一人だけ和風なキャラデザのペルソナとか武器が刀とか声優がもろライドウだったりとかで。
なんなら、初期案では祐介をライドウにするつもりでした。
第三十話
渋谷駅のロータリーに堂々と駐められた複数の大型トラック。そのトラックの中に設置されたモニターから流れる深夜のニュースを眺める。
日付を跨いだ直後という時間帯といえど、普段ならそれなり以上に人影がある筈の渋谷駅は、政府とヤタガラスが協力して行った封鎖によって人っ子一人いない。
通常ならヤタガラスの強権を以てしても簡単には出来ない駅の封鎖を行えているのには、それ相応の理由がある。
今回、こんな真夜中に完全武装で渋谷駅にまで赴いているのはそれが理由だ。
『それでは次のニュースです。五輪金メダリストの鴨志田卓容疑者の逮捕に関して……』
モニターに映し出されたニュースキャスターは理路整然とした口調で手元の資料を読み上げ、その内容に対してコメンテーター達が各々の持論を展開している。
いま話題に上がっている鴨志田の逮捕自体は、世間一般的によくある有名人の不祥事でしかないのだが、今回の件は事態が収束して人々の話題に上がらなくなるまでに相応の時間がかかるだろう。
「解決までのプロセスとして必要な事だったとはいえ、こうも色んな所が食いついて来るのは予想外だったな」
鴨志田の逮捕は自首であった事と、
だが秀尽学園の生徒が街頭インタビューで『鴨志田宛ての予告状』の存在を喋ってしまった事で、想定以上の人間がこの事件に関心を持ち、首を突っ込んできたことで想定を遥かに超えた注目が集まってしまった。
鴨志田が自首する前に突如として学校中に貼り付けられた不可解な内容の予告状。
痕跡を残さない為に悪魔を使役して大量の予告状をたった一晩で学園の至る所に貼り付けられていたという、一種の怪現象。
しかも、人によっては『例の動画』を見ることが出来て、その動画に出ていたのが逮捕された鴨志田と秀尽学園の生徒だと判明してしまえばどうなるかなど火を見るよりも明らかだ。
「今後はオタカラを出現させる方法もよく考えないとだな。毎度こんな騒ぎにされてはかなわん」
結果的に陰謀論者、オカルトマニア、犯罪心理学者に推理小説家。それに加えてSNSのインフルエンサーや人気の動画配信者が話題にしてしまい、多くの人間がこの事件の不可解さを知ることになってしまった。
現に今も視聴率の為に集められたなんちゃって専門家達と、犯罪行為への造詣が浅いタレント達が的外れな激論を交し始めている始末だ。
溜め息を一つこぼし、モニターの電源を切って立ち上がる。
今回の件に関してはヤタガラスのサイバー対策チームがSNSや掲示板の書き込みをコントロールして活動を沈静化させようとしている。
それに加えてテレビ局に影響力のある人間に圧力をかけて揉み消そうとしているものの、個人が気軽に情報発信出来る様になった現代では、劇的な効果が直ぐに現れるかは微妙な所か。
「情報社会というのも良し悪しだな」
この件のせいでヤタガラスや怪盗団の行動に今すぐ何か支障が発生する訳ではない。
だが、裏の事情を知らない側の警察は状況的に秀尽学園内部にこの予告状をばら撒いた人間がいると見て捜査を進めているらしく、証拠品として回収された予告状が科捜研に送られて色々と調査されているらしい。
あの予告状は警察の捜査方法を熟知した直斗さんの協力のもと作った物なので、そこから怪盗団のメンバーに辿り着くことはそう容易くは出来ないだろう。
とはいえ、今後もパレスを片付ける度に予告状を出す必要があるとすると、何かしらの対策は必要だろう。
「ライドウ様、時間です」
「ああ。分かった」
そんな事を考えているとコンテナの扉が開き、コンテナ内を覗き込んできた完全武装した真琴さんに促されて外に出る。
「こうして見ると本当に怪しい集団だな」
コンテナの外に出た俺の目に最初に映ったのは、思い思いの装備で武装した百人前後の武装集団の姿だ。
黒をベースとした戦闘服に身を包み、重火器や刀に槍に大斧にとバリエーション豊かな近接武器を装備した人間が集まっていた。
