくは、いつも部活で同じ様なことが起きているから手慣れているのだろう。
「さあ、アクシデントはあったが、続きといこう!」
自分のせいで学生に怪我を負わせてもお構いなしか。
周囲から恐怖の感情を向けられていても気にする素振りもない。あれだけ大事にしていた外面よりも、自分の悦楽を追い求めようとし始めているように見える。
「いや、お前が怪我させたんなら、お前が保健室まで連れて行けよ。それでも教師か」
つい口から出てしまった文句が聞こえていたわけではないだろうが、不意に鴨志田がこちらを向き、否応なしに鴨志田と目が合ってしまう。
俺の近くに杏と志帆、そして竜司が居る事に気付いた鴨志田の表情が、苦虫を噛み潰したような表情になる。
いけ好かないガキどもが、寵愛を向けてやっている女性のそばにいるのが気に食わないって感じか。
そして、暫くこっちを睨み付けていた鴨志田の表情が、欠員の出た対戦相手のチームを見た途端、ニヤニヤとした下卑たニヤケ面に変わる。
「雨宮、三島の代わりに参加しろ」
……成る程。あのニヤケ面は、偶々目に入った問題児を晒し物にしようと考えたからって所か。
(妙に短絡的だな……いや、鴨志田の性格が元々あんなもんだった可能性もあるか)
シャドウがアスモデウスに影響されているのか、それともアスモデウスがパレスに憑りついていることで、鴨志田の精神に異常が起きているのかは分からないが、今までそれなりに取り繕っていた外面が剝がれ始めているのは、間違いないだろう。
あのまま放置すると、他の人間に被害が及ぶかもしれん。
特に、部活で常に鴨志田から虐待紛いの行為をされているバレーボール部辺りは確実に被害を受ける。流石にそれは見過ごせない。
それに、これはある意味ではチャンスだ。鴨志田の得意分野で圧勝して奴からのヘイトを俺が集めておけば、他の人間への被害を減らす事に繋がるし、何より合法的に奴の行動に制限を設けることも出来る。
「手早く片付けるか」
本当はこういう事は、あまりやるべきではないが、事情が事情だ。
デビルサマナーとしての身体能力をフル活用して、完膚なきまでに叩きのめしておこう。
「蓮!」
自分を呼ぶ声に振り向くと、俺に向かって拳を突き出している竜司と杏、志帆の姿が目に入る。
「「「ガツンとやっちまえ(やっちゃって)!」」」
仲間達からの後押しに、自然と零れた微笑みを返す。
三人とも俺がどの位の身体能力を有しているかを知っているから、万が一にも負けることはないと思っているようだ。
「期待には応えないとな」
三島が抜けて五人になっていた自分のクラスのチームが居る側のコートに入り、チームメンバーを見渡す。
クラスメイトの中でも線が細く、お世辞にも運動が得意という感じではない。しかも、突然チームに混ざってきた前科持ちが怖いのか、かなり怯えているようでもある。
……いや、これはどちらかというと、鴨志田のスパイクでぶっ倒れた三島の二の舞いに、これから自分がなるんじゃないかと怖がっているのか。
「行くぞ!」
こちら側の事情を全く考慮しない鴨志田から放たれたサーブボールを、咄嗟に両手を前に出して前腕でレシーブし、名前も把握していないクラスメイトに目配せしてトスを上げてもらう。
あまりバレーボールに慣れていないのか、それとも恐怖で手元が狂ったのか想定よりもだいぶ高く上がったボールを追いかけて、普通の人間が実行可能な範疇で飛び上がりボールを打ち出す準備をする。
「この私に挑戦するとは、チャレンジャーだな、雨宮!」
苛立ちと嘲笑が入り混じった表情をする鴨志田。
それに構うことなく、鴨志田がレシーブ出来る範囲に、身体能力にモノを言わせてボールを叩き落とす。
しっかりと空気が入っているにも関わらず、その形を大きくひしゃげさせる程のインパクトで放たれたバレーボールは、レシーブの構えを取っていた鴨志田の両腕をあっさりと弾き飛ばし、問答無用でコートに叩き付けられる。
「まず、一点」
一瞬の静寂の後、俺の素性をよく知らない他学年の生徒達が喝采をあげる。
どうにも圧倒的な勝利を収めていた教師チームを良く思っていなかった人間は多かったようで、なんなら一矢報いた俺達に声援を送る奴もいる。
それに、24対0という完封試合間近な状態を阻止してあっさりと点を返したのが劇的に映ったようで、観客のボルテージも上がっている。
その声援を受けたクラスメイト達も段々と気分が高揚して来たのか、さっきの怯え具合はどうしたのか、鴨志田に一矢報いた俺に対して指示を仰いで来る。
いや、俺は別にバレーボールが上手いわけじゃなくて、ただ単に身体能力でのゴリ押ししか出来ないから、作戦とか聞かれても困るんだが。
「調子に乗るなよ……!」
地を這う様な怨嗟の声が相対している鴨志田から聞こえてくる。自分から引き入れたクセに、自分の得意な競技で他人が活躍するのがよっぽど気に入らないらしい。
というか、調子に乗るな、はこっちのセリフだ。
ぐうの音も出せなくなるくらいに、圧勝してやるよ。
球技大会で見事に優勝を勝ち取ったその日の放課後。
鴨志田率いる教師チームを見事に打倒し、そのままの勢いで優勝を掻っ攫ったことで一躍有名になったクラスメイト達や、イベント事で浮足立っている学生達が三々五々に解散していくのを尻目に、俺は一人で図書室に来ていた。
ついさっきまで此処に居た図書委員は、俺の噂を知っていたらしく、前科持ちと二人きりになるのが嫌なようでそそくさと席を外してしまったので、広い図書室には俺と鞄に入っているモルガナしかいない。
「なんだってまた、態々今日、本なんか読みに来たんだ?」
「折角早めに学校が終わったんだ。時間のある内に仲間のペルソナに纏わる伝承や物語を知っておきたくてな」
悪魔と交渉をする時はその悪魔が持つ伝承や物語からこちらの有利になりそうな情報を引き出す為に、色んな神話や逸話を本で読んでいた。
その習慣が染み付いてしまったのか、仲間になった人間のペルソナも直ぐに知っておきたくなる性格になってしまったのが、今ここにいる理由だ。
それに、イベントの後なら人も少ないだろうから、読書に集中出来るという理由もある。
まあ、既に借りているから自宅に持って帰って読んでもいいのだが。
仲間達のペルソナのモチーフになった物語を読んでいると、不意に読んでいた本に影が掛かり、誰かが俺の正面に立っていることに気付く。
「ここ、空いてる?」
「席なら、他も空いてると思いますが」
鈴を転がすような綺麗な声に反応して顔を上げると、俺の目の前に意思の強そうな赤い瞳とブラウンのショートカットをした美少女が立っていた。
見知らぬ人間に怪訝な表情をした俺に対して、彼女は構わず続ける。
「私はこの学校の生徒会長をしている、『新島真』です。君に言っておきたいことがあるの」
「転校してきたばかりの俺に、どんな用事ですか?」
俺にそう言われた生徒会長さんは、俺がテーブルに拡げていた本の題名に視線を彷徨わせた後、言い辛そうに口を開く。
「鴨志田先生、今日の球技大会で無茶しすぎたみたいで腕に打撲傷が出来たそうよ」
「……へえ」
さもありなん。
鴨志田が意固地になって俺が打ったスパイクを毎回レシーブしようとしていたから、フルパワーには程遠いとは言え、ボールが爆散しないギリギリのパワーでスパイクを打ちまくってやったのが原因だろう。
パレスの件を片付けるまで、バレー部の連中にパワハラやセクハラが出来なくなるように、鴨志田に向かって打つときはボールにマガツヒを込めて、合法的に奴の腕にダメージを与えてやったのだが、打撲程度ですんだのか。
最低でも骨に皹が入る位にはしたつもりだったが。
「貴方と鴨志田先生に因縁があって、その、鴨志田先生が、貴方の噂を流していた事も知っています。だけど、余り鴨志田先生を刺激するような事はしない方がいいわ。貴方も学校をちゃんと卒業したいでしょ?」
この生徒会長さん、まさか鴨志田かあの校長の指示で俺に釘でも刺しに来たのか?
まあ、わざわざそんな事をしに来たというなら、彼女にも何か得があるのだろう。
……教師から保証されて嬉しい物か。テストの点、は無理だろうし内申点とかか?