彼らの立ち姿や振る舞いを見るだけでも、全員が洗練された暴力を備えた実力者だというのがハッキリと分かる。
「全員揃ったな」
俺がコンテナから出て来た時点で、それまで談笑したり武装の最終確認をしていた黒ずくめの連中が一糸乱れぬ機敏な動作で
存在感だけで妙な圧力を放っている彼らの横を通り、今回の作戦に動員されたメンバー全員が見える位置に移動する。
「先ずは、集まってくれた皆に感謝を。作戦概要は事前に伝えた通りだが、メメントスの性質上、全員が同じ場所で戦える保証はない」
この世界に転生して悪魔の存在を知り、ライドウとして悪魔絡みの事件に関わるようになってから俺がまず行ったのは、自分が知っているアトラス系列の登場人物達の捜索と監視だ。
当初はヤタガラスが組織として弱体化していたせいで発見が間に合わず、シド・デイビスや氷川といった要注意人物の動向を掴めず、カテドラル建造や東京受胎という未曾有の災害に繋がる出来事を完全に阻止する事が出来なかった。
だが、ここ数年で大きく力を増したヤタガラスの影響力もあり、今では物語上で悪事を働いていた連中以外にも怪しい人物達も監視出来る様になった。
「だが、俺はここに集まってくれた皆の力を信じている」
そしてその副産物というか、ある意味では必然であったのかもしれないが、悪役として描かれた人物がこの世界に実在しているという事はその逆も有り得るという事だ。
「皆の力があれば、悪魔達がメメントスへ大移動した事によって跳ね上がった渋谷駅周辺の
今この場には、
とは言え、どうにも俺が知っている登場人物全員がこの世界に存在していると言う訳ではないようで、人修羅になる筈だった少年は友人の新田勇と共に普通の人間として大学生生活を謳歌しているし、セプテントリオンと死闘を繰り広げる運命にあった少年はそもそもこの世界に存在してなかったりと色々と違いがある。
「ライドウ様。作戦概要にはGP抑制の為の掃討とありましたが、具体的な討伐目標数はあるのでしょうか」
そう言ったのは、基本的に黒ずくめで統一されている面々の中で
腰に届くまでの長さがある茶髪と薄紫色のカラーリングで統一された装備を纏ったその女性の正体は、世界が違えば『ヨスガ』を世界のコトワリにする為に人修羅と敵対する事もある――橘千晶だ。
何の因果か幼馴染達は持っていなかった悪魔を使役する力を彼女だけが所持しており、マヨナカテレビが発生したのと同時に起きたミニ・東京受胎とそれにまつわる魔人との邂逅で彼女の力は目覚めてしまった。
だが、この世界の東京受胎は不完全に終わり、魔人どもも殴り倒して元居た場所に送り返した。
結果的にではあるが、ゲームの様に劣悪な環境に置かれていない為、思想が先鋭化して力によって完璧に統制された『ヨスガ』のコトワリを選ぶような事にはならない筈だとは頭では分かっていた。
だけど、千晶がゴズテンノウを仲魔にしたという情報を初めて聞いた時は、色んな意味で冷や冷やしたものだ。
「到達できる階層の悪魔は一体たりとも逃さず殲滅しろ。少しでもGPを下げる」
「承知致しました。微力を尽くします」
俺の回答を聞いた、俺の前世の記憶の中にある彼女の姿よりも成長した姿の千晶が確かに頷き、自分が率いる事となっている班員達に気さくに話しかけているのは違和感が凄い。
まあ、ゲームの中の彼女と、この世界で生きている彼女では違う部分が出てくるのも当然ではあるのだが。
ちなみに、今回の作戦に怪盗団のメンバーは連れてきていない。
事前の偵察で出現する悪魔とシャドウをアナライズした所、シャドウは平均してレベル二十もないのに、悪魔達の平均レベルが七十もあると判明しているからだ。
流石に今の怪盗団の手には余る。
この現象は恐らく、認知異界で人間との合一を狙った強大な悪魔達が国内外からこの渋谷駅にやってきてメメントスに巣食っているからだ。
その影響でGPは爆上がりして、渋谷に魔界直通のゲートが開きかけている為、色々な場所に派遣していた精鋭部隊をかき集めてメメントス浄化作戦を行う事になったのだ。
「よし。それではこれより、ドキ☆ドキ☆ メメントス浄化ピクニック~(悪魔の首が)ポロリもあるよ~を開始する!!」
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『ハハハ! 人間共よ、我が闇に沈むがいい!』
死人の様に青白い肌に白髪。コウモリの様な皮膜を持つ羽と特徴的な鋭く尖った犬歯は対峙する目の前の存在が何者なのかを顕著に示している。
吸血した人間をゾンビに変え、蝙蝠や狼に変身する能力を持ったこの吸血鬼は、スロベニアを中心に南ヨーロッパを荒らしまわっており、現地の異能者もヨーロッパに派遣されていたヤタガラス人員も対処に苦労していた。
Lv.75 幽鬼:クドラク
クドラクはスラブ人の伝承に伝わる吸血鬼ハンターの物語に出て来る怪物だ。
基本的にクルスニクという吸血鬼ハンターと敵対しており、伝承ではなんやかんやと手順を踏まないと倒せず、不適切な手順で倒した場合更に強大な力を得て復活する能力があるとされている強敵である。
強敵であるのだが……
「一番、
夜の闇を切り裂くような純白の刃が雷光の瞬きの様に突き出され、クドラクの羽に大きな風穴を開ける。
圧倒的な実力差を感じ取れているはずなのに、麗しい女性である琴音さんに眼が眩んだクドラクが、俺たちがいる方向に飛んできたのが彼の運の尽きだった。
「二番、
最上級の霊刀を悠さんが固く握りしめると、自動的に刀に退魔の雷が付与され、それを見たクドラクが明らかに怯む。
カジャ系のバフ魔法によって強化された身体能力に物を言わせて、大上段の構えを維持したまま、悠さんがクドラクに急接近。クドラクの反射神経を完全に上回る速度で振り下ろされた刃が爆発的に広がる雷撃とソニックブームすら発生させる斬撃となり、クドラクの身体の大半を消し飛ばす。
「三番、
アエーシュマとの戦いで折れてしまった愛刀が打ち直し終わるまでの代用品として持ってきた大振りのコンバットナイフを、妙な不死性を発揮して身体を修復させたクドラクの左胸に突き刺し、メメントスの壁に叩き付ける。
『なんなんだ、お前たちは!? なんだこれは!? 一体どうすればいいのだ!!』
「じゃあな。『殺風激』」
クドラクの左胸に突き刺さったコンバットナイフを起点として突風が発生する。
身体の内部で台風並みの荒れ狂う風を発生させられたクドラクは、肉体が粉微塵になり、今度こそマガツヒとなって空間に解けていく。
やはり、伝承の様な不死性はなかったらしい。ヨーロッパで活動していた時はついさっき発揮した再生能力を不死性だと嘯いていたのだろう。
「これは酷い」
「あれ、確か最近までヨーロッパで大暴れしてた吸血鬼じゃなかったっけ?」
「流石に同情する」
マガツヒになって消えてくクドラクを見た、偶然同じ地点に来ることが出来た他の部隊のデビルバスター達がそんなことを言っているのが聞こえてくる。
ヨーロッパのエクソシストやヴァンパイアハンター達が長年倒し切れずにいたクドラクが瞬殺されたのを見ればそんな反応になるのも仕方ないかもしれないが、これからドンドンそんな場面を見ることになるんだ。
こんなとこで呆けている場合じゃないぞ。
「ほら、ボケっとしてないでドンドン進むぞ。」
以前までは決して開かなかったメメントスの更に地下に降りる為の扉が、何らかの理由で開いた事によって以前に比べて探索範囲が格段に上がってしまっている。
GPを減少させる為にも、ぼさっとしている暇はない。
各種物語の登場人物がこの世界にいる割合はマチマチです。
ペルソナは全員いてゲームと同じ様に力も持っています。
女神転生とデビサマは全員いますが力を持ってなかったりします
デビサバ、デビチル、キャサリンとかはそもそもその人が存在してなかったりって感じです。
因みに、この世界にいる甲斐刹那とライドウが異世界転移して遭遇した甲斐セツナは別人です。
アニメ版とボンボン版ぐらい違います。