「……あー」
まあ、普通の学生なら内申点とかは気にするか。俺も前世では内申点が悪くならないように気を配ってたし、普通は前科持ちの不良より実績のある教師や立場が上の校長とかの機嫌を窺うのは当然と言えば当然だしな。
「どうなの?」
「あ、はい。すみません。以後気を付けます」
このタイミングで荒波立てて目を付けられたりしたら、予告状を出す時の邪魔になるかもしれないし、反発しない方が賢明か。
それにどうせ、パレスの件が片付いたら鴨志田が今までにやってきた、パワハラに体罰にセクハラといった諸々の罪の証拠をヤタガラス経由で然るべき機関に告発する予定だから、ほぼ間違い無く鴨志田は逮捕されるし、校長も一生徒の事なんかに構ってられなくなる。
それまでの辛抱だ。
「そう。良かったわ……やっぱり噂なんてあてにならないわね。ちゃんと私の忠告を受け入れてくれる分、無茶なこと言う先生方より、ずっとマシだわ」
ため息交じりのその言葉には疲れ切った中間管理職の様な悲哀が込められていた。
大してこの学園に詳しいわけではないが、教師陣も相当に濃い輩が居るから、その辺からも無茶振りをされていたのだろうか。
「生徒会長っていうのも色々と大変そうですね」
「本当よ、もう。だから今回は先回りして問題を起こさないように、と忠告しに来たのよ。貴方だって好きで鴨志田先生に因縁を付けられているわけではないでしょう?」
なんだ、鴨志田や校長からの指示じゃないのか。というか、さっきの忠告も善意からの言葉なのか。
言い方がアレなせいで、教師陣からの回し者なのかと思ったが、どうやら彼女は道理と正しさを重んじるタイプらしい。
そんなこんなで、何となく気が合った事もあって世間話をしていると、テーブルに置いていたスマホが振動する。
生徒会長から眼を逸らしてスマホの通知を見ると、『本部に戻ってこい』と端的な一文が書かれている。
差出人はキョウジか。アイツがわざわざ連絡してくるという事は、この間捕まえたダークサマナーの件に何か進展があったという事だろう。取り敢えず根願寺に向かうか。
「申し訳ないですが、友達が呼んでるので失礼します」
「ええ。じゃあ、
生徒会長の何処となく含みのある言い方が気になったが、事前に借りていた四冊の本を手早く纏めてモルガナ入りの鞄に詰めて、席を立つ。
キョウジを待たせると面倒な事になる。さっさと本部に戻ろう。
「『アルセーヌ・ルパン』、『怪傑ゾロ』、『キャプテン・キッドの生涯』、『カルメン』ね。統一性のないラインナップなのが気になるわ。何か意味があるのかしら」
蓮が居なくなったことで放課後の図書室に一人残された真は、大事にしている自分の手帳から一枚の写真を取り出す。
どんな状況で撮られた物かは分からないが、ピンボケが酷いその写真には、一人の人間が写っていることが分かる。
その人物は学生服のような服を着ていて、明らかに銃刀法違反である長さの刀身を持つ刀と拳銃を片手に、虚空を睨み付ける鋭い目つきの小学校低学年程の年齢に見える少年の姿が。
「やっぱり、似てる」
この写真は、六年程前に起きていた連続猟奇殺人とテロリズムにまつわる事件の捜査応援に向かい、帰らぬ人になってしまった真の父親が残した形見でもある。
そして、その写真の裏側には、父親の荒い筆跡で書かれた『カラス』と『ライドウ』という文字。
被害者の遺族でもある真にすら事件の詳細や経緯が何も開示されず、ただ被疑者死亡で書類送検となった事件。真の姉である冴が検事を目指し、上に昇って権力を得る事を目標にするようにもなったキッカケでもある。
今日の球技大会で偶々見かけた少年が、父親の死に関係しているとは真自身も思ってはいない。
ただ、あの雨宮蓮という少年が一瞬だけ写真に写っている人物と同じような鋭い目つきをしていた事に気付いた時から、真の中には、何か言葉に出来ない確信のようなものがあった。
理屈抜きで何となく感じたのだ。『彼は、何かを知っている』という確信を。
「勘違いかもしれないけど、調べる価値はあるわ」
検事として活躍している姉ですらなんの情報も掴めていない事件の真相を、ただの学生でしかない真が究明出来る訳がない事は真自身も分かっている。
だが、ただ何となく、そうしなければならないという確信にも似た感情に従って、真は動き出す。
彼女が持っているスマホの画面に浮かび上がった、
それっぽい言い訳で蓮の事を探った時、アイデアロールに成功した真は奇妙な直感とイセカイナビを得ます。
ちなみに、鴨志田とのバレーボール対決は、ハンター×ハンターのレイザー戦みたいな状態だったようです。
なんだか、鴨志田が妙に強いなぁ。不思議ですねぇ。